近代的戦闘

Last-modified: 2023-05-28 (日) 00:27:08

レーダ

レーダ(RADAR:RAdio Detecting And Ranging、電波探知/測距)は電波を使用して敵機を含む目標を捕捉する機器で
夜間、雲の中などの視界が効かない環境はもちろんのこと、通常環境でも目視以上での戦闘を可能にする、現代戦闘機に必須の技術である。

レーダの画面

レーダを装備する機体は画面右側にレーダ画面が表示される

画面形状はBスコープもしくはPPIスコープの2種類から任意で選択が可能
下記オプションで、はいを選択するとBスコープスコープ、いいえでPPIスコープとなる
オプション>メインパラメータタブ>航空戦闘の設定>長方形のレーダーインジケータを使用します

表示rader_b-s.pngrader_ppi.png
名称BスコープPPIスコープ
特徴画面表示が大きく見やすい
直感的に距離の比較がしやすい
近距離目標の識別がしやすい
方位方向の判別にはなれが必要
画面表示がコンパクト
距離の比較にはなれを要する
近距離目標の識別がしにくい
直感的に方位を理解しやすい

各レーダ画面の表示は以下
①レーダモード
現在どのモードで動作しているかを示す。各モードの詳細はレーダモードの項にて後述
③走査範囲
現在のレーダの走査範囲を示す。レーダ操作によって変更が可能。
前半の数値がAZ(水平)方向、後半がEL(垂直)方向を示している。
表示例の場合は水平120°(左右それぞれ60°まで)垂直10°の範囲を走査していることを示す。
範囲を広げるほど見える範囲が増えるが捜索速度はレーダ性能に依存するため、単純に走査にかかる時間も増加し、表示の更新に時間がかかる。
④レーダスケール
現在のレーダの表示スケールを表す。モードにより距離または速度が表示される。
表示例の場合、表示画面上端で19km、下端で0km。各目盛は下から4.75, 9.5, 14.25kmになる。

レーダ/IRSTの操作

WTでの中でのレーダ/IRSTに関連する操作は以下のとおり
機体に搭載されているレーダによって、使用できるモードや探知距離などのレーダスペックは異なる。
IRSTはそもそも積んでいる機体が少ない。(特に西側)

  • レーダ/IRSTの偵察をオン/オフ
    レーダまたはIRSTをONまたはOFFにする。
    基本的にはあまり切る意味は無いので常時ONでもよいが、後述のRWRに捕捉されたくない場合(奇襲をかけたいなど)はレーダOFFも視野に入るか。
  • レーダとIRSTの切り替え
    名前のとおり、レーダとIRSTを切り替える。
    つまるところレーダとIRSTを同時に使用することは現状できない。
  • レーダ/IRSTのシステムモードの変更
    レーダの動作モードを変更できる。
    現状で存在するのは以下
    SRC:通常の走査モード
    SRC PD(PDV):パルスドップラーモード、通常と異なり目標との相対距離が表示される
    SRC PD:パルスドップラーモード、通常と同様に目標との距離が表示される
    TWS:捜索中追尾モード、目標との距離、進行方向、相対速度が表示される
    IRSTはわからん
  • レーダ/IRSTの視認範囲内/外の戦闘
    ACM(Air Combat Mode)を使用する。
    以下のモードがあり、いずれも範囲内に目標を発見した場合TRKモードとなり、その目標をロックオンする。
    BST:ボアサイトモード。自機の正面にビームを照射する。
    VSL:垂直走査モード。自機正面の上下方向に一杯、左右には狭い空間にビームを照射する。
    TRK:追尾モード。目標に対して集中的にレーダを照射し続ける。
    IRSTはわからん
  • レーダ/IRSTの偵察モードの変更
    レーダ/IRSTのビーム捜索範囲を変更する。
    水平方向に広く取ると、目標の捜索範囲は広がるが、水平に1往復かかる時間が増える。
    捜索範囲を絞ると、捜索範囲は減るが、往復時間を短く出来る。
  • レーダ/IRSTのスコープスケールの変更
    レーダの表示距離を増やす。
    表示距離を増やすほど遠くの目標を表示できるが、表示画面のサイズは変わらないため、距離の細かい読み取りは困難になる。
    また、索敵以外の用途で使用するときのレンジの都合のため、基本的に最大レンジ最長距離での索敵はできないことが普通。
    IRSTはわからん
  • レーダ/IRSTを選択して目標をロックオン
    レーダー画面でトラックする目標の切り替えを行う。
  • レーダ/IRSTの目標をロックオン
    レーダ画面にてトラックしている目標をロックオンする。
    ロックオンできなかった場合はキャンセルされる。

レーダモード

F-14Aのレーダモードの遷移例を以下に示す
図_レーダモード.png

SRC-捜索モード

radar_src_130x8_37.png
ビームを左右(上下)に走査し、目標を発見するモード。SRCはSeaRChと思われる。
所謂通常のモードと言え、目標の距離情報、IFF搭載の場合は敵味方の識別が可能。
低高度や、上空から見下ろす状態(ルックダウン)の場合は地面からの反射波により探知性能が低下する。

TRK-追尾モード(通常)

[添付]
レーダを一つの目標に対して指向することで、より詳細に目標情報を得るモード。所謂ロックオンの状態。
連続的にレーダ波を照射する結果、主に以下の情報などを追加で取得することができる。
・目標との詳細な距離
・目標の進行方向
・目標との相対速度

また、セミアクティブレーダ誘導ミサイルを使用する場合は、発射から命中するまでこのモード(もしくはTRK PD)で目標を捕捉し続ける必要がある。
そのほか、対応するIRミサイルなどは連動してシーカを目標方向に向けることができる。(ミサイル側が敵を捕捉できればそのまま発射も可能)

単一目標にレーダを照射し続けるため、その間は他の目標の捜索はできない。
通常の捜索レーダ同様に低空またはルックダウンの状態では捕捉性能が低下し、追尾が外れやすい。
また、敵機がチャフを使用した場合は、そちらに追尾が移る場合が多い。

追尾中は相手のレーダ警戒装置がロックオンを感知し、警戒音(連続)を発する

PDV-速度パルスドップラーモード

radar_src_pdv_120x10.png
パルスドップラーモード。モード表記がPD、表示単位が速度のものを示す。
後述のPDとどちらもPD表記だが、区別のため便宜上PDVと表記する。PDはPulseDopplerと思われる。
ビームを左右(上下)に走査し、目標を発見するまでは上記のSRCモードと同様。
低空およびルックダウン状態での捜索能力を改善するためにドップラー効果を利用したモード
目標からの反射波は目標の速度に応じて変化するため、それぞれの周波数から目標との相対速度を検知。
地面等の目標でないもの(動いていない)と敵機等の目標(動いている)で区別し、後者の抽出を行う。
PDVモードは横軸に方位、縦軸に相対距離を表示したもので、+側は接近する目標、-側は遠ざかっていく目標を示す。距離の表示はされない。
原理上、目標の速度が0(ホバリングのような速度0状態のほか、単純に目の前を横に横切って飛ぶような状)では目標を検知できなくなる。

PD-距離パルスドップラーモード

radar_src_pd_130x8_37.png
パルスドップラーモード。モード表記がPD、表示単位が距離のものを示す。
SRC、PDV同様に、ビームを左右に走査し、目標を捜索するのは同様。
原理等はPDVモードと同様で、低空およびルックダウン性能が改善されている。弱点等も同様。
こちらはSRCはモードに近く、目標との距離を表示し、目標との相対速度は表示されない。

TRK PD-追尾モード(パルスドップラー)

[添付]
通常のTRKモードのPD版。
得られる目標情報や、捜索ができなくなるなどの特徴は共通。
PDモードの特性をもつため、低空目標やルックダウン能力は向上し、追尾が外れにくくなっている。
チャフへの耐性も強化されているが、PDの共通の弱点として相対速度の小さいものに関しては追尾が外れる。

TWS-捜索中追尾モード

[添付]
SRCモード同様に左右にレーダを指向し、目標を捜索しながら、相対速度や進行方向などのトラッキング情報を得るモード。
Tracking While Scanと思われる。SRCとTRKモードの合わせ技のようなものになる。
指定した1目標を追尾し、TRKモード同様に情報を表示するほか、レーダ画面では補足したすべての目標に対して距離のほか相対速度を表示する。
これらの目標はすべて追尾しているため、操作で追尾目標を切り替えることも可能。

捜索も追尾も同時にできる一見上位互換のようで各モードに対して以下の点で劣る

  • SRCモードとの比較
    目標を追尾するためにある程度の頻度で捕捉する必要があり、結果として水平垂直方向ともに走査幅は狭くなる。
    表示情報が増加するため、情報処理が煩雑になる。
  • TRKモードとの比較
    追尾中は常にレーダを指向しているわけではないため、ビームの照射から次の照射の間には直接追尾をしていない時間が生じる。
    この間は追尾時の情報をもとに補完されているが、間に敵機が進路変更等を行った場合、追尾がずれることがある。
    また、断続的にビームを照射していないため、SARHミサイルを誘導することはできない。

ほか、IRミサイルのレーダスレイブも有効なため、近距離での戦闘時にミサイルのシーカを意図しない方向に振り向ける場合がある。
上記の弱点を理解した上で、運用でカバーする、適宜各モードと併用することで長所を活かしたい。

BST-ボアサイトモード

VSL-垂直走査モード

IRST

赤外線捜索追尾システム(IRST:Infra Red Search and Track system)は赤外線を用いて目標を捜索・追尾するシステム。
上述のレーダと同じように目標の捜索と追尾、ミサイル等の火器制御が可能だが、使用する波長(電波と赤外線)の違いによりそれぞれ以下の特徴がある。

種類RaderIRST
探知方法アクティブ
自分から電波を発信し反射波を受信
パッシブ
目標の放射する赤外線を受信する(発信なし)
逆探/妨害RWRにて逆探知可/チャフにて妨害可能逆探知不可/フレアにて妨害可
探知距離/特性長い/低空や見下ろし時に探知低下短い/主に敵機の後方以外で探知低下
測距可能不可(ただし別途レーザ測距計等を併用しているものは可)
サイズ大きい小さい

ミサイル

手動指令照準線一致誘導 MCLOS

Manual Command Line Of Sight
主に初期のミサイルに使用されている方式。名前にもあるとおり手動でミサイルを操作し誘導する。
目標とミサイルが重なって見えるよう(照準線一致)に誘導するのが基本的な考え。
最初から最後まで自力で誘導する必要があるため、操作中は機体操作が疎かになったり、ミサイル本体を見失う場合があるなど、誘導兵器としてはあまり優秀とは言えない。
一方で、手動誘導のため事前にロックオンや安全装置の解除は不要であり、あらゆる状況から即時発射が可能でチャフ・フレアといった欺瞞に誘導を妨害されることがない。
そのため、使いこなすことができればかなりトリッキーな運用が可能…かもしれない。(がまああまり現実的ではないだろう)
もともとあまり命中には期待できないが、ミサイルであるためモータ燃焼中はマーカが表示されるため敵にも視認されやすく、回避行動を取られた場合はまず当たらない。

操作
発射→誘導(手動)
誘導はピッチ、ヨーのそれぞれの舵面を操作して行う。(軸対象の形状のため、通常の機体のようにロール+ピッチコントロールではない)
各軸は機体の発射時の体勢によらず(水平飛行中だろうが90度バンク中だろうが背面飛行中だろうが)空間の垂直面操作がピッチ、水平面操作がヨーになる。

・メリット(強いて言うなら)
ロックオン不要のためいつでも発射したいタイミングで即時発射が可能
敵機前方からや、赤外放射の少ないレシプロ機などが相手でも使用可能
置きミサイルや、偏差射撃のような発射方法が可能
チャフ、フレアによる欺瞞の影響を受けない

・デメリット
手動操作のため複雑な追尾を行うのは困難
ミサイル本体を視認しながら誘導しなければならないため、特に遠距離で視認が困難になり、命中率が下がる。
ミサイルの誘導中は機体操作や周辺警戒が疎かになる。(操作は出来なくもないが、周辺警戒はまず不可能)

ビームライディング誘導

手動誘導は無理でしょ……と思ったのか、少し進化した誘導方式
機体は目標に対してレーダ波を照射し、ミサイルはそのレーダ波の中心を飛行するよう制御される。
というわけで、相手に対して機種を向け続ければミサイルは当たるという寸法。
手動誘導同様に発射はいつでも可能だが、機体の機首操作と誘導が連動しているため、自由度はやや下がる。

操作
発射→誘導(機首操作)
ミサイル発射後、敵機に向け機首を向けていれば、あとはミサイルがそちらに飛んていく。
たまに変な飛び方をすが、まあそういうものなので気にしない。信じて敵に機首を向けていればついてくるはずです。

・メリット
ロックオン不要のためいつでも発射したいタイミングで即時発射が可能
敵機前方からや、赤外放射の少ないレシプロ機などが相手でも使用可能
置きミサイルや、偏差射撃のような発射方法が可能
チャフ、フレアによる欺瞞の影響を受けない

・デメリット
機体が追従できない動きへの追尾が困難
遠距離では手動同様に見失いやすい(誘導は可能だが誘導中なのか終わっているのかわかりにくい)
機体の操作と誘導が連動しているため、誘導しつつ他のことを行うことができない

赤外線誘導 IR

自ら目標を見つけて誘導してくれないかな……そんなものあるわけ。作ったらいいよね。
というわけで敵機のジェット排気の赤外線を検知し、そこに向かって自力で飛んでいく。
敵をロックオンする操作が必要になるものの、一度発射してしまえばよくも悪くもあとは自力ですべてやってくれる。
基本的に赤外線放射源に向けて誘導されるため、他の放射源(太陽やフレア)により目標を見失う、あるいは味方のジェット排気に誘導されてしまうこともある。

操作
シーカ起動→目標ロックオン→発射→(自律誘導)
発射には2ステップ必要であり、まずはシーカ(目標を見つけるセンサ)を起動する。
起動するとシーカの作動音ともに、照準部分に小さい円○が点滅表示される。(ミサイルによってはさらに外側に大円が表示される)
シーカ起動し、一定時間ミサイル発射しないままでいると、自動でシーカはOFFになる。
初期のタイプは一度シーカを起動すると発射しない場合は再起動できない仕様だが、ゲーム中では何度でも再起動できる。
そのためロックできるまで時間がかかりそうであれば一回切ってから再起動を挟むなどして必要なときにシーカが作動しているようにうまく調整したい。
シーカが起動している状態で小円部分に目標(赤外線放射源)を感知すると、円部分が赤色に、シーカ音が甲高い音に変わり、ミサイルが発射可能になる。
外側に円が表示されている場合は、この状態になると大円範囲以内であればシーカが目標を追尾し続けるが、そうでない場合は発射不能になる。(時間内ならばシーカはONのまま)
発射後はミサイル自身が目標を検知し自力で誘導するため、一切の操作は不要(干渉不可)

・メリット
自力で誘導してくれるため、操作に技術が不要。
発射後の操作が不要のため、回避や別目標への攻撃など行動が制限されない。

・デメリット
発射可能になるまで数秒の時間を必要とする。
敵のジェット排気の赤外線排気を検知している状況でないと発射できないため、発射可能な状況が制限される。(基本的には敵機の後方向からのみ)
偏差射撃のような発射ができないため、ある程度交差角がある状態からの命中はあまり期待できない。
フレアにより欺瞞される(誘導目標をすり替えられてしまう)
味方機にも誘導されるため、フレンドリファイアの危険がある。

レーダー誘導

レーダを誘導に使う方式としては主としてアクティブ(セミアクティブ)・パッシブの2方式に大別される。

  • アクティブレーダ方式(ARH-Active Rader Homing)
    ミサイル自身がレーダ波を目標に向けて照射し、その反射波を捉えることで目標の追尾を行い、ミサイル自身が誘導する。
    ミサイル自身が誘導を行うため、赤外線誘導同様に発射後すぐに機体が自由に離脱することができるが、後述のSARHに比べレーダ性能(探知距離・対妨害性)の面で劣り、コストも高い。
  • セミアクティブレーダ方式(SARH-Semi Active Rader Homing)
    アクティブレーダホーミング同様、ミサイル自身がレーダの反射波を元に誘導を行うが、レーダ波の照射は発射母機が行う。
    レーダ照射を発射母機が行うため、チャフ等の妨害への耐性が強いが、命中まで目標へレーダ波を照射(ロックオン)し続ける必要があるため、回避起動に制限が生じる。
  • パッシブレーダホーミング(PRH-Passive Rader Homing)
    ミサイル、発射母機ともに目標へのレーダ照射を行わず、目標からのレーダ波を受信することで、目標を補足し誘導される。
    主として対レーダ誘導ミサイルとして使用される。

Ver2.15以前は、WarThunderに実装されているのはSARHのみであったが、2.17以降はAIM-54によるARH誘導が可能になった

・メリット
レーダを使用するため、赤外線誘導などに比べて射程が長い
目標の前方、側方等からも発射することができる。

・デメリット
命中までロックオンを継続する必要があるため、周辺の警戒や他機からの攻撃回避等が困難になる。
偏差射撃のような発射ができないため、ある程度交差角がある状態からの命中はあまり期待できない。
地面からの反射波(クラッタ)やビーム機動(自機に対して直交する機動)によりロックオンを外されてしまうと誘導が出来ない)
目標をロックオンするため、RWR(レーダ警戒装置)によりロックオンが探知され、発射状態にあることを知られやすい(奇襲性が低い)
チャフにより欺瞞される(目標をすり替えられる)

操作-SARH

レーダロックオン→安全装置解除→目標ロックオン→発射→誘導(ロックオン継続)
発射を行うためには、最初に目標をレーダでロックオンする。
ロックオン後、ミサイルの安全装置を解除するとシーカが起動し、画面にシーカの動作範囲(大円)とシーカの指向位置(小円)が表示される。
ミサイルのシーカが目標を捕捉すると、シーカの円が赤色に変化し発射可能になる。(灰色のままだが発射可能になることもある)
発射後もミサイルが命中するまではロックオン状態を継続する必要がある。(目標のロックオンが外れた時点でミサイルは自爆する。)

防護策

誘導兵器に対する防護策。

ミサイル赤外線誘導(IR)レーダ誘導(RH)PDレーダ誘導(RH,PD)
ドラッグ機動
ビーム機動xx
急降下xx
低空飛行xx
フレアxx
チャフxx

○:有効
△:部分的に有効
✕:効果なし

防御機動

ドラッグ機動

シンプルだが基本的には全てのミサイルに対して有効。
敵ミサイルに対し背を向けて逃げる機動。ケツまくって逃げるということである。
ミサイルは戦闘機によりも速く飛行できるものの、モータの燃焼時間には制限があり、必然的に飛行可能な距離も限られる。
発射を感知した段階で全力で反転し距離を稼ぐことで、ミサイルの飛行可能な距離から逃れる。
そうでなくとも、モータの燃焼(加速)を終了、空気抵抗で徐々にエネルギーを消耗させることで機動力を削ぎ、回避の確率を向上させることができる。

ただし、ミサイルは最大でマッハ2,3程度の速度を出せるものが多いため、生半可な距離からでは追いつかれてしまう。
そのため、事前に十分な距離を取っておく必要があり、事前の警戒が重要となる。

ビーム機動

図_ビーム機動.png
PDを使用するレーダ誘導ミサイルに対して有効。
敵に対して速度が0になるように機動する。最も単純なものは右か左に90度旋回してから、そのまままっすぐ飛ぶことである
(相対速度が0になれば別に上か下でもいいし、ななめでも良い。)
目視で敵の方向を確認する他、RWRでロックオン波が90度の位置に来るように調整するとよい。
パルスドップラーレーダは地面からの反射波を除去するため、反射波にフィルターをかけ、一定の周波数変化があるもののみ検出している。
ビーム機動を取り敵機との距離方向の速度を0とすることで、ドップラー効果による反射波の周波数変化をなくし、フィルターに弾かせることが出来る。
ただし、手慣れた相手はPDを切り再度ロックオンしてくる場合もあるため油断は禁物。

急降下

PDを使用しないレーダ誘導に対して有効。
敵が下を向くような方向へ降下する。PDを使用しないレーダでは地面方向を指向した場合、地面からの反射波により目標の追尾ができなくなる。
そのため、敵から地面を見下ろすような形とすれば、レーダ誘導は不可能となる。
ただし、ある程度の角度までは地面が視界に入っていても追尾できる他、高度が高い場合は問題なく追尾できる場合もある。

防御兵器

公式にはCounterMeasures:CMなどと呼ばれる。
端的に言えばチャフ及びフレアのことで、それぞれレーダ誘導、赤外線誘導のミサイルに対して有効。
有効性は高いものの、機体によってそもそも搭載することが出来ず、また、通常機体の場合は開発が必要。
また、チャフとフレアの搭載枠は共通のため、想定される敵機から適当なフレアとチャフの搭載バランスを選択する必要がある。

フレア

赤外線ミサイルに対して有効。意図的に赤外線を放射するデコイを投射し、目標を自機とすり替える。
現在WTのに実装されている赤外線誘導方式のミサイルはほぼ全て欺瞞可能。
回避に非常に有用であるが以下のような注意点も存在する。

・ミサイルのシーカに対してフレアが入らない場合は欺瞞されない。
当然だが、フレアがミサイルのシーカの視界に入っていない場合は欺瞞されない。
たとえば、敵が急角度で発射したため、大きく見越し角を取っている場合、後方に射出されるフレアは映りにくくなる。
ほか、レーダやIRSTの連接によりこちらをロックオンしている場合は、はじめからこちらを捉えているため欺瞞しにくくなる。

・フレアより自機の熱量が大きい場合、欺瞞されない。
赤外線ミサイルは熱量の大きいものに誘導されるため、フレアよりも熱量の大きい状態では欺瞞できない。
手っ取り早く言えば、A/Bを使用している状態は排熱が大きいため欺瞞されにくい。基本的にはA/Bはオフにしたほうがよい。
また、機体によってはさらにスロットルを絞る必要がある。

・フレアの燃焼時間には限りがある。
投射したフレアはデコイとして機能するが、一定時間後に燃焼終了しデコイとしての能力を失う。
欺瞞後にフレアの効果が切れた場合、ミサイルは目標を失うが、シーカの範囲内に別の目標があればそちらを追尾する。
フレアを使用する場合は旋回等を組み合わせてフレアとは距離を取るようにし、再補足されないように注意(あまり気にすることはないが)

・フレアの搭載数には限りがある。
フレアも他の武装同様に、使用すれば飛行場で補給をするまでは補充されない。
搭載数は機体により異なるので、搭載数の少ない機体はそもそもミサイルを発射されないように立ち回るなどの工夫が必要。