種死&リリカルなのはさん 単発SS集7

Last-modified: 2008-09-23 (火) 16:35:48

◆XPt9wFJMeA氏 {2007/10/02(火) 21:31:50
ティアナ日記IF

 

このどうでも良いティアナ日記のIFストーリーは「それは決別にあらず」を読んで少しでも感動してくれた人は読まないことをお勧めするw

 
 
 

私は急遽割り当てられた部屋へと向かっていた。寝るわけでは無いが横になるだけで疲れはある程度抜けるもの。
これから来るであろう激戦に向けて、英気を養わなければならない。

 

「お疲れ様、ティア」
「う~ん、ちょっと横になるから」

 

かけられた声に自然な反応を返し、私は軟らかくも無いベッドに仰向けに身を投げ出した。
枕に顔を埋めて数秒後、ふと気が付く。
『あれ? 今の声は誰?』
私をティアと呼ぶだろう人物は、先程戦闘不能にしてきた。
コーディネーターだから回復は早い筈だがハゲも毛根は死滅中だが、脳味噌までは絶滅していないから学習能力がある。
故に行き成り私の部屋に現れて馴れ馴れしく『お疲れ様、ティア』なんて言わないだろう。
じゃあ……今私の部屋に居るのは誰だ? なぜか顔を上げて確認するのが怖い。
いわゆる破滅的なシナリオが、バッドエンドならぬギャグエンドが待っている気がする。

 

「でもスゴイね、ティアの乗っていたロボット……ザクだっけ? 質量兵器だけど、やっぱり人型ロボットには浪漫があるよ」

 

ザクをロボットと表現している辺りで、この世界ではありえない常識力を持っているらしい。
と言うか……この声は……忘れるわけが無い。無いが……『ガバッ!』と勢い良く声の方へと顔を向ければ……

 

「スバル……」

 

スバル・ナカジマが居た。現象としてはそれだけ。二人用の部屋だからもう一つあるベッドの上に座っている。

 
 

抜けた笑みを浮かべ、巨大ロボットの浪漫について語る瞳はキラキラと輝いていた。アスランに発した時よりも呆然とした色を秘めて呟いた。

 

「何やってるの?」
「帰ろうとしたんだよ? でもね……」

 

そうだ……あんな感動的な別れをしたと言うのに、こんなにあっさり再会していたら、『感動した』とか『これぞ本当の友情!』とか『ハゲって言ってやるなw』とレスをくれた住人様に怒られる。

 

「私から説明しようか?」
「議長!?」

 

どうしてここで議長が出てくる!? 余計に訳が解らなくなった私をおいて、議長は語りだした。

 

「実はミネルバに来る途中で流れ弾ならぬ、流れミサイルが私の側に着弾してね。 跳ね上げられた大きな破片が私に襲い掛かったんだ」

 

『最初はまともな政治家、なぜか徐々に黒くなり、いつの間にか悪の親玉になると言う数奇な運命すら全うする事無く人生を終えるのか思ったよ』
……なにやら良く解らない今後の展望や、シナリオへの不満をぶつけていた議長が現実世界に復帰すると、スバルの手を握って告げた。
この男!? グラディス艦長だけではなく私のスバルにまで手を出す気か!?

 

「そこで颯爽と現れたのがスバル君だ。
凄まじい速度を叩き出す『ローラーブレード』で私の前に飛び出し、襲い来る破片を『勇者王のようなグローブ』を装備した手で粉砕してしまった。
 本当に君は私の恩人だ。何度でも礼を言うよ? ありがとう、スバル君」
「イヤ~『困っている人を助けるのは当然ナノ!』って上司に良く言われてますから」

 
 

なにやら恥ずかしそうに頭を掻いているスバルを議長から引き剥がし、私は部屋の隅っこに拉致。ゆっくりと尋問を開始する。

 

「議長を助けたことは礼を言うわ、ありがとう」
「そんな! お礼なんて水臭いよ? ティア」
「別にそれに文句は言わないわ。でもなんでミネルバまでついて来たの?」
「えっとね……この世界は魔力がとっても発現し難いのは知ってるよね? 
だから帰りの転移も向こうからの回収する力だけじゃなくて、此方から位置を伝えて送り出す必要が有るんだ。
そうしないとほぼ偶然見つけただけの遠い座標に送ることも帰ることも出来ないって訳。
もちろん私とティア二人が帰れるだけの力を込めた、特殊なカートリッジを貰っていたんだけど……」

 

アァ……何となく解った。コイツはつまり……自分がミッドに帰還する為に必要な魔力を……

 

「使っちゃったのね? 議長を助ける為に」
「やっちゃったゼ」
「このバカァアア!!」

 

しかし議長を見殺しにしろ!なんて言えるわけも無く、それは『アノ人』の教えにも背く事になる。
つまりスバルは仕方が無く使って帰れなくなったわけだが……それに此方が行き成り戦闘状態になるなんて六課の面子も予想していなかったのだろう。

 

「と言うわけだから、しばらく私もこっちでお世話になるね」
「お世話って……どう言う事?」
「ティアナの知り合いならば身元保証位するよ、私は。ついでに職の斡旋もね」

 

アァ~そういう事ですか、議長。アレですか? 『CEでもスバティア!』みたいな作者の願望ですか? 確かにその方がクロスの意味があるかな~とか思ったりもしますけど
だけど自分は帰還を拒否し、スバルまで帰れない状況を作ってしまった私は……

 

「ナノハサンに殺されるかもしれない」
「大丈夫だよ、なのはさん優しいから」
「その台詞が真実なら模擬戦で二回も砲撃されたりしないわ、私」

 

目の前に迫っている戦争の音よりも『少し頭冷やそうか?』と虫けらを見るような作画崩壊な目を向けてくるだろう元上司が怖い。
余計に帰りたくなくなってしまったではないか……

 
 

どんぺり氏 {2007/10/24(水) 20:29:48
その日、機動六課終編

 

以前の休暇でスターズの子達が保護した女の子…そしてその子の足に括り付けられていたレリック…
何であんな状態だったのか、あんなに小さい子供が…でもレリックが関わってる以上
スカリエッティが関わっている事に変わりは無い…理由はどうあれ守らなきゃ…
人のために何かできる力…それがきっと僕の魔法だから…
「くん…キラくん?」
「あ、はやて?どうしたの?」
よほど僕がボーっとしてたのか、はやてが心配そうに僕の顔をのぞいていた。
「なんや?つかれてるん…?あかんよ~キラ君、六課設立前も休まず戦ってたんやろ?たまにはやすまなあかん」
「ありがと、でもそうも言ってられないよ、あんな小さな女の子が、しかもレリック付きで保護されたんだから…」
はやての洞察力は人並以上に鋭い。顔を見ただけで僕の体調を当てたり見抜いたり…
さすが部隊長だね…とまぁ、それは良いとして、僕はとっさに話を戻すことにした。
「で…どうしたの?なにかあるんじゃ…?」
「あぁ、カリムがキラ君に会いがっとったんよ、色々お話もしたい言っててなぁ」
「カリムさんが?僕に?」
カリムさんは、昔、聖王教会護衛任務の再知り合った僕にとっては姉みたいな人だったりする…
でも少々おせっかいが過ぎる気も…必要以上にべたべたしすぎって言うか…
「そや、カリムやアコース査察官はキラ君を気にいっとるからなぁでもそのおかげで私はキラ君と出会えたんやけど」
「そうだね、この戦いが終わって休暇が取れたら、カリムさんに会いに行くよ。今はそれどころじゃないから…」
はやても、カリムさんを姉のように慕ってるけど、実は僕もアスランもカリムさんは少々苦手だったりする
理由は上記の通り…(汗)
「それより、なのは達はどう?女の子の件大丈夫?」
「私もちょっと前にあってきたけど、なのはちゃんにものすごく懐いてなぁ」
「そうなんだ、でもそれなら、普通の子そうでよかったね」
とりあえずなんともなさそうだった…でもそんな普通の子にどうしてレリックなんか…
普通に考えてあの女の子には何か秘密がある…でもあんな小さな子に一体どんな秘密があるんだろう…
考えるだけでちょっと頭が混乱してきた…
と、そのとき
「キラ君、はやてちゃん、ただいま~」
なのはが帰ってきたようだ

 

なのはがこっちに歩いてくる、その腕にはつい前保護された女の子が抱かれていた。
「ほら、ヴィヴィオ、キラさんに挨拶は?」
その子の名前はヴィヴィオって言うらしい、でもその瞳は今にでも泣いてしまいそうな、
そんな弱弱しさが伺える、でもそれも無理はないだろう、目覚めて知ってる人は誰も居ず
知らない人間に囲まれてるわけなのだから…怖くても無理は無い
「ヴィヴィオって言うんだ…僕はキラ、よろしくね、ヴィヴィオ」
ヴィヴィオの頭をなでようとした途端、ヴィヴィオはなのはの後ろに隠れてしまった。
ちょっと馴れ馴れしかったかな…ううん、やっぱり怖いんだろう…
なのははヴィヴィオに物凄く懐いてる…きっとなのはのどこかに母親を見たのかも…
「ヴィヴィオ?だめだよ?ちゃんと挨拶しなきゃ…」
めっとヴィヴィオをしかるなのはだが、なのはの後ろに隠れたまま涙目のヴィヴィオ…
はやてが苦笑しながら僕を見ている。
「あはは、嫌われちゃったかな…」
物凄い拒絶のされようだ、子供は好きななんだけど…何か不味かったのかな…
「キラ君ごめんね、きっと色々戸惑ってるんだよ…」
なのはも言葉が見つからないようだ…
「とりあえず、ヴィヴィオは私の部屋に連れてくねっキラ君、はやてちゃん、また後で!」
なのはに宥められ、ヴィヴィオはとことことなのはについていった。
「二人のエースオブエースも、ヴィヴィオにはかなわんな~」
真横で笑いながらはやてが僕をからかってくる。笑い事じゃないってばもう…
「まぁ…誰かしらに心を開いてればそれでいいと思うけど…」
内心ちょっと悲しいかも…
「さあ、仕事を片付けよう…帰りにアスランと食事するんだけど、はやてもくる?」
「えぇなぁ、いくいく!」
こうして僕の時間は過ぎていくのであった…

 

数日後…それぞれのリミッターの話で、隊長陣全員が会議室に集められていた。
「いずれ、皆のリミッターを完全解除する時が繰るかもしれへん…だから皆も気を引き締めてな…」
何時に無く、はやての表情が真剣だ…昨日、散々僕にお好み焼きを奢らせたはやての笑みとは大違いだ。
ちなみに言うまでもなく、フェイトとアスランのお好み焼きも僕が奢った…
「スターズにシード部隊の隊長、キラさんとなのはさんの限定リミット解除エクシードとフリーダム」
「そしてフェイト隊長にアスラン補佐官のザンバーモード、ファトゥムモード…」
リィンとシャーリーが各隊長の限定リミット解除名を挙げていく、でも正直名前は別に必要ないような…
そんなきもするけど…でも名前はあったほうがわかりやすい…か
『キラくん』
と、そのときなのはが伝心してきた。
『うん…どうしたのなのは…?』
『私が言うのもなんだけど…今回の戦い、私のエクシードやキラ君のフリーダムモードで十分だよね…?』
おそらくなのはは『アレ』のことを心配してるのだろう…お互いの最後の切り札であるリミットブレイクの事を…
『私のブラスターモード…そしてキラ君のドラグーンモード…類似してるシステムだから尚のこと心配なんだよね…』
『なのはは、人の心配よりもう少し自分の心配しなよ、体は僕と違って女の子なんだから…ね?』
『あー、それ差別だよ~、それに私の事は私でちゃんと管理できるから、でもキラ君は目を離すとすぐ遠くへ言っちゃうからね』
珍しくなのはが向きになって突っかかってくる。僕なにかしたっけ…?
『もう…なのはは相変わらず強情…』
あ、やばい…思わず伝心で喋っちゃった…
『キ…キラ君だって人のこと言えないよ!?』
なんか話が脱線し始めた…うまくごまかさないと…
「キラ君?なのはちゃん?大丈夫??」
あ、ごまかす前にはやてが水を差してくれた…危なかった…
大丈夫だよ!とお互いその場をごまかす。はぁ…何やってるんだろう僕らは…
それと…少しでもヴィヴィオとうまくコミュニケーションとらないと…
子供に嫌われるのってなんか嫌だから…

 

『がんばろう』

 

また伝心で喋っちゃった…

 

『何が?』

 

しかもフェイトに…(汗)

 

そして会議も終り今日は解散。ティアナに借りたDVDを返し、スバルにコンビニでアイスをおごり寮へもどった。
最近奢ってばかりだな僕は。。。。
「今日の晩御飯は…どうしようかな…」
最近はなのは達隊長陣でよく外食をしてるせいか、重い物は極力避けたい
それにここ最近甘いものを食べてないから…
「ドーナッツでもつくろっかな…」
確か、地球のどこかの国では、食事が朝、昼、夜と全部甘いケーキ類だっていう話だし…
いいかな…?いや良くないんだろうけど…たまにはいいよね…
そう決めた僕は、早速ドーナッツを作ることにした。
基本料理は大好きで、和食から洋食、お菓子を作ったり等慣れてたりする。
そういえば昔、研修でアコースさんと一緒に調理実習したっけ…(笑)
前は期間限定で一緒の訓練部隊になったフェイトも交えて、アスランと僕の三人でよく料理作って食べてたっけ…
フェイトもあー見えて実はすごい食べるし…ってとにかく作ろう…
小麦粉…卵…ベーキングパウダー…バニラエッセンス、重曹と…
「よいしょ…」
生地を練り、下味をつけ型で繰りぬく…
「これでよし…後は揚げるだけだね」
出来上がったドーナツ生地を順番に、高温の油で一気にあげる。
普通こういった揚げ菓子類は、低音の油でゆっくりあげるんだけど
僕の場合は一気に高温であげちゃう。そうする事で表面がパリパリになって
揚げパンのような食感になるから…

 
 

 
 
 
 
 
 
 

「よしできたっ、久しぶりに作ったけど…まぁまぁかな…」
思ったよりよくできた。味を見ても美味しかったり。
晩御飯がドーナッツって言うのもアレだけど、美味しいからよしっ!
僕はドーナッツをさらに盛り付けそのままソファーの茶の間へ運んだ。

 

完成したドーナッツをテーブルに置きそれをほおばりながらテレビをつける。
でも正直、ミッドの放送番組ってあまりバラエティ物が無いようなきが…
元からそう言うのはあんまり見ないけど…でもと…そのとき、後ろからかすかな隙間風を感じた。
「あ…ドア開けっ放しだ…」
仕事に疲れてうっかりしてたのか、ドアを開けっぱなしでそのままにしてたみたい…
我ながら無用心…とりあえず戸を閉めようと立ち上がる、すると扉の向こうに何か気配が…
ジィ…
「あれ…」
開きかかった扉の向こうには、ジーっと困ったような表情をして僕を見てる
ヴィヴィオの姿があった。ドーナッツの匂いにつられちゃったのかな…?
「あはは、ヴィヴィオも一緒にたべる?」
食べ物で釣って好感を得るなんてちょっとせこいけど…
「…」
ヴィヴィオはドーナッツに見向きもせず僕をうるうるとした目でずっと見つめてる。
子供とはいえ…気まずい…
「ほら…ここだと寒いから…中においで…?」
と言ったそのとき…
「…パ……」
「え…?」
「パ…パ…」
ちょっと良く聞こえなかった…
「パパァ!」
急にヴィヴィオが泣きながら僕にしがみついてきたのであった、いきなりのヴィヴィオの行動に
僕もあせって混乱する。。。。。。。それにパパって!?
「パパーパパーぁ!」
「わかった…わかったからおちつこ…ね?」
「やぁ!パパー!」
こ…困った…どうしよう…
こうして今日の夜はドーナッツどころの騒ぎではなくなってしまった…
それにしてもパパって…まだ僕…19歳なんだけど…(汗)