比例代表とは

Last-modified: 2009-10-06 (火) 12:14:19

●比例代表とは

現在の日本では、衆議院と参議院の選挙で、比例代表制が導入されています。
比例代表制では、各政党の得票率に応じて議席数が決まります。
得票率とは、獲得した得票数を有効得票総数で割った値です。
日本では、1982年から参議院議員選挙に採用されていましたが、1994年の選挙制度改革によって衆議院議員選挙にも採用されました。
衆議院の比例代表制は、政党があらかじめ提出した候補者名簿によって、候補者ではなく政党に投票する拘束名簿式比例代表制です。
比例代表制の長所は、死票を少なく、少数意見を反映しやすい点が挙げられます。
参議院では比例代表制の採用によって、ミニ政党も国会に議席を持つようになりました。
一方、短所として、小政党が分立し、政権が不安定になりやすいと言われます。
拘束名簿式の場合、有権者が候補者を自由に選べません。
この点が、それが可能な参議院の非拘束名簿式とは異なります。
日本の比例代表制における議席の配分方法は、ドント方式と呼ばれる方法で行われます。
各政党では当選議席数が確定すると、候補者名簿の上位から議席を割り振っていきます。
そのため、候補者名簿の上位に名前が掲載されている候補者の方が当選の確率は高くなります。
現在の参議院議員選挙の比例代表選挙では、投票のときに政党名を書いても候補者名を書いても良いことになっています。

 

<拘束名簿式比例代表制>
比例代表制の一つで、あらかじめ順位をつけた候補者名簿を公表し,有権者が政党に投票して政党の得票数に応じて議席が配分され,候補者名簿に従って当選者が決定される方法です。
<非拘束名簿式>
比例代表制の一つで、政党が事前に名簿順位を決定しておらず、有権者が候補者名又は政党等の名称のいずれかを記載して投票する方式であるため、有権者は当選させたい候補者を選ぶことができます。有権者の意思が政党によって「拘束」されていないことから「非拘束名簿式」と呼びます。
<ドント方式>
比例代表制の選挙における議席配分の計算方式の一つです。
各党の得票数を正の整数(1、2、3、4、……)で割り、その商が大きい順に議席定数に達するまで各党に議席を分配していく方法です。
1882年にベルギーの法学者ビクトル・ドントが考案し、ドイツをはじめヨーロッパ各国で採用されてきました。
ドント方式は最大平均法の一つで、1議席ができるだけ多くの票を代表することを目的としています。
日本では比例代表制を導入した1983年の参議院選挙で採り入れられ、1996年からは衆議院選挙の比例代表区でも採用されています。ただし、ドント方式は大政党に有利になる傾向があります。