【ロカ】

Last-modified: 2023-12-21 (木) 17:24:35

勇者アバンのパーティ
【アバン】―【ロカ】―【レイラ】【マトリフ】【ブロキーナ】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
【カール】王国出身の【戦士】で、【アバン】と共に【ハドラー】討伐を成功させた仲間の一人。
【マァム】の父親でもあるが、本編の劇中では既に故人。享年19とかなり若いうちに亡くなった。
 
新アニメ版でのCVは三宅健太で、DQソードでは【試練の騎士】【アークデーモン】を兼任。更にDQ11Sで【ネルセン】役を担当しており、奇しくも後者は「先代勇者パーティの戦士役」を両作で務めることになった。
また、「獄炎の魔王」の作中で本人が「勇者の盾」を自称するシーンがあり、これもネルセンの関係者である【グレイグ】を意識している可能性が高い。

メインメンバーの親族ながら、どのように没したかが語られていない謎の多い人物でもある。
ハドラーとの最終決戦に参加している描写があるが、当時の年齢は18であるため最終決戦で戦死したわけではなく、その翌年に亡くなっている計算になるが死因は不明。
「その死は謎に包まれている」と言われているが、後述の獄炎の魔王で語られることはあるのだろうか?
 
生前の彼はかなりの力自慢だったようで、その怪力は娘のマァムにもしっかり遺伝し、当初は僧侶戦士だった彼女が後に武闘家に転職するきっかけにもなった。旧アニメ版の【マトリフ】の言葉によれば、マァムがもし男の子として生まれていたら武闘家にしたかったとロカ自身も言っていたそうな。
紙面が白黒だったので判りにくいが、マァムの母【レイラ】は黒髪なので、桃色の髪もロカからの遺伝のようだ。
新アニメ版や獄炎の魔王ではしっかりと桃色の髪で描かれている。
 
アバンの冒険の始まりを描いた短編 (JC13巻に収録) では、【カール騎士団】の団長を務めていた在りし日のロカも登場している。
この時アバンは王女フローラの危機を救った冒険者として騎士に取り立てられていたのだが、平時には不真面目で軟弱なフリをしていたため、アバンの真の力に気付いていないロカは団長という立場からしょっちゅう説教しているという間柄だった。
カール城がハドラーに襲われた際には、【イオナズン】を撃とうとするハドラーの腕を斬り落とす剣の腕前を見せ、アバンの援護に活躍している。
この時、アバンが「光る剣」を放ってハドラーを退けたのを目撃したことで、「お前の光る剣に希望を見た」と魔王討伐の旅への同行を決意。最初のパーティーメンバーとなる。
ロカを驚嘆させたこの光る剣こそが、後のアバン流奥義【アバンストラッシュ】の原形であった。
ちなみにロカ自身も、剣や斧によるパワーを活かした攻撃が得意で、剣技だけならアバン以上の強者という設定である。
騎士団で活動している時は制式の鎧兜を身に付けていたが、アバンに同行する際にはDQ3の戦士を思わせる羽飾りつきの兜と赤い鎧を装備している。
 
騎士団にいた頃は色恋に縁遠い堅物で、アバンに「一生剣に生きる」、「女を好きにならない」、「女性と恋仲になったら裸で国中走り回ってやる」とまで宣言していたが、数年後には旅の途中で仲間になった僧侶のレイラと恋仲になり、旅の真っ最中に子供を身籠らせている。その為、最初のハドラーとの戦いでは、レイラ共々パーティーから外されることとなった。
パーティメンバー同士が恋仲になるまではよくある話だが、そこから妊娠、それが原因で戦線離脱とはなんとも生々しい。
二人は恋仲であることを隠していたつもりだったが、他のメンバーにはバレバレだったうえ、ロカ自身はレイラを妊娠させたことをアバンに言われるまで気づかないという、情熱には正直でも色恋には鈍いままな所を見せている。こうした鈍さも娘に引き継がれているようだ。
後述される「勇者アバン」で【ロモス】王国出身のレイラと結婚式を上げたり新婚生活が描かれているが、アバンがその身を賭してハドラーを封印して得た幸せであることに負い目を感じていたようだ。
 
なお「裸で走り回る」宣言に関しては、後述のスピンオフでロカがレイラに弱みを握られる形でなあなあにして誤魔化す、いわゆる「公然の秘密」として凌ぎきろうとしたことが判明。24話ではアバンへの約束通り(本人は見ることができなかったが)裸で走り回った。
周囲を苦笑すらさせる微笑ましい恋愛関係の拙さは、娘だけではなくその相手にも通じる部分と言えるだろう。

勇者アバンと獄炎の魔王

アバンが魔王討伐を決意した始まりの時から旅を共にする親友。上述の短編のリメイクである第1話から登場する。
「ダイ大」本編においては一行で唯一の故人であったということもあり、人物像や描写があまり語られていなかったロカだったが、スピンオフに際して大きくその人となりや設定・活躍を掘り下げられることとなった。
本編から15年前のハドラー決戦時で18歳、旅立ちは「ハドラーの台頭~【凍れる時間の秘法】発動」(21~17年前) の間の出来事であるため、この時の彼は15歳前後である。
 
生まれつきの怪力の持ち主で、拳打で敵を盾ごと粉砕するほどの力自慢。旅の荷物もほとんど彼が背負っている。しかし、その膂力に頼りすぎて技術が疎かになっており、カール騎士団の剣術に必要な見切りも不得手。
この事は敵が強くなるにつれて本人も自覚し始め、戦果を挙げられない自分は仲間に比べて劣っている、と思い悩む一面もあったが、その悩みを見越してアバンがレイラに習得させた【ピオラ】によって反応速度や動体視力が向上したことで敵の動きを冷静に見切れるようになり、カール騎士団の剣技【豪破一刀】に開眼した。
 
性格は、基本的には感情をストレートに表に出す直情型。いささか堅物ではあるが、表裏がなくお人好しで面子にこだわらずに相手への感謝や美点を素直に伝えるため他人の信頼を得やすい。その一方で、理解を深めた相手とは言葉を交わさずとも意図を察して連携がとれるなど、本人は意識していないが人間関係の調節能力はかなり高い。
後世の勇者の仲間で言えば、ムードメーカーの【ポップ】【クロコダイン】の理知的な面を兼ね備えており、剣術が未熟にも関わらず彼が騎士団長に抜擢されたのは、先代団長【コバルト】がこの性格を見込んでいたため。先祖の教訓から他人と距離を置くアバン、他人に妬まれた経験から斜に構えるマトリフにも「悪いやつではなさそう」という直感で絡みに行き、本心を隠しがちな彼らからも親友と呼ばれるほどの関係を築いている。
その反面で、自身の問題に関しては内に溜め込んで思い悩んでしまう繊細な部分も持つ。自分のことで他人に心配を掛けさせまいと虚勢を張ることもあるが、その際は口の端が歪んでしまうという癖がある。更にその上、世界を救う希望と見定めたアバンや、好意を抱いているレイラのために惜しむことなく捨て石となることもを厭わない献身性を持ち合わせており、その危うさと、意地っ張りな点がレイラから「放っておけない人」として意識する間柄となる。
 
カールから旅立った直後、武神の教えを請うために訪れた【魔の森】では魔王軍幹部の一人【キギロ】に襲撃されるが、レイラの助けもあって辛くも撃退。影女として皆を騙していたことを後ろめたく思っているレイラに対して、自分やアバンを助けてくれて感謝しかない、と率直に述べ、彼女の心を開いた。
 
【ヨミカイン遺跡】では、アバンの目的が古代の呪文書だと聞いて「呪文の使えるアバンとレイラの二人だけが強化され、自分は取り残されるのでは」と劣等感に苛まれたところをマトリフに付け込まれ、封印されている彼の解放に利用される。しかし、実際の目的はピオラ習得によるロカ自身の強化であり、自分のことしか考えていなかった己を恥じ、より強固な信頼関係を築いた。また、当初は嵌められる形で協力させられたマトリフの封印解除についても親身になった結果、彼から気に入られ、マトリフがパーティに加わる要因となった。
マトリフは、アバンに対しては「本心を出さない得体の知れない奴」と警戒していたため、彼の参加はロカの存在によるところが大きい。
 
【オトギリ姫】に攫われたアバン救出の際は、自分一人では相手の攻撃に対応できないと察して防御一辺倒で時間を稼ぐ作戦に出る。マトリフに一言言われただけで自分が囮になることを理解しており、仲間への信頼を伺わせる。
続いて【サババ】に襲撃してきたハドラーとの戦いでも、瀕死のアバンが回復する時間稼ぎか逃亡のための捨て石の役割を買って出て、ハドラーに一騎打ちで戦い、剣を失っても拳によるインファイトを挑んだ。
意地っ張りな性格が災いしてすれ違いが続いていたレイラとはこの戦いの後でお互いの気持ちを確認し合い、めでたく両想いとなっている。
少年漫画のため直接的な描写はないもののこの時すでに肉体関係にあったと思われ、「ハドラーの脅威を一旦退け一段落付いたタイミング」という事で「旅をしている真っ最中に妊娠させた」という突っ込み所に一応の説明を付けた形となった。
凍れる時間の秘法編でレイラと結婚し、マァムが誕生。勇者と魔王の復活編ではアバンの闘気を発見し、水中から彼を救助した。

地底魔城突入編では娘を故郷の子沢山のお母さんに預けて出陣。寝込みを襲った【バーナバス】のマホトーンから身を挺してマトリフを守り、
ハドラー軍の総攻撃時にコバルトから後輩の【エルドラ】が騎士団長になった事を聞かされる。
魔城への突入時には先頭を引き受け、マトリフから不死鳥のかがり火を託され、レイラの助言で前進を最優先。
マトリフ離脱後、キギロが立ちはだかった際は不死鳥のかがり火をレイラにパスし、彼の相手を単身引き受けた。