Panzerjager I

Last-modified: 2017-05-10 (水) 14:18:16

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似た者同士

 
 

車体概要

・あのドイツのTier2TD!
・単発火力と防御力の両立Jagdpanzer E 100(100駆)を目指すのも一撃必殺砲を持つWTF E 100を目指すのもどっちもグー!

強いところ

・砲の精度がいい
・装填速度が速い
・通信範囲が大きい
・隠蔽率が高い
・視界範囲も広い
・砲の貫通力が高い
・機動力が高い

弱いところ

・装甲が薄い
・単発火力が低い
・射角が狭い
・車高が高い

You Are (Not) Alone.

彼はこのWoTの世界に颯爽と現れた。
そう、彼の名はパンツァーイェーガー・アインス、英語で書くとPanzerjager Iだ。
彼はWoT学園でいうと2年生、だが彼は学園には通っていない。
毎日タンクアカデミーというエリートタンカーを生み出すWoT界でもトップの実績を誇る学校で毎日実践を積んでいた。
実はあのlolからPanzerjagar Iになったのもこの学校での訓練があったからのなのだ。
その時の訓練は厳しいといったもんじゃなかった…。

 

~Tier1~
彼は自分の親を知らない。
知りたいのに知ることができないのだ。

彼はヒメルズドルフというWoT界でも有数の都市部で生まれてきた。
しかし、彼の誕生は決して祝福されるものではなかった。
というのは、彼は当時「不治の病」と言われていたある病気にかかっていたからだ。
母体から産まれてきたとき、一瞬にして病院内が凍り付いたという。
なんと、普通なら首は車体の前についているはずなのに、生まれてきた子は車体の後ろについていたのだ。
この病気をドイツではWFN症候群(Bちゃんのページでおなじみ)と呼ばれ、患者は「連合国軍からの使者」と大変な差別を受けていたのだ。
そのことにショックを受けた母親は半狂乱になり、出産直後に心拍数(WoT界でいうPing値)が急上昇し、突発性ラグ症になり、フリーズしてしまったという。
このことに憤りを覚えた父親は自身の息子を捨てることを決意した。
父親は病院の外をすぐに見た。
Tiger I達が必死に豚飯をするが、無残に爆散していく姿が見える。
連合国軍のT29の仕業である。
「このまま外に出すのは危ないか…。」
父親は病院から出ると戦火を避けながら、何とか安全そうな所へ来た。
「ここなら安全か…。」
どうやらここはムロヴァンカという所らしい。
とても閑静で、平和そうだった。
彼は「マジカルフォレスト」という謎の森林においてかれた。
きっと、子供が食料に困らないように、そして、仮に連合国軍が来ても簡単に見つからないようにという父親の最後の愛情がここを選ばせたのだろう。
「さよなら…、達者でな…。」
最後に見送ってくれた父親の笑顔が頭に残っている気がする。

かれは長い間一人で孤独に暮らしてきた。
誰もいない静かな森の中で。
しかし、案外にも彼は寂しくなかったという。
きっとこれが普通の生活になってしまったのだろう。
彼は母親を知らない。
彼は父親を知らない。
彼は兄弟を知らない。
彼は他人を知らない。
彼は愛情を知らない。


そして、
彼は、
悲しみさえ知らなかった。

(沈黙)

父親は願っていた。
息子が平和に暮らせるようにと。
始めは続いていた。
枢軸国軍が順調に連合国軍を攻め込んでいたからだろう。

そんな中、一つのニュースが父の耳に飛び込んできた。

ーッザァーッ、ザザァーッ、臨時ニュースです。臨時ニュースです。
本日明朝未明、連合国軍の空爆及び植民地上陸が確認されました。
以下、侵攻されている地域をお伝えいたします。
カレリア、山岳路、ノースウエ…

始めは父親も何も気にせずにいつものように聞き流していた。
しかし、父親は最も聞きたくなかった単語を聞いてしまった。

たまえ山、ムロヴァンカ。

冷淡に響くアナウンサーのPantherの声。

「ムロヴァンカ!?」____

それは父親の最も恐れていた出来事だった。

そのころ、戦地となったムロヴァンカでは__

ゴォォォォン___
___ボォォォォン

あちらこちらで響く、砲撃の音、人々の悲鳴、泣き声…。
そこには平和のひとかけらもなかった。
彼は困惑した。
落胆した。
絶望した。

彼は初めて痛みと恐怖、そして悲しみを知ったのだった。

「どうすればいいの?」

しかし、幼い彼にはどうすることもできなかった。_______

戦地では枢軸国と連合国の争いが激しくなっていた。
そんな中、彼はただただ泣いていた。

__さっきから泣き声が聞こえないか?
軍人の声だ。

__捕虜か?
__いや違そうだぞ、ほらよく聞いてみろ
__
__子供っぽいだろ?
__あぁ、そうだな。
__ちょっと見に行ってみないか?
__あぁ。

エンジン音が近づいてくる。
ブルブルブルブル…
さすがに子どもとはいえども、気配を感じたのか、彼は黙り込んだ。

__
__誰だ! お前は!

軍人に見つかった!
泣きわめいていて、動き回っていて、隠蔽率が下がっていたのだろう!

彼は初めてであった。
家族以外の「他人」。
そして、大人たちの「怒る」表情。
その何もかもが彼にとって新鮮でもあり、同時に恐怖でもあった。
彼は恐れ、慄き、今にも泣きだしそうな表情だった。

__殺すぞ!!!

_
_
_
__ちょっと待て、四号、あいつの首についているマークを見ろ。

それは、ドイツ戦車ならみんな持っているこんな(下のような)マークだった。
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__これは、ド、ドイツ戦車!?

四号は自らの犯した行為を反省し、申し訳なさそうな表情を見せた。
すると、彼は場が和んだ事を察したのか、表情の緊張を解した。
初めて、「笑顔」をおぼえた。

彼は、ドーラ80cm砲とともにある列車に乗せられた。

「これから安全なところに行くからな、安心しろよ。」

さっき、彼を殺そうとした四号の声だ。
彼は安心しきり、ずっと笑顔を浮かべていた。

__笑うって、楽しいんだ!!

彼は大事なことを一つ学んだ。
その後の列車の中でもずっと笑っていた。
笑顔を絶やさなかった。

「お前はどうしてずっと笑ってるんだ?」
「なんかいいことでもあったのか?」

お兄さんたちのやさしい声を聞いた。
彼にとってこんな経験は初めてだった。

__人と話すって、楽しいんだ!!
__一人じゃないって幸せなんだ!!

彼はたくさんの「楽しみ」を見つけた。
それは彼にとって貴重なことであった。

彼は目的地に着いた後、お兄さんたちの基地、すなわち「タンクアカデミー」にたどり着いたのであった。

「お前はこれから、この基地で一緒に暮らすんだ!」
「厳しい訓練とかあるけど、気を引き締めて暮らそうぜ!」
「一緒に楽しもうな!」

みんなの笑顔が見えた。
彼も笑った。
ふと、父の最後の笑顔が頭をよぎった気がした。

「ところで―、お前名前とかあるのか?」

彼は言葉は話せない。
けど、彼の表情をまねて、疑問の表情を示した。
彼は人の表情を見て今まで一緒に過ごしてきたのだ。
彼にとって処世術になっていたのだ。

そのとぼけた表情を見て、軍人たちはお互いに顔を合わせた。

「名前ないのかぁー。」
「じゃあ俺たちがつけようぜ!」

みんなが笑顔になった。
彼もまねした。

「じゃーあー、お前いっつも笑ってるから、lolって名前にするな! いいだろ、それで?」

lolとはWoT界で大笑い、という意味だった。

「いい名前だな。」
「お前ネーミングセンスすごいな。」
「ははははははははっ!」

みんなの笑顔が見えた。
みんな幸せそうだった。

こうして彼はLeichttraktor、通称lolと名付けられたのだった。

 

~今、そして未来へ~
彼の生活は決して充実したものではなかった。

しかし、退屈なものでもなかったという。

彼の通っている「タンクアカデミー」はWoT界の防衛の要として知られるハリコフにある軍事学校だ。
初めて彼がそこについたとき色々な「初めて」を見た。
そして、感じた。

__おい、Leopard!昨日よりタイムが0.2秒も落ちてるぞ! 走るんなら本気で走れ! 本気で走れないならここから失せろ!!

お前それでも我が祖国のために命を捨てる覚悟はあるのか!? ゲルマン魂を忘れたのか!?__

怒号が飛ぶ。

いや、彼らは一生懸命努力しているのだ。
Leopardも履帯を擦切らしながら走っていたのだ。

なのに…

…なんで?

訓練の様子を見て恐れ戦いている彼を横目に四号は言葉を発した。

「お前も今日からここで訓練を積むんだぞ。 一緒に頑張ろうな。」

うn。
、と素直にいえない。
言いたいけどいえない。
彼が一番恐れていたことなのだ。
言えるわけない。

理不尽な状況の中で困惑する彼の幼き頭では事態を理解するのが精一杯だった。

__ふざけんな

心の内で静かに響く。
心細く…

その日は一日訓練はしなかった。
「空白」の時間だった。

しかし、その「空白」は心にゆとりという「空白」を作るものにはならなかった。
寧ろ、彼の心を圧迫した。

何もしないことってこんなつらいことだったのか。

彼は幼き心で考えた。
いや、考えてしまった。

__なんでこんなつらいことをしなきゃいけないの?

__(無言)

__ねえ… どうすればいいの?

__(無言)

__ねえ、答えてよ! 前、僕に笑ってくれたじゃん!

__(無言)

__ねえ! ヤダよ! やりたくないよ! あんなこと!

__

__死にたくないよ! ヤダ!! ヤダ!!!
   助けてよ! パパァアアアアアーーーーーーー!!

悲しい。
寂しい。
悔しい。

何この感情?
パパがいたらいいのに、
なんでいないの?

なんで?
なんで?
なんで?

なんでぇ! なんでいないんだよぉぉぉぉおおおぉおおおおおーーーーー!!!!

「憎しみ」だ。

新しい「気持ち」があふれだす。
どんどん出てくる。

でも、なぜだろうか。
なぜか「涙」だけは出なかった。

「おはよう! よく眠れたか!?」

威勢良く響く声。

「今日から俺はお前の監視役になったからな! 改めてよろしくな!」

その日から訓練が始まった。
自分より一回りも二回りも大きい戦車と一緒のトレーニングをした。
疲れないわけがない。

隣で三号が倒れた。
D.W.2も倒れた。
続々とリタイヤする戦車たち。

彼は何も考えずに訓練していた。
考える余裕がなかった。
いや、
もしかしたら、
考えたくなかったのかもしれない。

その日の訓練を終えた。

「どうだ、お前? けっこう体に応えるだろう? これからもっと辛くなるからな?」

その日も眠れない夜だった。
体は寝たがっているが、やはり寝れなかった。

また考えてしまった。
考えるな、僕。

訓練と眠れない夜が続いた。
彼は一度も泣くこともリタイアすることなく訓練をしていった。
何時も寝なかった。
何も食べれなかった。
何もしたくなかった。
そして、
何も考えなかった。

彼はだんだんと痩せ細った。
姿勢も前のめりになった。
そのおかげでWFN症候群も治ってきた。

彼は訓練しかしなかった。
彼は訓練が好きになった。
なぜ好きになったか?
始めは理解できなかったが、なんか分かってきた気がする。

さすが、WoT界で随一の実績を誇る「タンクアカデミー」。
訓練の効果は覿面だった。

洗練された砲の精度
高い隠蔽率
視力
忍耐力

色々なことを手に入れた。

でも、いいのだろうか?
彼は失った。
沢山失った。
大事なものを。

痛みを、
恐怖を、
悲しみを、
怒りを、
楽しみを、

そして、
笑顔を。

彼は感情を失った。
ただ戦う事だけしかしない、冷淡な戦車ハンター、パンツァーイェーガーに進化してしまったのだ。

新たに手に入れたものは素晴らしい。
それは誰にも否定できない。
でも、失ったものも大きい。

そうは言っても失ったことを重大にとらえる必要はない。
努力で力を手に入れることができるのであれば、きっと感情も取り戻すことができるだろう。
君のお父さんが笑顔で見送ってくれたんだ。
なら、きっとお父さんも笑顔が見たいはずだよ。

これから進む道は二つに分かれる。
でも、どちらを進んでもいいと思う。
自分の意思を第一に、
いや、まず自分の意思を手に入れることが第一だと思う。
自分の意思が甘い悪の手に誘われて、陥れる事もあるかもしれない。
でも、そのことを恐れちゃ前に進めない。
もしそうなったら、周りの仲間を見てごらん。
きっと笑顔で励ましてくれるよ。
そして、また正しい道に戻れる筈だ、やり直せるよ。
人生やり直せるんだからいろんなことに挑戦しなさい。
それがきっと自分を成長させる第一歩になるよ。
きっと失ったものもまた手に入れることができるよ。
何事も恐れずに挑戦してごらん!

 

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いつかあの笑顔を取り戻すために。

_____ You Are (Not) Alone.
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Fin

 

「」の評価

選択肢 得票数 得票率 投票
全独が涙した 49 81.7%
圧倒的に強い 11 18.3%
弱い 0 0.0%
強い 0 0.0%
普通 0 0.0%
その他
投票総数 60

コメント

  • Tier2 の記事とは思えないし!!1 -- 2014-09-24 (水) 03:32:03
  • 名作の予感なんやな -- 2014-09-24 (水) 12:06:09
  • pz.jagⅠの怪文書かとおもったら、ほぼLOLトラクターの話じゃないかし!? -- 2014-09-24 (水) 12:19:25
  • はーいジャガーでーす -- 2014-09-24 (水) 14:15:20
  • 完成したが 読み返したらこれLoLのお話の気がして… -- 2014-09-25 (木) 23:33:30
  • 完璧なつながり怪文エミュじゃないか… -- 2014-09-26 (金) 02:37:07
  • TDルートは失った感情を取り戻していくストーリーなんやな -- 2014-09-26 (金) 05:31:43
  • どうでもいいことだけどJägerの本来の発音はイェーガーっていうのは本当なことなのかし? -- 2014-09-26 (金) 22:36:29
    • それではお聞き頂こう(スピーカーマークをクリック!)http://en.bab.la/dictionary/german-english/jaeger -- 2014-09-26 (金) 22:50:08
      • イェ… いや! ジャガーにも聞こえる! -- 2014-09-26 (金) 23:45:17
      • これはイェーガーって発音なんやな。狩人って意味なんやな。ジャガーやないんやな。残念やな -- 2014-12-17 (水) 15:27:38
      • 強力な大砲で獲物を屠るイェーガーなんやな。逆に狩られることもチャメシインシデントなんやな。悲劇なんやな… -- 2015-01-10 (土) 11:26:56
  • ジャガーって隠蔽率高いのかし?敵のジャガーが妙に見つからないときあるけど… -- 2015-01-11 (日) 01:16:59
  • 感動しちゃったしししぃ! -- 2015-06-30 (火) 19:35:06