いつかの日

Last-modified: 2009-07-31 (金) 18:33:41

目次

前書き

某動画を見てティンと来た。
題材的に書いてみたいな。ということで書いてみた。(生存報告もかねて)
それでは拙い作品ではありますがどうぞゆっくりしていってね!

本編

「ねぇ紫?」
「うん?」
「私は・・・人間よね?」
「そうね」
「あなたは妖怪」
「ええ」
「私が幻想郷に来るまでの幻想郷って・・・どうだった?」
「どうって・・・別に何も変わらなかったわよ?」
「そう・・・・」
「変な子ねぇ・・・どうしたの?」
「ううん。なんでもないわ」
「ふぅん・・・それより今日は宴会ね。楽しみましょう」
「もちろんよ」


あなたは、当たり前というものをどのくらい理解しているでしょう?
あなたは、当たり前というものをどのくらい受け入れているでしょう?




「咲夜~!」
「はい。いかがなさいましたか?お嬢様」
「紅茶」
「はい。わかりました」
「・・・いつもありがとうね。咲夜」
「?いきなりどうしたんですか?お嬢様」
「なんでもないわ。ただあなたがいてくれて助かってるなぁって思ったから言ってみただけよ」
「ふふ、そうですか。ありがとうございます」
「もう!そんな顔してないで早く用意なさい!」
「はい。かしこまりました」
「そういえば、今日は宴会ね」
「そうですね。お嬢様が行くならお供しますわ」
「ふふ、もちろんよ」




理解している物。
それは本当に当たり前でしょうか?
受け入れている物。
それは本当に受け入れて入れているでしょうか?




「だから!そんな怪しいきのこ拾わないでよ!」
「いいじゃないか、食ってみたら意外といけるかもしれないぜ?」
「そんなもの食べて死んじゃったらどうするのよ!?」
「死にゃあしないさ。それに死んだらそれはそれで仕方ないだろう」
「もう!そんな危険があるくらいなら私が何か作ってあげるから!」
「お?ラッキー。ならご馳走になるとしようかな」
「・・・もう!あなたは人間なんだからね。あまり無茶しないでよ」
「なんだ急に?」
「いいの!さぁ、早く帰りましょう!」
「わかったのぜ、だが今日は宴会だぜ?どうせなら作ってそっちにもっていこうぜ」
「そうね。それがいいわね」




理解するとそれは切なく、寂しいもの。
受け入れるとそれは悲しく、苦しいもの。




「早苗。今日はあっちの神社で宴会だって?」
「はい。そのように伺ってます」
「そうかい。それじゃあ準備しないとね」
「大丈夫ですよ。もうお酒の用意は出来ていますし、あとはいくつかおつまみを作ってもっていくだけですから」
「流石だね。それじゃあ今日は楽しむとしようか」
「はい。・・・でもあまり飲みすぎては身体に毒ですよ?」
「はっはっは。そういう早苗は全然飲まないじゃないか。今日こそは早苗のつぶれている姿を見たいもんだ」
「もう。八坂様ったら・・・。ですが、そうですね。飲んでみるのも悪くないかもしれませんね」
「お?よぉし。じゃあ今日はつぶれるまでいこうか!」
「そこまでは飲みませんよ!」
「あーうー。私も今日は一杯飲むよ!」
「もう・・・諏訪子様まで・・・」




そう、彼女たちにいつか訪れるもの。




「こら!そこ!畳にこぼすな!」
「いいじゃないか!今日は細かいこと気にしたら負けなのぜ!」
霊夢が酒を豪快にこぼしながら飲んでいる魔理沙に言う。
「まぁまぁ、後で私が掃除してあげるから気にしないことね」
「仕方ないわね。あんたちゃんと掃除してよ?」
咲夜のフォローでしぶしぶといったかんじに引き下がる。


そしてその様子を見ていた神奈子は言う。
「ほら、早苗負けてらんないよ!」
「ええ!?そうは言っても・・・というか勝ち負けじゃないような気が・・・」
「ええい!細かいことはいいっこなしだよ!」
神奈子は無理やりお酒のたっぷり入った一升瓶を早苗に飲ませる。
「ええ!?ちょっと・・・むがもご・・・きゅう・・・」
「あらら、早苗はまだまだお子様だねぇ・・・」
「神奈子・・・やりすぎだよ・・・」
目を回した早苗を諏訪子が介抱する。
「ふぇぇ・・世界が回ってます~・・・私も回ってます~・・・」
「あーうー・・・とりあえず縁側で頭冷やそうか・・・」


「ふふ、まったく騒がしいわね・・・」
「ええ、まったくですわね」
少し離れたところで紫とレミリアは酒を飲み交わしている。
「人間と妖怪・・・か」
「どうしたの?急に」
「いいえ、何でもありませんわ。それよりグラスが空いてますわよ?」
つい昼間霊夢と話した言葉が頭をよぎった紫。
自分で繕いレミリアのグラスに新しいお酒を注ぐ。
「ありがとう。そういえば今日ね」
「なにか?」
ふと、レミリアも思い出す。
「私は咲夜がいてほんとに助かってるな。なんて思ったりしたのよ」
「突然ですわね。それで?」
「それだけ」
「・・・・くすくす」
「なによ?」
「いえ、よい部下を持っていてうらやましいですこと」
「・・・ふん」


「・・・どうせ私は一人で飲むのが・・・」
輪から外れて一人人形に向かいながらお酒を飲むアリス。
「ねぇ~上海。あなたがいれば寂しくなんてないわ」
そんなことをぐちぐち言いながら飲んでいる彼女に。
「おーい!アリスそんなとこでなにやってんだー!」
なんて叫びながら体当たりをしてくる魔理沙。
「うえ!?・・・げほげほ・・・なにするのよ!」
飲んでいたお酒が気管に入り咽ながらもなんとかそういうアリス。
「気にするな。そんなことよりお前もこっちこいよ!」
「なによ・・私なんて・・・」
「ああ?よくわからんがまぁ元気出せ!そうだ!お前が作ってくれた料理うまかったしな!あれ食って元気出せ!」
「なんで自分の料理で元気出さないといけないのよ!」
「難しいやつだなぁ・・ならさっきそこで拾ってきたこのきのこを・・・」
「いらないわ!」
ぷいっとアリスは魔理沙からはなれる。
「まったく・・素直じゃないやつ」
そうぼやきながらみんなの囲んでいるテーブルに向かったアリスを追った。




あの異変も、あの宴会も。
あるものは楽しく。あるものは悲しく。
そして全てが美しかった。




「騒がしい時期も・・・あったものねぇ・・・」



後書き

はい、読んでくださりありがとうございました。
最近自分のSSを読み返してみてしんみり具合が足らんのです。ということで。
加えて東方SSがすくねぇな。ということで。
まぁなんというか、リハビリ?もかねてこんなかんじの作品を仕上げてみました。
スレに顔出す時間がなぁ・・・夜勤はつらいぜ・・・。
その分こっちではっちゃけ・・・そんなことはない。
何はともあれ生きてます。あ、またなんか思いついたら書きます。
というか書いててなんかネタがティンときた。
それでは、またお会いしましょう。

感想スペース

コメント欄:

  • 久しぶりの執筆おつかれさまですよー。 人間と妖怪では、同じ出来事でも感じ方が違うのかなぁー…なんて思ったり。 早苗さんはやっぱイジラレポジなのねw だがそれが良(ry 魔理沙とアリスのやり取りが、なんかすごくマイジャスティスでしたb -- オワタ☆残骸? 2009-06-18 (木) 02:16:15
  • 何というか、ほのぼのと和むSSでした。こういうのはいいなぁ、と思いつつも最後の一言で切なく……。上手いなぁ。 -- ドックンドール? 2009-07-31 (金) 18:33:40