【ローレシア】

Last-modified: 2024-03-27 (水) 07:54:50

概要

DQ2および同作の世界を舞台とした外伝に登場する王国・【城】
領土内に町や施設はほとんど無く、西に国境の宿場町【リリザ】がある他は、南に【ほこら】があるだけである。
SFC版の【公式ガイドブック】の英字表記はLauresia。英語版での地名はMidenhall(GB版のみLorasia)。
世界地図の北東部に位置しており、この国のある地域は、ローレシア大陸もしくはローレシア地方と呼ばれている。
 
【アレフガルド】の海を渡った【主人公(DQ1)】が、新天地で築いた王国である。
ローレシアという国名は、彼の最愛の妻【ローラ姫】の名を冠して名付けられたらしい(一般に「ローラ」は「Laura」と綴られる)。
勇者にとっては選択の余地はおろか熟慮する暇さえ与えられずに結婚するハメになったが、少なくともこの国を興すまでには押しかけ女房にベタ惚れになっていたようだ。
 
この国の傍系の王族が独立してできたのが【サマルトリア】【ムーンブルク】の2カ国であるとされる。
つまり、ここの王家が【勇者ロト】の嫡流の血筋である。
 
ゲーム内の設定上はローラの名を冠したことになっているが、制作上では別の由来はいくつか考えられる。
参考までに、かつて地球上に存在した超大陸にはよく似た名前の『ローレンシア』及び『ローラシア』が存在する。
現在存在する大陸でも、ヨーロッパからエジプト、ロシア、中国あたりまで含めた世界最大の大陸を『ユーラシア』大陸と呼ぶ。
あるいは、【遥かなる旅路】を作曲する際に「ロシアの広大な大地を思い浮かべた」と【すぎやまこういち】が語っている。

DQ2

主人公【ローレシアの王子】の祖国であり、DQ2の冒険における【スタート地点】である。
なお、現在の王は主人公の父親
 
物語はここに【ムーンブルク】の傷ついた兵士がたどり着いたところから始まる。
兵士が息絶えると王は間髪入れずに息子を旅に放り出す。
贈り物は50Gと【どうのつるぎ】という安物の剣。
FC版等では取らずに城を出ることもできるが、そうすると素手で戦わざるを得なくなるので、ありがたーく貰っておこう。
【そうび】も忘れずに。例のセリフの初出も本作のこの城である。
武器と鎧を装備していないと戦いに勝つのは難しいので、どこかの動画の真似をしないで武器と鎧を装備した状態にしてから城を出よう。
 
施設は【道具屋】【宿屋】のみ。何か寂しい。
というか自宅なのにタダ宿が利用できないという厳しさ。一国の王子も宿屋では「たびのひと」扱いである。
また、一度城を出てから戻ってきて王に話しかけると復活の呪文を教えてくれる。
シリーズ初の【旅の扉】もあり、入ると【南東の島のほこら】に直行する。
そこを出ると【ザハン】の町が見えるが、見えるだけであまり意味は無く、旅の扉とはどういう物かをプレイヤーに教えるためのものであろう。
なお旅の扉を通ると城外に出たことになるため、先述のようにFC版等で最初の宝箱をまだ取っていない場合は宝箱が消えてしまう。
宝箱を取る前にまずは城内を一周してみよう…などという、楽しみは後に取っておくプレイスタイルの場合は要注意。
ちなみに【教会】があって神父もいるが、「行く先々で教会を訪ねなさい」というだけで教会機能はない。
まぁあったとしても、この時点ではお世話になることはないのだが、物語後半に航海中や【じごくのつかい】相手に死人が出たりしてもここでは生き返らせることはできない。
リメイク版で【牢屋】のイベントバトルも【あくましんかん】に変わって死人が出やすくなっているのにやはり改善されていない。
地下にある牢屋の鍵を開けた後、中にいる男に話しかけると「ロンダルキアに通じる洞窟【いのちのもんしょう】がある」という情報がもらえる。
 
ゲーム進行のために次に行く所はサマルトリアだが、初めての人は【リリザ】に向かおう。
 
【勇者の泉の洞窟】【サマルトリアの王子】の話をした後、ローレシア王と話すとサマルトリアの王子の話になるが、ここに来なくてもサマルトリアの王子がいる。

実はローレシア大陸ではモンスターのパーティは最大3匹組でしか出現しない規制が掛かっている。十中八九バランス調整だろう。ただし、ぐんたいアリなどが仲間を呼んだ場合は例外である。
同様のバランス調整はDQ5の青年時代前半に於けるオラクルベリー~サンタローズ周辺でも確認できる。
 
一度スタートしたら、最後のボスを倒すまでは戻らなくてもクリアは可能だが、銀・金・牢屋の3種類の扉が揃っているので、鍵を入手したら戻ってくるとよい。
【きんのカギ】があれば宝物庫に入ることができ、中には【ロトのしるし】とその他アイテムがある。
最初からよこせよと言いたくなるが、未熟者がしるしを持つなど10年早いという事なのだろう、多分。
実際、ロトのしるしは所持しているだけで相当な力を持つロトの子孫だと見られてしまう節があるため、ロトの子孫だからと言ってとにかく持たせれば良いという物ではないのだろう。
DQ5の【おうけのあかし】のような扱いを受けている可能性を思えば、王族の試練の類もなく入手も任意なだけマシかもしれない(そもそも金のカギを手に入れるまでが壮大な試練と感じる人もいるだろうが)。
 
他に地下の牢獄の神父と話すと【じごくのつかい】との戦闘になり、倒すと【いかずちのつえ】が手に入る。
この地獄の使いは何度でも復活するので、特定の手順を踏めば無限に杖を手に入れて金を稼ぎまくる事ができる。→【いかづちの杖で金稼ぎ】
 
ちなみに、王の間には教育係のじいと思しき老人がいて、旅立ちの際には別れを惜しむ台詞を言うのだが、城を出て何もせずにすぐに戻ってきても「たくましくなられて…」などとお世辞(?)を言ってくる。かなりの過保護と思われる。
 
冒険の最後の最後には、ハーゴンの幻術という形でローレシア城が登場する。詳しくは【ハーゴンの神殿】を参照。
 
【エンディング】ではここまで帰ってくれば、ローレシアの王子が王位を継ぐことになってゲームクリアとなる。この点、王位継承を断った前作主人公とは対照的。
この時、地下牢や宝物庫側に行く通路の入り口が通れなくなっているが、これは入り口に何者かが立ちふさがっているからで、その証拠に話しかけると「」と無言の回答をする。
(壁など通行不能地形の場合は「そのほうこうにはだれもいない」と出るので、話しかけられる以上は誰かがいる。)

リメイク版

階段近くの宝箱を調べないと城から出られないようになった。
道具屋に【かわのたて】がある。
勇者の泉の洞窟でサマルトリアの王子の話をした後ローレシア王と話してからリリザでサマルトリアの王子に会う事になった。
 
【ムーンブルクの王女】をローレシア王に会わせると一度だけ王の話が変わる。
 
牢屋の地獄の使いが、ラスダンの敵である【あくましんかん】に差し替えられている上、一度倒すか全滅・逃走するとここではいかづちの杖は入手できなくなる。
ちなみに、牢屋での戦闘時の【エリアレベル】はローレシア周辺のものが適用される。
このため普通にプレイしていれば、悪魔神官戦では100%逃げるが成功する。コマンドミスには要注意。
 
また、この悪魔神官の目の前に【すばやさのたね】が落ちているのだが、城内のタンスに入っている【ふくびきけん】とどちらか片方しか入手できない。
福引券は【ぎんのカギ】さえあれば入手できるのに対し、種は【ろうやのカギ】が必要になるので、気付かず前者の方を入手してしまいやすい。
GB版以降では両方取れる。
なおSFC版ではローレシア内のある場所を通った後はローレシア内で【ラーのかがみ】を使うと、なぜか鏡が壊れてしまって王女を元に戻すことが出来なくなるためハマる。注意しよう。

小説版

前作の主人公アレフが「理想の国」として建国した。
城下町の外門のアーチには、アレフがミトラ教の聖書の一節から取った「訪れる者にやすらぎを、立ち去る者に幸せを」という一文が刻まれている。
これの元ネタはドイツ・ベルリンのブランデンブルク門に刻まれた言葉。

キャラバンハート

後の時代のキャラバンハートの世界では、ローレシア王家の関係者は誰もいない古城となっており、幻魔【カカロン】とその取り巻きなどが住んでいる。
流石にどうのつるぎと50Gだけで跡継ぎの王子を旅に出すような国は長続きしなかった。
 
なお、【ローファ】はかつてローレシアの城にいた人たちが作った村で、住民はその末裔だという。

ビルダーズ2

【ムーンブルク島】【ロンダルキア】を抜けた先に佇む、朽ち果てたローレシア城を目の当たりにして、プレイヤーはついに「世界の真実」に辿り着くこととなる。
内部構造は所々壊れているものの、本編のローレシア城に合わせて忠実に再現されており、隅々まで一見の価値あり。
一方ハーゴンの居城は【ハーゴンの神殿】から【ハーゴン城】へと変わっている。
 
イベントを進めて【ゆうきのオーブ】を入手するまでは住人もいるのだが、ローレシアの王子ではない主人公一行をDQ2当時のまま虚ろな表情で「王子」と呼び、当時のままの台詞をしゃべる。
宿屋では泊まれる選択肢が出るのだが、宿泊もしていないのに一泊したかのような台詞をのたまうし、道具屋では勝手に【やくそう】を売りつけようとして【枯れ草】を渡してくる(もちろん無料)。
城内には「ローレシアのはじまり」と題された本も確認できるが、表紙のみで中身は全て白紙。
まさに上っ面だけを再現したような朽ち果てた生活感の無い城の中、まるで壊れた機械の如く設定された振る舞いのみを虚ろに続ける人々の姿は、不気味を通り越してちょっとしたホラー。
 
玉座の間に至っては【ローレシア王】が相変わらずハーゴンに敬意を表しているが、その際、進みつつある幻の世界の崩壊が王らローレシアの人々にも訪れる。
会話の途中で熱に浮かされたように同じ台詞を繰り返しながら、他の住人ともども消滅してしまった。
本作の世界で最初に生まれた存在でありながら、作られて間もなく打ち捨てられ、その後途方もなく長い時間、自我を持つでもなく何か役割を果たすでもなく、人の訪れない廃墟の中ただただ決められた同じ振る舞いを繰り返し続け、ついに寿命が尽きても誰にもその死が顧みられることもない。
彼らは彼らで何とも悲哀を感じさせる存在である。
その後、王座の間に【ムーンブルク島】のハーゴン軍参謀たる【あくましんかん】が登場し、裏切り者も本性を表して共にバトルとなる。
 
ちなみに、ゆうきのオーブ入手イベント以前の段階で訪れることが可能だが、その時点でローレシア王に話しかけた場合、王らは消滅せず最後までセリフを話してくれるため、これで詰んでしまうことは無い。
 
先述した通り時の流れで朽ちてはいるが城の再現度はかなりのもの。
もはや住民が戻ることはないが、原作の存在する建築ベースとしては最大規模であるため、やる気は溢れているが一からアイディアを出すのが苦手、という人は原作を基に修繕してみるのも一興だろう。

DQM+

漫画「【ドラゴンクエストモンスターズ+】」では、直接登場はしないが、ロラン(DQ2のローレシア王子)が謎の失踪を遂げたために滅びた事になっている。
やっぱり銅の剣だけで王子を旅に出すような(ry
ただし、これはバズズが作り出した異世界でのことなので、正史ではどうなったかは不明。
というかこの世界の未来がキャラバンハートである可能性もある。
DQ2編の開始はだいたい2001年頃で、キャラバンハートの発売は2003年。
ゲームには製作期間があることなども考慮に入れると、どちらが先なのかは微妙なところである。
 
この作品では、「人々と共にある命、それがロトの血脈となる命」なのだと語られている。
これがロトの一族が代々持っている意識で、ローレシア王たちが息子を旅に行かせた理由なのかもしれない。
もしくは、「世界の危機が訪れたら立ち上がる」ことを民に誓って王家として認められたのかもしれない。