戦略

Last-modified: 2020-07-04 (土) 20:30:08

概要

Freecivにおける戦略とはすなわち、「研究・開発・軍事」のバランスをいかに取るかに他ならない。
同盟国のいない状態で1つでも事欠けば、その国の将来はないと言える。
研究を欠けば非効率な戦争しかできず、開発を欠けばいつまでも国力が増さず、軍事を欠けば安々と侵略されるだろう。

3要素の相互関係

都市配置

都市をどのように配置すべきか。単純な分類ではあるが2通りが考えられる。
多数の小さな都市を抱えるスモールポックスと、少数の大きな都市を置くラージポックスである。
これは簡単に言うと「人口5*10都市と人口10*5都市のどちらが有利か」という問題である。
一方が他方に対し常に優れているということはなく、それぞれ利点と欠点がある。

別ページで詳細に比較・考察している。→戦略/smallpoxとlargepox

スモールポックス(smallpox)

利点
  • 人口増加速度が速い
  • 過密が原因の不幸市民がごく少数か、または生まれない
  • 都市間のタイルが少ないため、労働者の作業ターンが少なく済む
  • 1ターンあたり生産できるユニット数が多い
  • 都市から都市へユニットを0Tで移動させることができ、防衛が楽
  • 都市が陥落しても失われた人口の割合は少なく、ダメージが小さい
欠点
  • 多すぎる都市数が原因の不幸市民が発生する
  • 都市管理の繁雑化
  • 画面が見にくい
  • キャラバンや都市建造物の建設費・維持費がかさむ
  • 交易路1本あたりの収入が小さく、国際交易路は容易に廃止されうる



都市が小さいほど人口が増えるターン数は少なく済むことを利用した高速成長戦略。
ICS(Infinite City Sprawl/Sleaze)ともいう、らしい。
Freecivのver1系時代には必勝法として猛威を振るったが、現在のver2系時代にあっては主流でなくなった。

主にフリゲートラッシュを狙う戦略で、1対1の勝負では未だに有効。
目標は速やかに共和制に移行し祝祭ブーストをかけること。
丘のような交易ポイントの少ない地形は避けて都市を造り、共和制までに道路建設と灌漑を終わらせる。
「地図」は取らないが「陶器」を取り穀物庫を利用する場合もある。

ラージポックス(largepox)

利点
  • 多すぎる都市数が原因の不幸市民が発生しない、または少ない
  • 交易路や都市建造物の必要数が少ないため、建設費・維持費が安く済む
  • 都市管理が楽
  • 画面が見やすい
  • 交易路1本あたりの収入が多く、国際交易路は廃止されにくい
欠点
  • 十分に人口が増えるまでの間、未入植タイルが多い
  • 1ターンあたり生産できるユニット数が少ない
  • 都市間のタイルが多く、労働者の作業ターンが多い
  • 鉄道のない時代はユニットの都市間移動が1T以上かかりうる
  • 都市が陥落した場合のダメージが大きい



将来的に各都市のサイズを大きくできるように、都市間隔を広めに取る戦略。
本土に都市を多く造れない場合は「地図」を取り、小島に殖民する。
オンライン対戦ではこちらが現在の主流である。

研究ルート

ここでは専制政治脱却までを最序盤、火薬取得までを序盤、飛行術・小型化取得までを中盤、それ以降を終盤として解説する。

最序盤

◎安定 地図→兵法→君主制

一人一島の基本となる戦略である。
まず専門家の科学者を用いつつ「地図」取得を急ぎ、周辺の探索と小島への植民を行う。
次いで生産力のある都市で弓兵を生産し、各都市に配備しつつ君主制へ移行する。
科学系数が高い場合は「法律」の前に「筆記」を研究する。
回り道ではあるが、図書館を建設した方が結果的に君主制移行が早い。

「兵法」を「地図」より後回しにできるような、開始直後に攻撃される心配がない場合に適している。
君主制は共和制よりもBNPで劣るが、生産力・外交の自由度(条約破棄を妨げられない)・植民のしやすさなどの点で有利。
これらはそのまま軍事的利点でもあり、攻勢・守勢どちらも得意。
人間プレイヤーは敵に回すとAIよりも遥かに厄介なので、オンライン向きであるとも言える。

「兵法」を取らず埋めて守る手もある。
しかし攻勢に出るべき局面で弓兵がいないというのは君主制の利点を1つ潰すことにもなるため、あまり勧められない。

○初ラ 地図→兵法→数学→筆記

一人一島の攻撃的な戦略で、いわゆる初期ラッシュ戦略。
「地図」を獲得してすぐに戦士を上陸させる。
次いで弓兵を送り込み、最終的にカタパルトで敵本土を全て制圧する。
都市を陥落させるだけの腕前が要求されるのは言うまでもない。
敵本土が近く、周辺に小島が少なく、生産力に優れている場合は適している。敵が初心者の場合にも適している
「筆記」は攻撃しつつ外交官で科学技術を盗み出し、他プレイヤーとの遅れを取り戻すために使う。
図書館は建てたとしても限られた都市だけにして、攻撃に集中すべきであろう。
最大の欠点は埋め戦術で完璧に防がれること。
また戦争が長引くほど研究が遅れ、取り返しがつかないほどの差になりかねない。
首尾よく隣国を制圧したとしても、その後の開発に手間取りがち。難易度はやや高い。

あえて「兵法」を研究しない地図→数学ルートもあるが、こちらは敵の逆侵攻(カウンター)に弱く危険。

○共祝 (地図)→筆記→共和制→神秘主義

あえて君主制は無視し、共和制の祝祭ブーストを狙う戦略。
さらにここからスモールポックスか、ラージポックスかで2通りが考えられる。
いずれにせよ上手くブーストが決まれば一気にスコアを伸ばすことができる。
欠点は共和制移行後の生産力に不安が残ること、群を抜いて高いスコアがやたらと警戒されること。

スモールポックスの場合は都市をできるだけ多く建て、「兵法」は取らず埋めだけで国土を守る。
本土の大きさが小さすぎても大きすぎても難しい。
「地図」は研究せず、とにかく共和制移行だけを考える。
その後はフリゲートラッシュを狙って国土を拡大すべきであろう。
1対1の勝負では比較的優れた戦略。

ラージポックスの場合は「兵法」で都市を守ることが必要になるだろう。
本土の都市数が限られるため、「地図」を研究して植民する必要もある。
…こうなるともはや◎安定の君主制を目指す戦略とほとんど変わらない。
さらに「君主制」は「読み書き」より早く獲得できるため、あえて「共和制」を目指すメリットは薄い。
薄いどころか生産力に劣るため、他プレイヤーから狙われる恐れすらある。
国防に不安がなく、交易路を安全に結べる場合のみメリットが大きいと言えるだろう。

▲交易 地図→交易→共和制

専制政治から脱却することよりも先に交易を目指す戦略。
交易路を早くから結び始めることで優位に立つ。
他プレイヤーと別島である一人一島、特にチーム戦向き。
海外・同島や国内交易路の場合は「交易」を「君主制」より優先するメリットがあるかどうか疑問が残る。

国防に関しては弓兵を配備するよりも、ファランクスや戦士で埋めて都市を守るのがよいだろう。
またキャラバンは高コストなので、それなりに生産力が必要。
輸送中に撃沈されるとダメージが大きいので、安全なシーレーンも必要となる。
海外交易路を整備できれば祝祭ブーストが容易になるので、早めに共和制へ移行するのがよいだろう。

×ア図 読み書き

国防は埋めだけ、植民すらせずアレクサンドリア図書館建設のみを目指す戦略。
一世一代の大博打とも言うべき、相当な賭け戦略。
完成させたところで陥落してしまえば無意味であり、当然ながら大陸戦には向かない。

「法律」より先に「筆記」を研究して図書館を建設し、「読み書き」獲得を急ぐ。
不思議建設に成功しさえすれば研究を進める必要がなくなるので、「読み書き」を取った後は図書館を売却してしまってもよい。
また外交官を量産しておき、解体することでアレクサンドリア図書館に生産ポイントをつぎ込む。
外交官1ユニットで+15なので、20ユニット用意できれば即座に完成させることが可能。
不足分は国庫金で補い、1ターンでも早く完成させるのが鍵である。

プレイヤー数が多いほど効果が大きく、有利になる可能性は高い。
ただし他プレイヤーが先にアレクサンドリア図書館を完成させてしまうことも考えられる。
こうなると完全に詰みかねないので、最大の欠点は言うまでもなくこの点にある。
また植民しなかった分は後から敵都市を攻め落とすことで補う必要がある。
そのため少ない都市数でも満足に戦えるように、共和制に移行し早めにブーストをかけるべきであろう。

◎安定 兵法→石工術→君主制

大陸戦での基本となる戦略である。
開始直後から積極的に戦士を生産し、山や丘に配置して他プレイヤーの領土拡大を阻む。
最初に必要となるのは何よりも弓兵。
建ててすぐに攻め落とされないように注意しつつ都市を増やす。
もちろん丘や山など防御力の高い地形を重視し、平野・草原は避けるべきである。
早めに兵舎を建て、ベテランユニットを生産すること。
その後は城壁を建て守りを固めつつ君主制移行を目指す。

○脱出 兵法→地図→君主制→交易

大陸戦は他プレイヤーから攻撃を受ける可能性が高いので、戦略の自由度は少ない。
ただし極地に都市を建設できるという島戦にはない特徴がある。
本土は最低限の都市だけを建設してこれを厳重に守り、他プレイヤーよりも先に極地に植民を行う。
運が良ければ小島や別大陸を発見することもあるだろう。
その後は交易路を結び、植民都市を育て上げることができれば優位に立てる。

初期地点が海、特にどちらかの極地に近い場合に適している。
特に極地都市は生産力に劣るため、防衛がやや難しいのが欠点である。
祝祭ブーストをかけられれば有利だが、共和制移行を焦ると貴重な都市を失いかねない。
またそもそも小島や極地に何都市建設できるかは探検してみるまで分からず、長期的な戦略の組み立てが難しい。

序盤

◎安定 交易→航海→神秘主義→火薬→民主主義

序盤の基本となる戦略。
交易路の接続、港・市場・寺院などの建設、「火薬」研究の3つを並行して行う。
その後、君主制の場合は共和制を無視して民主主義に移行する。
これは共和制移行に伴う革命のターンロスを嫌うためで、科学系数がそれほど高くない場合に適している。
民主主義へ移行してそのまま祝祭ブーストへと繋げ、短期間で一気に成長させるのがコツ。
「神秘主義」は寺院の効果を強化してくれるのでいずれ必要になるが、特に優先する必要はない。

どちらかと言えば消極的・防御的な戦略である。
十分な数の都市を持っていて積極攻勢をかける必要がないとき向け。
また対フリゲートラッシュ戦略でもある。

○共祝 交易→航海→神秘主義→(建設)→共和制→(火薬)→民主主義

建物や交易路などの準備ができ次第共和制へ移行し、祝祭ブーストをかける。
国防に関して不安がないときは「火薬」を後回しにして「民主主義」を研究する手もある。
このときフリゲートラッシュを食らおうものなら即死確定なので、大使館などで敵状を確実に把握しておきたい。

共和制に移行してブーストをかけた後の研究速度は、当然ながら君主制よりも遥かに速い。
よって科学系数が高い場合に適した戦略と言える。
また交易路による交易ポイントの増加分は都市サイズ依存なので、人口が多いほどますますBNPが伸びる。
そのため同盟、あるいはチームで戦っているときは、比較的安全な後方プレイヤーは先んじてブーストをかけるとよい。

▲フラ 磁気学

フリゲートラッシュを狙う戦略。
フリゲート艦は「火薬」以前のユニットに対し極めて有効なので、一気に領土拡大を図る。
ただし「磁気学」は「火薬」よりも多く研究ポイントを要し、約1.3倍である。
他プレイヤーと同じように協力しあい、交易路を結んでいてもマスケット兵が登場する方が早い。
都市を落とせないだけならともかく、逆に「磁気学」を盗まれてカウンター攻撃を受ければ大打撃である。
ハイリスク・ハイリターンな戦略であり、使い所は難しい。
「哲学」を最初に獲得することで「磁気学」をタダでもらえればベスト。

▲キャラ 航海術

キャラベルラッシュを狙う戦略。
「磁気学」ならともかく、「航海術」の段階で「火薬」持ちのプレイヤーはほとんどいない。
キャラベルの攻撃力は2しかないが、特に防御の薄い都市を狙って陥落させる。
本土攻撃は敵がよっっっぽど油断していない限り成功しないので、主に小島の制圧が目的である。
「火薬」ルートを研究している敵から都市と共に科学技術を奪い取るのが理想。
また「磁気学」ルートの敵に先制攻撃をしかけ、出端を折る手もある。

キャラベルを揃えるのはコストがかかるため、攻撃に失敗すればかなりの無駄遣いになる。
カタパルトを併用するのがよいだろう。
また埋め戦術に頼りがちな共和制国家は特に狙いどころである。

ラッシュ以外に、敵トライリーム撃沈を目的とする手もある。
キャラバンを積んだトライリームが近海にいる場合はこれを狙うのもよいだろう。
ただし損害が大きい分、敵国の恨みもより深くなること間違いなし。

中盤

中盤以降はこれといって定まった戦略パターンは存在しない。
臨機応変な研究ルートの選択が求められる。

民主主義

民主主義は共和制と同様に生産力に劣るものの、利点は数多い。
全都市汚職0と祝祭ブーストの特性を持つので、一気に人口とBNPを伸ばすことができる。
このブーストをいかに早く、効率的に、そして安全にかけられるかが重要である。

基本的に最終的な政治体制は民主主義だと考えてよい。
ただし戦争の際に都市がすぐ混乱するため、初心者向きではない。

経済・大学・公衆衛生

それぞれ証券取引所・大学・下水道が解禁される。
高価ではあるが、特に島戦において研究競争で勝つためには必須である。
中でも下水道が忘れられがちだが、小さな孤島でもブーストをかけることで都市サイズ20近くまで引き上げることができる。
だが内政のことばかり考えていると装甲艦で襲われることもあるので注意。

爆薬

エンジニアで全都市の直下タイルを丘へ変更するのが目的。
丘は高防御・高生産・耐地形変化と3拍子揃っており、都市直下タイルとしては最良地形である。
しかし作業にはやや時間がかかるため、優先して研究しておくべきだろう。
攻撃を考えているときは敵が丘化を済ませる前に行わないと、損害が桁違いに増える。

冶金学・電気学

冶金学は特に大陸戦で重要度が高い。平地都市であればマスケット兵相手にもそれなりのダメージ量を期待できる。
数を揃えて攻撃するためには鉄道網があった方がよい。
しかし鉄道を待っているうちに敵がエンジニアで丘化してしまうのは絶対に避けるべきである。

電気学は駆逐艦で攻撃するというより、アレクサンドリア図書館を無効化する効果が大きい。

鉄道・工業化

特に大陸戦において鉄道は重要である。
即座に全土からユニットをかき集められるので、戦争の様子が一変する。
迂闊に進軍を止めるとカウンターで逆に攻め寄られるので、行けるとこまで一気に行くのがよいだろう。
また鉄道を引くことで生産ポイントが上昇するタイルがあり、これは民主主義国家にとっては貴重である。
あらかじめ道路を引いておこう。
更に不思議「ダーウィンの航海」も解禁される。
「飛行術」を狙う場合は是非とも建設してターンを短縮したい。

工業化は工場と輸送艦が解禁される。
どちらも役立つが、この時点で工場を建て過ぎるのはコスト面であまりよくない。

飛行術

戦闘機は単独ではあまり強いユニットではないが、数を揃えると驚くほど強い。
オンライン対戦における戦争ではいつも戦闘機が飛び交う。

飛行術自体は徴兵制や鉄鋼などを前提として必要とせず研究することができる。
しかしあまり焦って研究を終えて攻撃しようにも生産力不足が目立ち、
また科学技術を盗まれてカウンターを食らうということもありうる。
小型化(生産力増強)・戦術(占領後の都市防衛)・上陸戦(迅速な占領)など、
攻める前に他の研究も終えていたほうがよい場合もある。
逆に猶予を与えず、敵が丘化を済ませないうちに攻撃すべき場合もある。
この判断が戦闘機ラッシュを仕掛ける際に求められる。

偵察

特に対AIで有効。
必殺の切り札、9回2アウトからの逆転満塁ホームランを打てるのはスパイだけである。
敵と科学力の差があまりにもついた場合は、科学技術を盗み出す以外に道はない。
幸いFreecivのAIは思考が単純かつ現代兵器の運用がまるでなってないので、
「都市を造る→もう一人開拓者を追加してサイズ2にする→占領させる→科学技術を盗んで都市を破壊」
というループを繰り返せば、残り1都市だろうが勝てる。

上陸戦

船上から直接都市を占領できる海兵隊が解禁される。島戦の場合でのみ重要。
いるのといないのとでは戦争の効率が遥かに違う。
ただし研究完了を待っているうちに攻め時を逃すということがあるので、その見極めがやや難しい。

工作機械

ライフル兵や山岳部隊が登場すると、さすがにカノンでは力不足になってくる。
火力が2に上がった大砲で一点突破を図る。
小型化の前提技術という点でも重要。

小型化

島戦で有効…と思いきや、大陸の沿岸都市でもかなり使える。プラットホーム+工場+フーバーダムで戦闘機や爆撃機、榴弾砲などを量産し、他国を圧倒しよう。

終盤

無線通信・ロケット工学

核分裂

マンハッタン計画は、余程科学技術が進んでいない限り、自分では建てない方が無難だろう。

諸兵科連合

ヘリは無視するとして、空挺部隊は占領に役立つ。対人戦だと微妙だが、対AIでは重宝する。

ロボット工学

榴弾砲はチートなので、工場+フーバーで量産しよう。ただし、民主主義と相性が悪いので、婦人参政権や共産主義を使うと良い。