結果論

Last-modified: 2023-07-24 (月) 10:45:19

過程を顧みず、結果のみを見て良し悪しを判断すること。
なんJにおいては元広島東洋カープ監督・緒方孝市の蔑称。由来は明らかな采配ミスを結果論と言い訳したことから。


概要

2015年5月24日の対東京ヤクルトスワローズ戦(マツダスタジアム)、1点リードの9回表二死2塁の状況で山田哲人に打順が回ってくる。この年の山田は打率3割越えの絶好調*1である一方、次打者の三輪正義は打率2割前半であったため、三輪と勝負する方が得策とみた緒方監督は山田敬遠を指示。
しかし、三輪が放った打球は、前進守備をとっていた左翼手のブラッド・エルドレッドの頭上を越える三塁打となり、これが決勝点となってしまった。

采配が疑問視された理由

  • レフトの前進守備
    マツダスタジアムには一塁からレフト方向へ常に強風が通っており、左翼手の前進守備は禁物であるとされている。
    またマツダスタジアムは、緒方が引退した年に開場。引退直後から一軍野手総合コーチ→守備走塁コーチ→打撃コーチを歴任するなど、球場の特性に関しては熟知しているはずであった。
  • 守備固めを出していない
    レフトを守っていたのは一塁手が本職で外野守備には不安を抱えるエルドレッド*2。8回裏に野間峻祥を代打に出しており、ベンチには中東直己・鈴木誠也が残っていたため、いずれかの外野手を守備固めに起用することは十分可能であった。

試合後のコメント

緒方監督「結果論」守備固めず左翼エルドの頭上越え
http://www.nikkansports.com/baseball/news/1481826.html
そういう選択肢もあったけど、すごく考えたなかで、そうしなかった。試合の流れのなかで、点を取ったり取られたりだった。
もし同点になったら、(9回の攻撃の)打順の流れというのも考えた。
今までだったら守備固めを起用していたかもしれないが、前進守備を敷いていたし、代えた選手が捕れていたかどうかは結果論*3になってしまう

多数のツッコミどころを抱えるこの発言は、2015年の「緒方采配の無能ぶりを象徴する言葉」として使われるようになった。


結果論、再び

この発言から1年後、緒方はカープを25年ぶりのリーグ優勝に導き、クライマックスシリーズも突破して日本シリーズ進出を決める。
北海道日本ハムファイターズ相手にホームで連勝し、満を持して敵地札幌に乗り込んで迎えたシリーズ第3戦。
1点リードの8回裏、4番手のジェイ・ジャクソンが二死2塁のピンチを招く。3番・大谷翔平敬遠気味の四球を与え逆転の走者を出させると、続く中田翔の浅い飛球を左翼手・松山竜平がスライディングで後逸(記録は左二塁打)、逆転を許してしまう。
カープは9回表に追い付くも、10回裏に大瀬良大地が前の打席で敬遠した大谷と今度は勝負した結果、右前打を浴びサヨナラ負けを喫した。

  • 「1点リードの終盤、勝ちパターンのリリーフ投手がピンチを招く」
  • 「相手チームの強打者を敬遠、次打者に逆転打を許す」
  • 「守備固めをしていないレフト*4方向への打球」
  • 「試合に負ける」
    と、大舞台で前年を再現するような「裏目の采配」が出てしまった。ただしこの時は自らの非を認めるコメントを残している。

    【広島】緒方監督、対大谷の采配悔やむ「全部裏目に出て自分の責任です」http://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20161025-OHT1T50241.html
    「投手の攻め方や球筋を考えた上での判断もあった。全部裏目に出て、自分の責任です。クロ(黒田)がいいピッチングをして、粘って投げていただけにチームも勝ちたかった」と悔しさをにじませた。

その後の日本シリーズについては緒方伝説の項を参照。

二度あることは…

その後、リーグ3連覇も随所で緒方を晒しながら迎えた緒方政権最後の年になった2019年。開幕カードの対読売ジャイアンツ第3戦(マツダスタジアム)にて事件は起こる。
同点で迎えた9回表。奇しくも抑えの中﨑翔太が味方の2エラーに足を引っ張られ一死1・2塁のピンチを招き、迎えるは左打者の吉川尚輝。その吉川が放った打球は前進守備をとっていた左翼手長野久義の頭上を越える2点三塁打となり、結果として2年ぶりとなるマツダスタジアム対巨人戦負け越しを喫してしまう。
巨人時代、ほとんど左翼守備に付いておらず不慣れであると予想されながらもオープン戦はレフトでの起用が1試合しか無かった*5長野の判断も然ることながら、4年前と非常に酷似した球場の特性を把握していない采配が、改めてファンに緒方の健在を知らしめた。

なお、同年6月23日交流戦対オリックスバファローズ3回戦でも同様のプレーが生じ、決勝点となるタイムリー三塁打を献上している。


関連項目



Tag: 広島 蔑称 絶許


*1 最終的に自身初のトリプルスリーを達成。
*2 前年オフにポジションが被る新井貴浩が広島復帰したため、外野にコンバートされていた。
*3 結局勝ち越された挙げ句、エルドレッドにも打順が回ってこなかったのは結果論という解釈もできる。
*4 松山より守備力で上回る赤松真人や野間が控えており、守備固めを送ることは可能であった。なお、冒頭のケースと異なり松山には直後の9回表に打席が回ってきたが同点機で敢えなく凡退した。
*5 右肩の故障があり守備に付けなかったという事情はあった。