【グレイグとホメロス】

Last-modified: 2023-09-08 (金) 01:36:30

DQ11S 仲間たちのストーリー
【希望の旅芸人】 - 【気高き戦姫マルティナ】 - 【カミュと不思議な相棒】 - 【ロウと幸せの王国】
【グレイグとホメロス】

DQ11S

Sで追加された新ストーリーで、過ぎ去りし時を求めて【邪神ニズゼルファ】が復活し、【ケトス】を再度入手した後に解禁されるエピソード。
世界に異変が起きた後の各キャラシナリオとは異なり、任意に体験できるサブイベントの一つとなっており、【女王の愛】によるヒントの対象にもなっている。
 
モード切替時にストーリー開始時期を選択する場合の名称は「デルカダール城の黒い影」。このイベントは各種サブイベント群の一番最後の位置に挙げられるが、「天空の民のもとへ」以降のこれ以外を場面を選べばクリアした状態のままとなる。

ストーリー

突如【デルカダール城】の中庭に不気味な黒い影が現れ、城内が騒然としているところから始まる。
何かを言おうとしている影の脇にある【大樹の根】を調べると、この時代では起こり得なかった、世界に異変が起きた後に【グレイグ】【ホメロス】がぶつかり合う回想が現れる。
その後、影はを除けばグレイグとホメロスしか知らないであろう王の私室へと通じる食器棚や、ホメロスの私室に置かれた彼が書いた日記を懐かしむように見ては姿を消していった。そうして影を追っていく内に、グレイグはその影の正体をつかみ取る。
 
大広間に現れた影を見たグレイグは、「16年前のユグノアの悲劇の際、自分とホメロスは隊を率いてデルカダール王を救出した。その功績が認められこの場で将軍の任を賜った」と語る。だが、王の救出は自分一人では決して成し得なかったことであり、その手柄はホメロスにもあると王に進言したが、全く聞く耳を持たれなかったらしい。曰く「王は不自然なほどにホメロスに冷たかった」という。
王がウルノーガに憑りつかれている間、自分とホメロスとの間に格差を生じさせることで彼の心に闇を生ませ、自らの配下にしたと考察し、後悔するグレイグ。そして影はまた姿を消し、城の3階へと進んでいった。
 
その後、城の最上階にあるバルコニーで、影は遂に正体を現す。
影の正体はやはり、あのとき【命の大樹】でウルノーガに殺されたホメロスそのものであり、その心の闇の化身であった。
ホメロスは、グレイグに異変後に語ったのと同じ胸の内をさらけ出し、今にも主人公たちを襲わんとしていた。
彼の言葉に、自身の行いがホメロスの心に闇を生んでしまったと感じていたグレイグは、自身一人でホメロスと戦うことを申し出て、そのままグレイグとホメロスの一騎打ちになる。
この戦闘についてはこちらを参照。
 
何気に3Dモードでの戦闘開始直前のシーンは、主人公以外のキャラでイベント中に手持ち武器が反映される唯一の機会である。
そのためオノ装備であればオノを構えて戦闘開始になるが、【旅のおもいで】では【グレイグの大剣】固定である。
間違っても【ひのきのぼう】装備で挑んではいけない。シリアス感が無くなるのもそうだが、なぜかひのきのぼうを構えた際も金属音が発生する。
 
勝利すると影は黒いホメロスの姿になり、一瞬だけ【天空魔城】でのグレイグとホメロスのやり取りのシーンが映し出され、あのときと同じ胸の内をさらけ出す。グレイグもあのときと同じ応対をし、「お前こそが光だったんだ」と告げる。
その言葉で影は、完全に元のホメロスの姿を取り戻し、穏やかな表情を浮かべながらも開口一番で「バカなヤツだ。お前を裏切った者のために」といつもの嫌味を口にする。
それに対し、グレイグは「ああ。お前の言う通り、俺は大バカ者だ。いつだって気付くのが遅すぎる」と返す。
 
そしてホメロスは、「自分とグレイグでは持って生まれた才が違う。互いに違うからこそ、共にあるべきだと。だが、グレイグにねじ伏せられる悪しき者達の中に自分自身の影を見るようになった。そして気が付けば、もう後戻りできないほどに、ウルノーガの闇に魅入られていた」と語る。同情も深い悲しみもいらないが、最後にグレイグに問いたいことがあるという。
 
ホメロスはグレイグに「お前はまだ、オレを友と呼んでくれるのか?」と問い、グレイグはもちろんだと返す。
これで未練が無くなったホメロスは、二人で共に勇者の力になるという夢の実現のため、自身の剣をその場に突き刺した後、その魂はグレイグの鎧と一体化し、【双頭の鷲のよろい】となった。
ホメロスの剣はペンダントと共にバルコニーに残り、さながら彼の墓標である。
イベント終了後は、この剣のそばに兵士【吟遊詩人】がおり、それぞれ弔いの言葉を述べる(2Dモードではイベント終了直後からいるが、3Dモードでは一度城を出て戻ってくるといる)。
 
見ての通り、過ぎ去りし時を求めた後切って捨てられたような扱いであり救われなかったホメロスの救済ともいえるイベント。
仲間達の反応は様々であり、昔から二人を知る【マルティナ】【ロウ】は最終的にはホメロスに同情し、【シルビア】は主人公のもう一人の祖父【テオ】の言葉【人を恨んじゃいけないよ。】を例に挙げ、理解を示している模様。
その一方で、【ベロニカ】は「ホメロスのしたことは許さないけど、仲間であるグレイグにとっては友達だから」と若干の迷いを見せたり、【カミュ】は「ホメロスの行いについて許すか許さないかは主人公の自由」という趣旨の言葉を通じて最終的な判断をプレイヤーに委ねている。
 
報酬となる【双頭の鷲のよろい】はさして強力な防具ではないが、手に入れる事によって「双頭の鷲スタイル」を手に入れる事が出来る。もちろん、フルコンプなどの【やり込み】を行うならば、このイベントも欠かさずプレイする必要がある。

余談

【ケトス】再入手後にに乗ると、仲間会話でグレイグが、「海上での戦いは今は亡きホメロスの領分だった」という趣旨の話をし、最後に「なぜ魔などに走ったのだ、ホメロス」と締めくくる(この台詞自体は無印版にもある)。
魔に走った理由はこのイベントで判明するはずなのだが、このイベントの後に話し掛けても台詞が変化することはない。このイベント自体が任意イベント兼追加ストーリーなので仕方ない部分もあるが、若干違和感を覚える場面でもある。
 
なお、このイベント内ではグレイグが将軍に任命された時期をユグノアの事件が起きた後と解説しているが、実際16年前のユグノア城のシーンでは既にグレイグが将軍であるような描写がなされているため齟齬が生じている(この時点では将軍に準ずる別の役職に就いており、ユグノアの事件後に改めて将軍の任を賜ったと解釈することもできるが、これに関しては推測の域を出ない)。
また、このユグノアの事件の際にはホメロスも活躍したと語られるが、16年前の場面ではホメロスの姿は一切見られないどころか話題にすら上がっていない。
さらに、ウルノーガが王に憑依してることを知っている=勇者に着せた汚名が濡れ衣である事実も知っているにもかかわらず、勇者の捜索と同時期に始まったであろう自身への冷遇について何の疑問も抱かずウルノーガに付き従っている点にも矛盾が指摘されている。ホメロス曰く「後戻りできないほどにウルノーガの闇に魅入られていた」とのことで、恐らく闇堕ちしたと同時に裏でウルノーガに魔の世界へと誘われたのだろうが、具体的にいつ頃から闇に魅入られていたかについての言及はない。
また、グレイグが大広間で将軍に任命される話をする際に、「我が王が魔王ウルノーガに成りかわられているとも知らずに」と言うが、この時間軸ではウルノーガは魔王化していないため、正しくは「魔道士ウルノーガ」でありこの台詞にも違和感がある(異変後の記憶が少しだけ残っている可能性もあるが…)。
 
ちなみに、前述の「天空魔城でのグレイグとホメロスのやり取り」のシーンが3Dモードと2Dモードで微妙に異なっている。3Dモードでは魔軍司令ホメロス撃破後の先の通路で【六軍王】を消滅させた後のシーンが使われており、画面に映るのはホメロス1人。それに対して2Dモードでは魔軍司令ホメロス撃破直後のシーンになっており、画面には【ベロニカ】以外のパーティーメンバー全員と魔軍司令ホメロスが映っている。