魔動戦記ガンダムRF_00話

Last-modified: 2011-08-13 (土) 22:44:26

その赤い瞳の少年は、少女との約束のため理不尽なな力に立ち向かい、少女の心に温かくかけがえのないものを植え付けた。

 

その紫の瞳の少年は、自分を家族と呼んでくれた人たちの為に、ある悲しみに暮れる魔導書の運命を変え、魔導書の主とその守護騎士達に強い絆を植え付けた。

 

のちに“種”の名を冠する物語の主人公になる二人の少年は、魔法使いが世界を駆ける世界でたくさんの“奇跡”を植え付け、自分たちの世界へ帰って行った。
そしてその奇跡は、やがて大きな芽を出し、沢山の“花”となって“種”の物語の登場人物達の心を彩っていく…。

 

ある少年は自分の本当の“正義”を見つけ、
ある少女は“獅子の娘”として世界を正しく導き、
ある少年は、自分にも“明日”があることを知り、
“王道ではない”者達は“王”との出会いで歴史の表舞台に立ち、
“混沌”と“深淵”と“大地”の申し子達は、未来を掴むため“覚醒”し、
“永遠”の歌姫は幼い日に負った心の傷を乗り越え、再び戦うことを決意し、
気高き“鷹”は、失った記憶を取り戻し、ふたたび羽ばたいた。

 

それは、星の海を駆ける“機動戦士”達が、時空を超え、“魔法使い”に力をもらい、数多の世界を駆け抜ける物語。

 

それは、ある父親が妻と娘を嘲笑った世界を憎悪し、世を滅ぼす“魔王”になる物語。

 

それは、“星を見上げる者”が“祝福の風”を受け、“星天の王”になる物語。

 

それは、“運命”の戦士が、“閃光の剣”を手にいれ、世界最強の“光の守護神”になる物語。

 

それは、蒼い翼を失った小鳥が、魔法使いに“心”の籠った桜色の翼をもらい、再び“自由”な空へ飛び立つ物語。

 

「闇の書事件」から7年後、第10管理外世界コズミック・イラ。
C.E73年7月某日…。
ユニウスセブンがある宙域のデブリ帯、そこに一機の巨大人型兵器「ジン」がやってきていた。
「へっへっへっ、お宝お宝♪」
ジンにのるパイロットの丸いレンズのサングラスの男は小さなジャンク屋ギルドに所属しており、今回はデブリ帯に浮いている兵器の部品などを集め、お金に換えるためやってきていた。
「おー!いろいろ流れ着いてやがる…こりゃ今日はうまい酒が飲めそうだ!」
サングラスの男は意気揚揚とデブリ帯に浮く兵器の残骸を次々と集めていた。
「これも連合がユニウスセブンに核をぶち込んでザフトと戦争をおっぱじめてくれたお陰だな♪」
サングラスの男はそう言いながら半壊しているユニウスセブンを見る。
「あーあ、また戦争でも起きねえかなー、そしたら俺も毎日うまい酒が飲めるのに…。」
男がため息交じりに呟いたそのとき、突如ユニウスセブンの方角から7つの光が円を描くように点滅していた。
「ん?なんだ?」
男はモニター越しにその光景を目撃し、その場から動かずにその光の動向を見守っていた。
すると光は軌跡を描きながら動き出し、やがてユニウスセブンを包み込み、巨大な球体となった。
「は、はあ!?なんだありゃ!?」
驚く男を尻目に球体はどんどん縮んでいき、やがてその場から消えてしまった。ユニウスセブンごと
「!?!?!?!?ど、どうなってんだ!?な、なんかやべえ!は、はやく…!」
男はその場から逃げるようにジンのブースターをふかした…。

 

数時間後、ユニウスセブンが消失したニュースは瞬く間に地球圏全体を駆け巡った。
人々はテロリストがユニウスセブンを地球に落とすため新兵器を使って消したとか、ブルーコスモスがプラントの人々を消し去るための新兵器の実験のためユニウスセブンを消し飛ばしたとか、羽クジラがユニウスセブンを持ち去ったなど様々な予想を立てたが、誰も真実に近づくことは出来なかった。
そのような時、地球にある中立国「オーブ」が、世界中の政府高官を集め会議を開きたいと各国に連絡し、各国の高官達はそれに応じ、次々とオーブに集まっていた。
そしてそれはプラントも例外ではなく、プラントの最高議会の議長、ギルバート・デュランダルは新造艦「ミネルバ」と共にオーブへと向かった。

 

コズミックイラの人々は、これらの出来事が後に世界を跨ぐかつてない動乱に繋がるとは思いもよらなかった、ただ一部の人間を除いて…。

 

魔動戦記ガンダムR Fortune

 

“運命の女神”がほほ笑むのは、世界を滅ぼさんとする魔神なのか、世界を守らんとする機神なのか。