Kuma

球磨型軽巡洋艦　球磨

性能諸元

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

・派生艦船

・兵装

ゲーム内説明

球磨は天龍型の改良型。140mm砲と魚雷発射管を増量し、航行速度もやや向上している。

解説

　Tier4日本海軍巡洋艦ツリーに位置する軽巡洋艦(当時の区分は2等巡洋艦)。当時アメリカ海軍が計画していた巡洋戦艦が33ノットを出せたため、それに対抗すべく天龍型よりも速度を増しつつ砲火力を強化する事を目論んだ結果、船体が大型化し5500トンクラスとなった。前級の天龍型と比較すると圧倒的な雷撃能力は失われてしまったが、主砲性能が向上しており速度や旋回性能を考慮すると非常にバランスが取れている。何かと癖が強い日本巡洋艦ルート内においては屈指の扱い易さを誇る艦なのだが、同ティア帯の他国艦の個性が強すぎるためか非常に影が薄い。

・主砲
　140mm単装砲を7基7門搭載。主砲そのものは前級からの引継ぎであるが、門数を増やし砲配置を工夫したため片舷指向数が6門に増加している。特徴としては射程距離が9kmに満たないため同格以上との砲戦は不得手だが、砲塔旋回速度が10度/秒とそれなりに速いため近距離での機動戦に向いている。
　AP弾ダメージは470と口径相応だが、片舷指向数の多さから斉射時のダメージは他国同格巡洋艦に匹敵するため駆逐艦の処理に大きな威力を発揮するだろう。側面を見せている巡洋艦であればVP貫通も見込める。
　HE弾のダメージは459と口径の割には優秀で発火率も5%と平均以上。日巡砲の発火率が高くなるのはもう少し先の話であるが、今のうちから敵の艦種や姿勢によってAP弾とHE弾の使い分けを意識しておくと良いだろう。

・魚雷
　533mm魚雷を連装で4基8門搭載。魚雷発射管の搭載数は増えているが、片舷指向可能なのは2基4門なので前級に比べて斉射時の火力は低下している。しかし、魚雷本体の性能は向上しダメージは3024と同格トップ、雷速も61.13ノットと同格トップクラス、射程も6.9kmと同格トップ。この魚雷を装填時間約40秒で発射できる。
　とはいえ日巡の常で魚雷発射管の射角はそれほど広くない上に側面を晒すリスクが大きいため、魚雷発射にこだわり過ぎると手痛い反撃を食らいやすいので注意が必要である。自身の隙を最小限に抑えつつ魚雷を流せるような操船を心がけたい。

・対空
　素の対空値38は他国同格巡洋艦と比較して平均的である。一応、大口径対空砲も搭載してはいるが、射程が3kmしかない上に火力も18と最低クラスなので敵航空機の漸減は不可能だろう。参考までに本艦の時点では大口径対空砲と小口径対空砲の比率がほぼ1:1になっているが、その後はツリーが進むにつれ小口径対空砲が増やされたり、大口径対空砲が増やされたりと敵航空機に対する脅威の増加を読み取ることができて興味深い。

・装甲
　装甲6%、防郭防御7.5%は他国同格巡洋艦と比較して横並びである。また、火災浸水耐性10%、対水雷防御4.5%も同様。よって被弾や被雷はなるべく避けるのが原則である。
　なお、巡洋艦は装甲によって耐える艦種ではないが、しっかりと防御姿勢を取れば駆逐艦や格下巡洋艦の砲であれば弾ける程度の装甲を備えている。本艦で被弾により継戦能力をごっそり失ってしまうという艦長は、敵戦艦に側面を向け続ける等の明確な失敗が無かったかどうか自身の戦い方や操船を見直して見ると良いだろう。この先の日巡を進めるのに必須である「装甲に頼らない戦い方」を会得すると試合における生存性が格段に高くなる筈だ。

・機動性
　最高速度は素で33.20ノットと巡洋艦としてはトップクラスである。しかし、船体の大型化や武装の増加により加速性能が悪化しており、最高速度に乗るまでの時間は13.35秒と長めである。
　舵の効きは7.6度/秒と同格平均よりは上だが・・・前級(8.2度/秒)と比較してしまうと大分悪化したと言える値に落ち込んでしまった。このため、転舵所要時間も6.3秒と同格巡洋艦と比較しても少し優れている程度になった。前級の感覚で乗ると即退場になりやすいので切り替えて行こう。

・隠蔽性
被発見距離は6.84kmと同格内ではトップクラスである。

・生存性
素のHPは16240と他国同格巡洋艦と比較して低めである。巡洋艦という艦種である以上装甲には期待できないため何も考えずに試合を行った際の生存性は高くない。しかし、同格随一の隠蔽と速度があるため、特性を理解した艦長が使用すると神出鬼没の活躍をすることも少なくない。プレーヤーの経験や戦術によっては高い生存性を誇ることも可能(但し、空母有のマッチングは概ね苦手)である。

・消耗品
「高級船員食糧」「改良型ディーゼルエンジン」の搭載を推奨。残り1つは「予備整備パック」「高品質石炭」から好みのものを選択して欲しい。

・艦艇スキル/艦長スキル
本艦に艦艇スキルはない。
しかしtier5からは艦艇スキルを使用可能になるので、ツリー艦を乗り継いでいくつもりならば、本艦に乗艦しているうちから艦長スキルには気を配って取得していきたい。
尚、重巡ツリー(古鷹のほう)へ進む場合と、軽巡ツリー(阿賀野のほう)へ進む場合とでは、艦長スキルの取得方法が異なるので、注意したい。
具体的には、重巡ツリーだと精密照準とtier9から対空警戒が使える。両方のスキル強化の艦長スキルは必須だが、精密照準の使用回数は最終的に3回になるので回数を増やす必要はなく、対空警戒の回数は少ないため回数を増やしたい。
ただ、対空警戒はtier9から着くので、伊吹以降の開発予定がない場合は対空関連のスキル不要である。

一方軽巡ツリーだと対空警戒とティア10からソナーが追加される。
ソナーはティア10から付くため、淀まで見据えた育成をするのなら、両方のスキル強化の艦長スキルを習得し、ソナーが1回しかデフォルトだと使えないため、使用回数を増やしたい。
ただし、ソナー関連のスキルはtier10まで意味をなさないので、初心者はあまり気にしない方が良いだろう。

・装備
兵装は強力になった砲を強化する装備を選択したい。防御は舵や推進を強化するのが無難だろう。適正も舵や推進をさらに強化する等、自身の戦い方に合わせてチューニングして欲しい。

・エリート特性
　・船体強化　HP+4％
　・巡洋艦近代化改修　HP+2%、対空火力+5%、主砲旋回速度+7%
　・功績　EXPアップ+10%

・総論
　本艦は速度に優れるものの前級よりも機動性が悪化した船体に、取り回しに優れた砲を搭載したバランス型の艦に仕上がっている。前級の恐るべき雷撃能力と比較するとおとなしくなった感は否めないが、砲撃能力は向上しているので結果として手数が増え高いダメージを狙えるようになった。しかし、ティアの向上とともに敵艦の船長の腕も上がっており、前級のようには行かない場合も多い。とはいえ、艦そのものの性能は高いためプレーヤースキルで後押しすることができれば大活躍(1戦で5万ダメも狙える)できるポテンシャルを秘めている。

これまでは軽巡洋艦だったが、次から軽巡ツリーと重巡ツリーへと分岐し戦い方も大きく変わる。重巡ツリーでは特に、魚雷門数と機動性が若干落ち込み、主砲性能や耐久が上がっていくので球磨まで魚雷主体に戦いすぎていると次から一気に使用感が合わなくなるので注意である。
軽巡ツリーでは魚雷門数は多く対空もそこそこ強いが機動性が悪化して魚雷射角がとても悪く腹を見せると一瞬で即沈するのでこちらも注意が必要だ。

戦闘名誉賞

史実

天龍型軽巡洋艦を完成させ、軽巡洋艦を運用し始めた日本海軍は本格的軽巡洋艦の建造に着手し始めた。第一次世界大戦当時は世界水準を超えていた天龍型も、大戦後にはすでに時代遅れとなっていた。
1918年ごろにアメリカ海軍で建造されたオマハ級軽巡洋艦を意識して艦形を大型化して強力な打撃力を求め、付随艦である駆逐艦に合わせた高速力を目指して改設計されたのが本型である。なお、排水量の「5,000t」は当時、各国で軽巡洋艦の標準クラスとされた。第一次世界大戦当時で世界水準を超えていた天龍型が「3,948t」であることを考えると、当時の世界の軍艦の進歩のほどが伺える。艦形が大型化した事により天龍型で問題とされた低居住性と凌波性は一応の解決を見た。
　
球磨型は一番艦球磨、二番艦多摩、三番艦大井、四番艦北上、五番艦木曽の5隻がつくられ、このうち北上以外の全てが第二次世界大戦で沈没している。北上も着底はしなかったが空襲で大破し、以降修理されることは無かった。
球磨は1922年のシベリア撤兵で、多摩と木曽はアリューシャン攻略作戦で北方海域と縁がある。
また、大井と北上に関しては主砲を減らして魚雷マシマシの「重雷装巡洋艦」として改装を受け、北上のほうは本家WoWsにも参加していた。しかしオープンβのうちに削除されてしまった。

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