ネト充のススメ

Last-modified: 2023-11-23 (木) 09:46:36

ネト充のススメ

  • 黒曜燐によるウェブコミック作品。また同タイトルのアニメ―ション作品。
    原作漫画は2013年に連載を開始。ネトゲプレイヤーなら共感できるであろう物語にゆるゆるとファンを増やし、2017年にアニメ化決定。2017年10月9日(月)より放映開始。マビノギではそれに合わせて同年10月25日から同年12月20日までのタイアップイベントが行われた。
    • 約2か月というタイアップイベント期間はマビノギでは異例。「ネト充のススメ」は全10話(+DVD/Blu-Ray版の番外編1話)で放映されるため、スケジュール上は2017年12月11日(月)に最終話が放送される予定で、1週間の余裕を持たせて放映中ずっとタイアップを行うことになっている。

概要

「世の中クソだな」
脱サラニートとなった”盛岡森子(もりおかもりこ)”は、
充実した生活を求めてネットの世界へと旅立った!たどり着いた場所は、
ネットゲーム----通称“ネトゲ”。

ネトゲ世界では、サラサラヘアーの爽やかイケメン”林(はやし)”として新たな生活を始めた森子。
初心者丸出しで死にまくっていたところ、可憐な少女“リリィ”が救いの手を差し伸べる。
「天使だコレーーーーッ!!!!」

リリィとの出会いをきっかけに信頼する仲間もでき、充実していくネトゲ生活。
そんな中、リアル世界では、謎の金髪碧眼・イケメンエリート会社員の”桜井優太(さくらいゆうた)” と衝撃的な出会いを果たす。

彼との出会いで変わり始める現実世界、その影響はネトゲにも!?
果たして森子の“ネト充”生活はどうなってしまうのか!!

ホンモノの“充実”を求めて--------
ネットとリアルが交差する世界に、君もログイン!
(公式サイトより)

タイアップアイテム

  • 2017年10月25日から12月20日のタイアップ期間を通して「ネト充のススメボックス」が販売開始。
    ゲーム内に登場する「林」と「リリィ」の衣装やかつらが封入され、そのうちの「デュオ魔導騎士団士官の制服(男・女)」は2名以上が「デュオ~」を装備しているとパーティー全員の戦闘経験値が+5%という今までにないプロパティを持っている。
  • ほかにもネト充のススメに登場するキャラクター達の名前を冠した二次タイトルや作中で登場するアイテムが追加された。ちなみにユグドラシルスタッフとユグドラシルツーハンドソードはアニメ4話で登場した「フリドメール」内のガチャ2等アイテム「ユグドラシルシリーズ」を指している。
    • しかし放映とほぼ同時期にタイアップを行うというスケジュールのため、ある程度事前に公開されている部分以外はどうしても先行して出せない情報がある点を考慮すると、やむを得ないことではあるがやや物足りないラインナップになってしまっていることは否めない。
    • あくまでもマビノギではアニメ版とのタイアップになるため、漫画版に登場したお正月のネタ衣装などが出せないのも残念なところ。
    • オカルトの域は出ないが、「ネト充のススメボックス」ではタイアップアイテムの出現率が低いのではないか?という声もあり(ただの偏りではないかとは思われるが)アニメでなかなか当たりアイテムが出なかったシーンをマビノギでも再現している?という憶測も呼んだ。
      • といっても、サーバによって違いはあるものの全体的には例年のタイアップ相応の価格になっていることが見受けられる。ただし、衣装全部がランダムボックス品であるという点は、昨今の「課金すれば何かしらの衣装が手に入る」ようになっていた近年のタイアップの傾向からは外れている。

タイアップイベント

  • 同時に「ネト充のススメスクラッチイベント」が開始。これは以前に行われた「Fate/stay night[UnlimitedBladeWorks]」とのタイアップでも行われたものとだいたい同じで、地球時間0時を起点に3時間おきに任意のアイテムがもらえる(かも)というもの。
    スクラッチイベントでのみもらえる(かも)二次タイトルクーポンもあり、運次第では高性能な二次タイトルが手に入る(かも)。
  • さらにアルビ中級以上のダンジョンのクリア報酬に「特別な感情のプレゼントボックス」が低確率で追加される。
    • このアイテムを開封すると「始まりのブレスレット(取引不可)」と「始まりのブレスレット(取引回数1)」の両手装備が手に入る「カップルリンク」という新規システムが採用されている。
    • 具体的には結婚指輪と同じで持ち主ではなく「パートナーの名前」が記録され、お互いが「始まりのブレスレット」を装備しているときはお互いに強化やエフェクトがかかるなどの特殊な性能を持っている。
    • ちなみにこれは林とリリィの出会いのエピソードに沿ったもの。林の衣装やリリィの衣装、魔導騎士団士官の制服に両手装備がないのはこのため。コスプレ、コスチュームコンプリートを目指すプレイヤーは期間中アルビダンジョンを駆け巡る日々に追われているという……。
    • しかしウルラダンジョン再編によって難易度がかなりマイルドになっているとはいえ恒常的に手に入るものではないアルビダンジョンの中級以上の通行証を必要とするわりに、報酬で手に入る確率はかなり渋い
  • そのほかTwitterでのリツイートキャンペーンで出演声優さんのサイン入り色紙が当たるなど、「ネト充のススメ」にのコンセプトであるリアルとネットの融合という意味でも意欲的な展開を行った。
「ネト充のススメ」登場人物解説

盛岡森子

  • 元キャリアウーマン。「その名の通りモリモリ仕事をした」というほどデキるOLだったが、仕事を辞してひきこもりニートに。自称「エリートニート」。現実世界の人間関係に疲れ切って心に深い闇を抱えており、ネットゲーム世界に癒し(ある意味では逃避)を求めて「フリドメール」へとのめりこんでいく。
    二次タイトルとクリーナー(武器)、PCとデスク(椅子アイテム)が実装された。
    • 森子のPCを使用するとデュアルモニタでゲームを遊びだすのだが、画面はマビノギ。ダンバートン広場と公式のアイテム販売ページ(本国版なので日本版とちょっとデザインが異なっている)が表示される。

  • 森子のプレイヤーキャラクター。現実世界の我々にとっての「ミレシアン」。森子渾身のキャラクタークリエイトで「俺が一番カッコイイ」というほどの美男子に仕上がっているが、森子の性格が出てしまい「残念なイケメン」になっている。なお、キャラクターネームは後で変更することができないため、適当につけてしまった森子は後々後悔していた。職業は騎士。「みんなを守れるようになりたい」という思いからアサシンに弟子入りした逸話を持つ。衣装とかつら、二次タイトルが実装された。

ユキ

  • 森子が以前にプレイしていた「ナンターラサーガ」のキャラクター。作中では既にサービス終了しているゲームのキャラクターのため回想での登場になるが……?
    二次タイトルが実装された。

リリィ

  • 林が初めて出会ったプレイヤー。行き倒れていた彼を心配して声をかけたのが始まり。可愛らしく世話好きなその姿は、曰く「天使」。他者にとても気を遣う反面、その人の好さが災いして人間関係に疲れ切ってしまった過去がある。しかし林と出会って少しずつ本来の明るさを取り戻し「相方」となる。普段は無私無欲の天使だが、課金ガチャでは「欲しいアイテムが出ないことなんてない(=出るまでやる)」という課金廃人の側面も持つ。職業はコンダクター。衣装とかつら、二次タイトルが実装された。ソードアート・オンラインの二次タイトル「ピナ」以来の「負傷回復効果」を持つ。

カンベ

  • 林の所属するギルド「@家(アットホーム)パーティー」のギルドマスター。名前の通り「アットホームなギルド」がモットー。ギルドのルールは、①挨拶はしよう ②困ったら頼れ、でも頼りすぎるな ③ギルド内恋愛禁止。色黒髭面でパッと見とっつきにくそうに見えるがとても面倒見が良い兄貴分タイプ。職業はアサシンだがギルド内の人員的な理由から盾を持ってタンク役になることも多いらしい。二次タイトルが実装された。

ライラック

  • 猫耳貧乳大好きで噂話も大好き。ケモミミ布教系プレイヤー。中の人は大学生で時間に自由がきき、昼間にもログインしていたりする。職業は呪術師。二次タイトルが実装された。

ぽこたろう

  • 肉厚なボディと温厚そうな見た目が特徴的な男性。@家パーティーのサブマスター。仕事人間で主に深夜にログインしているが、奥さんにPCを占拠されたり遠方からの帰宅の際はネットカフェから接続したりしている。中の人はヒメラルダの中の人の旦那さん。たまに入れ替わっていたりする。縦と横が最大という見た目からどう見ても物理職に思えるが職業はシャーマン。二次タイトルが実装された。実は調教率+という珍しいプロパティを持っている。

ヒメラルダ

  • 見た目は中性的でオネエ言葉で話す男性キャラクター。面倒見がよく、人間関係で悩んでいた林やリリィにアドバイスを与えた。オカマキャラと思われがちだが、ぽこたろうの中の人の奥さんなので性別的な意味ではネナベになる……はずだが、人格的には一致しているという複雑な人。職業は道化師。二次タイトルが実装された。

桜井優太

  • 森子の勤めていた会社の取引先の商社マン。偶然街角でぶつかってしまったことから知り合う。二次タイトルが実装された。実はリリィの中の人。

小岩井

  • 桜井の先輩社員。森子の勤めていた「松風物産」に在籍したことがあり、面識はないが支社間でのやり取りでかかわったことがある。二次タイトルが実装された。

藤井

  • 森子の近所にあるコンビニの店員。学生。二次タイトルが実装された。実はカンベの中の人。

※編集中※

評価

  • アニメの放映と同時にタイアップという超ホットなタイミングであったこと、また人それぞれではあるがアニメ作品としての評価は高く、12月20日のメンテナンスにて予定通りタイアップイベントを終了。さしたる混乱やバグなどもなかったことからまずまず成功といっていい内容だったと言えるのではないだろうか。
  • しかし、マビノギではその前後に多数のイベントと新規ランダムボックスなどの重複スケジュールで実装しており、まして12月13日からはネト充のススメタイアップ期間を1週間残した状態で「新規才能イベント」を開始するなど、せっかくのタイアップを大量のイベントで埋めてしまったという感が非常に強かった。
    • プレイヤーとしては盛りだくさんで良いことではあるのだが、ネト充のススメタイアップの印象が薄れてしまった、と残念がるファンは少なくない。
    • 前回のタイアップ「うたわれるもの 偽りの仮面」タイアップでも同様で、それまでは前半イベント・後半イベントの2期型であったものが、どういうわけか直近のタイアップでは前半しかない初動型となっており、矢継ぎ早に行われた他のイベントがあったことも加わって後半には興味が薄れてしまっていた。
    • 同時接続者数の関係もあるとは思われるが、マビノギとのタイアップを機に原作も……というプレイヤーも決して少なくないことも考えれば、もっともっと盛り上げるようなスケジューリングを期待したいものである。

その他

  • マビノギにおける他作品とのタイアップは(同社運営のアラド戦記・メイプルストーリーを除けば)基本的にマビノギ側にのみの「結びつき」であった。当たり前といえば当たり前だが、適時アップデートによる変更が可能なオンラインゲームと他作品内で相互にやり取りすることはかなり難しい。
    • しかし、「オンラインゲーム」という題材、また現実寄りという設定から「ネト充のススメ」と「オンラインゲームとしての」マビノギの相性は良く、そのためか「ネト充のススメ」にもマビノギが(ちょっとだけ)登場するそうな。興味のあるミレシアンは見逃さないように!
      具体的には森子の近所のコンビニのレジにあるモニタの広告がマビノギになっている。本当にちょっとだけなのでよく見てみよう。
    • 全く下調べなしでゲームを始め、「名前を適当につけてしまった」「お店の場所がわからない」「不慣れな戦闘」「初期装備で死に戻り」とさまざまな『オンラインゲームあるある』の数々。果ては「アイテムガチャで爆死」なんてのもあったりと、マビノギプレイヤーなら一つ二つは思い当たるフシがあるのではないだろうか。そんな思い出を追体験しながら進んでいく物語に、大変多くのファンからの支持を受けている。
      • 実はマビノギとよく似たゲーム設定の部分がいくつか見受けられ、自由なキャラクタークリエイションやファッション、クエストが降ってくるタイプだったり、武器屋が町はずれにある、死に戻りの初期地点が広場のど真ん中だったり、ダンジョンボスのルームキーが赤いカギ状であったりetc……。と、このように「もしかしたら?」という指摘は多少なりともある。ひょっとすると、「ネト充のススメ」とマビノビのタイアップは運命だったのかもしれない。このことから黒曜燐先生もミレシアンでは?と見る意見もあるとか、ないとか。
      • といってもマビノギにはない職業(ジョブ)システムや転職システムなどは別のゲームの特徴であり、こうした様々な特徴をミックスした「夢のオンラインゲーム」として作中に登場している。ちなみに劇中の舞台でもあるオンラインゲーム「フリドメール」ではガチャは1回500円。
    • といってもオンラインゲームの体験記ではなく、あくまでもゲームと現実世界のギャップという点も描かれているため、クスッと笑うこともあれば、耳が痛いこともある……かも知れない。
      • 結構ネタっぽい切り口ではあるが、実際ストーリーそのものはゲーム世界の冒険やラブコメというよりは人間関係を描いた真面目でちょっと切ない内容になっている。特にアニメ版は原作を大きく再構成しており、オンラインゲーム部分を「ネットワークを介したコミュニケーションツール」的な切り口でアプローチしている。
  • 超余談だが、英語版のタイトルは「Recovery of an MMO Junky」。このタイトルは日本語におけるネト充のススメ*1とはニュアンスを異にしているが、「現実世界の人間関係に疲れた人々がオンラインゲームの人間関係で心が癒されていく」という内容に即している。
  • 2015年夏ごろより作者の黒曜燐先生の体調不良のため休載中だったが、2018年に「宙ぶらりんの状態でいつまでもファンを待たせておくことは不誠実」として正式に連載の終了がアナウンスされた。
  • 2023年の公式生放送「秋の大感謝祭」で『ネト充のススメ』タイアップアイテムの再販が発表された*2

余談

  • ネト充のススメとの再コラボが実現することになったわけだが、なぜいきなり2023年に?という疑問の声も聞かれた。実はこれには経緯があった。
  • 2018年に連載終了し、掲載元であったcomicoでも閲覧できなくなっていた「ネト充のススメ」だったが、2023年6月20日からLINEマンガの黒曜燐先生のページで公開されるようになった。全90話で、単行本未掲載のエピソードも含まれていたため、当時読んでいなかった層から大きな反響があった。もちろんリアタイ勢が雨後の筍のごとく現れて各々ネト充のススメへの熱い思いや当時の思い出を語っていた。
  • そこに作者の黒曜燐先生がPixivにてコミック本編の結末までの構想をテキストベースで公開し、同時にTwitter(現在のX)を1ヶ月限定で開始(予告通り1ヶ月で終了し、現在は見ることができない)。
    当時の作画資料やラフ、新規イラストや没案など、ファン垂涎の秘蔵イラストが投稿されていった。
    するとかなりの数の原作ファンやミレシアンが作品への愛を語ったり、ファンアートやスクリーンショットを投稿したりと大盛りあがりを見せた。
    これを受けて同2023年の公式生放送で阿曽沼プロジェクトマネージャから「それならもう1回やってみるのも有りなんじゃないかなぁ~と(思った)」と『ネト充のススメコラボアイテム再販*3』の経緯が語られ、2023年11月8日から同年12月6日までの限定再販が発表された。
  • その際には黒曜燐先生からのコメントや記念描き下ろしイラストが公開されると多くのファンが喜びに沸き、作品は終了したものの、今なお多くの人々に愛され、記憶に強く残っていることが伺えた。
    このイラストやメッセージは公式の「ネト充のススメランダムボックスVer2」の特設サイトでも公開されている。

*1 無理に直訳するのであれば、タイトルの原点であるところに倣って"An Encouragement of living MMO life"とでもするのだろうか
*2 あくまでも再販なので新規アイテムの追加などはなしと明言されている。なお、ゲーム内イベントやスクラッチで入手できた二次タイトルもランダムボックスに封入されている。ただし、ダンジョン報酬だった「始まりのブレスレット」だけは入手できない。
*3 マビノギでは過去に同社タイアップ、初音ミクタイアップ、マビノギスタッカートタイアップ(アイテムのみ再販)と実は結構少ない。