STUDZIANKI

Last-modified: 2021-06-28 (月) 19:30:47

マップ画像

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マップ概要

マップ名
(日本語名)
STUDZIANKI
(ストゥジャンキ)
リプレイ名Poland
サイズ1000m*1000m迷彩夏季
戦闘形式通常戦、遭遇戦マッチングTier
 

v1.1.0でポーランドツリーの実装に合わせて追加されたマップ。
炎上した焼け野原が広がる荒涼としてマップである。北部のなだらかな丘と煉瓦工場、マップを東西に別ける中央部の河川跡、南部の村などからなる左右対称形のマップである。全体的に平坦な地形であり自走砲の射線が通りやすい。茂みは偏った配置が多く、多くは主要な戦線の後方に配置されているため後方支援を受けやすい。

 

本マップは各車種に適した地形が多数用意されているため、どの車両でも活躍できる。一方で得意地形で迎え撃たれると進軍が難しいため、速攻での勝負よりも拮抗した戦いになりやすい。また、一つの戦線が突破されても後退することで新たな戦線を構築できるため、立て直しが容易である。
基本的に南北に分かれて進軍することになるが、いずれも側面に周り込みやすく他の戦線から射線が通るので、各戦線が連携し相互に支援できるかが重要になってくる。

 

マップテーマ曲の評価も高い。
World of Tanks Original Soundtrack: Studzianki featuring Polish band Żywiołak

 

公式マップ解説記事(ロシア語)
公式マップ解説動画(英語)

エリア別解説

北部:川

北部:川
東西に伸びる河川と北端に丘があるエリア。遮蔽物が少なく開けた地形であるため重装甲車両はまず立ち入らず、軽戦車や中戦車・駆逐戦車の戦場になりやすい。
丘の上には茂みがあり、煉瓦工場や河川の奥を偵察・射撃できる。ただし煉瓦工場への射線は建物に遮られやすく、基本的に敵が車体を晒すか、丘の敵を排除して前進するかしないと射撃機会は訪れない。発見されると激しい砲撃に晒されるため、前進は非常に危険である。さらに丘自体は小さく簡単に回り込めるため、煉瓦工場に気を取られていると丘上と回り込んできた敵に挟まれる事があるので注意が必要である。

丘を使ったハルダウンと茂みの隠蔽とをフルに活用できる一部の駆逐戦車が立て篭もると非常に堅牢なポイントとなるが、開けた地形であるため煉瓦工場を敵に占拠されると撤退すら難しくなる。移動するか粘って敵に出血を強いるかの判断は早めにしたい。
同様の理由から丘を奪取しても線路上や後方の茂みで待ち伏せされやすいため、北部から単独での進軍は難しい。進軍する場合は煉瓦工場の重装甲車両と足並みを揃えたい。

北部:煉瓦工場

北部:煉瓦工場
自走砲の射線を遮る遮蔽物とハルダウンできるポイントが多く、線路沿いに視界が通るため重装甲車両が集まり激しい砲撃戦になりやすい。
なお、弾道の高い自走砲の射線を遮るには工場の屋根が、弾道の低い射線を遮るには工場の壁が効果的。両方を同時に遮る事は難しいので注意。
この煉瓦工場を確保するとマップ全方位に対しての攻撃の基点に利用できるが、裏を返せばあらゆる方角から砲撃される可能性があり、他の戦線(特に北部の丘)との連携が重要になる。他の戦線の優劣を常に把握しておきたい。
中央部の河川跡に射線が通るポイントも多いので確認しておこう。
北部を味方が制圧した場合は線路の段差沿いに進軍して煉瓦工場の敵の側面を攻撃する事も可能になる。
建物内を貫通している線路は、東西どちらでも後方の線路上から射線が通るため、工場内の敵を一方的に射撃可能である。特にこの位置は北部の丘からも視界が届きにくいため、定番の狙撃ポイントとなっている。

つまり、この煉瓦工場での戦いは前方(C5、C6)で重装甲車両が撃ち合いながら、いかに後方(C2、C9)からの援護を活かすか、また敵の後方からの砲撃を防ぐかが鍵となる。
基本的に無理に前進すると撃破される地形であるが、北側の丘や南側の河川跡を取られると側面から周り込まれて一気に不利になるため、戦況によっては守っているだけではジリ貧となる。敵の配置が偏っている(煉瓦工場の敵戦力が手薄である)場合は趨勢が決まるまでにこのエリアの完全制圧を狙おう。
煉瓦工場が膠着状態のうちに中央部で戦闘が発生した場合は、先にそちらを側面射撃で援護して優位を確保するのも効果的。

中央部:河川跡

中央部:河川跡
対称形のマップの多くが中央を稜線で仕切っているのに対して、本マップは河川跡という溝で区切っている点が珍しい。この地形の性質から各戦線間の射線を遮らないため、相互の支援が容易にできるようになっている。同時に中央の河川跡は全方向から射線が通ることを意味しており、序盤は発見されると激しい砲撃を受ける死地となっている。しかし、このエリアを確保できれば南北に移動する敵や敵陣地付近を監視可能であり、河川跡を辿って南北を安全行き来できるようになるなど恩恵も大きい。
一方で河川跡に入ってしまえば安全に思えるが、実際は煉瓦工場から射線が通る箇所が多く、重装甲車両が南部の村から河川跡に入り北上してくる事もある。また、開けた地形故に一度入ると脱出するのは難しいため、開幕に快速車両で駆け込むのにはリスクが付きまとう。河川跡に入る前に敵味方の配置や戦況をしっかり把握しておきたい。

南部:村

南部:村
小さな建物と中心部にある高い教会で構成された村。建物と隣接した茂みが多く、重装甲車両だけでなく高隠蔽の車両でも戦えるエリアとなっている。家と家の間隔が広く意外と北部などからの射線が通るので注意が必要である。村を東西に走る道路は土手により少し盛り上がっているが、車体を隠せるほどの高さではない。
開けた場所の多い本マップにおいては数少ない遮蔽物が連なるエリアであり、敵との距離が詰めやすい。そのため車両数で優位な方が突破する傾向にある。また、村の中心には河川跡に架かる橋があるが、橋を渡るよりも河川跡に侵入してハルダウンする方が好まれる。河川跡に一度侵入すると後退するのは難しく、中央から河川跡を南下してきた敵車両に挟み撃ちにされる可能性もある。また、河川跡を超えた先は敵の後方から射線が通るようになるため狙撃を受けやすい。進軍する際には彼我の戦力差や予測される敵後方部隊を考慮に入れて判断しよう。
村を突破した先は敵陣地だが、丘陵や陣地後方の茂み、陣地北部の低地との段差など南部からの攻撃に対して防衛に有利な地形が広がっている。そのため何も考えずに進軍するとあっさりと壊滅することも珍しくない。幸い南部の村を制圧すれば北部の煉瓦工場の敵の側面を撃てるようになるため、こちらを先に支援すると良いだろう。煉瓦工場と中央部の脅威が排除されている場合は、敵陣地前方の丘陵沿いに進む事ができる。

南東部:丘

南東部:丘
対称形の本マップにおいて、南東部にのみ木がまばらに生えた丘が存在する。このエリアは周りよりも一段高く、木を倒すと隠蔽を確保でき、河川跡から頭を出す西チームの車両を一方的に攻撃できるため狙撃車両に人気がある。西チームがここを警戒して村の中を進んだ場合は北部煉瓦工場から撃たれやすくなるため、西チームにとっては厄介なポジションとなっている。
一方で、周辺に遮蔽物がないため一度見つかると激しい砲撃に晒される。撤退する場合も高所で敵に側面を晒すことになるため非常に危険であり、撤退の判断は早めに行う必要がある。対面の西チームの狙撃位置は、河川跡から距離が近いため一方的な狙撃こそできないが、建物で敵の攻撃を防げるためこのような問題は発生しない。

西部・東部:両陣地

西部・東部:両陣地
東西の両陣地はほぼ同じ地形になっており、攻撃と防御のどちらも共通の戦術が通用する。両陣地の占領サークル内には破壊可能な横長の建物が1つずつ含まれており、陣地占領を狙う敵車両に利用されがちである。
陣地前方の丘陵には密な茂みがあり、発砲と後退を交互に繰り返すようなスタイルの車両が利用しやすくなっている。この丘陵は北部、南部、中央、陣地後方など全方向を狙えるため、試合序盤には味方が、試合終盤には敵が利用する傾向にある。
陣地後方には連なった茂みがあり(一部切れている部分もある)、陣地に侵入してくる敵を迎え撃ったり茂み沿いに移動することができる。マップの構造上この茂みは味方が良く使用し、陣地前方の丘陵よりも防衛に使いやすい。この茂みの北端にはいくつかの建造物があるが、西チーム側にのみ(?)破壊不可能なものがあり、攻撃側にも防衛側にも利用されている。
両陣地とも一方向からの敵の攻撃には対処しやすい構造となっているため、南北どちらかの戦線が維持できれば陣地防衛は安定する。攻撃側としては戦線を突破して敵陣地に迫った場合は、一旦他の戦線の支援を行い防衛体勢を崩すよう心がけるとよいだろう。

車種別情報

軽戦車

軽戦車

  • 要所毎に茂みがあり偵察がしやすい
  • マップ中心(5、6ライン)を超えるのが難しい
  • 北部の丘の茂み(5A、6A)から煉瓦工場や敵後方を偵察できる
  • 河川跡の北側の茂み(D4、D7)から開幕中央に走り込む敵車両を偵察できる
  • 河川跡の縁の茂み(G5、G6)付近から南下する敵や陣地前の丘陵で狙撃している敵などを偵察できる
中戦車

中戦車

  • 北部の丘や南部の村が人気
  • 中央部の河川跡を制圧すれば河川跡沿いに南北を柔軟に行き来できる
  • 河川跡を利用すれば煉瓦工場や村に布陣する敵部隊の側面に回り込める
重戦車

重戦車

  • 煉瓦工場が人気
  • 北部の河川や丘は開けているために入るのが難しい
  • 南部の村は北側から射線が通る場所も多いので注意
  • 村から中央の河川跡に入ってのハルダウン
  • 両陣地北側の低地でのハルダウン
駆逐戦車

駆逐戦車

  • マップの随所に狙撃ポイントが用意されている
  • 煉瓦工場後方の線路上(C2、C9)が見つからずに狙撃できて人気
  • 陣地前方の丘陵の茂みから中央部を狙撃できる
  • 北部河川の小さな丘(B3、B8)から狙撃できる
  • 北部河川の後方(B1、B0)から狙撃できる
  • 南端(Kライン)の茂みや建物を使って村の南側を進む敵を迎え撃てる
  • 重装甲の車両は煉瓦工場で戦える
自走砲

自走砲

  • マップの大半の場所に射線が通る
  • マップ東西の端に茂みが多く隠れやすい
  • 煉瓦工場後方の茂み(C1、C0)が人気
  • 河川後方の茂み(B1、B0)が人気
  • 村後方の茂み(K1、k0)が人気
  • 負け試合になると陣地北側の低地かマップ南端に追い込まれがち

史実

詳細

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1944年8月9~16日、ワルシャワ南方のストゥジャンキ(Studzianki)村周辺で発生した「ストゥジャンキの戦い」をモチーフにしたマップ。
ポーランド人民軍(第1装甲旅団)およびソ連赤軍(第2親衛戦車大隊・第1ベラルーシ人機械化騎兵集団)が確保していたヴィスワ川橋頭保*1を打破するべく、ワルシャワ南方の防御に付いていたドイツ国防軍(第9軍・北ウクライナ軍集団)は攻勢に出た。
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両軍の間で大規模な戦車戦が発生し、緒戦の内はドイツが勝利を収めていた。しかし、ポーランド・ソ連の粘り強い反撃の前にドイツは被害が拡大し、8月17日には撤退することになった。
一方、ポーランド・ソ連も大きな被害を受けたことから橋頭保の維持すら難しくなり、9月23日までの約1ヵ月は攻勢に出ることができなかった。それでもこのストゥジャンキの戦いはポーランドとソ連の明確な勝利であり、ドイツにとって完全な敗北だった。
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1969年、この戦いでの勝利を称えて、村名がStudzianki Pancerne(ストゥジャンキ・パンツェルネ)と変更された。現在では戦車関連のイベントもたびたび行われている模様。
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↑ 現在のStudzianki Pancerne村と村章

 

ちなみに「ストゥジャンキの戦い」は、ポーランドのTVドラマシリーズ「犬と4人の戦車兵(Czterej pancerni i pies)」の第3~5話の舞台だったりする。
T-34-85 Rudyでこの戦場にマッチングした際は、雰囲気を楽しんでみるのも一興である。
Studzianki_Czterej-Pancerni-i-Pies_history.jpg

 

本マップのBGMは、ポーランドの音楽グループ「Żywiołak(ジュヴィオワック)」がポーランドの民族楽曲「W moim ogródecku(私の庭:In my garden)」の一部分を謳っている。
元は民謡であり、歌詞も故郷の庭のバラや乗馬を心配するほのぼのとしたものなのだが、Studziankiの戦いを意識してポーランド軍の覚悟と悲壮感を思わせる曲になっている。
なお、こちらからラップ付のPVを見る事もでき、同PVにはT-34-85 Rudyも登場している。
Studzianki_Zywiolak_history.jpg

 

コメント

  • アジア公式のyoutubeチャンネルにマップ解説動画が上がっていたので概要にリンクを追加しました. -- 2018-12-14 (金) 09:25:29
  • 中央は死んでも取れ……とまでは行かないけど、せめて膠着状態にしてくれないと工場(特に東側)が死ぬ -- 2019-01-04 (金) 15:57:23
  • マップBGMカッコ良すぎてブチ上がるし射線を考えない奴を抜けるし切ろうと思えば切れるだけの遮蔽物があって最高 -- 2019-01-27 (日) 21:29:34
  • BGMで脳死するやつ多いっすよ... -- 2019-03-11 (月) 09:21:57
  • 開幕BGMと、空に向かって朦々と立ち昇る黒煙が好き -- 2019-04-06 (土) 22:29:59
    • wotのBGMってどれもレベル高いよね。 -- 2019-04-06 (土) 23:24:23
  • もうちょい地面に起伏を付けてほしいな あまりにも平坦すぎるせいか身動きが出来ずに膠着しやすくなると思う -- 2019-06-27 (木) 15:09:13
  • ステップあたりもそうだけど、中央に留まる車両が数両いて両サイドの戦力減が痛い時がある。特にHTにやられると目も当てられない -- 2019-11-07 (木) 07:52:30
    • 中央?HTがそんなところ行けたら逆にすごくね?Cラインてわけでもなさそうだし、陣地周辺の38ラインで狙撃してる奴の事かな? -- 2019-11-07 (木) 10:11:13
      • E~Gラインの事です。縦列で見ると仰る通り38ラインですね -- 2019-11-07 (木) 12:13:43
  • 南部の村に行かず、中央の廃工場にHTが集まると負け確だね。廃工場は奥からTDの射線が通るから突破困難だし、最低限のHTが敵を引き込む形で防衛してれば良い。 -- 2020-01-23 (木) 10:11:02
  • TD無双マップ どこから近づこうとも平坦直線でTDに鴨打ちされる場所があるから突破はまず無理で必ずと言っていいほど膠着する 重戦車なら飛行場の方がまだ楽しめる -- 2020-06-26 (金) 15:43:12
    • 時間を掛けるほど不利になる。tier8以上の駆逐なら主にスウェーデンとフランスを除いて10s以上射撃の間隔があるから先頭が被弾か弾いた後に駆逐が不利になるまで詰めるのが一番。問題は喰らいながらでも有利になるように詰められないまたは、1発貰った後敵の駆逐に悠長にリロードさせてあげる連中が大半だからそんな進まない。敵の編成、ポジション振り分け次第だけどね。 -- 2020-06-26 (金) 17:46:27
    • 考えてみたけど南北どちらかを突破しただけだと陣地後ろの茂みと陣地前の盛土の茂みがあるから何もできない 陣地前を封じる為には盛土に張り付く必要があるけどそれには南北両方の突破が必要 でも圧倒的優勢な時以外で野良でそんな状況は作れない それより芋って敵を待つ方が百倍簡単で強いから毎回時間切れか時間切れが嫌で飛び出したチームが負ける試合になる -- 2020-06-26 (金) 22:12:50
  • 遭遇戦は序盤に中央の河川跡を制圧したらそのまま陣地占領に入って北側の側面支援の流れが強いですね。どなたかこのパターンを崩せる展開をご存じないでしょうか。 -- 2021-06-18 (金) 21:18:07
    • 北側A5,A6の丘を取った状態で、複数の重戦車が被弾覚悟で陣地を取り返すかなぁ。枚数差が無い場合は河川跡への突撃でもいいかも。まぁランダム戦では味方と連携するのは難しいから攻略の難易度はかなり高いと思う。 -- 2021-06-21 (月) 20:16:08
      • 北側の丘は平常時でも占拠が難しいですよね、、、。やはり陣地に入ってる分ほかが手薄なのを利用できたら幸運程度ですね。遭遇戦の陣地は南側とかにあれば選択肢もあるのですが。 -- 木主 2021-06-28 (月) 19:30:47

*1 ポーランドを南北に走る川のこと。第二次大戦末期におけるこの河川は、ポーランドを東西に分けるドイツの絶対防衛線の一つであった。