【ネクロス】

Last-modified: 2021-07-16 (金) 10:43:49

ロトの紋章

漫画【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】に登場するオリジナルモンスター。「魔剣獣」の異名を持つ。
【魔剣ネクロス】の正体であり、【ひとくいサーベル】【しびれだんびら】【ブラッドソード】といった魔剣族モンスター達の王。
 
【異魔神】の計画の邪魔になる剣王、拳王、賢王の末裔を滅ぼす使命を受けていたため、主人公【アルス】を含め三ケンオウの関係者を幾度も苦しめた。
 
物語本編のずっと前、大魔王【ゾーマ】打倒後、彼の不吉な予言の内容に備える修行の旅から戻った初代剣王【フルカス】が持ち帰ってきた武具の中に剣の姿で紛れ込み、剣王の里に侵入する。
魔物としての正体こそ見破られなかったものの、その強力な呪力ゆえに、【幻魔剣】を会得したフルカスでも御しきれないと危険視されたネクロスは倉庫の奥深くに封印される。それに伴い「この魔剣だけは決して使用してはならない」という掟が定められ、永らく剣王の里に幽閉されることとなった。
 
ロト紋の物語が始まる13年前、この剣を一目でいいから見てみたいという好奇心に駆られ倉庫に忍び込んだ【サーバイン】を支配下に置き、逃げおおせた彼の弟【キラ】を残して剣王の里を滅ぼし、更にそれから10年後、拳王の里をも滅ぼした。
だが、拳王継承者の【ヤオ】、その祖父【ファン】は取り逃がしており、同じく剣王継承者候補のキラは母ヘザーの手により【ギラン】に託されてその目を逃れ続けていた。
賢王については里を作っておらず、当代の継承者である【ポロン】への力の譲渡が遅かったこともあって標的にされることはなかったため、三ケンオウ滅亡の使命は果たせていなかった。
 
その後もサーバインの武器として振るわれ、勇者ロトの末裔であるアルスの抹殺という新たな使命を受けたアッサラーム市街の戦いで魔物の正体を現す。
 
なお、「ゾーマ打倒後に異魔神の障害となる者を除く計画を100年かけて張り巡らせた」旨の発言をしていることから、フルカスの持ち帰った武器の中に紛れ込み、剣のふりをして無抵抗に封印されるがままでいたのは、敢えて剣王の近くに身を潜める作戦だったとも考えられる。
魔物としても弱いわけではないが、流石に剣王であるフルカスを脅かせるほどではないだろうし、その強力な呪力でもってしても、自身を何度か手に取ったフルカスを操ることはできなかった。剣王の後継者たちも掟どおりネクロスを手に取ることはなかったので、サーバインのように剣王内部の人間で、たやすく操れる未熟な実力の者が近付く機会を伺っていたのかもしれない。

魔剣形態

『伝説の生きた呪いの魔剣ネクロス』と呼ばれる、剣としての姿。
持ち主を殺人衝動で操る呪いがかかっているという謂れがあったが、要は魔物である魔剣獣ネクロスが持ち主を操っていたのである。
詳細は【魔剣ネクロス】参照。

魔剣獣形態

魔物としての正体を現した姿。
柄の部分に複数の眼が現れ、節足動物を思わせる多脚が伸びる。
無機物と有機物がグロテスクに融合したような、あまりDQのモンスターっぽくない不気味な姿をしている。
 
もともと剣王候補者という実力を秘めたサーバインに取り憑いていたのもあって、装備者を操って戦うのがメイン戦法だったため積極的にこの形態で戦おうとはしない。
しかし戦闘能力が低いという訳ではなく、【マヌーサ】による幻惑で隙を作り心臓を一突きにして息の根を止める戦法を得意とする。
さらに【ベホイミ】まで唱え、多少の傷ならたちどころに回復してしまう。
刃こぼれもしなかった魔剣形態時と違って、この姿でダメージを受けると溶解するように破損する。通常攻撃で普通に傷ついているあたり、自力で動き回れる代償に物理的な強度は落ちているようだ。
 
アルスらとの交戦中、タオ老師のシャナクにより一時的に支配力を抑え込まれ、正気に戻ったサーバインが完全に支配から逃れようと意図的にアルス・キラ・ヤオの攻撃を受け重傷を負ったため、やむなく彼から離脱。
自らの手でアルスを仕留めようと魔剣獣形態で襲い掛かるが、捨て身で割って入ったサーバインに受け止められ失敗。そのまま動きを封じられてしまう。
操られていたとはいえ今まで犯してきた数々の悪行を悔いるサーバインはネクロスと共に討たれることを望み、その懇願を酌んだアルス全力の【ライデイン】で、ネクロスはサーバインもろとも焼き尽くされ死亡した。

ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~

冥界にとどまっていたサーバインが甥である【リー】に軟気功を習得させるため現世に戻った際、一緒に死んでいたネクロスまで現れている。
サーバインは軟気功を会得したリーの前にネクロスを持ち出し、呪いに打ち勝つ覚悟があるのならと手渡している。
リーは呪いの力ごとネクロスを受け入れ、ネクロスも特に抵抗や支配を仕掛けていない。「汝はそれだけ特別な力を持つのだからして…」と述べ、この時の会話から、ネクロスが意外とマトモな性格である(あるいはそれなりに更正した)事も分かる。

余談

コミックス2巻のカバーを取るとネクロスの紹介文が載っており、それによると
「器物が百年たって、神や霊魂などが宿り誕生した付喪神の一種」といった存在らしい。
詳細は不明だが、剣型モンスターというよりモンスター化した剣だった訳である。