袈裟

Last-modified: 2006-01-20 (金) 15:39:36

けさ

袈裟(けさ)は、仏教の僧侶が身につける布状の衣装のこと。
梵語で「混濁色」を意味するカシャーヤ(Kasaya)を音訳したもの。

起源は、インドの仏教僧侶が身にまとっていた布。
仏教では本来、出家僧侶は財産になるような私有物を持つことを禁じられており、衣服も例外ではなかった。そのため、捨てられたぼろ布、汚物を拭う(=糞掃)くらいしか用の無くなった端布を拾い集め
綴り合せて身を覆う布を作った。
布は在家者(白い布をまとっていた)と区別するために草木や金属の錆を使って染め直され、
黄土色や青黒色をしていた。梵語の名前はこの色に由来する。

仏教がより寒冷な地方に伝播するにつれて、下衣が着られるようになり、
中国に伝わる頃には本来の用途を失って僧侶であることを表す装飾的な衣装となった。
日本に伝わってからは、さらに様々な色や金襴の布地が用いられるようになり、
その組み合わせによって僧侶の位階や特権を表すものになった。