産湯

Last-modified: 2006-01-16 (月) 23:29:51

うぶゆ

赤ちゃんが産まれると、その場でお風呂に入れる。
これを産湯というが、産湯とは、産土さまのお守り下さる大地の水のこと。
この湯に塩や酒を入れると風邪をひかないといわれている。
これは、子供の身体を清めるとともに発育を願う意味もあり、その湯でお清めすることで神様の産子(氏子)となるというもの。
産湯とは新しく生まれ出た生命を祝い、再生された魂を寿ぐための儀式とされていた。
江戸時代の大名には自分の子の産湯をわざわざ遠くからとりよせた人もいた。

人間が生まれてはじめて接する水が産湯だとするならば、死ぬときに口に含ませる水を末期の水という。

末期の水には、神の世界に旅立つ前に、生の期間のこの世の穢れをとるのという意味と、
肉体は死ぬものの魂は新しい世界に向けて復活するための水という2つの意味がある。

産湯がこれからの生命を祝い、再生された魂を寿ぐための儀式であるのに対し、
末期の水は死後の世界に向けて再生の儀式であるといえるの。

日本人がもっていた生まれ変わりの思想と、水は大きく関わっている。