邦楽

Last-modified: 2006-02-16 (木) 23:14:53

ほうがく

邦楽の演奏には、琴・三味線・尺八・鼓・太鼓・笛など伝統的邦楽器がもちいられる。
曲構成は「序(導入)・破(展開)・急(終結)」(一切の物事に序・破・急があり、
一日の朝昼夜・四季・人の一生を表現する)という思想に基づいて表現され構成されている。
西洋音楽との大きな違いとしては、和音という概念がないこと、指揮者がいないことなどがあげられる。
曲は緩急に富んでいる反面、指揮者に従ったり互いの顔を見合わせる行為などもせず
そのすべてを演奏者の「イキ」で合わせなくてはならない為
非常に高度な技術・表現力が必要となる。
このリズムの緩急を邦楽では「ノリ」と呼んでいる。
また、邦楽は、雅楽・能楽・琴・三味線・尺八などの日本の音楽を指す用語で、
民謡・郷土芸能などの民俗音楽を含めない考え方が一般的。
音楽として単独に存在するよりも、文芸・舞踊・演劇などと密接な関係を持って
発展した場合がほとんどであるが、純粋な音楽としても演奏される。
また、箏曲や三味線音楽には唄、能楽には謡などボーカルがついていることが多い。
この場合も明治以前の曲にはハーモニーはなく、複数人数で歌うときも斉唱になる。

もう一つ大きな特徴として、日本の伝統音楽は、時代それぞれに特徴的な音楽が生まれ
(律令~平安時代に雅楽、室町時代に能楽、江戸時代に三味線音楽など)
それぞれが前時代の音楽に影響を与えられつつも、そのものは交わることなく
多くのジャンルが平行した形で伝承されている、世界的にもとても珍しいスタイルになっている。
そのほとんどは口伝に近いスタイルだったが、明治以降は楽譜が作られている。