【アストロン】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 03:13:30

概要

DQ3~7、モンスターズ等に登場する補助系呪文。
味方全体または術者自身を鉄の塊にし、一定時間の【無敵】状態となる【呪文】
ゲーム上での効果は「行動が一切とれなくなる代わりに、あらゆる攻撃を一切受け付けなくなる」というもの。
ナンバリング作品ではDQ8以降(キャラに3Dモデルを用い始めた作品以降)登場しなくなっていたが、DQ11で久しぶりに再登場を果たした。
 
味方が使用する際は、原則として【ターン】の最初に最優先で発動するという特別な処理がかかっていた。
後発作品では例外も増え、【しっぷうづき】に代表される先制効果を持つ技には先を越されるようになった。
 
説明の通りなら鉄の塊になることで攻撃を耐えているわけだが、どんな怪力の持ち主の【痛恨の一撃】だろうと【無属性規定ダメージ攻撃】だろうと【マダンテ】だろうと全てを防ぎきり、【しゃくねつ】などの高温を浴びても溶かされたりしない。
ただし、呪文の効果を消し去る【いてつくはどう】および【ムラサキのひとみ】、無理やりアストロンに近い状態を付与する拘束技の【ゴールドアストロン】は無効化できない(FC版DQ4のみ凍てつく波動も無効化)。
作品によっては【どくばり】などの急所一撃による【即死】も防げない。
 
主な使い方は以下の通り。

  • 最大MPが低いが強力な呪文を1回だけ使える敵に対して唱え、敵の【MP】を枯渇させてから安全に戦う。
  • 行動パターンが固定ローテーションの敵に対して唱え、特定の嫌な行動を回避する。
  • 通称「【凍れる時の秘法】」など、仕様やバグを利用した強力な裏技に利用する。
  • 攻略情報を持たないプレイヤーが、未知の敵の行動パターンを様子見する場合に使う。
  • 集中攻撃持ちのモンスターが、誰をターゲットにしているかを探る。
  • 【猛毒】【混乱】状態の敵が自滅するのを待つ。
    ただし、混乱についてはすでに敵を無力化できているということなので、余計な行動でMPを浪費するのを防ぐぐらいしか意味はない。つまり味方に命令できないFC版DQ4を除けばわざわざアストロンしなくても防御で事足りる。

実際の所、一般に想定された範囲で【レベル】を上げて攻略を進めるなら普通に攻防を展開した方が早いので、アストロンのお世話になる機会は相手の能力や行動を理解した上でのMP切れ待ちなど具体的な所に絞られる。
敵の行動パターンを熟知し、最適な解法を求める必要のある縛りプレイなど、コアな用途で重宝されることが多い呪文である。
特に【低レベルクリア】では、こちらの低いステータスではどうしても耐えきれない攻撃などをパターン先読みで凌ぐのに多用される。
ただし、極限低レベルとなるとそもそも覚えるレベルまで上げられないという問題があるが。
ほとんどの作品で敵は【判断力】にかかわらずこちらのアストロン状態を認識できず、呪文の無駄撃ちなどを行うが、なぜかFC版DQ4の【ベホイミスライム】のみがアストロン状態を認識して行動パターンを変える(後述)。
 
「アストロン」とは古いギリシア語で「星」という意味で、英語でも「アストロ~」という天体、宇宙関係の言葉が多い。
鉄の塊になる呪文がアストロンになった由来については、公式からの発言がないので謎に包まれているため、
ファンの間では「鉄腕アトムの英題がアストロボーイなので鉄腕のイメージでは」という説、「スーパーマリオブラザーズでスター(星)を取ると無敵になる。スター=アストロン=無敵呪文」説、「ア・ストロング(a strong)」説など、いろいろな推測が飛んでいる。

DQ3

本作が初登場。【勇者】のみがLv12で覚える。
効果時間は3ターン。
消費MP6と、最大MPが少ない勇者が使うには消費量が多めで、気軽にポンポン使うのは厳しい。
【ライデイン】【ギガデイン】【ベホマズン】と共に、勇者専用呪文の一角として初登場を飾った。
上記の初登場呪文と、前作から続投の【トヘロス】を併せた5種が勇者専用呪文となっている。
 
【公式ガイドブック】に書いてあるような未知の敵と遭遇した時の様子見や、MPの少ないモンスターに呪文を無駄撃ちさせてMPを枯渇させるような使い方が主。まあ、公式ガイドブックを見ればモンスターの情報は大体書いてあるので【あやしいかげ】の正体を探るのが主な仕事だろう。
それが最も輝くのは【ザラキ】の怖い【ミミック】戦で、最初にアストロンを唱えてからミミックのMPが切れた状態で戦闘を開始すれば比較的安全に戦うことができる。
何よりアストロン特有の「素早さ無視で最先手発動」という利点が最大限に生きてくる。まともに戦えばミミック自身が素早さが100もあって先制ザラキされる危険性が大きいので、それを完封できる。
ミミックはMPが切れると【マホトラ】ですぐに補充してくるが、【判断力】が1(3段階中の2番目に賢い)なので、ターン開始時点でMPが足りなければザラキを選択しない。
後は仲間のマホトラでMPを吸い続けていれば、ザラキを封じて戦える。先手ザラキをアストロンで防げれば死亡率を格段に減らせる。
同様に、大量出現での【ヒャド】【ラリホー】連発が怖い【スライムつむり】に対しても、アストロンで敵MPを枯渇させてから戦闘を開始し、【ニフラム】で一掃すれば大ダメージを受けるリスクを減らせる。
ただしスライムつむりは最大MPが15と高めで、MP枯渇までにアストロン2回は必要で、勇者のMPが切れやすいので多用はできない。
 
【バラモス】は行動パターンが固定ローテーションなので、アストロンで6回分の行動(3ターン分)をスキップさせれば、【メダパニ】【バシルーラ】など嫌な行動のターンをスキップして補助呪文を唱える隙を作れる。
低レベル攻略では逆に【はげしいほのお】などダメージの大きい行動をスキップさせて、バシルーラなど効かなければダメージのないターンに補助呪文を唱えてから攻撃に入る方法もある。
 
なお、FC版リメイク版ともに【ゾーマ】【しんりゅう】の凍てつく波動を喰らうと、アストロンは解除されてしまう(FC版DQ4では解除されないので混同に注意)。
さらに、敵が2回行動の1回目に凍てつく波動を出した場合、アストロンが解けた状態で2回目の行動を喰らってしまう。
アストロンを唱えたターンのコマンド指示で勇者以外の仲間に攻撃や防御を指示していても、解除されたターンの味方は行動できないので注意が必要である(防御コマンドを入力していても防御ごと波動で解除されるので効果は出ない)。
  

DQ4

本作以降の作品では消費MP2となっている。消費MPが減って気軽に使いやすくなった。
効果時間は前作に引き続き3ターン。前作同様、素早さに関係なく無条件で最先手で使える。
ただし【勇者】がLv21で習得と前作に比べて使えるのがかなり遅くなった。
本作の【AI】はターン終了時に一定確率で学習段階(最大4段階)が進むため、アストロンでターン経過させると安全に学習を進めることができ、非常に重要かつ有用な呪文となっている。
アストロンを数回唱えれば高確率で学習段階が最大の4段階目になり、アストロンを解いた後はAIが無駄のない賢い動きをしてくれるようになる。
ちなみに、【ベホイミスライム】にアストロンを使うとなぜか【ちからため】【きあいため】等の特殊行動を取る。
前作同様にモンスターに呪文の空撃ちをさせて枯渇させる戦法も有効。
特に、本作ではMP有限なモンスターはMP105の【マネマネ】以外は全体的に低い(次点の【ブラックマージ】でMP48)ので前作よりも効率も良い。
ただし、相対するモンスターのMPが有限であることを知っているのが前提となる。
 
勇者だけでなく、敵の【スペクテット】も使用してくるようになった。他、勇者に化けたマネマネも使う。
敵のアストロンの効果範囲は唱えたモンスター本人のみなので、たとえ【グループ】で出現しても他の敵は普通に攻撃できる。また素早さ無視で無条件先制という特典もなく、呪文が解けるのもターンの途中で素早さに左右される。そのため早く解けた場合こちらの足の遅いメンバーの攻撃が当たる(つまり解けたターンで攻撃を受ける)ということもあり得る。
勇者の使うものと比べたら相当なポンコツ仕様だが、「すべての攻撃を受け付けない」という効果自体は絶大で、本作にかぎり【パルプンテ】のあらゆる効果も遮断する。笑う魔人の攻撃も地割れも全く受け付けない。唯一、白い竜だけはまるで【メドローア】のようにこれを消し去ることができる。
また、凍てつく波動でもアストロンを解除できない。
かといって【ラーのかがみ】を使ったところで

かがみには てつの かたまりが うつっている!

という専用のメッセージが出るだけで、やはり解除できない。さらに、勇者に変身したマネマネがアストロン状態だった場合、アストロンだけでなくモシャスも解けずに勇者のままである。今作のラーの鏡は元の姿よりも鉄の塊という真実が優先されるようである。
敵にアストロンを使われると数ターン経過まで待つしか解除手段がない。
スペクテットがグループで出現して片方がアストロンを唱えた場合、グループの敵に対しての攻撃対象が選べない本作では、アストロンを唱えた方の敵を攻撃して無駄に終わることがあり、地味に嫌がらせ呪文となる。
ちなみに、アストロン状態の敵だけになると、AI行動の仲間達は「ライアンはまごまごしている」等とメッセージが出て何もしないという珍しい光景が見られる。
使い手のスペクテットは【さえずりの塔】にしか出現せず、あとは勇者もどきのマネマネだけなので見る機会は限られるが。
なお、FC版DQ4では敵の凍てつく波動もこちらのアストロンを解除できない(DQ3では波動でアストロンを解除される)。
【デスピサロ】第四形態など、固定ローテ行動の敵の波動をスキップするのに一応使える。

リメイク版

DQ3同様に呪文を無駄撃ちさせてのMP切れや敵行動パターンの様子見がメイン。
学習型のAIではなくなったのでAI学習の用途はなくなった。
その他にも、DQ7と同じく補助呪文の効果がターン経過で切れるようになったため、敵の【バイキルト】などが切れるのを待つ目的で使える。
凍てつく波動で解除できるようになり、パルプンテの様々な効果も普通にこれを貫通できるようになって鉄壁効果はかなり弱体化した。ただし、通常の特技はすべて遮断できるので特殊な状況を除けば鉄壁ではある。
 
さらに、リメイク版ではバグを利用した戦法が存在する。
FC版と違いリメイク版では凍てつく波動でアストロンが解除されるようになったが、解除されたターンの行動の扱いが機種によって異なる。
PS版ではアストロンを解除されたターンの仲間は何もできずにターン終了する。
DS版では波動を唱えた敵より行動順が後の仲間キャラは、勇者にアストロンを指示したターンで入力していた行動を行える。いわゆる「凍れる時の秘法」戦法が使える。
ここで事前に入力していた指示が【道具】の使用だった場合、解除後にアイテム欄の1番目の道具を強制的に使うバグがある。
さらに、もし1番目のアイテム欄が【せかいじゅのは】で、なおかつ道具の使用者が【トルネコ】だった場合、約1/6の確率でトルネコが敵専用の特殊行動の【たいあたり】を使って敵HPの95%位を奪える。
アストロン中の行動にトルネコの特殊行動が発動する予定だった場合、「世界樹の葉のアイテム番号85が、モンスターのたいあたりの特殊行動番号と置き換わる」という、データ参照ミスが起こっている模様。
デスピサロ、【エッグラ】【チキーラ】、6章【エビルプリースト】など「HPが高く、凍てつく波動を使う敵」にこのバグを起こすと、最大で約3500近いダメージを与えて【瀕死】にできる。
条件は非常に限られるが意図的に起こせば強力な現象となる。
 

DQ5

本作では、勇者専用どころか味方側の使用者はいなくなり、敵専用呪文の一つとなった。
【ビヒーモス】【ガメゴンロード】が使用する。
効果時間はやはり3ターン。
ただただ面倒なだけの呪文なのだが、SFC版ではグループの内の1体がアストロンした場合、味方がアストロンした奴だけを攻撃し続ける謎仕様があるので注意。
どくばりや【デーモンスピア】ならば即死効果だけは貫通して有効。特に後者は、ジャハンナにて買ったばかりで早速ありがたみを感じることもあるだろう。
セオリーとしてはアストロン中に回復や補助で態勢を整えるといいが、面倒であれば凍てつく波動や【てんくうのつるぎ】で解除するのも手。
前作とは違ってパルプンテの種々の効果も普通にアストロンを貫通できるので、これでダメージを与えたり状態異常をかけることも可能。
 

DQ6

再び味方サイドが使えるようになり、【はぐれメタル】がLv3で覚える他、【スーパースター】★2、【勇者】★1、【はぐれメタル(職業)】★2の職業でも習得できる。
勇者の【職業】で覚えられるのは、元々勇者専用だった名残りだろうか。
しかし、スーパースターでも覚えられるため、【主人公】以外はすでに習得済みなのが悲しい。
また、主人公も最速で勇者を目指す場合はスーパースター経由で来るので、やはり習得済みなことが多い。
 
本作から効果ターンが1ターンになったことで使い勝手が上がり、格段に戦略の幅が広がった。
ローテーションが確立しているボス戦にて嫌な攻撃をしてくるターン(無属性規定ダメージ攻撃やマダンテなど)をピンポイントで回避できるのが大きい。
SFC版なら【しんぴのよろい】や職業勇者の自動回復機能を利用して、安全にHPを回復させるといった使い方も可能。
また、【キラーマジンガ】【ランドアーマー】戦で【混乱】に弱いランドアーマーを混乱させて同士討ちが決まるまで待つといった利用法もある。
ただし、ランドアーマーの打撃でどちらかを削り切るには非常に長いターンがかかる上に決着がつく前にランドアーマーの混乱が解けることも多いので、さすがにまともに戦った方が話が早い。
 
何よりも、 ダメージを受けずに一方的に攻撃できるSFC版の「【凍れる時の秘法】」があまりにも有名。
 
【ダークドレアム】から【はぐれのさとり】を稼ぐときにも便利。使いどきと理由はそれぞれの項目を参照されたし。
 
ちなみに、アストロンを唱えると眠っているキャラが起きるという仕様があり、必ず先制かつ1ターン無敵になるので、同じ消費MPの【キアリク】よりも安全に起こせる(【麻痺】は解除できない)。
また、同じように【1ターン休み】もこれで解除できるので、パーティの立て直しに使える。
 
敵では【ストーンビースト】が使用するが、こいつの場合は【ベギラマ】が脅威なので、アストロンはむしろサービス行動である。

また、【ドグマ】が使う【ムラサキのひとみ】はアストロン中でも容赦なく効いてしまうため、ターンを調整して使っても無駄なので、諦めて喰らってしまおう。

マンガ版

主人公ボッツが習得し、高空に浮かぶヘルクラウド城から無数の【メラゾーマ砲】が撃ち降ろされた際に使用。
何度もメラゾーマ砲を防いだだけでなく、仲間だけ硬化させボッツ自身は単独で城に乗り込むという奇策も見せた。
なお、最終盤でマダンテが暴発・敵味方を飲み込んだ際には唱えられなかった。
さすがにマダンテは防げないのか、あるいは使う余力が残っていなかったのだろうか。

DQ7

スーパースター★3、勇者★2(リメイク版では★1)、【ドラゴスライム】★4、【プラチナキング】★1(リメイク版ではさらに【天地雷鳴士】★1)などの職業で習得できる。
使い勝手はDQ6とほぼ同じだが、本作以降は補助呪文がターン経過で切れるようになったので、敵の補助呪文が切れるのを待つ目的でも使える。
ただし、攻撃が当たるたびに音が鳴るので別の意味で扱い辛い。
また、さすがに「凍れる時の秘法」はできなくなった。
 
なお本作には、ほぼ同じ効果ながら消費MPが5倍という完全劣化版とでも言うべき【ノアのはこぶね】が存在する。
 
敵では【ワンダーエッグ】が唱える。

DQ8(没)

正式には登場していないが、ゲーム内にデータのみ存在する。効果はいつもの通り。
使用すると「(対象者)は鉄のかたまりとなり なにものも うけつけない!」とメッセージが出て解除されるまでは「鉄のかたまりになっている!」と表示され動けなくなる。敵味方は問わず【チート】を用いて対象を変えてやればちゃんと相手にもかかる。

DQ10オンライン

NPCとして戦闘に加わるユシュカが【魔剣アストロン】を用いる。
切りつけた敵を一定時間鉄塊にするが他作品とは違いダメージは通るので、その間は反撃無しに攻撃できる。

DQ11

ニフラムと同じくものすごーく久しぶりに登場。
本編ではリメイクを除けば3D等身のキャラクター表示になってから初登場(外伝を含めればヒーローズ2が初)。かかったキャラクターは鈍く輝く鉄の塊になる。
 
【主人公】がスキルパネル解放後の【ゆうしゃ】スキルで取得できる。
消費MPは8。3DS版ではターンの最初に発動する。
 
今作での効果は、味方一人を2~4ターン鉄のかたまりにする効果で状態異常も治る。
DQMJシリーズで猛威を振るった影響なのか、過去作と比べ大幅に弱体化しており、敵の強烈な攻撃のターンを受け流す、MPを空消費させる目的ではまともに運用できなくなった。効果範囲が全体から単体に変わっただけでこうも使い勝手が変わるのか…。
本作は過去作よりも【隊列】の狙われやすさへの影響がやや少なくなっている上、特定のキャラを執拗に【集中攻撃】してくるモンスターも【フロッガー】系統と【試練その1】【試練その2】しかおらず、フロッガー系統は通常攻撃をしてくる頻度がさして高くなく、試練その1・その2は集中攻撃の対象が十中八九【グレイグ】であり、グレイグにアストロンすると解除されるまで止めを刺せなくなってしまうため、【一人旅】でもない限りほぼ使えない。
しいて言えば【妖魔軍王ブギー】戦で【シルビア】【魅了】されたときに使うくらいか。
習得の遅さや下記の連携技の最速習得タイミングが妖魔軍王ブギーを倒した直後なのを考えると、意図的にピンポイントでしか使えない呪文として調整したのだろうか?
 
一見すると過去作以上に役に立つとはいいがたいが、この呪文の取得はむしろ連携技が本命である。
これを取得することによって主人公・マルティナ・グレイグの連携技【忠義の鉄塊】が使用できる。
 
効果対象が変わった亜種【ゴールドアストロン】も登場した。
ちなみに、PS4版のみアストロン中にゴールドアストロンを食らうと上書きされ黄金像になってしまう。
また、3DS版ではアストロン状態のキャラは武器を持っていない棒立ちのポーズになる。

DQMシリーズ

DQM1・DQM2

【ガメゴン】【ヘルビースト】【メタルキング】などがLv15以上で一定のステータスを越えていると習得する。消費MPは2。
アストロンを使うと【仲間モンスター】が勝手に敵を倒すことがなくなるため、その間に肉を与えまくるというテクニックがあり、これにより大幅に利用価値が分かりやすくなった。
【フェロモン】と共に、モンスター集めには必須の呪文となっていた。
効果持続中もモンスターマスターは行動できるため、安全に逃走するチャンスを作ることもできる。
DQM2、PS版1・2では敵が使った場合と対戦時に限り効果範囲が使用者のみとなっている。
逆に敵に使われると攻撃が一切通用しなくなるため、進行の妨げになり鬱陶しい。覚えているモンスターがいるなら【いてつくはどう】で効果を打ち消してしまおう。

DQM1の対戦では【くろいきり】をAIが使う条件が「相手が攻撃呪文を覚えていること」と定められている上に効果が味方全体に及ぶため、バフ系補助技や回復技の起点にされることを考慮しないのであれば、【マダンテ】対策に使っても良いかもしれない。何気にデバフ系補助技に睨みを利かせることができ、これも【だいぼうぎょ】との差別化点となる。

DQM1のRTAチャートでも【ロックちょう】チャートで使われる由緒正しき技である。

ジョーカーシリーズ

対戦においては「先手技で一方的に殴った後アストロンでターンを飛ばす」などのコンボに使われる。
これが強過ぎて問題視されたため、最近の作品ではストーリー・対戦を問わず一試合に一回しか使えなくなっている。
ストーリーでは、DQMJ1の【マダムン・ガーデン】に登場するスライムが使ってくるのが悪名高い。
また、DQMJ1に限り鉄の塊になるのではなく、自分の前面にバリアを張るような描写になっている。
最近ではダイヤモンドだのプラチナだのが出ているからだろうか。
なお、こちらがアストロン状態だと敵は【マダンテ】を使ってこなくなる。
 
DQMJ3ではバリアの様なエフェクトの後に硬直するという、バリアと硬化の両方をとったような演出となった。
【ゼロのしょうげき】に成功すると【物理】攻撃を使用した時のモーションが再生される仕様となったので、行動順調整によりゼロのしょうげきと併用すると、硬化硬直しているはずなのに相手を撲殺または斬殺するかのようなシュールな演出が見られる。

トルネコシリーズ

トルネコ2で【魔法使い】【転職】すると習得することがある呪文。消費HPは40。
15ターンの間鉄化状態になり、どんな攻撃も受け付けない。要は【鉄化のたね】と同じ効果。
また、敵としては【スペクテット】が使用し、PS2では10ターン、GBA2や3では14ターン鉄化状態になる。
通路で鉄化されると非常に邪魔である。
 
ちなみに準最強の効力をもつ状態異常である。
【洗脳】を除く、あらゆる特技や状態異常及び【万能の杖】の効果を一切受け付けない。

ヒーローズ2

【賢者】【テリー】がスキルポイントを3P消費して習得する呪文。消費MPは14。
5秒ほど鉄化状態になり、どんな攻撃も受け付けない。
みかわし性能が低いテリーが回避しづらい攻撃を回避するのに便利だが、解除時に少しだけ無防備な時間がある点に注意。
また、敵としては【ごろつき・強】【竜王・強】が使用する。
敵の使ったものは【ロストアタック】【いてつくはどう】で解除することができない。そのくせこっちが使ったら解除される。
敵時のテリーとごろつき・強のものは時間稼ぎでしか無いが、竜王・強のものは全体攻撃の前兆。
自身だけでなく範囲も鉄化状態にするので範囲に入って無敵の恩恵に預かろう。

タクト

Aランクとくぎとして登場。射程 : 自分を含む1~2・消費MP107
「なかま1体を次の行動開始までアストロン状態にする」
【ロトの勇者】がスキルパネルで習得できる。

ダイの大冒険

漢字表記で「鋼鉄変化呪文」。
物語初頭【デルムリン島】に襲撃してきた【ハドラー】との対決で【アバン】が使用。
強化復活したハドラーに対して、修行で消耗したまま挑むことになったアバンは勝つことはできないと悟り【メガンテ】での相打ちを狙う。
その際、決死の戦いと大爆発に巻き込まないよう、【ダイ】達に足止めと保護を兼ねアストロンをかけた。
呪文で固まったダイ達は動けなくなったものの、アバンと会話したり表情を変えたりはしていた。
 
しかしハドラーはメガンテの爆発に辛うじて耐え、動けない4人もそのまま葬ってやろうと【メラゾーマ】を構える。ハドラーにもアストロンを破ることはできないが「オレのメラは地獄の炎。相手を焼き尽くすまでは決して消えん」と言っており、むしろ動けないことを好都合として防御効果が解ける時間まで燃やし続けることで仕留める算段だったようだ。
 
絶体絶命の危機に【竜の騎士】の力が覚醒したダイは、自分から強引にアストロンを解除し反撃に転じている。
このとき、体の表面から薄い金属が剥がれ落ちる表現になっており、全身を鉄にするというより、表面を覆って防御する効果と解釈されている。
 
本編でのアストロンは術者自身も鋼鉄になるが、アバンの唱えたアストロンは他人だけを対象にしている。
また、有無を言わさずダイ達を固めているが、同意の無い相手(パーティー外の第三者や敵)を無理やり固められるのか、術をかけられる対象の基準がどうなっているかも謎である。
 
かつてのアバンのパーティーメンバー【ブロキーナ】【凍れる時間の秘法】状態で動ける敵を「アストロンがかかったまま戦っているようなもの」と表現したこともある。
こちらは対象の時間を凍結封印する術で、時間が完全に止まる副次的な効果として肉体へのダメージを一切受け付けない状態になる。
かつてアバンがハドラーを永久封印しようと使用しているように、敵にかけることができるがアストロンとは比べ物にならないほど極めて高度な術で、完全な形で使えるのは【バーン】以外には考えられないとアバンは断言している。
 
ダイ大オリジナル呪文の筆頭【メドローア】は、凍れる時間の秘法の時間停止効果さえ無視して物体を消滅させるため、アストロンでも防げないと思われる。

勇者アバンと獄炎の魔王

アバンが【キギロ】戦で使用。今回の対象は自分。
【魔力樹液弾】を完封し、総攻撃で隙をさらしたキギロに反撃の【大地斬】を叩き込み勝利した。
 
クセの強い呪文と言われているが、任意のタイミングで鉄化を解除して攻撃に移れるような描写になっているため、「無敵の防御だが自分もしばらく動けない」アストロンの欠点を大幅に克服しているように見える。
任意でいつでも解除できるのか、攻撃が終わるタイミングを読み切って効果時間を短くしたりできるのかは不明。
なにせキギロも「レアな呪文」と言っているようにアバン以外の使用者が見受けられないからだ。もしかしたら【マトリフ】は使えるのかもしれないが…

ロトの紋章

3本編の設定がしっかりと引き継がれ、勇者だけが使える特別な呪文であることが、3話にてカダルより語られている。
主人公のアルスは最後まで使えなかったが、勇者【アラン】が使用できる。
異魔神が放った【超高密度魔法言語】「りゅうせい」から身を守るために使用した。
アランは「こんな技は使いたくなかったがな」などと、まるで毛嫌いしやむなく使用したように言っているが、そこまで邪険にする理由は特に語られていない。

スマブラSP

【勇者(スマッシュブラザーズ)】の下必殺で出る技の一つ。
発動から6秒弱、鋼鉄となって基本的に完全無敵になるが一切行動出来なくなる。
最後の切り札や強力なアシスト等を凌ぐのには最適だが、まったく動けないので効果が切れるタイミングを見計らった手痛い一撃を食らうこともあり、過信は禁物。
原作と違って【メタルぎり】で一撃必殺も食らうのでミラーマッチでは自殺行為に近い。
 
勝ち逃げを防ぐためか試合時間残り30秒を切るとコマンドの抽選に出現しなくなったり、マホカンタの効果が出ている間はやや出にくくなったりと、独特の仕様もある。
空中で使用すると猛スピードで落下し、足場がなければそのまま自滅してしまう。
落下時にはさりげなく攻撃判定があり、威力も中々大きいが、わざわざ狙うほどのものでもない。
【忠義の鉄塊】に次ぐ、アストロンを攻撃に活用できる数少ない事例である。

余談

任天堂発売の対戦格闘ゲーム第一弾である「ジョイメカファイト」において「アイ アストロン」という、この呪文をイメージしていると思われる必殺技が登場している。
少しの体力と引き換えに、一定時間全身を鉄のような銀色に光らせ身構える技。
その間完全無敵かつ全身に攻撃判定を発生させ、不用意に接近・攻撃した相手に手痛い反撃を喰らわせられるカウンター技。ただし、発動中は動けない。
自分を無敵の鉄の塊にする呪文を対戦格闘ゲームに落とし込んだと言える性能だが、上述の通りアストロンという言葉に本来「無敵」や「鉄の塊」といったような意味合いはなく、DQシリーズのそれのパロディであることは明らか。
しかし「アストロンと唱えると無敵の鉄の塊になる」というイメージが普遍的すぎたせいか、逆にあえてDQシリーズとの関連性が触れられることは少ない。
 
ちなみに「アイ アストロン」の使い手「アイ」は、くすんだ赤色の身体に大きな黄色い目を持った単眼のロボ。
どことなくアストロンの代表的な使い手スペクテットを思わせるデザインとなっている。