【裏切り】

Last-modified: 2024-02-20 (火) 08:52:05

概要

本来の意味としては今の陣営から敵対勢力につくこと。
敵対せずとも自分の期待どおりに動かなかった、期待はずれな相手に対して使われることもある。
 
DQでは敵から味方になった【ピサロ】【ホイミン】を始めとする【仲間モンスター】いいスライムやその他友好的なNPCモンスターが思い浮かびやすいだろう。
 
【人間】でありながら裏切って魔族に内通した者としては、DQ3小説版の【チコ】やDQ4の【バルザック】【キングレオ】、DQ6の【モルガン】、DQ7の【マチルダ】、DQ11の【ハンフリー】【マヤ】【ホメロス】、ビルダーズ2の【リック】、DQ6小説版の【ゲバン】、DQ6漫画版の【ガンディーノ先代国王】【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】【冥王ゴルゴナ】【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~】【ハロルド】などが挙げられる。
ただ、チコに関しては生まれたときから魔族サイドに育てられているため裏切りとも違うかもしれない。
 
彼らの多くに共通して言える事は、魔族に寝返った事で人間社会に混乱を招く事となるが、いくら成果を出そうと魔族側からも異端者な上に裏切り者として信頼されず、かといって出戻りも出来ず、やがて捨て駒のように扱われ、最終的に悲劇的な結末を迎えるという事である(ハンフリーやマヤなど例外もおり、そういったキャラは後に人間社会へと戻れていることが多い)。利益や保身故に二心を抱くような者であれば、今は従っていても次に反逆の刃をこちらに向けてくる恐れは十分あるので当然と言えるだろう。一度主君や仲間を売り渡し、刃を向けた者は二度目も躊躇わないだろうということで、現実の世界においても利益やその場の流れで裏切った者は離反先でも軽んじられる傾向にある。ただし、後述のように負の感情に付け入られ裏切った者たちは作中人物からもある程度同情の念を抱かれることが多い。
 
バルザックやモルガン、ゴルゴナらのような自分の利益目的で裏切った面々に関しては、もともと人間社会にて周囲と調和を図る生き方をしていたかどうか怪しい者がいたり、裏切りですらなく単に私利私欲を貫き通しているだけの者がいたりするが、その末に魔物に魂を売るも同然の取引をしているので、「人間社会に生きることを裏切る」とも言え、一線を越えている以上は他の裏切り者と大して変わりない。それどころか私利私欲で動いているため作中人物からも同情されないまま自業自得の末路を迎えることが多い。
 
翻せば、主人公達のパーティメンバーになるモンスター達もモンスター仲間や魔族による統治を裏切っているわけで、モンスターズシリーズのように人魔の交流が広く定着した世界観ではまだしも、ナンバリング作品などでは「裏切ったモンスター達のその後」が気に病まれる要素ではある。人間に与した裏切り者、或いは捨て駒として一生を終える可能性は大いにあるが、ドラクエでそうした視点が重視された場面は著しく限られている。(小説版DQ5では比較的扱われており、青年時代前半に仲間モンスターが次々戦死する展開は中盤の山場であり、DQ5の題材の重さを原作以上にシリアスに表現した一面になっている。)
 
人の負の感情は付け入る好機のようで、マチルダはが村人に裏切られた恨みを、ホメロスは親友に対する嫉妬心を、リックは死と世界の真実への恐怖を、それぞれ魔族に利用されて魔物になってしまった経緯がある。
いずれも剣を交え倒すことになり、三者三様の流れであるがどれもあまり救いのない最期を迎える。
マチルダは人間の心が残っているようで、主人公達の優しさに触れて全くの無抵抗である。倒すことを止めても結局は自ら命を絶ってしまう。
ホメロスは、異変後の世界では魔王の腹心として信頼と地位を獲得、事実上の魔王軍ナンバー2になるという裏切り者としては希有な出世街道を歩むが、一方で過ぎ去りし時を求めた後では、計画が失敗したせいで主君に用済みと判断され、魔物になることすらなくあっさり殺され、更には罪を擦り付けられるという無惨な最期を迎えている。ただし、DQ11Sでは親友へ心の内を明かすイベントが追加されている。

DQ1

【主人公】【ラスボス】任意で裏切ることができるという、ドラクエ処女作にしてナンバリング唯一の選択が採れる。
もちろん相応の制裁が待っている。二心を抱くような輩の末路はこういうもの、とプレイヤーに伝える反面教師なのかもしれない。

DQ4

バルザックとキングレオが二大裏切り者と言える本作。バルザックの師匠殺しはいまいち詳細不明なままだが、リメイク版でのキングレオはほぼ明確に先王たる父を獄死させている。
どちらもシナリオの素直な流れで戦うと手強いボスのため、プレイヤー側の憎しみもひとしおの敵だったかもしれない。
 
5章では【うらぎりこぞう】というまんまな名前の魔物も登場し、他人になりすまして疑心暗鬼に陥らせ、勇者達一行の裏切りを煽ろうとする。
コイツについては同項目に記されている【モンスター物語】のエピソードで壮絶な惨状が繰り広げられている。
 
更にリメイク版では【エビルプリースト】が完全にピサロを裏切る。
それに対してピサロも自裁を選ばず裏切って【導かれし者たち】と手を組む形だが、単に利害の一致での共闘であり、今後はどうなるか判らないと本人が語っている。

DQ5

【グランバニア大臣】は人間のままではあったものの魔物と内通し、そのまま逆に裏切られて殺されてしまっている。
 
【ラインハット太后】もほぼ同パターンなのだが、こちらは生存して重篤なお咎めすらなかったため、プレイヤーからは批難の声も。ドラクエに限った話ではないが、こうした顛末を男女で比べると内実に関わらずどうしても女性キャラの生存率のほうが高くなるようだ。
 
【ジャハンナ】の民は人間に見えるが元は魔物だったらしく、魔界の変節者の町といったところ。リメイク版では日常生活の中でも魔物の姿に戻ってしまう描写が付け加えられており、本当の意味で人間になったかは怪しいものだが…。その中の元【あくましんかん】は、魔物だった頃は戦いと裏切りの連続だったと語っており、勢力によっては内部での争いによる裏切りが絶えないことがわかる。
DQ4のホイミンに比べると個々のインパクトは小さいが、幸不幸はあれど「別の存在になって生きる」ことは【天空シリーズ】の密かな世界観なのかもしれない。

DQ6

【テリー】は力を求めるあまり、気がつけば魔族側に付き結果的に人間を裏切ることになったが、その後再度人間側に帰ってくるという二度の裏切りをした珍しいキャラである。
このケースは最初から魔族側につくことが本意ではなかったようなので、二心を抱くような輩の例には当てはまらず、魔族側からも信頼されており捨て駒のような扱いは受けていなかったし、最後は戻るべき場所へ戻ったと言える。
これは、彼が共感した魔族サイドの相手が武人の【デュラン】だったことが幸いした一面もある。
もっとも、小説版ではそのデュランも【カルベローナ】を裏切った人間ということになっているのだが、これは【バーバレラ】に従うことを良しとしなかったのが理由としてあり、袂を分かった形。都合のよい利益の為に誰かに与するという安易な考えではなく、テリーともども裏切りというよりは「大多数の人々と違う立場を選んだ」だけである。

DQ8

洗脳されて味方から敵になった【呪われしゼシカ】魔物側工作が要因なので、その瓦解によりあっさり仲間に戻っている。
 
対して【マルチェロ】は同じ手管を強い意志で跳ねのけたものの(その間接的な影響度は不明ながら)自らの発意で謀反するというレアケースに走っている。
その後日談や将来的な末路は不透明だが、個人関係に留まらない重大な裏切りを犯しながら生存して終劇をむかえた男という点ではドラクエシリーズ史上でも非常にレアなキャラである。

DQ9

まさに裏切り大事件の発端であった。
 
芝居も含めれば【イザヤール】などが該当。また、実行はしていないが【ゲルニック将軍】もエルギオスを裏切ろうとしている。
 
かつてのセントシュタイン王国は、同盟国を裏切って魔物と取り引きしたにも関わらず、契約通りに裏切られた側が滅んで裏切った側だけが無事だったという極めて珍しいパターン(参考として似たようなことをしたかつてのナザムの村長は相応の制裁を受けている)。しかも取り引きした魔物をも出し抜いて封印するという裏切りまで重ねている。

DQ10オフライン

人間が魔族や魔物に騙されるパターンが多く、積極的に人間が魔物側に加担するケースは【キャスラン】ぐらいで、【魔物商人】は逆に魔物を使役する方だったりする。
クエストの悪人の中には魔物商人から購入した魔物を悪用して、けしかけてくる場合もある。

Ver.2

【アラハギーロ王国】【ベルムド】は魔物使いだったが、魔王軍に敗れた後は偽りのアラハギーロ王国の王となっていた。
【魔道士キルギル】は己の研究のために大魔王の配下となっているが、もともと人間だったのか、大魔王に作られた存在(創生人間)なのか、はっきりとした言及はされていない。

DQ10オンライン

Ver.6では人間に裏切られた経験から絶望し、敵側に付く過去の【盟友】が登場する。
その他のクエストでも負の感情に付け込まれたり暴走してしまったりする例がいくつかある。
また、敵対する人間やその他の種族のキャラクターの中には私利私欲のために裏切りを働く者がいるが、この人数は他の作品と比較しても多い。
詳細はオンライン版のwikiを参照のこと。

DQ11

DQ8のゼシカ同様、【呪われしマルティナ】が洗脳キャラを担当。やはり、結局は生存して仲間になる。
 
マヤが【鉄鬼軍王キラゴルド】と化してしまうが、どちらかと言うと愚かな人間に虐げられた挙げ句に見捨てられた絶望を【魔王ウルノーガ】に利用された面が強く、兄の勇気と愛の力で元に戻ることができる。
 
【リーズレット】も裏切りを行っているが、むしろ策謀キャラとしての印象が強いだろう。中長期にわたって数々の策謀・裏切りを行うキャラはドラクエ関連でも漫画・小説では珍しくないものの、ゲーム作品ではなかなか珍しい活躍ぶりと言える。

【デルカダール王】も主人公やその父親を裏切っているが、『実は裏切りではなく最初からが憑依している状態だった』という比較的珍しいパターンで、その部下である【グレイグ】も主人公達と同じく騙されているだけであった。そのため、憑依が解除されたり真相が判明したりすると両者ともに主人公側に付くというこれまた比較的珍しいパターンとなっている。
 
【ウラノス】【邪神ニズゼルファ】に唆され【ローシュ】を裏切り魔王ウルノーガとなるも、そのニズゼルファをも裏切り【魔王の剣】で止めを刺してしまう。
 
ハンフリーも孤児院の維持費を確保するためにやむなく魔物に魂を売り渡したが、直接主人公達が知り得る人物は死んでおらず、最終的に改心して敗北前提の試合に挑み、潔く罪を人々に告白して事実上引退した事、元々が善人でありDQ11で主人公達と一時敵対する存在としては過度に主人公達を罵倒したりしなかったのもあってか、他の裏切った人々や言動に問題のある人々と比べるとプレイヤー達からの批判は少ない。

DQM2

通信協力プレイのコマンドに「うらぎり」が存在する。
これを選択すると協力しているパートナーも敵となり攻撃することができる。
協力プレイでは、パートナーのモンスターが死亡している状態で勝利すると自分が使用したモンスターと同じ種族のモンスターのタマゴを貰え、それを利用してワルぼうなどを増やすことができるのだが狙ってその状態で勝つのは難しい。
そこでこのコマンドを使うのであるのだが、通常攻撃程度のダメージしか与えられない。おまけにこちらは2体なのに相手の1戦目と2戦目は3体なので、このコマンドを使っても自分が生き残れるとは限らない。なにより協力プレイなので事前に了承済みの八百長でもない限りはパートナーとのリアルファイトに発展し、そのまま人間関係が崩壊してしまう危険性がある。
どうしてもレアモンスターを増やしたいのに協力できる友人がいないのであれば、ソフトと本体を2個用意しセルフ協力プレイしよう。幸いなことに、このモード用のモンスターの育て方なんてものもあるので気になったら各自で調べて欲しい。
 
また【他国マスター】のモンスターが餌付けスカウトに応じて主人公に服従してしまうのも裏切りと呼べる。

ヒーローズ2

【ゼビオン王】は自分の野望成就のために兄だと思っていた相手と共謀しこちらを裏切っており、最終的に用済みとして処分される。
当初は世界の異変に対して解決に動いていたが、元から異常なほどに支配欲が強く、世界を意のままにしたいという思いを昔から抱えていた模様。

ビルダーズ1

DQ1の主人公が裏切った後の世界を舞台としており、併せてDQ1では一切語られなかった主人公の内面に切り込んでいる。
とはいえ、あくまで特異な存在としての【ビルダー】が生まれ、活動するための前史設定に等しく、ほぼ公式二次創作の扱いと言って良い。

ビルダーズ2

大きく2つのタイプの裏切りが印象に残る作品。1つは主人公達の活躍で【ハーゴン教団】からビルダー側に心変わりして「ものづくり」に励むようになる転宗者(?)。本作のシナリオは基本的にそれを繰り返すため、人数もたいへん多い。
もう1つは、概要にも記述のある【ムーンブルク島】【リック】という男の裏切りである。
 
リックは身内を亡くして死への恐怖を募らせていたところでやがて訪れる世界の消滅を知って救いを求めて魔物に降り、主人公のサポートをする傍らで疑心暗鬼のタネをばらまき兵士を暗殺するなどスパイとして暗躍するのだが、彼が持っている情報だけでも明確なはずの「魔物側にも全く救いがない」という事実にも気づいておらず、死にたくないという本来の目的すらも忘れて、最終的に事実上の囮として自ら動いた挙げ句に死に際には笑いながらハーゴンに信仰を捧げて死んでしまうほどに狂ってしまっていた。

トルネコ3・少年ヤンガス

高い【攻撃力】を持つ仲間モンスター【混乱】【めつぶし】【洗脳】等の、マイナスの【状態異常】を受けて、【ポポロ】【ヤンガス】・他の仲間モンスターを攻撃、瞬殺する様を表す俗称。
特に、今いる部屋全体のキャラクター全てに状態異常を与える【おおめだま】【サンダーラット】【プラズママウス】は、多くのモンスターに裏切りをさせポポロを葬らせている。
特に攻撃力が高くなる【攻撃・早熟】【攻撃・特殊】組の高いレベルに攻撃されると一撃の下に葬られてしまう。
トルネコ3では【不思議の宝物庫】において【ジャスティス兄】の洗脳攻撃が裏切りの可能性を大幅に上げている。
対策としては、少々大変だが【魔法無効】体質を持っている【ランガー】【キラープラスター】をフルドーピングしたものが有効。【グレイトマーマン】は防御力の関係上即死するので不可能。
これを回避する場合は基本的には単独で行動する【トルネコ】で最初から冒険すれば良いだけの話になるのだが。
ちなみに【ロサ】の宝物を紛失して激昂しているロサにボコボコに殴られる様子も十分に「裏切り」と呼べるのだが、こちらを指す事は全くと言って良い程に無い。

ダイの大冒険

魔王軍サイドでは、大魔王【バーン】【クロコダイン】【ヒュンケル】【バラン】【ハドラー】が裏切っているほか、先に殉職した【フェンブレン】を除く【ハドラー親衛騎団】の面々も、ハドラーの裏切りに付き従う形で魔王軍を裏切った。
【竜騎衆】の1人、【ラーハルト】もまた魔王軍に敵対しているが、そもそも竜騎衆は魔王軍ではなく【竜の騎士】に仕える存在のため裏切りではないと表明している。
 
また、実行した訳ではないが、【フレイザード】【ミストバーン】【デッド・アーマー】を与えられた後、密かに寝首を掻こうと目論んでいた。
同様に【ザボエラ】も、バラン戦後最後通告を受けたハドラーと共に【ダイ】達一行に夜襲を仕掛けて返り討ちにあって撤退しようとした時、今まで取り入ったハドラーを切り捨ててミストバーンに新たに取り入ろうとした事も。
バーンがハドラーに【黒の核晶】を仕込んで彼を捨て石にしようとした行為も、周到に仕組まれた部下への裏切り行為と言える。
【ピロロ】にもハドラーの軍はガタガタと言われているが、少々ガタガタすぎる魔王軍。長期連載で増えた敵キャラクター陣の濃さ故ではあるものの、ドラクエ系全作品の中でも内訌・離脱が最も頻発した敵軍だろう。
 
人間側も例外ではなく、【パプニカ】王国の【バロン】【テムジン】がその国の王女である【レオナ】を裏切って暗殺を目論み、国の実権を握ろうと目論むが、【キラーマシーン】の火力に心を奪われたバロンがテムジンまでもを裏切っている。

アベル伝説

【バラモス】の配下では登場初期の頃から臆病者だった【ドドンガ】や、その友達のガガンボ.・ボロンガなど、主に【浮遊要塞ガイム】内で【ティアラ】と関わったモンスター達が後にバラモスを裏切りティアラ側に味方している。
またそれとは別の裏切り行為として、バラモス親衛隊長に任命された【ジキド】が徐々にバラモスに対して不満を募らせていき、自らが【伝説の竜】の生き血を飲んで不老不死となりバラモスを倒す事を画策して裏切って単独行動で【アベル】たちと敵対したが、粛清された。
 
人間側では【デイジィ】の弟の【トビー】が幼い頃に妹の【ルナ】と共に人買いに連れ去られ、妹を死に追いやった一件で人間不信に陥り、人間を裏切ってジキドの部下となっていた。
【アリアハン】の使者「アドニス」を詐称し【聖杯】を奪うためにティアラたちの旅に同行。後にジキドとともに聖杯を騙し取った後、姉デイジィとも一旦は刃を交えるが、アベルの説得により真実を知り、一度は捨てた人の心を取り戻す。
その後ジキドのメラゾーマからデイジィをかばって死亡した。