GalnetNews3305年11月

Last-modified: 2020-01-18 (土) 17:26:28

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3305年11月24日- 連邦、Golconda乗員に新たな住処を贈る

 Golconda号乗組員に終の住処を提供するべく二大国が立候補を行っていた件ですが、連邦が帝国を下した模様です。

 両国のキャンペーンはともに各コミュニティから支援を受けていたものの、帝国の提唱した惑星港建設計画よりも連邦の軌道上基地計画の方が支持を得られる結果となりました。

 Golconda号からは乗員たちも連邦の計画成功に感銘を受けている、基地の落成次第移住を行うとの公式メッセージが発表されています。またこの基地はGolconda船長であるJonathon Forester氏を称え、Forester’s Choiceと命名される予定です。

 Golconda乗員は自治権を維持しつつも、連邦との提携に同意したとの事です。

 これを受け、連邦議会のHarlan Turk議員は以下の声明を公開しました。

 「我々連邦の祖先らから分かたれた社会に対し、新たな始まりを提示できた事を誇らしく思います。彼らのユニークな文化は連邦が庇護する星々と基地の中で今後も栄えることでしょう。」

 Jonathon Forester船長と乗員らに対し、帝国元老院のAva Cornelius議員からも親善を伝えるメッセージが送られました。Golconda号の選択に遺憾の意を伝えつつも、乗員らの今後の平穏と繁栄が祈られたとの事です。

 両計画のサポーターらに対し、Upaniklis星系の各メガシップにて報酬の支払いが行われています。

3305年11月22日- Golcondaからの贈り物

 世代宇宙船Golcondaの住民より、最近行われた支援に対する感謝の印とする贈り物がUpaniklis星系当局へ届きました。

 贈り物は、何世紀にも渡ってGolconda内でのみ蒸留されてきたApa Vietiiという銘柄のスピリッツ系のお酒で、付属のメモには、生産技術は22世紀以降ほとんど変わっていないと記されていました。

 分析の結果、消費上の問題はないとわかりましたが、原料や蒸留プロセスについては何もわかっていません。

 Apa Vietiiはまだ限られた人によって試飲されるに留まる中、このスピリッツを評価するために著名なグルメ評論家のGiles Cappelleo氏が招待されました:

 「いやぁ、なんて嬉しいことだ。前例のない体験をお先に頂けるとは! Apa Vietiiは、滑らかで、風味は歯切れよく、口当たりが爽やかですが、飲み込んだ後の余韻に力強い刺激がありますね。これが広く流通するようになったら、きっと世界中の愛好家達から崇められるみたいに大絶賛されるんじゃないかな。Golcondaの乗組員達は、潜在的にすごい金脈の上に座ってるように思いますよ!」

 一方Orion Independent UniversityのElizabeth Perez教授は、人類学者としての見解を出しました。

 「これは、部外者との交流に非常に消極的な社会からの重要なジェスチャーです。依然、彼らは孤立主義的なスタンスが主流ではありますが、Apa Vietiiの提供は、文明に再び加わることへ向けて文化交流が行われる兆しと解釈できるかもしれません。」

3305年11月18日- 超大国、Golcondaの未来を巡って張り合う

 世代船Golcondaの乗員達に新たな住処の提供を目指し、帝国と連邦より競合した取り組みが相次いで発表しされました。

 Upaniklis Vision Incorporatedによる援助の呼びかけに際して、工学分野の専門家により、この古代の船がコロニーのニーズを満たせなくなっていることが確認されました。Golcondaは長期にわたって居住できるよう設計されてはいるものの、施設が現在の人口レベルに対して十分ではなくなっているのです。

 長い議論の末、Golcondaの指導者らは船を放棄する苦渋の決断を下しましたが、船の船長であるJonathon Forester氏は人々が一か所にまとまれるよう強く要望しています。

 これに対し、帝国は惑星上に彼等の家を建設することで、コロニーの住民らが当初に船が担った任務を完了できるよう助けると誓いました。Ava Cornelius元老院議員による取り組みの要約です。

 「我々はこの旅人たちに彼等自身の名を冠する地を提供し、ひとつの人工的な環境で世代を重ねてきた来た彼等が何千年にも渡る旅路の果てにその運命を全うできるよう支えたいのだ。帝国の全面的な支援により提供される現代的な農業技術は、共同体の自立を実現するだろう。」

 一方、連邦は別のアプローチを採用しており、宇宙を航行してきたGolcondaの伝統を継続していけるOutpostの建設を提案しています。Harlan Turn議員により説明された概要です。

 「彼等が現在の生き方を続ける権利を奪う事は誰にもできない。近代的なOutpostならば、文化を維持しながらも連邦市場ガイドラインに則った新しい貿易関係築ける非常に優れた設備を提供できる。」

 両超大国は銀河のコミュニティに取り組みへの支援を呼びかけました。パイロット達はUpaniklis星系に浮かぶ両国それぞれのメガシップ、帝国であればThe Lucent Embrace、連邦であればKeller’s Resolveまで、Polymers、CMM composites、Titanium、Beryllium、Thalliumを届ける事ができます。

 この取り組みは3305年11月18日から26日にかけて行われる予定です。目標が計画より早く達成された場合は、その時点で終了となりますのでご注意下さい。

3305年11月15日- 帝国と連邦、Golconda号に注目

 現在も稼働し、搭乗員も生存している世代船の発見に、帝国と連邦が興味を示しました。

 先日行われたキャンペーンにより、Golconda号には医療品等が届けられました。
その後、帝国と連邦の両者共、付近にメガシップを派遣し、Golconda号の乗組員を現在の銀河コミュニティの一員として迎えようという動きを見せています。

 Ava Cornelius帝国元老院議員は下記の声明を発表しました:

 「この1000年超に及ぶミッションこそ、人類の不屈の闘志を体現するものであります。我々は、彼ら乗組員のために新たな惑星地上施設を建設し、彼らのミッションを達成するための手助けをする用意があります。そこで、彼らはついに動かぬ大地と開けた空を、我々帝国の庇護下で満喫できるのです」

 一方、連邦議会のHarlan Turk議員はまた違った提案をします:

 「Golconda号の彼らは、太陽系から旅立った名誉ある連邦の一員として迎えられるべきです。我々は、彼らの祖先が願った生活様式を保護し、彼らのためのアウトポストを軌道上に建設し贈呈したいと思います」

 現在の所、Golconda号の搭乗員とは、最低限のやり取りしかされておらず、また連絡を取れるのもUpaniklis Vision Incorporated社のごく一部に限られています。寄付された物資がひとまずの問題を解決した今、Golconda号のこの小さな社会は、今後の船と銀河とのあり方について大きな決断を迫られることでしょう。

3305年11月14日- Golcondaに医療支援が届く

 Upaniklis星系で行われた、世代宇宙船Golcondaへ必要な物資を供給する試みが成功を収めました。

 本件について、Upaniklis Vision IncorporatedのItsuko Harada代表より出された声明です。

 「医薬品、並びに緊急物資を届けた全てのトレーダーへ感謝申し上げます。また、これらの貨物を狙った海賊より守った勇敢なパイロットの方々も有り難うございました。Golcondaへの物資搬入は無事に終わり、感謝をもって受け入れられたものと理解しております。」

 医療物資については、Interstellar Health Organisation(星間医療機関)代表が同行し、使用方法の助言が行われました。チームリーダーのIvan Johansen医師は次のように語ります。

 「我々の抗ウイルス剤はGolcondaで使われていたものよりずっと高度なものです。投薬後、患者の初期反応は良好で、治療に効果的であるものと思われます。コロニー内で"衰弱キス"と呼ばれている感染症の拡大を食い止められるよう願っています。」

 Upaniklis政府関係者によると、Golcondaとの交流はより活発になり、中でも技術の進歩に関しては顕著だとのことです。地元メディアによる報道では、コロニーの住民達が彼等の古代船を破棄し、新たなホームを築き上げようという世論が熱を帯びていると伝えられています。

 また、Upaniklis星系のFozard Portでは、一連の作戦に参加したパイロットへ報酬の支払いが開始されています。

3305年11月11日- Golconda号の起源

 Orion Independent University(オリオン独立大学)の人類学部長・Elizabeth Perez教授により、世代船Golconda号に根付く文化の調査が進められています。

 「Golcondaの来歴についてはほとんど情報がありませんね。打ち上げの完全な記録が無くさらに青写真の公文書保管も無い、となると民間資本による宇宙進出の試みだったと考えられます。ですが22世紀社会の縮図と言える打ち上げ当時の文化が、過去1000年に渡る航海の中で分岐してきた事は間違いないでしょう。」

 「とはいえ乗組員らの言語は完全に理解可能ですし、彼らの社会構造についても見覚えのあるものです。現地でみられた厳格な治安維持も、孤立主義文化に認められる手法といえましょう。」

 「コミュニティ福利に従事する『監督』や、精神的な指針を示す『伝道者』も存在する事がわかっています。これらが示すことは、彼らが宇宙の旅人である事に満足している、というより恐らくそれ自体にもはや病的と言えるほどの存在意義を見出しているのでしょう。」

 Golconda号乗組員の録音した音声メッセージは銀河系各コミュニティで利用可能ですが、Golconda号とのドッキングはUpaniklis Vision Incorporatedを代表する一部の者のみとなっています。Perez教授は研究のため、同勢力にも聞き取りを行いました。

 「物資を輸送した方々へのインタビューは興味深いものでしたね。パイロットの一人はこう答えてくれました。…『あの貨物の積込みったらスゴい速さだったね。おしゃべりも一切無し。しかも俺らがいなくなるまで誰も貨物室に入ろうとしないんだ。俺らみたいなのを怖がってるって印象を受けたな。』」

 「こうした孤立文化が、来訪者との接触によって取り返しがつかないほど失われてしまう可能性がある事は歴史が証明しています。Golcondaコミュニティを支援するための努力が、このユニークで泡沫のような共同体を破壊しないよう注意する必要があるでしょう。」

3305年11月8日- 生存者のいる世代船が見つかる

 Upaniklis星系にて未だ人が生き残っている世代船が発見されました。

 世代船の遭難信号は、当該宙域のリスニングポストによって受信されました。調査に飛び立ったパイロットたちは、驚いたことにGolconda号という古代の世代船がUpaniklis星系内の無人宙域に漂っているのを発見しました。

 世代船とは巨大な、自給自足が可能なHyperdrive開発前の古い船で、元々の乗組員の子孫を新天地へと運ぶ役割をしています。Golconda号は千年の時を一つの自立した社会を抱えながら飛び続けたのです。

 しかしながら、その古い設備は乗組員のニーズに応え続けるのに苦労しているようです。現在の乗組員達は、メンテナンス用の素材や、船内にはびこる新種のウィルスによって日々消費される医療品の不足に悲鳴を上げています。

 Upaniklis Vision Incorporated社のItsuko Harada代表は下記の声明を発表しました:

 「Golconda号の人々は、当時からは信じられない距離を孤独に、社会から切り離されてはるばるここまでやってきました。これらの勇気ある人々は、『死のキス』とあだ名されている病に襲われ、閉鎖された環境で壊滅的な被害を受ける前に助けを求めてきました。」

 「もちろん、現在の所Golconda号の人々は自分達の住処を後にし、外の世界と交流を始める事に躊躇いを感じてはいます。しかし、彼らは我々からの医療品の供与に合意しました。」

 商業パイロットはBasic medicines、Advanced medicines、Aluminium、Ceramic composites、Semiconductors各種のコモディティをUpaniklis星系のFozard Portステーションへ運ぶよう要請されました。Upaniklis Vision Incorporated社はまた、付近の犯罪者を一掃するため、海賊行為を働いた者に賞金をかけ、撃墜したものに報奨を与える方針です。

 これらのキャンペーンは3305年11月8日から14日に渡って行われます。期限前に目標の額に到達した場合、キャンペーンは終了します。

 

関連記事:

3305年11月5日- Rockforth社、公式謝罪

 Rockforth社のCEOは、社が数百もの星系にもたらした作物病害について、遺憾の意を表明しました。

 Sylvia Rockforth社長はメディアへの発表の中で、今回のEX7新型肥料の品質管理における失敗は、長年「クオリティへのコミットメント」を標榜としてきた社の中でも特異な例であることを強調しました。

 「病害によって影響を受けた人々には深くお詫び申し上げます」Rockforth社長はそう始めました。「悪影響を及ぼすような製品をよく検証もせずに出荷するなど、本来あってはならないことです。弊社は今後、失った皆様からの信頼を取り戻すべく邁進していく所存です。EX7の売上をそのまま損害賠償へ回す事が、その第一歩となれば幸いです」

 「今回のEX7に関する見直しの中で、販売担当責任者であったRex Whitlock氏を含む、数人の社員との契約を打ち切る事となりました。Rexの出世欲が一般常識を片隅に押しやり、規定の手順を踏まなかった事が数億にも及ぶ人々に多大な被害をもたらした事を非常に残念に思っています」

 別のニュースでは、Interstellar Association for Agriculture(銀河農業組合)のGenevieve Kane博士が、いまや数千にも登る市場がこの病害に対抗するためのAgronomic treatmentを入荷した事を伝えました。

 「我々は製造ラインと配給システムを広域に渡って設立し、いつ何時病害が起きても大丈夫なように備えております」Kane博士は続けます。

 「さらにIAA(Interstellar Association for Agriculture)の船舶から提供されるデータにより、我々はどの宙域がAgronomic treatmentが必要になるかを高精度に推測することができます。Upaniklis星系から一つ気になる救援信号が出ておりますが、これは後々調査に入るとして、それ以外に関してはこの新しいシステムには自信を持っております」

3305年11月2日- 疫病が残した教訓

 一ヶ月に渡って広大な範囲の農地に被害を出し続けた作物病害ですが、現在正式に抑止が宣言されています。

 Interstellar Association for Agriculture(IAA)のレポートでも、被害が出ていた全星系から根絶された事が発表されました。新たな農業治療剤によって死にかけた畑が蘇り、生きている作物は収穫可能なまでに回復したのです。

 ジャーナリストのAdalyn Crossは、Vox Galactica紙に最近の出来事に関する考察を公開しています。

 「主食の利用可能率が通常レベルにまで戻ってきたことで、専門家は今回の大災害からどのような教訓が得られるか思案しているようです。IAAは農産物の適正審査規制を強化する事を約束しました。今回の疫病が伝播する速度は圧倒的で、誰もが驚愕していたことでしょう。二度とこのような事態が起こさない事が重要です。」

 「各情報機関は星間テロに取り組む上での戦略見直しを公約しています。疫病を引き起こしたScythe of Panemの過激派は逮捕されましたが、他にも生化学テロを計画している者がいるかもしれません。」

 一方Rockforth CorporationのPR部門は顧客と株主を安心させるために躍起になっているようです。EX7肥料が病原体の主要なキャリアーとなっていた点を批難されており、同社情報筋はScythe of Panemの工作員が商品に破壊工作を仕掛けることまでは予測できなかったと主張しています。

 ですが、同社が利益のために拙速に事を運んだ点が結果的に病害の深刻さに大きく拍車をかけたのは事実であり、Rockforth社は内部調査に関する報告を数日以内に発表するとみられています。