「……むかつく」
「何が?」
「むかつくってんだよおおおおっ!」
「あああっ、うるせーんだよお前!」
パトリック・コーラサワーは、現在二度目の入院中である。
常人離れしたその回復力によって、怪我はとっくに完治しているのだが、なにぶん絶望ビームの何じゃそりゃーから全く出番がスッカラカンなので、この『コーラサワー主人公でW作り直そうぜスレ』においても、どーにもこーにも動かしようがなく。
「とにかくムカツクんだよおおお、ガキや女の涙でごまかすような話なら俺を出せってんだよおおおお」
「お前、わけわからんようになってるぞ」
「人革連ばかり取り上げやがってえええ、一番最初に出てきた敵キャラは誰だと思ってやがるうう」
「ユニオンの乙女座だろ」
「違う! イナクトに乗ってた俺だ!」
ちなみに、今日のお見舞いはデュオ・マックスウェルである。
人当たりがよく、軽妙洒脱でシャレに富んでいる彼は、どーしてもこういう時損な役回りになってしまう。
ぶっちゃけた話、デュオとならコーラサワーとタイマンで会話が成立するが、他のガンダムパイロットではそーはいかないのだ。
「しかも次回はアレだかハレだかの回なんだろ? ならまた人革連の回じゃねーかっ!」
「監督か脚本家に直接文句言えよ」
「で、たぶんその後はユニオンかあの蟻に違いない。おらあ、スペシャルな俺とAEUを出せよ!」
「だから俺に言うな! このバカのバッケンレコード野郎!」
デュオとてババを引いてまでコーラサワーの見舞いになんぞ来たくない。
そんなの当たり前田のクラッカーである。
だが、病院側から「うるさいんで何とかして下さい」と度々苦情が来る以上、誰かがコーラサワーの相手をしなくてはいけない。
一応病院は政府関係者が使う立派なところで、所謂御用達というやつ。
苦情程度で済んでいるのは、正味の話、病院側が今後の政府との関係を考えて譲歩しているのであろう。
「だいたいよ、向こうで活躍しなきゃこっちの俺はどーしたらいいんだよ?」
「そんな内輪な話知るか! 好きにすりゃいーだろうが、マジシャンでも狩人でもアイドルでもたまねぎ剣士でも何にでもなれよ!」
「……」
「真剣に考えんな! 三十路手前の癖して!」
「三十路言うな! 俺はまだ28だ!」
「四捨五入すれば30だ! 丁度いいだろ、大雑把なあんたらしくて!」
「……」
「な、何だよ急に黙り込んで」
「あのバ○シードガールズってよ、内心では絶対『はー、つまんねー仕事』って思ってるよな」
「いきなり何の話だよ!」
「つうか、あのコーナーでちょっとでも楽しんでやってるのは男のガキくらいだろ?」
「だから何の話だ!」
まったく、何の話やら。
しかし正直、もうネタが枯渇してきたわけで。
いつまでもプリベンターとコーラサワーに軍事施設の後片付けをやらせとくわけにもいかず。
かと言ってダブルオーから迂闊に他のキャラも引っ張ってこれない。
ほんと、どーしたらいいのやら。
「あの……検温のお時間です」
「お、いいところに来たなねーちゃん。あのガンガンガ○プラだけどよ、ぶっちゃけ玩具の宣伝にしてもオソマツだよな?」
「看護婦に聞くな! 看護婦に!」
プリベンターと看護婦とパトリック・コーラサワーの心の旅は続く――
【あとがき】
今日の回で改めて確信しましたコンバンハ。
これはもう今年中はコーラサワーさんには会えませんねサヨウナラ。