科学技術・経済力・生産力が大幅に勝るならば、躊躇なく戦争を始めればよろしい。
ここで解説するのは要するに「少ない兵力でいかに大きな戦果を上げるか」「格上を相手にどう戦うか」である。
攻める
言うまでもなく、攻撃側の理想は「短期決着」である。
戦争が長引くほど研究・開発の遅れは顕著となる。
誰を攻めるか?
戦争の前には敵国の力量を計ること、敵情を知ることが不可欠である。
具体的にはスコア・都市数・国土面積・科学力などをいう。
攻める以上は軍備に投資した以上の戦果を得なければならない。
大使館があれば税率や研究中の科学などが分かる。これは極めて重要な情報である。
- 情報収集を怠ったために起こる事態の例
- 都市数が少ないと見て初期ラッシュをかけたところ、こちらが未探索の領域に広大な国土を持っていた
- 隣の島に初期ラッシュをかけたが、丘都市の攻略に失敗した。もう少し探索していれば平野都市を複数発見できていた
- フリゲート艦を建造したはいいが、敵国には実は同盟国がおり、既に火薬を持っていた
- 核攻撃しようと「マンハッタン計画」を建造したところ、逆に敵国から先んじて核攻撃を受けた
どこを攻めるか?
- 攻撃目標としてふさわしい都市の例
- 城壁がない都市や平地にある都市。即ち防御の薄い都市
- こちらの本土から近い都市。増援を送りやすく、また進軍中の被害を減らせる
- …と見せかけてあえて遠い裏側の都市。防御の薄い場合がままある
- 山や丘に隣接している都市。都市に接近しても迎撃されにくい
- 首都。内戦の勃発を狙う
- 不思議の建設された都市
- ふさわしくない都市の例
- 見るからに防御の堅い都市。城壁のある都市や山都市。
- こちらの本土から遠い都市。前線で戦闘しつつ、後方から増援を送るのは極めて難しい。
- 戦略的に価値のない都市。攻略しても利益の少ない都市
ただし防御の堅い都市は、それだけ陥落後に奪還されにくいということも意味する。
こういった判断は経験によるところが大きいだろう。
何で攻めるか?
選択肢は限られるので、どのユニットを使うべきか迷うという状況はあまりない。
要するに強くて安いユニットが望ましいわけだが、戦局を打破しうるユニットがいくつかある。
攻撃側は研究を進めつつ新兵器の数をすぐに揃えること、守備側はその動きを察知することが重要である。
特に有利なユニットが無い分、装甲艦やカノン砲あたりは特に防御有利の時代と言えるだろう。
- 弓兵
- 城壁の整っていない最序盤において攻守共に優れた優秀なユニット。ただし城壁が建ち始めると途端に辛くなる。
- チャリオット
- 移動力の高さを生かしてラッシュが可能だが、車輪は寄り道技術で、防御力も低く上級者向け。
- カタパルト
- 城壁ができて膠着したところに登場する、最初のブレークスルー。
- フリゲート艦
- 火薬を持っていない民族には極めて有効。猛威を振るうこと間違いなし
- 装甲艦
- フリゲート艦と違い例え火薬を所持している民族が相手でも、沿岸防衛が揃っていなければ非常に強力。
- 大砲
- 山岳部隊に対しても有効。
- 戦闘機
- ラッシュの代名詞。数を揃えて初めて役に立つので、相応の生産体制も必要。
- 巡航ミサイル
- 戦闘機で攻めきれなかったときに
- 核兵器
- レーザーを発見していない民族に対して大量虐殺が可能
- 榴弾砲
- コストパフォーマンス極めて高し。ややバランスブレーカー気味の変態スペック
敵都市の防御能力を調べる
どんなユニットがどれだけ守っているか、これは重要な情報である。
同時に沿岸防衛や対空ミサイル陣地など防御力を向上させる建造物の有無も確認したい。
これにより陸・海・空どこからどの部隊で攻めるとより効果的かが判断できる。
いかに攻めるか?
AI相手には特に考える必要のない部分である。
彼らは人間プレイヤーとは同時に行動せず、また柔軟な思考を持たないからである。
攻撃目標としてふさわしい都市を、適切なユニットで攻めればよい。
問題はオンラインである。
オンライン対戦では、限られた時間の中で敵味方が同時に動く。
同じ人間を相手に、いくつかの戦術が考案されてきた。
攻撃部隊の一括移動
「Shift+v」などのショートカットで、複数の部隊を一括選択できる。
これをもって敵ユニットを殲滅…まあ、数でごり押しする。
部隊数が20や30になるとFreecivが処理落ちに近い状態に陥り、反撃する機会を与えないという効果も期待できる。
「Shift+x」(全世界の同種ユニット一括選択)は総攻撃を行う際などに便利だが、個々のユニットの動きを把握するのが難しい。
迎撃の危険性も高くなるため、一旦どこかに集結させるなど、工夫して上手く使いたい。
ターンの終了間際・切り替わり直後に攻撃する
残り時間が数秒になったところで攻撃を開始する。
ターンが切り替わる数秒は操作を受け付けなくなるため、迎撃は極めて困難。
ただし攻撃側も周到な準備が必要となる。
ターン切り替わり直後の攻撃も同様。
切り替わりの前に移動指定を行う、つまりユニットに「G」マークがついた状態で切り替わりを待つ方法もある。
この場合はターン切り替わりと同時にユニット移動が自動で行われる。
死角から攻撃する
攻撃直前まで敵に察知されないようにする…これは戦闘における基本中の基本である。
敵の視界内を不用意にうろついた挙句、集結中の攻撃ユニットを叩かれるなどは論外である。
常に敵の視界を計算に入れつつ行動することを心がけたい。
ユニットは視界の狭いものから広いものまで様々だ。
対して都市の視界は規模に関わらず固定であり、これは市民がその都市で労働できる範囲に等しい。
右図ではスペイン軍がオランダ都市の死角から上陸している。
スペイン側は国境線の範囲から、都市を目視せずとも位置を把握できるであろう。
加えて山に上陸しているため、オランダが仮に気付いたとしても迎撃が困難である。
死角からの接近、攻撃は迎撃のリスクを最小限に抑える効果的なものであるが、「視界の共有」には注意したい。
自国の視界を持つ同盟国・友好国の中に裏切り者がいれば、敵国に視界が丸見えなんて状況も有り得るのだから…
守る
攻撃側の理想は「短期決着」だと述べた。
対する守備側、理想は攻撃側ユニットの殲滅であろうが、格上相手にはそうはいかない。
すべきことは「時間稼ぎ」…泥沼の長期戦に持ち込むことである。
占領した都市を
苦労して都市を手に入れても、すぐに奪い返されては意味がない。
それどころか技術の流出で戦況が大きく変わることもある。
そこを拠点に侵攻を加速させるにせよ撤退するにせよ、ある程度は都市防衛が必要となる。
まずは防衛を担う歩兵部隊を確保し、城壁や沿岸防衛などが占領の際に破壊されていないかを確かめる。
場合によってはすぐに購入することも検討すべきだろう。
輸送艦を解散させて安く購入するとか、柔軟に対応しよう。
防衛を担う歩兵部隊が少ないと攻撃ユニットが次々に撃破されることもありうる。
最初から十分な数を揃えるのが理想だが、準備に手間取り過ぎて攻撃のタイミングを見失うのは避けたい。
自国が民主主義でない場合は、反乱の扇動に気をつけよう。
敵の外交官が接近を繰り返している場合は特に注意し、裁判所を建てるべきかもしれない。
都市の配置
地形
丘・山・川などの高い防御力修正がかかる地形に都市を建設する。
草原や平野都市は上位攻撃目標になるので、特に注意しよう。
都市のタイルが平地であるのは攻撃側有利だが、都市の周りのタイルが平地なのは守備側有利である。
もちろん敵を迎撃しやすくなるためであり、湿地や森・ジャングルは積極的に平地にすべきだろう。
爆薬を開発したら、全ての都市をエンジニアで丘に変更しよう。
タイルごとの地形だけではなく、周囲の特別資源や、可能な限りその島・大陸全体の地形を考えた都市配置が望ましい。
右図では地峡に建っている都市(Tampere)により島を縦断でき、結果として南北への航路が短縮される。
島全体としても死角がなく、海上の特別資源も全て隣接する位置に都市があるため国境内に押さえている。
都市間隔
都市間隔を狭くすべきか広くすべきか、これは一長一短ありどちらが正しいとも言えない。
狭ければ必然的に上陸地点が限られるし、攻撃側も猛烈な反撃を予期して躊躇する。
だがマップが見づらくなる上に、都市陥落による技術流出の危険性も増す。
長期的に見れば都市が互いの成長を互いに邪魔しあうことにもつながる。
広く取った場合は都市から都市へのユニット移動に時間がかかる。
また都市一つ一つの重要性が増すため、体勢が大きく崩れることにもなりかねない。
ただし焦土作戦が取りやすい、操作がしやすいといった利点もある。
いずれにせよ、死角をつくらないようにすることが重要である。
鎖国
植民地の小島で行うのが一般的。鎖島?
本土なら一人島であることと、間隔を狭めた都市配置であることが前提条件となる。
沿岸をユニットで埋め尽くし敵の上陸を許さない。
初期の労働者や探検家に協力してもらうと都市の負担軽減に繋がる。
キャラベルが出てくる以前のいわゆる初期R対策程度にしかならないが…
弓兵もファランクスも取らず君主or共和を目指して一直線、そんな戦士オンリーの軍事弱国には特に恩恵がある。
たとえカタパルトが積まれていようが上陸されない限りは怖くないのだから。
全てのタイルを埋めることができなくても、山や丘などに守備兵を置いておくだけで効果はある。
上陸できる地点が平地しかなければ敵の迎撃もしやすいため。
しかし攻撃そのものを受けない状態にするためには、完全に埋め尽くし上陸地点をなくす他ない。
迎撃する
- 囮作戦
都市に隣接する敵の侵攻ルート上に、外交官など何でもいいからユニットを置いておく。
一括移動指定された敵部隊が囮とぶつかり強制停止したところを狙う作戦である。
敵が近くから攻めて来る場合など視界的にばれてしまうケースも多いが、
それでも他にルートがなければ囮は強力な盾として機能し得る。
…ホントか、これ?
- 哨戒作戦
主に島の防衛において有効。
あらかじめ島の周囲に見張りの船を置いておき、近づいてきた敵が上陸する前に船ごと沈めてしまうというもの。
死角があると全くの無意味なので配置は肝心。
また都市内の防衛部隊を疎かにしてもいけない。
抵抗する
焦土作戦
明らかに防衛が困難な都市は、潔く諦めること。
その上ですべきことが先に述べた「時間稼ぎ」であり、焦土作戦はその最たるものである。
建造物を売り払い、その上で完全に都市を破壊させる。
これは進撃を阻む、奪還を容易にする、成長を邪魔するなどを意図したものである。
それぞれ兵舎や港湾施設を売る、城壁や沿岸防衛を売る、港や銀行を売るといった具合だ。
また強力な不思議(アレクサンドリア図書館やニュートンの学士院など)のある都市を消滅させれば、
侵略してきた国はそれを利用できなくなる。
都市を破壊した敵ユニットは野ざらしになるため、ここを狙ってぜひ反撃したい。
道路の破壊
鉄道や道路を破壊することで進撃を阻む。
同時に都市奪還が難しくなるため、使いどころはやや難しい。
研究の奪取
科学力の勝った国に都市を占領されたら、すぐに外交官またはスパイを買って技術を盗む。
火薬・冶金学・戦術・ロケット工学・レーザーなどはその後の国土防衛に役立つ。
盗み出した科学を他国に譲って世界を泥沼の混戦に陥れるのも良い。
負け戦だからといって諦めるなどもってのほか、いかに敵国を消耗させるかこそ腕の見せ所である。