ゲーム内でプレイヤーは他プレイヤーと様々な交渉を行うことができる。
味方を増やして打ち倒すべき敵を見定め、各個撃破を狙うのは戦略ゲームの鉄則であり、
このことはシングルプレイでもマルチプレイでも変わらない。
外交を通じて他国と協力することでゲームを有利に進めることができる。
また諜報ユニットも決して無視できない大きな力を持っている。
会談
他国と交渉を行い条約を締結するには、会談を行う。
下準備
他国とはいつでも自由に会談を行えるわけではなく、相手国と接触ありの状態でなければならない。
この接触とは
- ユニット同士が隣り合うタイルに居合わせる
- ユニットが都市に隣り合うタイルに侵入する
- 一方的、あるいは相互的に大使館を設置する(大使館については後述)
ことをいう。
接触していない状態になったまま一定のターン(デフォルトでは20ターン)が経過すると、プレイヤー間の接触は失われてしまう。
大使館が設置されていればターン経過により接触が失われることはなくなる。
接触があるプレイヤーは民族タブでスコアが表示されるほか、諜報ダイアログを開くことができる。
接触が失われていない状態でのみ、会談を開くことができる。
民族タブ(F3キー)を開き、相手国を選択し下のメニューから「外交(P)」→「会談(M)」をクリックすると開かれる。
または民族タブから相手国を右ダブルクリックでも可。
条約
会談の場では、様々なものを取引材料として交渉することができる。
- 金
- 提示できる金額は、会談を開いた時点で持っている額以下。
大金を積むとAIの華麗な手のひら返しを見ることができる。 - 地図
- 世界地図(探索した範囲全て)または海洋地図(探索した範囲のうち、水タイルのみ)。
海洋地図は世界地図に含まれるため、両方を差し出すのは無意味。 - 科学技術
- 自ら差し出すのは自由だが、相手国の持つ技術を要求するには大使館が必要。
それ単独では役に立たない科学技術(「哲学」や「物理学」など)を受け取ってはしゃぎ回るAIの姿は涙を誘う。 - 都市
- 首都は譲渡できない。相手国が都市の位置を把握していないとき、提示するだけで相手国はマップ上に位置が表示される。
また都市だけでなく、その都市に所属するユニットも含まれる(ただし指導者を除く)。
都市を譲渡したときのユニットの取り扱いは以下。- 譲渡する都市に駐留するユニット
- 譲渡する都市に所属するもの…そのまま譲渡される。
- 自国の別の都市に所属するもの…譲渡され、譲渡された都市に所属が変更される。
- どの都市にも所属せず、かつ指導者ではない…都市と共に譲渡され駐留し続けるが、無所属のまま。
- 指導者…都市外に追い出される。
- 同盟国のユニットで、その保有国が都市を受け取る国と同盟している、または同じ国である…ユニットの所属や位置は変わらない。
- 同盟国のユニットで、その保有国が都市を受け取る国とは同盟していない…ユニットは解散し失われる。
- 譲渡する都市に所属し、別の都市に駐留するユニット
- 自国の別の都市に駐留するもの…譲渡されず、駐留先の都市に所属が変更される。
- 同盟国の都市に駐留し、駐留先の国が都市を受け取る国とも同盟している、または同じ国である…譲渡され、移動せず駐留先に留まる。
- 同盟国の都市に駐留し、駐留先の国が都市を受け取る国とは同盟していない…譲渡され、駐留先の都市から追い出される(残り移動力は関係なし)。
- 譲渡する都市に所属し都市外にいるユニット
- 単独、あるいは譲渡する都市に所属する他のユニットとスタック…スタックごと譲渡される。
- 自国の他の都市に所属するユニットとスタックしていて、都市を受け取る国と同盟している…そのまま譲渡され、スタックし続ける。
- 自国の他の都市に所属するユニットとスタックしていて、都市を受け取る国とは同盟していない…譲渡される都市に所属するユニットは譲渡され、両方のユニットが別々のタイルへ移動する。
- 同盟国のユニットとスタックしていて、その同盟国が都市を受け取る国とも同盟している、または同じ国である…そのまま譲渡される。
- 同盟国のユニットとスタックしていて、その同盟国が都市を受け取る国とは同盟していない…譲渡され、別のタイルに移動する。
- 都市を受け取る国の友好国の領内にいる…隣接する全てのタイルが友好国の領内であれば移動できなくなる。ただし解散してしまうことはない。
- 譲渡する都市に駐留するユニット
- 視界
- ユニットや都市の視界。見える範囲が広いというのは分かりやすく便利である。
- 大使館
- 大使館の機能の一つは、相手国との接触を常に保つことである。
ただし相手国から一方的に設置されている場合は、ターン経過でスコア表示と諜報ダイアログは利用できなくなる。
もう一つの機能は諜報活動の拠点となることであり、諜報ダイアログで相手国の詳細な情報を見ることができるようになる。
大使館がなければ指導者名・政治体制・国庫金・外交関係しか調べられないが、
これに加えて税率・研究中/研究済の科学技術・宇宙船の開発状況が分かるようになる。
諜報ダイアログは民族タブで相手国を左ダブルクリックすると開かれる。
またルールセットでテクリーク有効になっている場合は、大使館の設置が条件になっていることが多い。大使館は条約で設置を認めるほか、諜報ユニット(後述)で設置することもできる。
維持管理にコストは必要なく、設置後に撤去したり、撤去させたりすることはできない。 - 外交関係(停戦/和平/同盟)
- 詳細は後述。
互いに条約調印ボタン(通称いいね!ボタン)をクリックすることで条約が締結される。
外交関係
プレイヤー間の外交関係は、敵対・停戦・休戦・和平・同盟・チームの6種類がある。
- 未接触
- まだその国と接触したことがない状態。
プレイヤー同士の外交は接触することから始まる。
未接触は何の外交関係も樹立していない状態である。
初めて接触を持って以降は、未接触に戻ることはない。
- 敵対
- 初期状態であり基本状態である。
平たく言えば戦争中である。 (^q^) ノ<ころしあえー
未接触の国と初めて接触を持つと、その国との外交関係は自動的に敵対となる。敵対関係にあるときのみ、他国のユニットや都市に対して自由に攻撃を加えることができる。
また制限なく相手国の領内に侵入することができる。両国の外交関係を定める条約を完全に破棄すると敵対関係に移行する(宣戦布告)。
- 停戦
- 敵対中の国が互いに合意した場合、停戦条約を結ぶことができる。
停戦すると当然攻撃はできなくなるが、相手領内への侵入・移動は可能である。停戦条約は16ターンという期限が定まっおり、これを過ぎると再び敵対関係に戻る。
もちろん期限が切れる前に条約が破棄されても同様である。
- 休戦
- 平和条約は締結して16ターン後に発効する。休戦とはこの移行期間をいう。
また同盟国の同盟国と初めて接触したときは、敵対ではなく自動的に即時休戦となる。休戦と停戦は「16ターンの後に敵対となるか和平となるか」の違いだけである。
攻撃不可、条約破棄で敵対、領内への侵入可能などの点は同じである。この状態で最も注意すべきなのは、「平和条約が発効した瞬間に相手領内の自ユニットが消滅する」ことである。
消滅するユニットはいわゆる戦闘ユニットだけであるが、攻撃力を持たない輸送艦なども含まれる。
ユニット/一覧の非戦闘ユニットだけがこれを免れる。
ここでいう「相手領内」とは都市による国境線内だけでなく、要塞やブイの上も含まれる。
- 和平
- 平和条約を締結し、休戦期間が無事に終了することで両国の関係は和平になる。
このとき相手国は「友好国」となる。この状態では戦闘ユニットは相手領内に侵入できなくなる。
したがって国境線の広がり方によっては海峡の通行など、ユニット移動が著しく制限されうる。
特にキャラバンを運ぶ船舶が侵入できずに不便を感じることが多い。条約を破棄すると敵対関係となる。
- 同盟
- 両国が緊密に連携することを目指し同盟条約を結ぶことで同盟関係となる。ヘルプ曰く究極の外交関係。
相手国は「同盟国」、相手国の戦闘ユニットは「友軍」という。同盟すると自国の戦闘ユニット(自軍)は移動に制限を受けなくなる。
同盟国の領内はもちろん、都市内や、友軍ユニットがいるタイルにも自軍を配置することが可能になる。
よって攻守ともに連携して共同作戦を行うことができる。
また視界内の同盟都市をクリックすると、駐留ユニットの一覧が表示される。ただし同盟条約を締結すると、外交に制限が課せられる。
- 同盟国と敵対している国とは同盟できない
- 自国・A国・B国が互いに同盟していて、A国がB国に宣戦布告すると、A国との同盟は自動的に破棄される(B国とは維持)
- 自国はA国・B国と同盟していて、かつA国とB国が停戦中である場合、停戦終了に伴い同盟は全て破棄される
- 同盟条約を破棄すると休戦、それから和平となる。
したがって同盟国を攻撃する場合は条約破棄を二度行う必要がある。
- チーム
- 外交関係の中でも特殊で、ゲーム開始前に設定を行う必要がある。開始後にチームメイトを増やす方法はない。
簡潔に言えば破棄できない同盟で、同チームのプレイヤーは最初から視界と大使館が相互交換となっている。
視界提供の撤回・条約破棄はできない。
デフォルトでは研究も共同となっており、チームメイトの誰かが研究目標を変えると全員分が変わる。
このチーム共同研究をオフにしている場合でも、AIは無条件で技術供与してくれる。
条約破棄
Freecivでは長期間続く取引が存在しないため、条約破棄は「外交関係を取り決めた条約を破棄する」という意味である。
民族タブから相手国を選択し、下メニューの外交→条約破棄 で実行する。
条約を締結するには相手国との合意が必要だが、破棄は一方的に通告できる。
ただし政治体制が共和制または民主主義である場合、相手国が外交問題(後述)を引き起こさないかぎり、議会が反対し承認されない。
この場合は革命を起こして強制的に議会を解散させるか、不思議「自由の女神」を建設する必要がある。
諜報ユニット
外交官とスパイ
外交官 | スパイ |
外交官とスパイは他国の都市やユニットに対して特別な任務を遂行できる諜報ユニットである。
生産コスト(30)や維持費が不要な点は共通しているが、スパイはいくつかの点で外交官よりも優れている。
- 移動力・任務の成功率が高い
- 外交官はどんな任務であれ使い捨てだが、スパイは無事に帰還することがある
- 外交官は遂行できず、スパイのみが遂行できる任務がある
ただしスパイが登場するのはゲーム中盤になってからで、やや遅い。
政治体制が共産主義のとき、練度が1段階高い外交官・スパイを生産することができる。
任務
一覧
都市に対して遂行するもの
任務 | 内容 | 対象国 | 外交官 | スパイ |
大使館の設置 | 相手国に大使館を設置する | 同チーム以外 | 必ず成功する(阻止不可) | 必ず成功する(阻止不可) 実行後、続けて他の任務を遂行できる |
都市の調査 | 都市ダイアログが開き、概観ページを閲覧 | 全て | ||
上水道の汚染 | 人口を1減らす(サイズ1の都市に対しては遂行不可) | 敵国のみ | 不可 | 見ろ!人がゴミのようだ! |
破壊工作 | 都市で生産中のもの、または都市建造物の一つを破壊する (不思議は破壊不可。また首都での任務・城壁の破壊は成功率50%低下) | 対象は選択できずランダム | 対象を選択できる (スパイに任せた場合より成功率は下がる) | |
科学技術を盗む | 自国が未研究で、 かつ相手国が研究済みである科学技術のうち1件を盗む | 全て | 1都市ごとに1件のみ (2回目以降は必ず阻止・逮捕される) | 大使館があれば対象の選択可能(ただし成功率低下) 同じ都市で複数回盗める(ただし盗むごとに成功率低下) |
叛乱の煽動 | 都市が自国に編入される。ただし人口1減少(サイズ1ならそのまま) (ユニットについては表外) | 同盟国・同チーム以外 | 相手国が民主主義の場合、または対象都市が首都の場合は不可 | |
なにもしない | 都市内に入る | 同盟国・同チームのみ | 都市に駐在したまま諜報活動を行うにはショートカット「d」 |
叛乱の煽動に成功した場合のユニットの取り扱い
- 離叛した都市に駐留するユニット
- 離叛した都市に所属するもの…そのまま都市に所属し続け、自軍に編入される。
- 相手国の別の都市に所属する、またはどの都市にも所属せず指導者ではない…離叛した都市に所属が変更され、自軍に編入される。
- 指導者…指導者が駐在する都市では叛乱の煽動に必ず失敗する(後述)。
- 相手国の同盟国のユニットで、その保有国が煽動する国とも同盟している…ユニットの所属や位置は変わらない。
- 相手国の同盟国のユニットで、その保有国が煽動する国とは同盟していない…ユニットは解散し失われる。
- 離叛した都市に所属し、相手国の別の都市に駐留するユニット…駐留先の都市に所属が変更され、自軍に編入されない。
- 離叛した都市に所属し、相手国の別の都市に駐留せずかつ離叛した都市から2タイル以上離れた場所にいるユニット…ユニットは解散し失われる。
- 離叛した都市に所属し、離叛した都市に隣接するタイルにいるユニット
- 都市外にいるもの
- 単独、あるいは離叛した都市に所属する他のユニットとスタック…そのまま自軍に編入される。
- 相手国の他の都市に所属するユニットとスタック…離叛した都市に所属するユニットは自軍に編入され、両方のユニットが別々のタイルへ移動する。
- 相手国の同盟国のユニットとスタックしていて、その同盟国が煽動する国とも同盟している…そのまま自軍に編入される。
- 相手国の同盟国のユニットとスタックしていて、その同盟国が煽動する国とは同盟していない…自軍に編入され、別のタイルに移動する。
- 煽動した国の友好国の領内にいる…離叛した都市に隣接しているため、都市に帰還することができる。ただし二度と出られなくなる可能性がある。
- サーバーオプションで都市間の最低距離が1に設定されていて、相手国の同盟国の都市に駐留するもの
- 駐留先の国が煽動する国と同盟している…自軍に編入され、移動せず駐留先に留まる。
- 駐留先の国が煽動する国と同盟していない…自軍に編入され、駐留先の都市から追い出される(残り移動力は関係なし)。
- 都市外にいるもの
ユニットに対して遂行するもの(マップ上でスタックしていない、単独のユニットに対してのみ可能)
任務 | 内容 | 対象国 | 外交官 | スパイ |
買収 | Yロウを渡しユニットを自国に編入する (所属先は諜報ユニットが所属する都市になる) | 同盟国・同チーム以外 | 相手国が民主主義の場合、 または指導者・バーバリアンの指導者に対しては不可 | |
破壊工作 | 体力を半減させる(小数点以下切り下げ) | 敵国のみ | 不可 | 指導者・バーバリアンの指導者に対しては不可 外交官・スパイに対して成功すると殺害 |
ユニットの買収に必要な金額は、ホイールクリックでおおよその値が表示される。
計算方法は以下のとおり。
金額 = (相手国の国庫金+BBC)*ユニットの生産コスト*練度補正/(相手国の首都からのマンハッタン距離+2)*10
・BBC = base bribe cost…game.rulesetで設定。デフォルトは750
・練度補正は戦闘におけるものと同じ(新兵…1、ベテラン…1.5、精鋭…1.75、エリート…2)
・首都からの距離は最大で32タイル
・ユニットが開拓者のときは金額が1/2
・体力がX%に低下している場合は、金額が (100+X)/200 倍
事変
上記の一覧表のうち、赤字の任務は攻撃的な秘密工作に分類され、事変(外交問題)を引き起こす。
これは任務が成功しなかった場合でも発生する。
相手国が敵国でない場合、相手国の政府は秘密工作を挑発とみなし、議会が条約破棄を承認するようになる。
事変の影響は発生した次のターンまで続く。
防諜
指導者 | バーバリアンの指導者 |
諜報ユニットは諜報および秘密工作を行うだけでなく、他国の諜報ユニットによる秘密工作を阻止することもできる。
これを防諜という。
阻止できるのは秘密工作のみで、大使館の設置と都市の調査を阻止することはできない(もちろん敵なら殴ってミンチにすればいいだけだが)。
都市に諜報ユニットが駐在するとき、秘密工作を仕掛ける諜報ユニットとの間で諜報戦が展開される。
敗北したユニットが消滅し、勝利したユニットは練度が上昇することがあるという点は通常の戦闘と変わらない。
勝利したユニットは移動力を1消費し、続けて任務を遂行できる。
諜報ユニットに加え、指導者とバーバリアンの指導者も防諜を行うことができる。
そしてこの2ユニットはスーパースパイ特性を備えているため、諜報戦で必ず勝利する。
上記の一覧表で、この2ユニットに対して破壊工作を行えないのはこのためである。
成功率
諜報戦が発生した場合、以下の流れに沿って成功率を定めます。
1. 成功率を50に設定
2. 防御側がSuperSpyフラグを持っている場合、防御側勝利
3. 攻撃側がSuperSpyフラグを持っている場合、攻撃側勝利
4. 攻撃側がSpyフラグを持っている場合、成功率に25を加える
5. 防御側がSpyフラグを持っている場合、成功率に25を減ずる
6. 成功率に攻撃側の経験補正を加え、防御側の経験補正を減ずる
以降、Freeciv 2.5.6では7-1または7-2を行った後に9番の判定を行います。
Freeciv 2.6.0(予定)では7および8を行った後に9番の判定を行います。
7-1. 防御側が都市にいる場合、成功率に成功率 * Spy_Resistant修正(宮殿など) / 100(切り捨て)を減ずる
7-2. 都市にいない場合、防御側のタイルにDiplomatDefenseフラグのある基地があり、防御ユニットがその基地について移動可能である場合、成功率に成功率 * 1 / 4(切り捨て)を減ずる
7. 防御側のタイルにDiplomatDefenseフラグのある基地があり、防御ユニットがその基地について移動可能である場合、成功率に成功率 * 1 / 4(切り捨て)を減ずる
8. 防御側が都市にいる場合、成功率に成功率 * Spy_Resistant修正(宮殿など) / 100(切り捨て)を減ずる
9. 最後に0~99の乱数が成功率未満であれば攻撃側勝利、そうでなければ防御側勝利となります。
諜報戦が発生しなかった場合、特定の任務については任務の成功判定が行われ、成功した場合あるいは成功判定がない任務を行った場合はスパイの逃走判定が行われます。
任務の成功判定:
- 科学技術を盗むの場合: まず盗みの難易度を1に設定します。
盗む対象の技術を指定している場合、難易度を1増やします。
その都市で過去に科学技術が盗まれている場合、難易度を盗まれた回数分増やします。
その後、難易度の値だけ以下の任務成功判定を行い、全て成功した場合、技術を盗みます。
任務成功判定: 乱数0~99がサーバーオプションdiplchance以上である場合失敗します。
- 叛乱の煽動の場合: 乱数0~99がサーバーオプションdiplchance以上である場合失敗します。
- 破壊工作の場合: 乱数0~99がサーバーオプションdiplchance以上である場合失敗します。ただし、破壊対象を指定している場合はdiplchanceを半分(端数切り捨て)として判定します。
いずれにせよ、判定に失敗した外交官・スパイは除去されます。
ここまでで、任務が成功したスパイは逃走判定を行います。なお、外交官である場合は絶対に失敗します。
- 逃走判定: 乱数0~99が(diplchance + ベテラン修正 - 100)未満である場合、成功します。
成功した場合、最寄りの都市直上へ瞬間移動します。
失敗した場合、除去されます。
以上より、外交官・スパイのベテランレベルは諜報戦および逃走判定に用いられ、任務の成功確率自体にはまったく影響しない事に気を付けて下さい。
テクニック集
とりあえず箇条書き
- 大使館の重要性は言うに及ばず。平時でも戦時でも情報収集。
- 「都市の調査」はただ都市の中を覗き見るだけだが、駐留ユニットの数が正確に分かる点が重要。都市攻撃前には積極的に使いたい。
- コストの低い技術を研究し終えてから盗むと効率がよい。
- 城壁の破壊は成功率が低くなるように設定されているため困難だが、沿岸防衛は難なく破壊できることが多い。
- 海上ユニットや航空ユニットも買収できる。どうやって金を渡しているかはFreeciv七不思議の一つ。
シングルプレイにおけるAIとの外交
AIは初めて接触したときに必ず停戦を持ちかけてくる。
その後は休戦→和平→同盟と順々に平和的関係を深めていくか、あるいは関係が悪化し戦争に突入することとなる。
AIは複雑な外交を展開できるほど賢くはないので、シングルプレイでの外交はさほど重要ではない。
むしろ諜報ユニットを積極的に使ったり、大使館での情報収集をこまめに行うべきである。
ただし同じ大陸に複数のAIがいる場合は、積極的に友好国を増やさないと連鎖的に敵が増えてゆく。
平和条約が発効し友好国になったとしても、AIは基本的に協力的ではない。
しかし同盟を結ぶと一変し、一方的な視界提供や大使館の設置も認めてくれる。
また技術や都市の交換も真剣に考慮するようになるが、見返りに他国との戦争への参戦要求をしてくる。
これを断り続けると同盟を解消されることまである。
態度と思考
各AIがこちらに向ける心証が「態度」として民族タブに表示される。
態度には11段階あり、内部的には愛情値(AI LOVE)によって態度が変化するようになっている。ギャルゲーかな?
憎悪 | 強硬 | 敵対的 | 非協力的 | 不安 | 中立 | 好意的 | 協力的 | 熱狂的 | 賛美 | 崇拝 |
~-900 | -899~-700 | -699~-500 | -499~-250 | -249~-100 | -99~+100 | +101~+250 | +251~+500 | +501~+700 | +701~+900 | +901~ |
愛情値はデバッグモードを使うと確認することができる。
ゲーム開始後にdebugコマンド(/debug diplomacy プレイヤー名)を入力し、メッセージ設定を変更するとデバッグ情報が出力される。
プレイヤー1のプレイヤー2に対する愛情値は、プレイヤー1->プレイヤー2(l**,c**,d**): のlの値である。
愛情値増加↑
- 外交関係が停戦・休戦・和平のいずれかで、かつ仮想敵国にされていない(+15/T)
- 同盟していて、かつ仮想敵国にされていない(+25/T)
- AIと敵対しておらず、かつAIの敵国と自国も敵対している(いわゆる「敵の敵は味方」。バーバリアンでも可。1ヶ国あたり+7/T)
- AIの同盟国と同盟している
- AIは上位レベルのAIを信用する
- 愛情値が増加する建造物を保有している(classicルールセットでのエッフェル塔・civ2civ3ルールセットでの国際連合など)
- 金銭を譲渡した場合(憎悪状態でも受け取るが、金額=上昇量ではない。少額だと+0という場合あり)
- 科学技術・都市を譲渡した場合 (研究コストが高いものほど高評価。また科学係数にも比例。憎悪状態では受け取らず)
愛情値変化なし→
- 供与ではなく、交換した場合(AIに有利な不平等条約であろうと、見返りを求めると愛情値は上昇しない。厳しい)
- 世界地図・海洋地図・視界・大使館の供与(とりあえず受け取るが、全く感謝しない)
愛情値減少↓
- 敵対している(-15/T。一度敵対すると基本的に下がり続ける理不尽な仕様)
- 現在は敵対していないが、AIの仮想敵国にされている (弱い国が狙われやすい。また宇宙船の建造を開始すると、めでたく全ての国から仮想敵国認定される。-50/T)
- 「やっと貴様に手が回る! 自分の罪から逃れられるとよもや本気で思っていたわけではあるまいな?」
- 「宇宙は貴国のものにはさせない。」
- AIの同盟国と攻撃もしくは戦争中
- 「貴国の%sに対する行いは,貴国の最後の過ちだ!」
- 同盟AIからの参戦要請に応じない
- AIの敵国と同盟している
- AIの領内にユニットが存在する(1ユニットあたり-5/T。なんと交易路を結ぶためのキャラバンにすら怒る)
- 「貴様の悪ふざけにはもう我慢の限界だ。戦争だ!」(外交態度変化時の開戦メッセージ)
- 愛情値が高すぎる(調整機能が働く。-10/T)
- 条約を破棄する(かなり減少幅大きい)
- 事変を起こす(かなり減少幅大きい)
- 核兵器を使用する(海上でただ爆発させただけでも減少。核攻撃すると減少幅大きい)
マルチプレイにおける外交
人間同士で複雑に展開される駆け引きがマルチプレイの最大の魅力と言っても過言ではない。
忘れがちであるが、画面の前のあなたが人間であるように、画面の向こうのプレイヤーもまた人間である。
自分がされて嬉しいことは相手もされて嬉しいし、されて嫌なことは誰だって嫌である。
親切にされれば恩返しをしたくなり、傲慢な態度には反感を覚え、抱く怨みは外洋よりもなお深い。
しかし過去の諍いを水に流し、大局的な視点を持って判断を下せるのも人間プレイヤーである。
ここではマルチプレイの展開に沿い順を追って外交のポイントを解説する。
日本では典型的な設定である一人一島マップで、6-7人でのゲームを想定している。
無計画に敵を増やさない
プレイヤー同士が初接触すると、AIのように停戦を呼びかけることが多い。
これをしないと「そっちがその気なら…」と相手を刺激すること請け合いである。
序盤に多いのが離島を巡る領土争いである。
立地差は必ず生じるものであり、お互い譲れぬ場面というのも当然ある。
しかし小競り合いを繰り広げて喜ぶのは第三国だけということを忘れないようにし、可能であれば話し合いで解決する。
もちろん交渉とはお互いの妥協点を見つける作業なので、変にへりくだったり、媚びたりするのも好ましくない。
- 他プレイヤーの本土に近い島には植民しない。戦争の原因になる可能性が極めて高い。
- 逆に本土近くの離島を奪われた場合は、科学技術や金と引き換えに交渉で譲ってもらう。または本土から離れた地点への都市建設を要請する。
- 離島を独占しすぎると怨みを買う。程々に確保すること。
- 離島を全く確保できなかったときや、本土近くの離島を奪われ交渉も決裂したときは、同盟国候補を探すこと。
- 位置によっては不便を我慢して自ら開発するより、他国に譲って恩を売る方が得になる場合がある。
離島だけでなく、意外と多いのが食い物の怨みである。
冗談や笑い話ではなく、優良資源である鯨を巡って争いが起こることがある。
場合によっては相手国の本土に近すぎる都市を解散させるといった柔軟な対応も必要になるだろう。
序盤に限ったことではないが、敵国は少ないに越したことはない。
特に挟撃を受けることは絶対に避けるべきである。
また安易に挑発に乗るのもよくない。
例えば外交官がやってきて大使館を設置されたとしても、一言頼めば相手国も設置を認めてくれる場合がある。
相手国は仮想敵国が特にいないことをいいことに挑発してきているのだとすれば、
これに乗って戦争を始めることは相手国に踊らされることに他ならない。
仮想敵国と友好国
離島への植民競争が終わると、おおよそ各国の都市数や国土面積が見えてくる。
積極的に世界地図の交換を行い、未探索タイルを減らすのが情報収集の第一歩である。
もちろん自国の情報も渡すことになるので、最低限の守りは固めておくこと。
他プレイヤーよりも遥かに多く離島を確保できたという場合を除き、序盤の領土のみで勝利するのは難しい。
どのような勝利方法であれ、少なくとも平均以上の国力が必要になる。
そしてこれを確保するために戦争は避けて通れぬ道である。
どの国を敵国と定めて侵略し、どの国と友好関係を築いて安全を確保すべきかという問題において、
基本となるのは「遠交近攻」という考え方である。
これは「遠くの国と親しく交わりを持ち、近くの敵を攻める」という外交政策で、秦の始皇帝による中国統一に貢献した。
Freecivにおいてもこの政策は有効である。
なぜなら遠くの国は交易路を結ぶ取引相手として重要であり、隣国は距離が近いゆえに攻撃しやすいからである。
そして隣国を仮想敵国とした場合、更に「敵の敵は味方」という考え方で友好国を増やすことができる。
敵国は吊るし上げるもの
戦争を仕掛けるのが苦手だという初心者は数多いが、そもそも防御側が有利なゲームなので当然である。
短期決戦を狙うためには敵国を数カ国で袋叩きにすべきである。
あなたは「お礼は何もできないけど手伝って欲しい」と言われてどう思うだろうか。
よほど仲が良くない限り断ることだろう。周りの国も同様である。
何らかの利益を提示することで話し合いがスムーズに進むのである。
参戦要請の例
- 領土で釣る(本土侵攻して分割統治/離島の割譲など)
- 科学技術で釣る(共闘するなら今保有している技術を全て与えるなど)
- 金で釣る
- 弱い者アピール(今攻めないと我が国が攻め滅ぼされて、次はお前の番になるぞ)
- 外堀を埋める(「我々は組んだ」と相手国にアピール。実際には組んでなくとも、否応なしに協力するハメになる)
ただし注意すべきなのは、他国と結託したことで世界の敵に仕立て上げられるような事態である。
例えば7人プレイであなたを含め3カ国でA国を集中攻撃したとする。
残った3カ国はあなたがた同盟国をどう見るだろうか。
哀れなA国を見捨てた場合、4カ国分の勢力となり将来の脅威になると考えるだろう。
そしてあちらも3カ国とA国で結託し、4対3の不利な世界大戦に発展する可能性がある。
序盤での同盟締結は嫌がられることが多いが、それはこのような事態を避けるためである。
情報収集を怠らない
情報収集といってもその範囲は広い。
プレイヤーが最初に行うのは、開始地点付近の探索である。
これも周辺地域の情報収集に他ならない。
探索を怠って都市を建設する行為が愚かで損だということは理解しやすいのではないだろうか。
これと全く同じことが他国との外交においても言えるのである。
主な情報源は以下が挙げられる。
- 大使館
- 情報源の中でも特に重要。技術水準から駐留ユニットの種類が想定できる。おおよその研究ルートが分かれば対策を立てやすい。
税率を見れば軍備拡張の兆候をつかむことができる。他国との技術交換も分かるようになる。科学技術を盗む場合も狙いを絞りやすくなる。 - 地図
- 他国の国土に関する情報である。都市の外観を見れば城壁の有無や、技術水準が分かる(例えば「鉄道」を獲得すると外観が変化する)。
都市数や都市の配置などは戦争に絶対必要な情報である。 - スコア
- おおよその目安に過ぎない数字だが、最後にはスコアで勝負が決まることも多い。
- 人口統計
- 大使館を設置すると情報が増える。
- 歴史家の報告
- ときどき発表される。先進文明や軍事文明ランキングが参考になる。
- 旅行者の報告
- どこの国が何の不思議を保有しているか・建設中であるかは把握すべきである。
- 他国との会話
- もちろん本音を言うとは限らないが、無視すべきでもない。
上位陣の足を引っ張る
終盤になると戦争は攻撃側が有利になるため、先手を打たれないようにすることが重要となる。
そのためには常に世界の敵を作り出し、こちらから先手を打つべきである。
かんたん!嫌なあいつを世界の敵認定
- 「技術水準が特に高くて奴は危険だ」
- 「奴が技術交換している。同盟したに違いない。危険だ」
- 「こちらの小競り合いをせせら笑いながら内政に励んでいる。生かしておけない」
- 「不思議を建てた!危険だ!」(特にアレクサンドリア図書館やニュートンの学士院)
- 「奴がスコア1位だ。引きずり降ろさないと」
- 「国土面積が1位だ。近いうちに必ず奴は脅威となるだろう」
いつも多数派に属し、一つの戦争が終わればすぐに次の標的を作り出し、自国に矛先を向けさせないことが重要である。
敵国認定しては袋叩きにすることを繰り返せば、自ずと勝利が見えてくる。
効果的な挑発
ゲーム開始から君主制の間は、条約破棄を自由に行えるため不都合はない。
しかし中盤から共和制や民主主義に移行すると、条約破棄は基本的に承認されなくなる。
戦争を始めるには革命を起こす必要があるが、これは明らかに無駄なターンを過ごすことになる。
「民主主義へ移行する際に条約を破棄しておく」のが最も賢い方法だが、
逆に相手から条約破棄させることでも目標を達成できる。そのために行うのが挑発である。
軽いジャブ
↑停戦して欲しいなら金を払えと要求(そもそもこの段階で挑発する意味はない)
|過大な要求を突き付ける(金・科学技術・領土など。断られて次の段階に進むことが多い)
|故意に事変を起こす
|相手国の領内でインフラ略奪(メタサーバーでよく見る)
|魚や鯨の上にブイ建設
↓相手国の領土に要塞を建設(挑発というよりは侵攻する準備に近い)
本格的
戦闘ユニットは友好国の領内に侵入できないが、外交官や労働者などの非戦闘ユニットは可能である。
それらを使っての嫌がらせが挑発でよくある手口である。
裏切り
当然聞こえは悪いが、時には必要になるテクニックが裏切りである。
基本的には「勝って悪役、負ければ大馬鹿野郎」になる方法で、発覚したときの危険性は大きい。
安易に裏切った挙句に爆死して、裏切り者で愚か者という烙印を押されないように注意しよう。
よくある手口と対策をまとめた。
手口 | 予兆 | 対策 | |
条約を破棄し侵攻 | 平和条約なら裏切りと言う程でもない。同盟破棄は逆に潔い | 技術交換を嫌がる。共同作戦にも関わらず歩調を合わせる素振りがない。 特に理由もないのに無政府状態 | 有効策なし。油断せず守りを固める |
敵国への視界提供 | 視界を提供する引き換えに自国への侵攻を控えてもらうなど。手軽かつ効果大 | 明らかに敵の視界外にも関わらずピンポイントで迎撃される | 怪しいプレイヤーへの視界提供の中止 |
敵国への技術供与 | 戦争を長引かせ、同盟国の弱体化を謀る | 大使館があれば即バレる | なし。同盟関係を見直す |
敵国への情報提供 | 戦争計画やこちらの防御が薄い都市の情報を漏らすなど。 視界提供と組み合わされると凶悪 | 敵が妙にピンポイントで弱点を突いてくる | |
同盟国への核攻撃 | 友軍の核兵器にはSDI防衛システムが機能しない弱点を突く | なし。核攻撃されてから気付く | すぐに同盟を破棄する。休戦中はSDIが機能する |
同盟国を売り渡す | 同盟国への攻撃を黙認する引き換えに、 自国の安全や敵国の同盟国への攻撃を認めてもらう | 救援要請に応じない | なし。売られる前に売ること |
同盟国の指導者探し | 同盟国の指導者を探して居場所を敵に教えたり、核ぶち込んだり | 同盟+視界交換をしたがる 友好国の外交官やスパイが頻繁に出入りする | 視界交換に応じない。 指導者は見つかりにくい場所へ退避 |
同盟国領内への 要塞建設 | 要塞を建設して軍を集結させたうえで条約を破棄する。 キルスタックを防ぐための手口 | 労働者やエンジニアの侵入 次いで陸上ユニットが大量に揚陸される | 要塞に自国ユニットを配置する(何でもいい)。 条約破棄に伴い両国のユニットが移動する |
勝つために手段を選ばないのは決して後ろめたいことではない。
決まりかけた勝利を覆すために他国から裏切りを要請されることもある。
そのときに動けなければ「長いものに巻かれる臆病者」という評価が下されることだろう。