メモ帳

Last-modified: 2022-12-12 (月) 22:55:30

チラ裏のレビュー。ミリ系。
ネタバレもそれなりには含む。

映画

プライベート・ライアン <Saving Private Ryan>

フィクション
時代:WW2
味方陣営:連合軍(アメリカ)
敵陣営:枢軸国(ドイツ)
関連する史実:ノルマンディ上陸作戦
グロテスク:やや多
雰囲気:シリアス、暗め
<ストーリー>
ノルマンディ上陸作戦前に空挺降下した101空挺部隊のジェームズ・ライアン二等兵を探し出し米国に送り返す話。
ミラー大尉らの視点から冒頭でノルマンディ上陸作戦が描かれ、その上陸の過程は壮絶。
上陸の後、上記のライアン捜索任務が始まるが、ライアンの正確な降下地点は勿論生死まで不明であり、フランス内を探し回ることに。
その道中でも幾度と戦闘が繰り広げられ、仲間内では任務の内容に疑問を持ち始める者たちも。
最終的に犠牲を出しながらもライアンを発見するが、彼は一人で帰国することを拒否したため、やむなく橋の防衛任務を援護することに。
装備も不十分な中で、様々な策を用いてドイツ軍を迎え撃つミラー大尉ら。その結末やいかに。
<感想>
全体的に暗く重い展開。序盤のノルマンディ上陸を中心にかなりショッキングな場面も多数。
捜索任務中に募る隊員たちの不満感のもっともさ、半ば強引に前線に駆り出されたアパムの不甲斐なさへの苛立ちと同情。
終盤に登場するドイツ軍戦車・ティーガーの強大さ、それに果敢に立ち向かうアメリカ兵たちの必死な反撃。
そして最後に訪れる「彼ら」
決して明るい話ではなく、戦争の悲惨さを前面に押し出した作品ながら、力強い兵器・兵士のかっこよさもまたある作品。

ローン・サバイバー <Lone Survivor>

実話に基づく
時代:アフガニスタン紛争
味方陣営:米軍(NAVY SEALs)
敵陣営:タリバン
関連する史実:レッドウィング作戦
グロテスク:有り。痛々しい。
雰囲気:シリアス
<ストーリー>
タリバンの幹部アフマド・シャーを排除することを決定した米軍は特殊部隊NAVY SEALsを派遣。
マーフィ大尉ら4人の偵察部隊を目標の確認のため送り出したSEALsだったが、その最中に現地住人と遭遇する不測の事態が発生。
通信状況が悪う、本部との連絡を取れない中で、隊員たちは彼らの抹殺と解放で意見が衝突。
最終的に彼らを解放したのも束の間、部隊は多数のタリバン部隊による襲撃を受ける。
圧倒的劣勢の中、窮地に立たされていくSEALs隊員達。いかにして彼らは戦い、そしてラトレル一等兵曹は生き残るに至ったのか。
<感想>
実際に生き残ったラトレル一等兵曹の手記を基に製作されたストーリー。
襲撃者の人数は10人程度から100人以上と諸説あり、正確な数値は不明だがSEALs部隊を壊滅したことから、そう少数ではないと思われる。
言ってしまえば米軍の偵察任務の失敗に過ぎない話ではあり、劇中の米軍の行動もなんとも手際が悪く必然的にも思える。
グロテスクなシーンは少ないものの山中の戦闘であり、飛び降りたり転げたり、それなりに被弾したりと痛々しいシーンは多い。

ある戦争 <A War>

フィクション
時代:アフガニスタン紛争
味方陣営:デンマーク軍(PKO)
敵陣営:タリバン
グロテスク:有り。量的には少。
雰囲気:シリアス
<ストーリー>
アフガニスタンで平和維持活動を行うデンマーク軍。ある日の巡視中、部隊はタリバンの襲撃を受け、隊員のラッセが負傷する。
彼らに次々と浴びせられる弾丸。しかし部隊は敵の姿は確認できないまま、刻一刻と負傷したラッセに命の危機が迫る。
救護のヘリは航空支援がない中では出せない。しかし支援を出すには敵の姿を確認しなければならない。
極限の状況の中、部隊長クラウスは「第6地区に敵がいる」と報告し、航空支援をそして救護ヘリを要請する決断をした。
結果としてラッセを救うことに成功したクラウスだったが、そんな彼を待ち受けていたのは、民間人11人殺害の容疑だった。
<感想>
ざっくり半分が現地アフガニスタンでの巡視風景。もう半分が裁判過程くらいの気持ち。
戦闘はないこともないが、大半は武装した軍人が巡視してるシーンなので、歩いたり、武器構えて走ったり。
よく見知った部下を切り捨てられないのは理解できるが、結果として民間人11人を死亡させた彼の決断自体を肯定はし難い。
結局航空支援が無いとヘリが来ないのだからシステム的には悪いが、無防備にヘリを下ろせばどうなるかはローン・サバイバーでご存知の通り。
結局、何が正しいか、何が間違ってるか、なんていう単純な問題ではないのだ。

ドローン・オブ・ウォー <Good Kill>

フィクション
時代:アフガニスタン紛争
味方陣営:米軍
敵陣営:タリバン
グロテスク:少(無?)
雰囲気:シリアス。ややスカッとJAPAN
<ストーリー>
かつてF-16のパイロットであったイーガン少佐は、現在は米国内からイラクの上空の無人機を操縦するドローンパイロットに。
日々、家と基地を往復する生活の中で、テロリストの監視を行い、ミサイルで排除し、その戦果の確認を行う。
そんな日常と非日常的な光景の繰り返しの中で、イーガンは徐々に精神を蝕み、そして家族との距離も開いていく。
部隊の活動もCIAとの協力によって徐々に過激になっていき、イーガンのストレスは加速していく。
ストレスの限界に達したイーガンは、上官への反抗を企てる。
<感想>
大正義アメリカの名の下、横行される無人機による標的殺人を描いた作品。
実際に悩むドローンパイロットも多いらしいが、同僚2人はやたらお気楽だった、この辺りは向き不向きなのだろうか。
無人機自体は殆ど登場せず、部隊のコンテナと、そこで映し出される無人機の映像、あとは自宅の描写が大半。
というわけで兵器的なみどころは薄。一応F-16は出るけどね。一応ね。
最後の描写をどう見るかは人それぞれだが、イーガン的にはやはりああいった「良いこと」がしたいのだろう。

アメリカン・スナイパー <American Sniper>

実話に基づく
時代:イラク戦争
味方陣営:米軍(NAVY SEALs)
グロテスク:少
雰囲気:シリアス。
<ストーリー>
テキサス生まれのクリス・カイルは、アメリカ大使館爆破事件をきっかけに海軍に志願、厳しい訓練を突破しSEALsに配属される。
同時多発テロを契機に始まったイラク戦争により戦場に赴いたクリスは、その狙撃兵としての才能を開花し伝説(レジェンド)と讃えられる存在に。
一方で、戦場でともに戦った仲間の死傷、敵狙撃手「ムスタファ」との死闘、徐々にクリスの精神は蝕まれ、帰国のたび、家族との溝は深まっていく。
4度目の派遣でついにムスタファの姿を捉えたクリスは、これを撃破。包囲網を命からがら脱出し、ようやく心身とも家族のもとに帰るのだった。
<感想>
伝説の狙撃手、クリス・カイルの生涯を描いた作品。まあ実際は多少脚色等はあるそう。まあ映画だしね。
一応狙撃手なので狙撃中心とはなるが、海兵隊員を見かねてMk18を担いで同行したりと普通の銃撃戦等もそこそこ。
そんなわけで戦闘は多めか。まあ大半が戦地なので。SEALsの装備や戦闘を見たい場合にはオススメか。
戦地と帰国との繰り返しで精神的に来ており、実際帰国後にちょっとしたトラブルを起こす描写等、PTSD描写も多め。

ダンケルク <Dunkirk>

フィクション
時代:WW2
味方陣営:連合軍(イギリス)
敵陣営:枢軸国(ドイツ)
関連する史実:ダイナモ作戦
グロテスク:少
雰囲気:シリアス、暗め
<ストーリー>
1940年、ドイツ軍の電撃戦により、フランス、イギリス軍を中心とした連合軍はダンケルクに追い詰められていた。
包囲され逃げ場を失い、ドイツ空軍によって攻撃を受ける連合軍兵士。イギリスは彼ら40万人を本国に脱出させるべく、ダイナモ作戦を実行する。
民間の船舶を含む多数の船舶が動員され、ドーバー海峡を超えて救出部隊がダンケルクへと出発する。
そして彼らを援護するべく、英国の3機の新鋭戦闘機、スピットファイアもまた、ダンケルクへと向かっていくのであった。
<感想>
海岸の連合軍兵士(陸)の「一週間」、救援に向かう民間船(海)の「一日」、そして戦闘機隊(空)の「一日」
異なる時間軸のこれらが交互に展開され、それぞれの時間軸は最後に交わる独特な時間展開で描かれる。
そのため、劇中の時間と実際の時間でいくらか物事が前後していることは留意が必要。
一方、異なる時間軸の中でも状況はたびたびリンクして描かれており、独特な展開ながらも、見ていて非常に面白い。
Bf109やHe111にJu87、そしてスピットファイアといった大戦機の飛んでいる様、空戦が見られるのも美味しいポイント。
難点としては登場人物が誰が誰だかわかりにくい。これは人によるかもしれないが…みんな同じに見える…。
作戦終了めでたしめでたし…とはいかず、大戦は序盤も序盤、これからBoBもノルマンディもあり、それらを暗示させるような幕切れも秀逸。

ヒトラー ~最期の12日間~ <Der Untergang>

実話に基づく
時代:WW2
味方陣営:枢軸国(ドイツ)
敵陣営:連合軍
グロテスク:少
雰囲気:シリアス、暗め
<ストーリー>
1944年4月20日。連合軍がベルリンに迫り、ヒトラーとその側近たちは地下に避難していた。
もはや戦況は絶望的であり敗戦は決定的であったが、錯乱したヒトラーはなお戦況の打開のため、軍に無茶な指示を押し付ける。
<感想>
表題通り、ヒトラーの最期の12日間の話で、ニコニコで有名なあの総統閣下シリーズの映画。
総統専用地下壕で繰り広げられる、ヒトラーとその側近、そして秘書たちの様子、そして末期のベルリンの様子が描かれる。
基本的には人間模様なので戦闘等はほぼない。
もはや敗戦不可避ななか抗戦を続ける者たち、もはや死は不可避として自決する者たち。どこかの島国でも見た気がする。
結局勝てば官軍、負けて追い詰められれば人間どこも変わらないのではないかという気がする。降伏しても結局トップは戦犯だろうし。

帰ってきたヒトラー <Er ist wieder da>

フィクション
時代:現代
雰囲気:明るい(?)
<ストーリー>
何の因果か現代に蘇ったかつての総統アドルフ・ヒトラー。
紛れもない本人であるのだが、当然周囲はそうは思わず、そっくりさんの芸人であると思い込まれ、コメディアンの道へ。
しかし彼は持ち前のカリスマ性でドイツ国民の心を掴んでいき、その騒動は徐々に世間を巻き込んで大きくなっていく。
<感想>
現代にヒトラーが蘇ったら…といったコメディ作品。最期の12日間等のパロディもある。
なんだかんだコメディアンとしても大成してしまうのはヒトラーの力なのか、ドイツ国民が指導者を求めているのか。
実際の一般市民にインタビュをしたり、ネオナチの描写もあったりと社会風刺的な側面もあり、ただのコメディでは終わらない。
良くも悪くも独裁者ヒトラーがいたドイツならではであり、日本で同じことやっても誰?になりかねない。

THE WALL

フィクション
時代:イラク戦争後
味方陣営:米軍
グロテスク:少
雰囲気:シリアス。後味悪め。
<ストーリー>
2007年、イラク戦争の終結したイラクの地で、敵狙撃手を狙う米軍の狙撃手アイザックとマシューズ。
しかし20時間が経過しても動きがないため、マシューズは米兵の死体の確認に向かう。
死体はどれも頭を撃ち抜かれており、部隊を襲撃したのは狙撃手であると確信したマシューズ。その刹那、銃弾が彼の腹を撃ち抜く。
その光景を目にしたアインズは援護のため駆けつけるが、自身も脚を撃たれ、命からがら壁の裏に駆け込んだ。
無線機が破壊され救援は呼べず、撃たれた脚は出血が止まらず、おまけに水のタンクも撃ち抜かれ空に。途方に暮れるアインズ。
そんな折、無線から声が聞こえる。救援を期待するアインズだったが、言葉の訛りから、彼が味方ではないと見抜く。
無線機から語りかけるその声の主こそ、彼らを襲撃した狙撃手であった。
<感想>
狙撃手戦ということで、動き自体は少なめ。というか戦闘はほぼない。
基本的には壁の裏に追い詰められたアインズが敵狙撃手と会話をしつつ、いろいろと考えながら助かるべく足掻く話。
その間、敵狙撃手はいろいろ聞いてくる。最終的にはこの会話に意味があると気づくことになり、一連の騒動の真相がわかる。
まあはっきり言って最後の終わりは全くすっきりできるものではないので、後味はなんとも悪い。人の話は聞こうね。
とにかくあまり動きがないので、アクション等を期待する層には向かない。

ハンターキラー 潜航せよ <Hunter Killer>

フィクション
時代:現代
味方陣営:米軍(原子力潜水艦、NAVY SEALs)
敵陣営:ロシア連邦
グロテスク:少
雰囲気:アツめ
<ストーリー>
ロシア領バレンツ海を航行中の米軍潜水艦タンパペイが何者かに撃沈され、軍は潜水艦アーカンソーの派遣を決定。
一方、ロシアでは大統領が訪れた北海のポリャルヌイ基地で国防大臣がクーデターを画策、大統領が拘束される。
これらの騒動を受け、情報収集のためNAVY SEALsの4人は、ポリャルヌイ基地に派遣。そして、大戦を回避するべくこの救出作戦が開始される。
<感想>
作品の2本の柱として
・基地に潜伏して情報を収集、のちに大統領救出のため突入するSEALs隊員。
・タンパペイの調査に向かって北海に向かい、のちにそれらの部隊を回収するUSSアーカンソー
の2つの軸で物語は進行。
まあこれはフィクションだなと思うような点は多々あるものの、それを踏まえて、いや、だからこそ面白いというべきか。
ビーマン隊長、グラス艦長はじめ、登場人物もかっこいい人が多め。
リアリティを突き詰める人には向かないかもしれないが、ミリ知識の無い一般層でも十分楽しめそう。

ネイビーシールズ <Act of Valor>

フィクション
味方陣営:NAVY SEALsほか
敵陣営:イスラム過激派テロリスト
グロテスク:少
雰囲気:USA
<ストーリー>
麻薬カルテルにCIAのエージェントであるモラレスが拉致され、この救出任務がローク大尉所属のNAVY SEALsのチーム7に命じられる。
無事、彼女の救出に成功したSEALsであったが、この件によって麻薬カルテルとイスラム系テロリストとの関与が判明。
彼らによって進められる自爆テロ計画を阻止すべく、SEALsは現地メキシコ軍と協力し拠点に対しての突入作戦を決行する。
<感想>
よくも悪くもアメリ観なストーリー。すなわち、正義のアメリカ、悪のテロリスト。まあ間違ってはいない話ではある。
とにかくそういう前提なので、正義がどうとか社会がどうとか宗教云々は抜き。悪のテロリストは倒す。そういう構図で出来てる。
これは原題の「勇気ある行為」の通りで、最前線で戦うSEALsに焦点を当てた作品だからと言える。まあ実際問題自爆テロはどうあっても悪でしょ。
戦闘要素としては空挺や地上の銃撃戦、武装ボート、ヘリ、潜水艦等々いろいろあり。ちなみに弾は実弾を使ってるとか。
俳優も実際に現役のSEALs隊員を起用したらしく、飾り気が無く自然体な感じで違和感がないし、全編通して素人くささも感じない。
そんなわけで、善悪観等を考えたい人には向かないが、SEALsというもの、軍人というものに興味があるなら、アリだと感じる作品。

ハクソー・リッジ <Hacksaw Ridge>

実話に基づく
時代:太平洋戦争
味方陣営:アメリカ陸軍
敵陣営:大日本帝国
関連する史実:沖縄戦
グロテスク:多
雰囲気:暗い、悲惨
<ストーリー>
ヴァージニア州生まれの信心深い青年デズモンド・ドス。彼は教えに従い、人を殺すことを何よりの禁忌としていた。
彼のその信念は兵士に向いてないものであったが、衛生兵であれば人を殺すことなく国の役に立てるのではないかと考え、陸軍へと志願。
銃に触ることすら拒否する彼は上官や隊の仲間たちから嫌がらせを受けるが、それでも信念を曲げないデズモンド。
そんな彼はある日遂に軍法会議に掛けられることになる。が、ある人の助力もあってこれを退け、晴れて衛生兵に。
そしてデズモンドを含む彼ら第77歩兵師団は、1945年の沖縄「ハクソー・リッジ」へ投入される。
<感想>
プライベート・ライアンと同等かそれ以上に凄惨な戦闘が繰り広げられ、沖縄戦の激戦具合が察せられる。
とにかく人は殺さない。銃すらも触らない。(これにはまた理由がある)戦時の、しかも兵士としては異常な信念を貫くデズモンド。
銃を触るくらいなら…訓練で撃つぐらいなら…と誰もが思うだろうが、それでも彼は頑なにその信念を曲げない。
激戦のさなか、また1人取り残されたなかで、多数の負傷兵を救い出した実話とは思えない所業は、この強い精神力、信念あってこそだと感じられる。
立ちはだかる日本兵が非常に強力に描かれているのも印象的で(勿論相応にやられるが)また恐ろしい。
とにかく沖縄戦という激戦区での出来事であり、また衛生兵の物語ということもあってグロテスク、ショッキング描写が多い点は注意。

ブラックホーク・ダウン <Black Hawk Down>

実話に基づく
時代:ソマリア内戦
味方陣営:アメリカ陸軍。デルタフォース、国連軍
敵陣営:ソマリア民兵
グロテスク:やや多、痛々しい
雰囲気:暗い
タグ:銃撃戦
<ストーリー>
内戦の続くソマリアにて、アメリカ軍はアイディード将軍率いる最大派閥の戦意を挫くため、将軍の副官2名を確保する作戦を展開。
当初、30分ほどで完了する予定の作戦だったが、多目的ヘリUH-60ブラックホーク2機が撃墜されてしまう。
仲間は決して見捨てない。モットーのとおりヘリ搭乗員の救出に向かうアメリカ兵たちであったが、犠牲を恐れずに次々と現れるソマリア民兵を前に、徐々に損害が増えていく。
<感想>
着の身着のままに、ライフル銃やRPGを担ぎ、軽トラックに機関銃を載せ戦うソマリア民兵。
米兵と比べればあまりに粗末な装備・練度の彼らであるが、にもかかわらず臆することなく立ち向かってくる。
倒しても倒しても次からやってくる民兵を前に徐々に徐々に追い詰められていく米兵の絶望感。
現実のイスラム過激派や、かつての大日本帝国などもそうだったように、譲れないものを抱える人々は死を恐れない(実際に恐れてないかは別)
民兵の一人が語ったように、指導者を失ったから武器を置くのかといえば、決してそうではない。
であればどうするのか。「敵」を滅ぼすまで戦い続けるしかないのか?
結局、この戦いを契機として、米軍はソマリアからの撤退を決めた。
ソマリアの問題は内線であって、アメリカが口を挟むことではない。世界各地の紛争に介入するアメリカの行動は果たして正義なのか。
しかして、飢餓で死にゆく人々を国連が救うことは誤りなのか。

キル・チーム <The Kill Team>

実話に基づく
時代:アフガニスタン紛争
味方陣営:アメリカ陸軍
敵陣営:ターリバーン
グロテスク:少
雰囲気:暗い
タグ:戦争犯罪
<ストーリー>
英雄に憧れ、アフガニスタンへと派遣された米陸軍兵士アンドリュー。
その燃える正義感とは裏腹に、派兵先での任務は現地住人の取り調べを始めとする地道なものでしかなかった。
そんなある日、上官が地雷により死亡し、その代わりとしてイラクなどでの派兵経験のあるディークス軍曹が赴任してくる。
「俺に忠誠を誓うのなら、お前たちを戦士にしてやる」そう語ったディークスは新たに部隊を統率し、任務はより実務的になっていくが……
徐々にディークスが無実の民間人を虐殺しているのではないか?疑問をいだき疑い始めるアンドリュー。
一方、アンドリューの態度から徐々に忠誠心を疑い始めるディークス。
ディークスへの畏怖とチームメンバーへの不信感、良心の呵責に、徐々にアンドリューは蝕まれていく…。
<感想>
実話に基づき、米陸軍部隊が、自作自演的にアフガニスタンの民間人を殺害し、部隊の新兵であるアンドリューがその中で良心の呵責に苛まれながら
一方で、上官への畏敬の念と、軍隊における上官と部下という関係性のなかで苦しむというストーリー。
戦闘らしい戦闘はあまりない(というかこのストーリーのとおり「銃撃戦」などない)最後に実話の顛末が語られているが、これもなんとも言い難く、カタルシスなどもない。
全般的に暗く心に刺すような精神的なストーリーであり、ともすれば日常的に自分たちの身にも起こりうる(人殺しでこそないだろうが)話で、考えさせられる。
現実として正しいことはなにか?そうだとして、どのように行動したら良いか?報復が怖い。バレたらまずい。本当に綺麗事だけで行動できるか?
だからといって、その手を汚せるのか?正解はなんなのか?(そもそも正解はあるのだろうか?)
安直な答えがないように思えるこの作品は、「現実」に近い。

ALONE <Mine>

フィクション
時代:2010年代?
味方陣営:アメリカ海兵隊
敵陣営:不明テロリスト
グロテスク:少(脚欠損)
雰囲気:暗い
タグ:スナイパー、地雷
<ストーリー>
テロリストのリーダーのを暗殺するべく、北アフリカの砂漠地帯に派遣された米海兵隊の狙撃手マイクと、スポッターのトミー。
しかし、現れたテロリストらが結婚式をあげはじめ、射撃を躊躇した彼らは反撃を受ける。
暗殺任務に失敗しなんとか追手を撒いた2人は、撤収するため近隣の村へ向かうが、そこで危険地帯の看板を発見し、地雷原に突入していることを悟る。
回り道の余裕もなく、看板はデマだと主張し突き進むトミーに押され、再び歩み始めた2人であったが、瞬間、地雷が炸裂、
トミーは両足を失い痛みに悶えるが、それを助けようと踏み出したマイクもまた、地雷を踏んでしまう。
自身も動けない中、マイクは必死に治療の指示と激励の言葉を掛けるが、その甲斐も虚しく、トミーは自身の拳銃で頭を撃ち抜き自害。
なんとか友軍に連絡を取るものの、砂嵐のためにヘリは飛ばせないため、救助は最短で52時間後という絶望的な回答が。
一歩も動けない中で、灼熱の太陽、極寒の夜、そして肉を求める野生動物の驚異からの52時間のサバイバルが始まる。
そして、その過酷な環境は徐々に精神を蝕み、マイクの過去のトラウマを呼び覚ます。
<感想>
実際のところ、地雷を踏んで一歩も動けない、この状況でいかにして生き残ろうか?といったサバイバル作品ではない、
結局やることは52時間耐えるだけであって、特に凄い工夫を凝らして生き残るとかではないのだ。
舞台として米海兵隊、多少の銃撃戦こそあるものの、ミリタリー映画といった感じでもあまりない。
つまるところ、過去にアルコール中毒の父親の姿を見たマイクは、自身にもその因子を感じ、彼女との一歩を踏み出せない状況にいる。
その状況を地雷を踏んで動けないと表現し、一歩踏み出す勇気を…といったメッセージにしている映画である。
というわけなので、何かを踏ん切りがつかない人は見てみるのもいいのかもしれない。
あなたの一歩はこれより難しい一歩ですか?
そうは言っても実際一歩踏み出すのって難しいよね。

ウルフズ・コール <Le Chant du loup>

フィクション
時代:2010年代?
味方陣営:フランス海軍
敵陣営:不明テロリスト
グロテスク:無
雰囲気:暗い
タグ:潜水艦
<ストーリー>
フランス海軍潜水艦「チタン」のソナー員シャンテレッドは、シリアでの特殊部隊の回収任務にあたった際、データベースにない音紋を探知する。
野生動物か、潜水艦か。判断を迫られるシャントレッドだったが、狼の声のようなアクティブソナー音に惑わされ、判断を誤る。
チタン号は敵の対戦ヘリに捕捉されチタンは攻撃を受けてるが、グランシャン艦長のロケット攻撃により撃墜に成功し、帰還に成功する。
シャンテレッドは判断ミスを叱責され、謎の音の正体について調査を申し出るが、軍はドローンと断定し調査を不許可とした。
しかし、この判断に納得がいかない彼は独自に調査を続け、音の正体は旧ソ連に関係していることを突き止めた。
一方新型の原子力潜水艦「レフローヤブル」艦長となったグランシャンはチタンを従え出港する。
その時ベーリング海からフランスに向けて弾道ミサイルが発射され、フランス大統領は報復としてレフローヤブルに核攻撃を命じる。
しかし、シャンテレッドの音声分析により、敵ミサイルには核弾頭が搭載されていないことが判明し、一転、フランスから各先制攻撃の危機に陥る。
すでに通信を遮断し、攻撃命令が中止不能なレフローヤブルの核攻撃を阻止するべく、シャンテレッドは再びチタンへ乗り込むのだった。
<感想>
潜水艦映画を何度も見ているわけではないのでお約束はわからなず、知識も乏しいのでそのあたりにはあまりコメントできない。
ただ、素人的には見ていても潜水艦してるなというふうには見えたし、「黄金の耳」と呼ばれるシャンテレッドの腸音能力について、
こんなことも出来ちゃうよという具合にうまく表現していたように見えたので、おおという感じがした。サブマリナーもかっこいいね。
題材はフランス海軍、制作もフランスなので、フランス映画、結構珍しい気がする。まあ潜水艦なので見た目はどこも大して変わらん。
バレを言ってしまえばテロリストに騙されたフランスが先制核攻撃をしそうになっているので、なんとしても止めなければという話で、
まあなんとも情けないというか、その結果こんなことになっちゃってんの!?って感じにはなかなか暗い映画である。というかテロリストすごいな?
融通が利かないといえばまあそうなのかもしれないが、一方でこの厳格な規則遵守というのもまた、軍という組織には必要だろうから、
なかなか難しいものだと思う。

ゲーム

Spec Ops: The Line

Yager Development
Microsoft/Xbox360/PS3
ジャンル:PvEサードパーソンシューティング
味方陣営:米軍(デルタフォース)
敵:現地武装民間人ほか
雰囲気:暗め、鬱展開
<ストーリー>
大規模な砂嵐が発生し孤立したアラブ首長国連邦ドバイ。先立って救援に向かったはずの米陸軍第33部隊からの連絡が途絶える。
33部隊の指揮官コンラッド大佐と面識のあるデルタフォース隊員のウォーカー大尉は部下と共に3人でドバイへの調査に赴く。
そこで、ウォーカー大尉らは武装した民間人の襲撃を受ける。
状況が飲み込めないまま、戦闘に巻き込まれた彼らは、なし崩し的に事態の深く深くへと巻き込まれていく。
<ゲーム概要>
基本的には物陰に隠れつつ、隙を見ては身を乗り出して撃って…を繰り返すようなTPS。
初期の武器はM4自動小銃とM9自動拳銃だが、必要に応じて敵から武器や弾薬を奪い取りつつ進む。
自身が死亡するか、部隊のメンバーが負傷し時間内に治療できないとゲームオーバー。
道中に実績的に選択肢はあるもの、基本的は一本道。エンディングは最期の選択で3つ。
<感想>
とにかく撃っているとあっという間に弾がなくなるので、なるべく節約しつつ回収していかないと詰む。
というかそこそこ難易度があるので割と余裕で死体の山を築く。デルタフォースだって撃たれたら死ぬんだよ。
一応初期難易度でも未経験の初心者でも走破は可能だった。ただ根気は必要。
武器はAR,HGのほかSG,MG,SRなどさまざまで、2つまで持てるので好きなのを持ち運ぶといい。弾は知らない。
ストーリー自体は暗く、ウォーカーはとにかく状況を切り抜けるべく戦い抜くが、事態はずぶずぶと悪化の一途をたどる。
様々な決断を迫られるが基本的に事態は好転せず、エンディングも当然ハッピーエンドは無い。
というわけですっきりはしないが、考えさせられるものもあり、なかなか面白い。

WarThunder

Gaijin Entertainment
PC/Xbox/PS4
ジャンル:PvPフライトコンバット
時代:WW2初期~ベトナム戦争
<ゲーム概要>
このwikiでこのゲームの説明いる?
古くはWW2前の戦間期、最終ランクはベトナム戦争まで。
戦闘機や爆撃機といった航空機、戦車や装甲車両といった戦闘車両、そしてパトロールボートから重巡洋艦までの艦船。
空で、陸で、海で、あるいはそれらの混合戦場で戦うオンラインPvPゲーム。
基本は対戦であるものの作り込まれたモデルのクオリティは高く、遊覧飛行や編隊飛行、映像作品の製作、自作迷彩の作成など
遊び方は自由度が高く多種多様。その反面、比較的要求スペックは軽いため、環境的なハードルも低い。
<感想>
有名所からマイナーどころまで、非常に多くの航空機、戦車等の兵器が登場。
モデルの作り込みもあって、多様な遊び方ができる点はよし。
ただし、対戦に関してはPvPでは珍しくないことではあるが、一部兵器、一部陣営有利の面があり、不遇兵器、不遇陣営なども存在する。
機体性能なども時折ガラッと変わることがあるので、特定の兵器や陣営に入れ込む人にとっては、やや難があるかも知れない。

エースコンバット04 シャッタードスカイ

ナムコ
PS2
ジャンル:フライトシューティング
<ゲーム概要>
フライトシューティングで有名なエースコンバット、そのPS2での1作目。
シミュレーターではなくシューティングであるので、リアル志向よりはゲーミングな仕様で、基本的に超機動と大量のミサイルでの戦闘を行う。
プレイヤーはISAFのパイロット「メビウス1」として戦争に参戦し、戦果をあげつつ徐々に戦局をひっくり返し、名を挙げていく。
<ストーリー>
小惑星ユリシーズの落下により、大量の難民が発生したユージア大陸。
大国であるエルジア共和国は、難民の受け入れ先として期待されていたが、そのすべてを受け入れることはできず受け入れを拒否。
結果として難民の多くは溢れかえり、エルジアに対する非難の声が上がり始める。
このような非難に業を煮やしたエルジアは中立国サンサルバシオンへ侵攻し「ストーンヘンジ」を奪取。
ユリシーズ迎撃用に作り出されたその巨大な砲を兵器として転用した彼らはその対空力を持って制空権を確保し進撃。
大陸諸国は独立国家連合軍ISAFを結成するも、その圧倒的な力の前に敗北、大陸から撤退し島国ノースポイントまで追い込まれる。
そして遂にノースポイントに爆撃機編隊が迫る中、プレイヤーは「メビウス1」として戦争に参戦する
<感想>
あのエースコンバットシリーズということで、プレイヤーがいい具合に活躍し、味方や敵の無線での反応もあるので爽快感がある。
機体もF-14,15,16やタイフーンラファール(東はよくわからん)サブタイプは少ないが基本的な物は一通り揃っていてよい。
特殊兵装も機体ごとに複数種用意され、大体の機体で対地対空の両面に対応可能で、愛機を決めて通しプレイも難しくない。
難点としては時間内に指定ポイントを稼ぐ対地攻撃任務が多いため、対空要素がいまいち。
また、味方側の視点でストーリーが展開しないため、ストーリー性を求める人には物足りないかもしれない。反面、ロールプレイはしやすい。

エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー

ナムコ
PS2
ジャンル:フライトシューティング
<ゲーム概要>
PS2での2作目。前作同様にシリーズの特徴はそのまま、軽快な動作と多数のミサイル、特殊兵装で戦うシューティング。
前作と比べてストーリー面が大幅に強化され、多くの登場人物を通して、戦争の経過が描かれていく。
システム的には編隊システムが導入され、編隊のメンバーの機体を選択したり、戦闘中に指揮しながらミッションをこなしていく。
<ストーリー>
ベルカ戦争から15年。セレス海の孤島、サンド島近隣でバートレット大尉と訓練生の編隊が国籍不明機と交戦。
管制官のミスもあり教官と1人の訓練生以外は戦死し、人手不足となったサンド島基地は訓練生の1人である「ブレイズ」も戦闘任務へつくことに。
その後も繰り返される国籍不明機の進入。そして友好国であったはずのユークトバニアからの宣戦布告。
ブレイズはナガセ、チョッパー、グリムの3人の隊長として、戦火に飲まれていく。
<感想>
前作同様の爽快感あるフライトシューティングを継承しつつ、全体的にパワーアップが感じられる。
何よりもストーリー面が強化されており、全体を通して一本の映画のようなストーリーが繰り広げられる。OPムービーも必見。
機体数も増加し、サブタイプなども充実。反面、新機体解放には特定機体でキルレートを稼ぐ必要があるため、揃える手間は更に増加。
また、機体ごとに特殊兵装固定のため、対空対地のいずれかは不得手に。結果として通しでの機体固定はやや難易度が高い。
編隊員の機体選択、作戦指示は行うことができるが、あまりあてにならないので、基本的にはいつもどおりエースとして頑張ろう。

エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー

ナムコ
PS2
ジャンル:フライトシューティング
<ゲーム概要>
PS2での3作目にして最終作。軽快な動作と多数のミサイルを駆使して戦うのは今まで通り。
前作5で登場した15年前の戦争を描いた作品であり、用語や登場する国家、人物などに関連が見られる。
今回の僚機は2番機のみだが、機体は固定だが特殊兵装は選択が可能で、指示も少し細かく出せるようになった。
また、「エーススタイル」といったシステムが有り、プレイヤーの行動によって遭遇する敵や無線の内容が変わる。
<ストーリー>
1995年、経済危機を迎えていたベルカ公国は、ウスティオ共和国の地下資源発見の報を機に同国へ進行を開始。
伝統的なベルカ空軍の前に周辺諸国はあえなく惨敗、わずか数日でウスティオはほぼ全土を占領されてしまう。
臨時政府は残されたヴァレー空軍基地及び第6航空師団と、オーシア、サピンとの連合に最後の望みを掛ける。
第66飛行隊ガルム、その1番機として「サイファー」は片羽の妖精「ピクシー」とともにベルカ戦争へと身を投じていく。
<感想>
ゲームとしての特徴は言わずもがな。5とベクトルは違うがストーリーも印象的。
傭兵としてどのように振る舞うかでストーリーが分岐するため、自分での手でベルカ戦争を駆け抜ける体験ができる。
敵エース部隊が多数登場し、今までの作品に比べてドッグファイト、空対空戦闘が多く楽しめる点はよい。
僚機も1機のみで、基本的に無線のやり取りばかりなので、距離が近すぎないまさに僚機と行った感じ。
一方で全ミッション3分岐のため、通しでは18と短いが全体では54と、ボリュームは減っているが増えてもいる。
そのためストーリーとしてはややボリューム不足感、しかしコンプリートは大変というややちぐはぐな感じがしなくもない。
特殊兵装は選択式が復活したので、どの機体でも対地対空両立がしやすく、好きな機体で通すことはやりやすくなった。

その他

やる夫がフューラーになるようです

形式:やる夫スレ
<概要>
独裁者アドルフ・ヒトラー。彼がいかにして成り上がり、ドイツの総統(フューラー)に上り詰めたのか。
それまでの多くの出来事をやる夫としてまとめた長編歴史系スレ。
やる夫は勿論、人物の多くがアニメキャラ等に扮して登場し、史実の出来事について詳しくわかりやすく、そして面白く解説している。
やる夫で描かれるため情けない描写も多く、そうでなくとも詳しい解説のおかげで、今までのヒトラー観が覆る…かも。
とにかく多くの解説があるため全体量も膨大なため、読破にはなかなか時間がかかるが、一見の価値はある。
番外編では有名な総統閣下シリーズのあのシーンのヒヤリングなども行っている。