GalnetNews3306年6月

Last-modified: 2020-10-02 (金) 00:35:01

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GalnetNews3306年9月

3306年6月9日- Vitadyne社のナノ医薬品、マーケットへ

 3304年12月よりVitadyne Labs社が開発していたナノ医薬品が承認を受け、銀河中の医療機関に流通することになりました。

 当時のVitadyne社の見通しでは、ナノ医薬品は数週間のうちに広く行き渡る予定でした。星間保健機構(IHO)はすでに薬効を認め、Vitadyne Labs社のオーナーであるKatrien Rook教授の研究と開発に取り組む姿勢は広く賞賛を受けていました。

 しかし、なぜこの決して大企業とは言えない会社がこのような最先端の薬品を開発できたのか訝しむ声もあがりました。これに答えたのはUtopian教のリーダー、Pranav Antal氏で、彼はこのナノ医薬品は元々Utopiaが開発していたものだと発表しました。

 この横奪の非難に対し、Rook教授は元となったナノ医薬品は確かにUtopiaの物ではあるが、大破したUtopiaの輸送船から合法的にサルベージしたものであると主張しました。

 Pranav Antal氏は元となったオリジナルのサンプルと、Vitadyne社が開発した派生サンプルの返還を求め、長い裁判が始まりました。Vitadyne社は、社が開発した派生品は人類に非常に有益であり、購入できるようすべきであると主張しました。IHOはVitadyne社の訴えを認める裁決を下しましたが、流通には既に業界で展開している企業が携わる事を条件としました。

 白羽の矢はVandermeer社に立ち、社は製造に必要な工場施設を整えました。その後もナノ医薬品の製造に必要となる厳格な品質管理と、人材の資格について、すべての関係者が合意するまでに1年を要しました。

 「Vitadyne社のナノ医薬品がKuma星系で販売出来るようになったことをここに発表でき、大変嬉しく思います」

 Rook教授は、Elion Dockステーションでの記者会見で、こう述べました。
「我々はVandermeer社のチームと素晴らしい関係を築いており、我々の努力の成果を人類と共有できることを楽しみにしています」