マップを構成する各タイルは様々な地形に分かれている。
地形には市民が労働することで得られる食料・生産・交易ポイントのほかにも、
ユニットが移動するのに必要な移動コスト、戦闘時の防御効果が設定されている。
労働
都市は湖・海・外洋・氷河以外の地形に建設することができる。
そして各都市の市民は都市圏の21タイルで労働し、食料・生産・交易の3ポイントを得る。
これらの産出量は地形によって異なる。
マップ中には特産物のある地形もあり、通常のタイルよりも産出量が高くなっている。
各タイルの産出量は、都市建造物や不思議だけでなく政治体制にも影響される。
タイルでの市民労働に関しては都市・開発も参照のこと。
また地形は労働者やエンジニアで改良して産出量を増加させたり、別の地形に変更することもできる。
後の地形特徴で解説する。
移動
前提として、
- 陸上ユニットが移動できるのは陸地のみ
- 海上ユニットが移動できるのは海洋のみ
- 航空ユニットが移動できるのはあらゆる地形
である。
そして各地系にはそれぞれ移動コストが設定されている。
ユニットは各ターンの初めにそれぞれの移動力を与えられ、他タイルへと移動するたびに地形ごとの移動コストを支払う。
移動力が0になるとそのターンはそれ以上移動できなくなる。
例えば機械化歩兵は移動力3なので、草原や砂漠、平野は1ターンに3タイル移動できる。
しかし丘(コスト2)なら2タイル、山(コスト3)なら1タイルしか移動できない。
海上ユニットが移動できる海洋(湖・海・外洋)は全て移動コスト1なので、
地形によって移動力が下がる心配はない(しかし体力の低下により移動力が減少する)。
航空ユニットは全ての地形の移動コストを1とみなすので、常に移動力=移動できるタイル数である。
よって地形の移動コストは陸上ユニットだけが考慮すべきものと言える。
移動コストは道路・鉄道を建設することで減少させることができる。
また川も道路と同様に移動コストを減少させる効果がある。
地形無視
探検家 | 山岳部隊 | パルチザン |
陸上ユニットの中には地形の移動コストを無視する特性を持つものがある。
探検家(Explorer)・山岳部隊(Alpine Troops)・パルチザン(Partisan)である。
これらのユニットは全てのタイルに道路が建設されているものとみなすことができ、
常に3タイル移動することができる(3ユニットとも移動力は1であるため)。
地形特徴(Special)
道路
道路は全ての陸地に敷設することができ、道路のあるタイル同士の移動コストを1/3ptにする効果がある
(1/3倍ではなく、どの地形でも1/3ptに変える)。
これによりユニットの移動が格段に迅速なものとなる。
また砂漠・草原・平野では交易ポイントを+1pt増加させる効果もある。
道路は開拓者・労働者・エンジニアで敷設することができるが、作業に要する時間は地形によって異なる。
また川タイルに道路を敷設するには、科学技術「橋梁建設」が必要。
鉄道
研究を進め科学技術「鉄道」を獲得すると、道路を鉄道に上書きすることができる。
鉄道は移動コストが0である。
つまりユニットは鉄道に沿って、そのターン内で無限に移動することができる。
またタイルの生産ポイントを50%増加させる効果もある(小数点以下切り捨て)。
地形に関係なく、鉄道へのアップグレードは開拓者・労働者で3ターン、エンジニアで2ターンかかる。
道路タイルの上で更に道路を造る操作をすればよい。
川
川は陸地ならばどの種類の地形にも生成されうる。
川伝いならば移動コストは道路と同様に1/3ptで済む。
また交易ポイント+1ptに加えて防御ボーナス150%の効果があるため、基本的に川は役に立つ有利な地形である。
ただし川伝いに攻撃されないように注意を払わなければならない。
川は自然の特徴であり、エンジニアで海にする以外の方法で消すことはできない。
また河口のタイルを埋め立てる以外の方法で造り出すこともできない。
灌漑・農地
灌漑(かんがい)は耕作地へ人工的に外部から水を供給することをいい、
これにより陸地タイルの食料ポイントが+1pt増加する。
砂漠・草原・丘・平野・ツンドラで行うことができる。
農地は道路→鉄道のように灌漑済みの土地をアップグレードしたもので、科学技術「冷蔵」で解禁される。
単独ではタイルの見た目が変わるだけだが、都市にスーパーマーケットがあるとき、
食料ポイントを更に1.5倍増加させることができる(小数点以下切り捨て…平野+3/草原+4/小麦+6pt)。
灌漑を行えるのは水源(湖・海・外洋・川、灌漑・農地建設済みのタイル)と面しているタイルである。
なぜ海が水源になるのかはFreeciv七不思議の一つである
一旦灌漑を行ってしまえば、その後水源はなくても構わない。
また農地へのアップグレードに水源は必要ない。
都市直下のタイルは農地があるものとして食料ポイントが得られるが、そのままでは水源にはならない。
よって灌漑を行っても食料ポイントは増加しないが、都市直下タイルを水源にすることはできる。
鉱山
氷河・砂漠・丘・山タイルで鉱山を掘り、生産ポイントを増加させることができる。
特産物のあるタイル+鉱山+鉄道 と地形改善を重ねれば、結構な数字を叩き出す。
砂漠・丘は灌漑も可能なタイルであるが、鉱山と両方を行うことはできない。
既に土地改善を施したタイルで別の土地改善を施した場合、既にある改善は破壊され、後に改善した方に置き換わる。
小屋
少数部族の村ともいう。
ゲーム設定?で数を指定でき、ゲーム開始時に世界中の陸地に散らばっている。
中に入ると、まずヘリコプター以外の航空あるいはミサイルユニットで侵入した場合、部族は驚いて逃げ出してしまい、何も起こらない。
航空あるいはミサイルユニット以外(およびヘリコプター)で侵入した場合、以下のうちいずれかのイベントがランダムに発生する(そして村は消滅する)。
- 1/12の確率で…金25を得る
- 序盤だと嬉しい。
- 3/12の確率で…金50を得る
- 序盤だとかなり嬉しい。
- 1/12の確率で…金100を得る
- 序盤でなくても嬉しい。
- 3/12の確率で…1件の科学技術を得る
- 古代の巻物を発見し、まだ研究完了していない科学技術を1件得る。先端技術だって手に入るスゴイ巻物。
- 2/12の確率で…ユニットか金25を得る
- マスケット兵が建造出来る状態だと、新兵のマスケット兵を1ユニット貰える。
そうではなく、騎士が建造出来る状態だと、新兵の騎士を1ユニット貰える。
そうではない場合、新兵のレギオンを1ユニット貰える。
何らかの理由でユニットが生成出来ない場合は、代わりに金25を得ます。 - 1/12の確率で…バーバリアンが怒る
- サーバーオプションbarbariansがdisabledか、小屋の場所からX座標の二乗とY座標の二乗の合計が26以内に都市があるか、GameLossユニット(指導者)で小屋に侵入した場合、
ユニットはバーバリアンから危害を受けない。バーバリアンがおとなしく引き下がり、ただ村が消滅するだけ。
そうでない場合、現在のターン数がサーバーオプションonsetbarbs未満であれば、中のバーバリアンによって殺される。
エターナルフォースブリザード 立ち入ったユニットは死ぬ。ヘリコプターだろうが戦車だろうが死ぬ。バーバリアン△
そうでない場合、中のバーバリアンが解放される。バーバリアンのユニット(騎馬兵など)が3~6ユニット分半径1タイル以内に湧く。運が悪いとそのまま滅ぼされる。
何らかの理由でユニットが生成出来ない場合は、エターナルフォースブリザードにより立ち入ったユニットが死にます。 - 1/12の確率で…都市か開拓者か金25を得る
- 小屋が都市として加わる。まだ都市を建設していない場合はそこが首都になるので注意。
小屋が都市に近すぎるなど都市建設の条件を満たしていない場合、ルールセットによっては開拓者を1ユニット貰える。嬉しい。
何らかの理由でユニットが生成出来ない場合は、あるいはルールセットによっては、代わりに金25を得ます。
意外にも、本家Civilizationシリーズにある小屋周辺の地図を貰うということは無いし、プレイヤーにとってはAIの難易度が何であれ確率分布は変わりません。
ただし、AIにとっては、AI難易度が初心者用か簡単である場合はバーバリアンを怒らせる場合以外であれば、本来貰えるものが何であれ代わりに金25を得る効果となります。
公害・死の灰
公害は著しく生産力が高い都市の周囲、死の灰は核兵器の爆発した範囲の陸地タイルに出現する。
どちらもタイルの食料・生産・交易の産出量を半減させる効果がある。
また汚染されたタイルを放置すると、公害は温暖化/死の灰は核の冬を引き起こす原因となる。
開拓者・労働者・エンジニアで除去することができる。
公害について詳しくは都市を参照。
軍事基地(Base)
ショートカットはfキー(廃墟を除く)
要塞
科学技術「建設」により要塞を築くことが可能になる(「建築」ではない)。
要塞内にユニットを置くと、
- 要塞の防御効果(200%…地形修正なので、陸上ユニットにのみ有効)
- キルスタック無効
- 都市よりも16タイル広い視界(科学技術「発明」が必要)
- 毎ターン体力が+25%回復(陸上ユニットのみ)
- 外交官・スパイからの外交戦の防御効果(成功率-25%)
- 周囲が自国領になる
という盛りだくさんの効果が得られる。
ただし敵に占領されると排除するのが難しくなることから、オンライン対戦ではほとんど利用されない。
自国領になる特性を生かして、敵国の領土内に自都市を建設することもできる。
このテクニックは覚えておいて損はない。
飛行場
科学技術「無線通信」により飛行場(航空基地)が建設可能になる。
飛行場には航空ユニットを着陸させることができるが、着陸中は陸上・海上ユニットから攻撃可能になる。
ただし要塞と同様にキルスタック無効なので、攻撃されたからといって即全滅することはない。
また飛行場からは空挺部隊で落下傘降下することもできる。
要塞と飛行場は同タイルに建設可能である。
ブイ
ブイは飛行場と同じく、科学技術「無線通信」により解禁される。
建設できるのは湖・海・外洋タイルで、作業は労働者やエンジニアを船に載せて行う。
ブイのあるタイルは自国の領海になり、都市圏と同じ範囲の視界を常に得られる。
要塞とは異なりユニットがいなくてもよい点で優れているが、戦闘には全く関与しない。
廃墟
都市は人口が0になると消滅し、後には廃墟が残される。
廃墟には何の効果もない。そこにかつて都市があったという目印にすぎない。
下の地形が少し見づらくなるのを嫌い、略奪で消してしまうプレイヤーもいる。
略奪したのになぜか消えないバグがあるが、市民をそのタイルで働かせると消える。
タイルの改良
開拓者・労働者・エンジニアを用いて、タイルの食料/生産/交易ポイント産出量を増加させることができる。
これをタイルの改良という。
具体的には「道路・鉄道の敷設」「灌漑」「鉱山」「地形変更」の4種類がある。
道路・鉄道・灌漑・鉱山については前述のとおりである。
これらの作業はそれぞれ要するターン数が異なるが、複数のユニットで行うと短縮することができる。
また中断するとそれまでの過程は全て失われ、1からやり直しとなる。
地形変更
灌漑したり鉱山を掘ることのできない地形は、別の地形へと変更することができる。
例えばジャングルや湿地は草原にすることができ、灌漑を行えるようになる。
ただしこのような地形の変更は特産物を失うというデメリットがある。
開拓者と労働者が行える地形変更は、
- 森→平野 / ジャングル→草原 / 湿地→草原 (iキー=灌漑と同じ操作)
- 森→湿地 / 草原→森 / ジャングル→森 / 平野→森 / 湿地→森 (mキー=鉱山と同じ操作)
の8種類である。
エンジニアはこれに加えてより大規模な地形改造を行うことができる。
- 湖→湿地 / 海→湿地 / 氷河→ツンドラ / 砂漠→平野 / 森→草原 / 草原→丘
丘→平野 / ジャングル→平野 / 山→丘 / 平野→草原 / 湿地→海 / ツンドラ→砂漠 (oキー)
略奪
classicルールセットでは全ての陸上ユニットは地形に施された改良を撤去することができる。
これを略奪という。
1ユニットが略奪できる地形改良は1ターンに1つである。
classicルールセットでは、どの地形改良を略奪するかをプレイヤーが選択できる。
選択できないルールセットの場合は、以下の優先順位に基づき略奪が行われる。
農地 → 灌漑 → 鉱山 → 基地 → 鉄道 → 道路
これらの地形改良を施されていないタイルは略奪できない。
また、略奪によって地形変更や地形改造を元に戻すことはできない。
戦闘
地形が戦闘に与える影響はとても単純である。
陸上ユニットだけが攻撃されたときに自分の立っている地形の防御効果を得る。
例えば草原・砂漠の防御効果は100%、丘は200%であるが、
それぞれ攻撃されたときにユニットの防御力が1倍、2倍になる。
また川(150%)、要塞(200%)があれば防御効果は更に増加する。
丘+川であれば200%*150%=300%(防御力*3)となる。
詳しくは戦闘にまとめられている。