Object 277

Last-modified: 2024-04-27 (土) 23:05:57

Tier10 ソ連 重戦車 (略称: Obj. 277 読み:オブイェークト・ドゥヴェースチ・スェーミヂッシャット・スェーミ)

Object_277.jpg
↑ Object 277 + 130 mm M-65
非常に長い主砲と、T-10をそのまま拡大したような尖鋭なシルエットが特徴的。
車体上部の形状はObject 907のような貝殻状の傾斜装甲となっている。

特別スタイル「フワフワ」

Fluffy.jpg

スペック(v1.10.0)

車体

耐久値2,200
車体装甲厚(mm)140/112/50
最高速度(前/後)(km/h)55/15
重量(t)55
実用出力重量比(hp/t)17.27
本体価格(Cr)6,100,000
修理費(Cr)
超信地旋回不可
ロール突破型重戦車
 

武装

名称発射速度(rpm)弾種平均貫通力(mm)平均攻撃力AP弾DPM精度(m)照準時間(s)弾速(m/s)総弾数弾薬費(Cr)重量(kg)俯仰角
130 mm M-654.8AP
HEAT
HE
265
340
65
490
490
640
2,3520.382.71,030
1,030
930
351,250
5,200
990
4,300-5.5°/+15.5°
 

砲塔

名称装甲厚(mm)旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
Object 277290/224/802740012,000
 

エンジン

名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
M-850950121,550
 

履帯

名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
Object 27760329,220
 

無線機

名称通信範囲(m)重量(kg)
R-11373080
 

乗員

1Commander(Radio Operator)2Gunner3Driver4Loader
 

拡張パーツ

改良型換気装置Class1装填棒Class1砲垂直安定装置Class1改良型旋回機構Class1改良型照準器Class1追加グローサーClass1
改良型無線機×車長用視覚システム×改良型モジュール構造Class1改良型装甲材Class1内張り装甲Heavy
 

隠蔽性

非発砲発砲時
静止時6.84%1.05%
移動時3.42%0.52%
 

派生車両

派生元T-10(HT/220,800)
派生先なし
 

開発ツリー

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130 mm M-65
(初期/330,000)
Object 277
(初期/66,000)
R-113
(初期/52,200)
M-850
(初期/132,000)
Object 277
(初期/82,500)
 

車両に関する変更履歴

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v1.0.2新規実装

解説(v1.0.2)

  • 概要
    v1.0.2で追加されたTier10のソ連重戦車
    1950年代後期、レニングラード・キーロフ工場がIS-7およびT-10の後継として開発した試作重戦車である。
     
  • 火力
    • 130 mm M-65
      単発火力490に加え貫通力もAPで265mm、HEATで340mmと高く、Tier10重戦車として十分な威力を持つ。
      取り回しに関してはIS-7WZ-111 model 5Aの中間といった程度で、通常弾の弾速で3両中首位となるが仰俯角では引けをとっている。
      照準拡散が良いので体感的な照準時間は5Aにも勝るが、DPM自体は並程度なので同格重戦車と単純な撃ち合いをすると分が悪い。
       
  • 装甲
    前身のT-10と同様、砲塔は硬いが車体はやや脆い。耐久値も2,200と控え目であり、使いどころは十分見極めよう。
    • 砲塔
      正面はごく一部を除き340mm相当以上の装甲があり、通常弾で貫通されることはほぼない。課金弾でも高貫通の駆逐戦車以外ならばそれなりの確率で防ぎ得る。
      薄めと言えるのが、目のようなステレオスコープ(300mm)、主砲同軸機銃および防楯脇(340mm)だが、どちらもかなり小さく、狙い撃つのは難しい。デコの部分は標準化無しで360mm程度であり、着弾角度や振れ次第では貫通可能だがやや運要素が強い。
      砲塔天板は55mmあり、口径165mmまでのAP/APCRは跳弾で防げる。一方でキューポラはかなり小さいが、250mmほどの明確な弱点である。
       
    • 車体
      Object 907に似た車体正面は優秀な傾斜が付けられており、外縁部なら跳弾しやすい。しかし、中央付近や正面下部は210~240mmほどの防御力に留まっておりあまり頼りにならない。
      正面上部の広域が65°以上の傾斜がつけられているため、5.5°の最大俯角でハルダウンすれば跳弾角度に達し、HEATでも320~350mmほどの防御力になる。(もちろんそんなに都合のよいハルダウンがいつでもできる訳では無いが)
      側面はアメリカ戦車のように後ろ半分が少し薄くなっている。
      側面上部は傾斜した本装甲112mm(後半90mm)+逆傾斜した空間装甲30mmによって守られており、これらの二重部分は真横からでも200mm超の防御力を発揮する。一方で側面下部は97mm(後半90mm)の垂直装甲であり、比較的抜かれやすいので注意が必要。
      背面は50mmと大口径HEにも抜かれるレベル。
      側面装甲を生かした昼飯・豚飯はある程度有効ながら、運が絡む。やむを得ない場面も多いが、やはり一番は車体を撃たせないことである。ちなみに昼飯の角度を取った時に少しでも角度が甘いと駆動輪ごと貫通されることがあるが、その場合かなりの高確率で履帯と弾薬庫の両方を壊されるため注意が必要である。
       
  • 機動性
    重戦車として極めて優秀。
    最高速度は55km/hとIS-7WZ-111 5Aの中間となっており、車体旋回時の履帯性能も同じく3両の中間となっている。ただしIS-7は平地だと40km/hほどまでしか伸びないため、実質的には3両中最速と思ってもらって構わない。
    いずれにしても基本的にやや遅めの中戦車と同じようなレベルで動ける為、中戦車や快速重戦車らと足並みが合わせやすく、迅速かつ柔軟な運用が可能だろう。
     
  • 総論
    砲塔はともかく車体が脆いため、重装甲型HT・TDがやるような装甲頼みの単純な撃ち合いは苦手とする。
    それよりは良好な足を使い、遊撃、狙撃、第二線への後退、側面取り、有利ポジの利用等、できることを何でも行おう。そうすればこの戦車の高い砲性能が大きな戦果をもたらしてくれるだろう。
    総じて能力は高めだが、良くも悪くも腕前が戦果に強く反映される、玄人向けの戦車である。
     

史実

詳細

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Object 277 / Объект 277(オブイェークト・ドゥヴェースチ・スェーミヂッシャット・スェーミ)とは、
1950年代後期にソ連で開発された試作重戦車である。

 

この戦車は1955年にT-10重戦車*1の後継として開発が始まった。
主任設計技師はソ連重戦車を語る上で欠かせないコーチン技師(1908~1978)であった。
新型戦車のディーゼルエンジン型はObject 277、ガスタービンエンジン型はObject 278と命名された。ガスタービンエンジン型が提案されたのは、ガスタービンエンジンが小型かつ高出力なので「20年後には戦車のエンジンの主流になり得る」との考えからであった。
このObject 277/278はIS-7とT-10の統合を図った発展型であり、共通する設計要件は以下のようなものである。

 

・重量は52~55トン
・130 mm 戦車砲を搭載
・砲弾の初速は1000m/s
・エンジン出力は1000馬力

 
図面集

Object_277_history7-1.png
Object_277_history7-2.png
Object_277_history7-3.png
Object_277_history9-1.jpg
Object_277_history9-2.jpg

 

主兵装である130 mm M-65戦車砲は、総弾数35発、砲安定装置Гроза(グローザ=「雷雨」の意)や電気駆動式の半自動装填装置が搭載されていた。
主砲同軸には14.5 mm KPVT重機関銃(歩兵型はKPV重機関銃。T-10Mなどに搭載された車載型に付くTは"tankoviy"の略であり、ロシア語で「戦車」の意)が装備され、800発分の弾倉が備えられた。
また、半自動装填装置は砲塔内の搭乗員たちの足元から砲弾をコンベアで汲み上げ、装填作業をサポートする方式だったようだ。
無線機はゲーム内と同じくR-113、夜間視察装置TPN-1、立体視認距離計TDP-2Sなどの装備品も取り付けられた。
エンジンはObject 277がM-850 V型12気筒ディーゼルエンジン、Object 278がGTD-1ガスタービンエンジン(53.5トンの重量に対し、57km/hの最高速度が発揮可能とされた)が予定された。
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耐久試験

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1957年までにレニングラード・キーロフ工場にてObject 277の試作車の2輌が完成し、当時の指導者であるニキータ・フルシチョフ書記長に提示された。
しかし、フルシチョフは既存の兵器に対して懐疑的な考えの持ち主であり、彼の命令によってObject 277/278は不採用となってしまい、1960年には全ての開発が中止となった。
Object 278はガスタービンエンジンの技術的な問題が解決できず、未完成のまま終わった。だが、この時に始まったガスタービンエンジンの開発はレニングラード・キーロフ工場の試作戦車SKB-2/СКБ-2として形になり、のちにこれが第3世代主力戦車T-80へと継承されていったのである。
現在、Object 277の試作車輌の一つはクビンカ戦車博物館に展示されている。

 

Object_277_history8.JPG

 

参考1 参考2 参考3 参考4 参考5

情報提供

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使用感や装備など、アーカイブスペック解説に表記されています。

アーカイブ1

※実装または車両性能変更アップデートから3か月以上経過した車両であるため、管理人の提案に基づき新規コメント欄を非表示にします。本車両について語りたい方は外部掲示板を利用してください。


*1 チェリャビンスク・キーロフ工場での生産型はObject 730、レニングラード・キーロフ工場での生産型はObject 265