スカラムーシュ

Last-modified: 2024-01-19 (金) 13:03:17

◆忍◆ ニンジャ名鑑#430 【スカラムーシュ】 ◆殺◆
フリーランスのニンジャ。武器は爪付きガントレットとニンジャソード。
カラテのワザマエは二流であり、用心棒や始末屋などで日銭を稼いでいた。

登場エピソード

 

「ノバラ!つまり新しいビズなんだ!ナメるなよ?」
「俺も行く。俺も行く……俺も、行く!」


人物

  • フリーランスの傭兵ニンジャ。本名「カイダ」
  • …なのだが、モータルの妻の尻に敷かれる、妙にモータル臭い珍しい人物。ビズがタダ働きになったことで妻と口論になったりと、到底ニンジャとは思えないカイショウナシ・アトモスフィアにあふれている。
  • 「トゥー・レイト・フォー・インガオホー」は彼の視点で進行する。
     
  • 主に弱小ヤクザクランの護衛や襲撃など、小規模なビズを中心に活動している模様。実力が足りないことを認め、実直な価格で小さな仕事を請け負うリアリストであるが、堅実になりきれない抜けたところがある。
    • 書籍版名鑑によると殺人行為に対する躊躇はないとのこと。普段どんなに情けない姿を晒していても、彼もやはりニンジャなのだ。
  • 借金の利子で自転車操業状態であることが語られ、仕事はあまり上手くいっていないようである。仕事をするときは馴染みのハッカー、ロヤマと手を組み、後ろ盾のない自分の身を守るため必要な情報をできるだけ集めてから仕事に臨む。と言うと結構できる男のようだが、実際本編を読むと一つ一つの言動・行動に隙が案外多い。
     
  • ニンジャとしては珍しい妻帯者で、妻のノバラと同居している。劇中、口喧嘩が絶えない二人だが、ニンジャらしい暴虐さをノバラに向けることはなく、不平をいいながらも生活のために傭兵稼業に骨を折っているのは事実。偽りない家族であり、人生の伴侶であることには間違いない。かつては「完璧な女」「命をかけて守るに値する女」だったとも回想している。
    • ちなみにロヤマとノバラはスカラムーシュに内緒で肉体関係を持っており、それをスカラムーシュは気づいていて(ショックを受けつつも)ロヤマを強請るネタに使った。ショッギョ・ムッジョな……。
    • 実際の所ロヤマに対しても友としては変わらず、仕事一回の前金無しでチャラにする気だった模様。

外見

  • 装束は黒緑色、メンポはクローム。主武装はニンジャソードと仕込み爪つきのガントレット。
    • 右手指には「コ」「ロ」「シ」「モ」「ノ」のタトゥーが彫られている。
  • 街中でクライアントと打ち合わせた時には、ニンジャ装束の上からスタジアム・ジャンパーを着、野球帽を被っていた。書籍版名鑑とイラストではこの姿で描かれており、ヘッズ間の認識で彼のトレードマークになっている。

元ネタ・考察

  • ニンジャネームの由来は、イタリアの即興演劇(コンメディア・デッラルテ)の道化役「Scaramouche」か。
    • Scaramoucheは「黒い衣装をつけ、ほらをふき、空いばりする臆病者」で、劇中のスカラムーシュに通ずるところがある。
  • そんな情けないニンジャネームゆえ、ノバラにももっと強そうな名前のほうがいいと言われてしまう。
    • だが、彼が道化を名乗ったのはもしかしたら必然だったのかもしれない。あまりにも皮肉な話である。
  • 時々(おそらく素で)ヘッズに間違えられているが、「スカムラーシュ」ではない。「スカム」などと略してはいけない。

ワザ・ジツ

  • ニンジャソードと後述のアサルトガントレットを組み合わせた斬撃主体のカラテスタイル。ニンジャソードは投擲武器として使うこともある。
    • ジツは確認されていない。
  • クローンヤクザをスリケン一発で殺せない、不意打ちとはいえモータルの銃撃を肩に受けて負傷するなど、カラテのワザマエはお世辞にも高いとは言えず、あぶなっかしい戦い方でヘッズをハラハラさせた。
    • ザ・ヴァーティゴ=サンもバンディット相手でも真っ向からイクサしたら負けると分析する程度のワザマエである。
  • とはいえ、過去にニンジャを殺害した経験が何度かあるらしく、作中でも敵ニンジャの苛烈な攻撃に辛うじて耐えているあたり、まるきりサンシタというわけではない。
     
  • しかし彼の最大の強みは、外面こそ空威張りやビッグマウスを叩きつつも、自らを「ルーザー(敗北者)」と言い切り、決して分不相応には出しゃばらない奥ゆかしさ(と言っていいのだろうか…?)にあると言えるだろう。
  • 「トゥー・レイト・フォー・インガオホー」 では、徹頭徹尾堅実な状況判断を繰り返し、弱くともイクサの中でカラテを積み重ね、ニンジャ記憶力やニンジャ認識力等、己の持てる力・持たざる力を理解した上で、決して慢心する事無く立ちまわっている姿が見て取れる。
    • マッポーのネオサイタマにおいて「弱いニンジャ」が生き延びているのには相応の理由があるのだ。

アサルトガントレット

  • 以前、ビズの報酬として手に入れたガントレット。市場に流通していないオーダーメイド品めいた独特の機構を備える。
  • セスタスガンやファイアブランドのガングローブほどの派手さはないが、瞬時に展開できる仕込み爪を使った攻防一体の奇襲性は侮れない。
俺だってお前、アサルトガントレットのネタバレはそこらのものと違って……
  • 奥の手として、仕込み爪を射出することができる。無論使い切りの機能だが、間近で被弾した人間を吹き飛ばし、即死させるほどの威力を誇る。
  • その正体はサイバーツジキリ向けに支給された実験兵器である。スカラムーシュは気付かないうちに、再編成されたサイバーツジキリのプロジェクトに組み込まれていたのだ。

ストーリー中での活躍

もう一度、ネタバレの続きを見たいと願った。ネタバレは二度訪れなかった。
  • 先月の仕事でタダ働きを余儀なくされ、金に困っていたところに弱小ヤクザクランであるゴーストオブドラゴンゾンビー・クランの襲撃依頼を請け負う。
  • あからさまに身元偽装したクライアント、クランのヨージンボーのニンジャ・ハオカーが過去に関わった不可解なビズ、ちらつくニンジャを殺してまわる異常者の影と怪しげな雰囲気ただようビズだが、弱小フリーランスの彼は仕事を選り好みできる立場ではなかったのだ。
     
  • ヤクザクランのカラオケパーティに乗じる形で襲撃を決行。苦戦しながらもどうにかハオカーを退け、クラン構成員殲滅とまではいかなかったが、メインターゲットを打ちとることに成功した。
  • が、ハオカーの不相応な装備と死ぬ前に遺した意味深な言葉が気にかかり、これをロヤマに調査させる。しかし、それは黒幕たるアマクダリの制裁を招き、友、そして愛する妻を失う。スカラムーシュもサーガタナスにオタッシャ寸前に追い込まれるが、アマクダリを追っていたニンジャスレイヤーがインターラプトしたことで偶然にも命を拾う。
  • 知らぬうちにアマクダリの計略に利用されていたことを知ったスカラムーシュは、ニンジャスレイヤーに同行し、自分を見世物の演目に仕立て上げていたツジギリ・カンパニーへの攻撃に加わる。更なる傷を負いながらも辛うじて復讐を遂げたが、観客たちのところへは手が届かず、そして彼の元には最早何も残ってはいなかった。
     
  • 「夏枯れの気配は英雄と美姫すらも例外なく捕まえる」という地の文を見ると、恐らくノバラを救う為、ディセンションで得た力を駆使して何らかの組織や敵を相手に奮闘し、彼女を守り抜いた……という想像が出来ないこともない。そのハッピーエンドの「その後」が「トゥー・レイト~」だったのか。
  • インガオホーと言うには何もかもが遅すぎたのだ。

  • 連載前予告にて、文字通り道化めいたアトモスフィアのエピソードを想像させてからの本編の運命は、ヘッズに大きな衝撃を与えた。
  • そして連載終了後しばし後、晴れて名鑑に登場。予告同様、一見何の変哲もないサンシタニンジャ風の解説ながら、読了した者にとっては重い意味を持つワード運びのワザマエに、彼を知るヘッズは涙することとなった。

『フジキドがスカラムーシュに対して抱いたある種のシンパシーとはなんだろう。彼はスカラムーシュに応え、共にイクサの場に向かった。その事実を思う時、僕は厳粛な気持ちになる』

『知らぬが花の言葉もある』『サヨナラだけが人生だ』

  • 当エピソード以降出番がなく、ヘッズからは「トゥー・レイト~」最後の描写から力尽きてオタッシャ説が浮上していたのだが……。
「アマクダリとの戦争だろうが!」

「俺ァここがイクサの分水嶺と見たぜ!そうだろう、なあ!」

  • 第3部最終章「ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ」後半戦、マルノウチでのアマクダリとの戦闘にまさかのエントリーを果たしたのだった!
    • 相変わらずカラテのワザマエは強くなく、ヤモトレッドハッグ、アクシスの精鋭ニンジャとのカラテの差は歴然であったが、持ち前の「弱いニンジャなりの立ち回り方」により、アマクダリの撤退命令が出るまで生存してみせた。
  • アマクダリによって大切な者を奪われた彼であるが、遂にアマクダリに対して一矢報いる事が出来たのであった。ゴウランガ!おお、ゴウランガ!
    • 「トゥー・レイト・フォー・インガオホー」の結末から再登場までの経緯はこちら
       
  • 月破砕後はウシゴームで市民を守っていたようだ。
  • その後はイクサ稼業を引退し、何処かのストリートで地下酒場を経営しているという。

一言コメント

「おれ……俺が言う事でもねえが。よくコメントした」
  • サツバツナイト。イグナイト。シルバーキー。サイサムライ。スカラムーシュ。ドラゴン・ユカノ。ネザークイーン……。  この中にいんの草 -- 2020-05-23 (土) 17:49:51
  • 彼も寄る辺なきもののために戦う道を選んだとは…今はどこでなにをしているのやら -- 2020-06-19 (金) 13:23:56
  • 弱者たちの護り手、誇りとして語り継がれる戦士たちの一員となった。あの戦いののちも、彼が懸命に生きて戦った証そのもの。 -- 2020-09-30 (水) 17:06:48
  • AOMで、彼は再び守るべき何かを手に入れたのか -- 2021-05-10 (月) 21:15:57
  • 弱い、たしかに弱い。その上泥臭い。だがその意地と悪運がアマクダリに一撃を与えるんだから本当にマッポーな。 -- 2022-01-11 (火) 06:38:22
  • あの忍者指名手配アートをみるにその後も生存していたようだが全く姿を見せないな スレイトにくらい顔出してくれてもいいのに -- 2022-09-02 (金) 01:33:01
  • バンディット相手でも真っ向のイクサじゃ負けるって言うほどダメかなと思うけどな サツバツから見るにそのへんのちょっと強いくらいのニンジャじゃ到底敵わない相手だろうしスカラムーシュレベルなら負けて当然では -- 2022-09-05 (月) 11:54:36
  • コメントされた当時はバンディットの扱いが初期ゲイツなのに出涸らしゲイツ並みかそれ以下って感じだったからなぁ…。第四部でバンディットと互角のイクサを繰り広げられるようになったスカラムーシュ=サンを見たいぜ! -- 2022-09-05 (月) 18:05:31
  • 普通にカタギになってるんだな。今のところ本編には稼業に関係しそうなシーンないけど。実はキタノ・アンダーグラウンドでジアゲされてて「ネオサイタマいい加減にしろよ」とか言ってても違和感ない -- 2022-09-08 (木) 23:51:38
  • ↑3、というか仮にもシックスゲイツのくせしてアクシスどころか衛生組織隊員ですらないそこらのフリーランスニンジャと比較されるほうが…いくらバンディット=サンとはいえここまで言われる謂れは…あるかも -- 2023-05-20 (土) 08:27:39