シナリオ/Chapter07

カバーシャードはデリオ領主のために戦う武士たちの道場。
諜報、潜入、暗殺等数多くの任務を遂行してきた。
だが、4年前の領主交代に伴いカバーシャードで内乱がおこる。
それは、現領主支持者と前領主支持者の対立であった。
この内乱を乗り越え、堂主は前領主のために戦うことに決める。
だが問題が起こる。カバーシャードから出られなくなってしまったのだ。
周囲を護る森は特殊な護符がなければ出入りできなかった。しかしそれが何者かによって破壊された。
武士たちは慌てて修理を行うが、1日もたてば再び破壊される。それは今も続いていた。
一体、何者が武士たちの派遣妨害を行っているのだろうか・・・。

デリオ領主城まであと少し。デリオ城下町に続く道を急ぐ一行。しかしひたすら続く森。
デリオ城が見える気配がない。
疲弊した一行の前に突然、人語を喋る妙にふてぶてしいトラ猫が現れる。
妖怪だと思ったシュバルマンは剣を向けるが、
猫曰く、この森に入ったら出られない。ついてこようと思うならついてこいと言い残して走り去る。
如何わしいとは思ったが、他に道のとりようもなく、猫の後を追う一行。
追いかけた先にあったのはカバーシャード。
デリオ直属の護衛武士の住処で、外部とは閉ざされており、博識のアエルロトすら所在を全く知りえなかったほど。
しかしそのカバーシャードはサロマン族が襲撃に来ている最中であった。

トンテグマンの元にドンジャンが到着。再会を喜んだ…のも束の間、
入ったら出られない、というカバーシャードの森の現状を知り、愕然とする。

カバーシャードではルコ・ロックフェラーからの説明があった。
なんでも、4年前から森から出ることが困難になり、迂闊に出られないということ。
護符さえ治せば森も元通りになり、出ることができるようになること。

この説明後、ルコらに命令されながらも護符の修理に赴くことに。

護符の修理のためにプンタ王が仕切る土地に侵入する遠征隊。
途中、プンタに圧倒されながらも王様を倒し、護符を修理する。
さらにはクロモドが破壊工作を防ぐ為、防御陣を張る。
これで万全、と喜ぶ遠征隊。一方ルコは「何年も武士を悩ませた問題がこんなに簡単に片付くだろうか」
と、一人懸念する。

ロックフェラーらが次の護符の場所を説明していると、
突然サロマン軍の司令官トンデグマンがカバーシャードに現れる。
侵略か、と身構える武士達に、トンテグマンは交渉をしたい、と言い放つ。
サロマン族も脱出したいのは一緒、停戦して、脱出を手伝うと言うのだ。
何をバカな、と憤る長老達。しかしリアンが現れ、交渉に応じる。
この決定に長老らは不満を隠せない。憤然として退出してしまう。
トンテグマンは援軍をよこす、とこちらは勇んで立ち去る。
ルコは疑問を感じていた。武力並ぶ者なしとされるリアンが、格下のサロマン族と対等に交渉するなど
考えられないことなのだ。

そして、ドンジャンと二人の狙撃兵を伴い、護符の修繕へ赴く一行。
護符は問題なく直り、クロモドによる防御も施され、万全の構え。
が、ルコはまだ疑問を・・。

ロックフェラーは先の戦闘が原因でしばらく動けないようだ。
ルコのみ同行…の筈が今度はドンジャン・トンデグマンが同行することに。
邪魔だから帰れ、というルコ。しかし彼らも外界に戻る為必死だ。聞く耳持たない。

ボスがいる部屋に就き、ドンジャンらが突撃するがあっという間に全滅。
遠征隊が処理する羽目に。そして最後の護符を治し、結界を張ろうとしたがそこに笛の音が鳴り響く。
ルコ、バルマン、クロモド、ピンコが何かに操られたようになりルコが襲いかかる。そして全員が倒れる。
ドンジャンらにも襲いかかるが、間一髪で逃げだす。
そして何処からかやってきたミミがルコを気絶させ、ロックフェラーが運ぶ。

遠征隊各員が目を覚ましたのはカバーシャードの一室だった。何が起こったのかわからないまま。
ミミはすべて忘れるよう言い、夜が明けると共に出ていくよう命じて姿を消す。

滝つぼ周辺で二人の長老が密談している。彼らは現デリオ領主と通じていたのだ。
そこにジャガーなる人物が姿を見せる。
笛で操ったのはこの男のようだ。笛で助力したにも関わらず、遠征隊を排除できなかったことに苛立つジャガー。そこにもう一人、正体不明の男…カバーシャード武士のようだが…が現れ、何事かをジャガーに耳打ちする。

ルコは悪夢にうなされていた。そして、目が覚めるがそこに笛の音が再び聞こえ自我を完全に失う。
その頃別室にいた遠征隊も何人かが自我を失っていたがアエルロトの小細工により意識を取り戻す。
彼は一人外の様子を見に行くが、そこにはカバーシャード武士団が襲いかかろうとしていた。
彼らは全員自我を失っていた。

町の広場に表れた敵を退けるもルコを含む武士たちがリアンに刃を向ける。
ロックフェラーがリアンに石を使うよう進言し、彼は単身ルコを阻止しようとする。
が、一撃を受けて倒れる。リアンは石を使うが意識を失って倒れてしまう。
遠征隊は操られたルコを倒すことになってしまう。

ルコは倒れ、遠征隊とリアンが彼女に近寄る。まだ操られており、戦おうとする
そこにミミが現れ、再び効果を解く。

ミミはリアンに対し彼らの処理、カバーシャードから出ること等を自らの意思で決めるよう命じた。

ルコ？の家にロックフェラーが入り、ルコと話していた。
彼女は何も覚えていなかった。ロックフェラーの傷を負わせた原因も何も。
彼は作り話をしてごまかすが、直ぐにやめるよう言われて半ば事実を告げる。
そこにリアンも入り、ルコは事実か確かめる。そして外に出ていく。

家に残ったリアンとロックフェラーは再びルコが操られることを恐れていた。
ロックフェラーはリアンを励まし、ずっとお守りすると堂主の前で改めて誓った。

遠征隊はカバーシャードから出ようとしていた。だがアエルロトの姿がない。
そしてカバーシャードでは派兵するか否かの議論が交わされていた。
ルコはリアンに決定を促すが長老の一喝とリアンの態度により激怒し退席する。
そして遠征隊の横を通過しそのまま走り去る。遠征隊はこれを追う。

ルコはカバーシャードの高台に居た。そこにミミが追いつき、眠らせる。
夢幻の中で、ルコは過去の記憶、自身も忘れていた事実を目の当たりにする。
笛の音、ルコの暴走、リアンとルコ、姉妹の戦い…そして、両者とも深く傷ついたこと。
さらに、リアンが自分の武力が失われるのを承知で、ルコの命を助けた事…

全てを悟り、目を覚ますルコ。彼女はカバーシャードに戻る。
これを追って遠征隊も戻ろうとするが、イリシアがカバーシャードへ向かう集団に気づく。
王国騎士団の襲撃であった！

その頃、アエルロトは2名の従者を伴いジャガー・・姿を消していた法術師を追い詰める。
しかし、彼を守るように現れたのは洗脳されたカバーシャード武士達。さらには、本堂からは
戦いの音が聞こえてくる。王国軍の攻撃が始まっていたのだ。

ジャガー、そして王国と通じていた長老達は攻め寄せた王国軍に保護を求める。しかし王国軍指揮官は彼らを
無情にも斬り捨てる。一切の例外を認めぬカバーシャードの完全な根絶。それが王国軍の目的だったのだ。

謎の武士に裏切られた長老は、思いもかけぬ名前を口にする…
「カバーシャードを売るつもりか…ロックフェラーめ！」

その頃、カバーシャードではリアン号令のもと派兵が始まろうとしていた。
そこに王国軍が現れ、リアンが敵の放った毒矢に倒れてしまう。
ロックフェラーの命令のもと、防衛戦闘が始まる。

遠征隊はカバーシャードに帰還するがすでに街では戦闘が始まっていた。
遠征隊はアエルロトと合流し、敵を排除しつつリアンのもとへ急ぐ。

リアン達は既に包囲されていた。
だがルコが守るために立ちはだかり、リアンはロックフェラーに抱えられ逃げ出す。
包囲していた敵は一掃され、ルコが助け出されるがそこに重傷を負った長老が現れ、倒れ込む。
長老が口にしたこと、それはリアンの命に関わる重大なものであった。

リアンと、彼女を護衛するロックフェラーは追い詰められていた。
いよいよ瀬戸際になり、リアンはロックフェラーに「命をかけて自分を守って欲しい」と懇願する。
なぜ私などを頼るのか、といぶかしむロックフェラーに、リアンは過去の負傷がきっかけですでに戦える状態にないことを話してしまう。それを聞いた途端、態度を豹変させるロックフェラー。
堂主の石を奪うと、懐より短刀を抜き放ち…

ルコと遠征隊が着いた時には、リアンはすでに虫の息であった。
堂主の石を強奪し、勝ち誇って去るロックフェラー。彼こそが裏切り者であった。この決定的なチャンスの為に
長い間、愚鈍な男を演じ、道化じみた真似までして取り入ったのだ。

遠征隊は懸命に抗戦するも、なおも攻め寄せる王国軍。
「このままでは自分だけでなく、ルコも命を失う。」
ミミ…先祖の魂…に懇願し、仮の力を得るリアン。よろめきながらも立つと、瀕死とは思えぬ圧倒的な戦闘力で
王国軍を撃破、突破していく。

しかし、長くは続かなかった。ルコを守り切るとついに力尽きてしまう。
死の間際、ルコを第十八代カバーシャード堂主に任じると、息を引き取った。
「私の妹…愛しい、私の妹…ずっと、守りたかったのに…　愛してる…ル…コ…」

一方のロックフェラー。堂主の石…オボロスの奪取成功を国王に報告し、指揮官から状況を聞き取る。
遠征隊の追撃を申し出る指揮官に、無用の消耗を避け、撤収するよう指示すると、彼もまた、いずこかへと
出発する。

そして、ルコはミミを連れて墓に参る。デリオ領主城に決意を固めて、ここから去る・・。