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Last-modified: 2012-02-09 (木) 04:15:23
 

これほどの艦隊を眺めることになろうとは、想像もしなかった。
先のコロニー群奪回作戦以上に壮観な光景である。
我々はいま、宇宙要塞ボアズへと進軍している。
ロンデニオン共和国の艦隊だけでも、2個戦隊半という戦力の大半を投入している。
全体では500隻という大艦隊だ。
一年戦争の時でさえ、これほどの艦隊が進軍することを見たことがなかった。
観艦式にも縁がなかった私は、自分が少し昂揚している事に気付く。
何だかんだいって、俺も軍人だと言うことか。

 

司令席で進軍の様子を見ていると、同じように昂揚した面持ちで進軍の様子を見ていたメランが
話しかけてきた。この手の大規模な軍事行動では、特にすることのない間がある。

 

「しかし、改めて今作戦における立ち位置は、喜ぶべきなのか憤慨すべきなのか、判断に困りますなぁ」
「確かにな。予備戦力という立場になることはできたが、共同で行動する部隊が癖者すぎる。
 それに、予備戦力と言うことで余裕を持たせておいて、ボアズ攻略後にこき使われてもかなわない。
 あの総司令はやり手のようだ。臨機応変と称して、色々方針を変える可能性はある。
 だから、参謀長には月面に残ってもらったのだ」
「ま、特例的ではありますが、オーブ側やEEFも高官を派遣しているようですし、良いでしょう。
 そもそも指揮命令系統や法律上の運用がややこしい状況なのは確かですから」

 

「艦長、先発の第7艦隊ビラード中将から入電です。まもなく要塞の警戒ラインへ進入、戦闘行動にはいる」

 

その連絡を聞いて、ハルバートン少将が私に顔を向ける。

 

「ビラードは愚かな用兵はしません。こちらも奇をてらわず定石通りに動けばいいでしょう。
 もっとも、この戦力差です。奇策をする必要はありますまい」
「ま、そうですな」

 

今回の作戦で第3戦隊は、半分をコロニー防衛に、残りを各戦隊に臨時編入しているので、
戦隊司令の少将が、月面に赴き不在の参謀長代行を務めている。

 

「艦長、連合第7艦隊がNフィールドに進入しました。
 続けて連合第1、第2、第6艦隊も15分後には戦闘空域に突入します」
「いよいよですね」

 

オルトヴァン中佐が、襟を正す。
彼は一年戦争後に軍へ入隊しているので、これだけの大規模戦闘は初めてだろう。

 

「ああ、そうだな・・・。全艦に発令、警戒態勢から第一戦闘配置へ移行!!」
「了解、各艦に連絡!」
「戦闘ブリッジ開け!!」
「各位は順次戦闘ブリッジへ移動急げ!」

 

艦内にアラートが鳴り響いていく。緊張感が艦橋を包みこんでいく。

 

「まずは、連合軍の戦い振りを見るとしましょう」

 

メランがノーマルスーツのヘルメットを脇に抱いて、戦闘ブリッジへ滑り込んでいく。
その言葉を聞きながら、私は経験のない役割に緊張を感じはじめていた。

 
 

失いし世界をもつものたち
第34話「ボアズ攻略作戦」(前編)

 
 

2週間前、攻略作戦に関する打ち合わせのために、
月面のプトレマイオス基地にて軍の首脳会議が行われた。
連合軍を構成する各国軍艦隊首脳との顔合わせである。
文民は国防相のみで、連合軍とEEF、オーブ、ロンデニオン共和国の軍首脳と実戦部隊指揮官が集結した。
連合国防相は、ヴァン・トソンは解任され、後任にEEFの国防相であるアルフォンス・トレルチが
暫定的に就任している。

 

国防相の両脇には、立場上元首である私と、オーブ女王に就任したカガリ・ユラが座る。
色々あったようだが、結局のところオーブ軍は、カガリ・ユラが自ら出陣するそうだ。
ユウナ・ロマは、さぞ胃を痛めていることだろう。
そう思っていたところ、外相兼任のままオーブ軍大将として副司令官を務めるということを聞いた。
恐るべきは君主制国家だ。もはや同情の念しか浮かばない。
心なしか痩せているように見える。私自身やや不安を感じることは、
今回ずっとサポートとして相談役の役割であった、クワトロ大尉とトゥース参謀長が後ろの座席にいて、
その場で相談できないと言うことだ。
もっとも、座席的に隣に国防相がいる手前、近くにいてもできたかは疑問だ。
もちろん、先に作戦案を配布されており、問題点として我々が言わねばならないことは
決まっているのではあるが。

 

会議室は長方形に机が配置され、角にあたるところでは斜めに机が設置されている。
斜めの机には、連合軍参謀総長司馬敬元帥、総司令マクファースン元帥、総参謀長江天祥大将、
その向かいに連合宇宙艦隊司令長官ルパート・キャナダイン大将と
EEF宇宙艦隊司令のエーバーハルト大将が着席する。
長い部分には実戦部隊の司令官と参謀長、副官が座る形だ。

 

会議にそろった面々は心中複雑であることは否めなかった。
一度ならず交戦した勢力や、元は同胞だったのが分裂し、
さらに再統合という経緯を経ての顔合わせである。
会議前に会食がなければもう少しぎすぎすしていたかもしれない。

この作戦立案者にしてみれば、旧連合軍の指揮系統はそれほど問題がないが、
一度分離したEEFや我が国、そしてオーブ軍の扱いは面倒であると言わざるを得ないだろう。
私が担当者だったら匙を投げたい気持ちにさせられるだろうな。

なにせ500万人を越える人間の指揮命令系統を可能な限り摩擦なく整え、
武器弾薬食糧の補給計画を作成しなければならないのだ。考えただけでも、参謀たちには頭が下がる。

 

連合軍総参謀長の江天祥大将が連合宇宙艦隊参謀長のヨセフ・ムルンバ中将に、
立ち上がり部隊構成の説明を始めさせる。
本来なら後方参謀か副官の役割ではないかとも思ったが、この達磨のような体型の黒人参謀長は、
体型に似合わず自分で動く人なのだろう。

 

「まず、実戦部隊の構成について説明したい。
 総指揮はマクファースン元帥がコペルニクス基地で執る形となる。
 一方で、実際の前線では宇宙艦隊司令長官ルパート・キャナダイン大将が執る。
 ちなみに閣下は連合軍第1艦隊司令も兼任する。続いて連合軍第2艦隊はアンリ・フェイル中将、
 第6艦隊はバーナード・グレイス中将、第7艦隊はチャールズ・ビラード中将、
 月面に予備戦力として第4艦隊エレン・ジョイス中将が待機する。
 予備戦力投入時は、第4艦隊をマクファースン元帥が指揮する場合もあり得ることを承知されたい」

 

私は左手に座る司令官たちの姿を眺める。
北アフリカの移民系フランス人というフェイル中将は、旧フランスの理念の信奉者で、
人種意識丸出しのコーディネイターに批判的でブルーコスモスに属しているという。
グリマルディ戦線での撤退戦で高い評価を得たそうだ。
会食では取り立てて主義者であるようには見えなかった。
自信の実力と誇りが過不足なく満たされた壮年男性との印象が強い。

 

第6艦隊のグレイス中将は、元合衆国市民でメソジスト系プロテスタント移民を祖に持つ白人男性で
第7艦隊の副司令から転任した人物だ。祖先と異なり全く宗教的な関心は希薄な人物である。
軍部では機動戦術のエキスパートとされていたが、MS戦術に苦戦を強いられてたそうだ。
それでも、フラガ少佐らメビウス・ゼロ部隊の編成に関わっているので、
決してやられっぱなしではなかった。だからこその昇格だといえる。

 

予備戦力を預かる、ジョイス提督は女性であることをあまり強調しない人物で、
任務にきわめて忠実な軍人に見える。
後で聞いたのだが、他人に好まれない任務を積極的に務めることで昇格したのだそうだ。
今回もやや軍事的なロマンをかき立てられる作戦で、後方任務を黙々と受け入れている。
実戦経験については申し分ない面々をそろえているようだ。

 

「艦隊番号に欠如があるのは、EEFに離脱した戦力があるためであり、
 これが現有連合軍宇宙艦隊の総戦力である。EEF艦隊の戦力は以下の通りだ。
 EEFは、宇宙艦隊司令長官兼第1艦隊エーバーハルト大将、
 同司令には後述するブライト中将とともに全軍の副将を務めてもらいます。
 第2艦隊エクスマス中将、第3艦隊本多中将、
 アルテミス要塞に予備の第4艦隊アルノルト・ヴァロ中将が待機する。
 この艦隊はロンデニオン共和国及び周辺宙域警戒を担当する。
 他にもコロニー駐留艦隊が場合により戦力を抽出し、後詰めとする」

 

こちらは先の作戦や、この数ヶ月気心も知れている人物たちだ。
特に、エーバーハルト長官やエクスマス提督、本多提督とはかなりの信頼関係を気付くことができている。

 

「そして、我々のジョーカー、つまりは前線予備戦力はブライト中将に指揮をお願いする。
 部隊はロンデニオン共和国艦隊、ウィリアム・サザーランド少将指揮の連合軍第1特務艦隊、
 ネヴィル・ボース准将指揮の第2特務艦隊、カガリ・ユラ・アスハ女王率いるオーブ宇宙艦隊、
 以上である」

 

私は改めて不安を感じずにはいられなかった。
サザーランド少将は半ばお目付役なのだろうが、それにしてもオーブ艦隊を統率しなければならないのか。
しかもカガリ・ユラが指揮している艦隊を、である。
私の懸念などよそに、参謀長が作戦概要の説明を続ける。

 

「我々は今挙げた連合艦隊とEEF艦隊、ロンデニオン・オーブ混成艦隊を主戦力にボアズを攻略、
 その後にヤキンに攻勢をかける。
 その段階で政府がプラント政府へ最終勧告を行う。それに応じない場合は、プラント侵攻となる。
 最初の目標をボアズとした理由は、コロニーの安全確保とヤキン及びプラント攻撃のための
 前線基地を確保するためだ。
 故にボアズ基地は可能な限り基地機能を確保して制圧したい。
 占領後は東アジア共和国政府の管理となり、連合軍へ貸与される。
 さて、ボアズ要塞に関しては、敵に対して圧倒的な戦力を用意している。
 艦隊をふたつに分け、挟撃する。その次であるが・・・」

 

連合軍の方針は、まずオーソドックスな戦法であると言っていいだろう。
どことなく星一号作戦を想起させられる。これはこの戦力で立案するのであれば当然の帰結だと思う。
大軍で行動する場合は、複雑な連絡を要する行動より、明快な行動にした方がわかりやすかろう。
また、参謀長の方針を聞くに、ボアズでは戦力消耗は避けたいようだ。
ヤキンが主目標なのだろう。我々の役割は、戦線崩壊へむかわせるためのとどめである。
その証左にNジャマーキャンセラーを利用して核兵器を配備した部隊を回しているし、
高性能試作機の部隊も集中している。
核兵器は、この世界では条約などで使用禁止規定がない以上、配備も当然のことだろう。
主力に配備しなかったのは政治的な理由と、基地機能を確保したいので、
使用を控えたいという気持ちもあるのだろうと思われる。

 

「・・・以上が、プラントを攻略する場合の作戦方針である。以上が、概要となる。
 作戦名はエルビスとする」

 

参謀長は説明を終えて着席する。それを受けて、司会のトレルチ国防相が議事を進める。

 

「ムルンバ参謀長、ありがとう。本会議は不明点などに関しての議論である。
 基本方針については変更はないが、戦術レベルについてはまだ検討すべきところ、
 修正すべきところが実戦部隊の指揮官諸君にはあるだろう。活発な議論を期待したい」

 

一同は手元の書類に目を落としたり、腕を組んだりして切り出す機会を窺っている。
連合なりEEFの指揮官にすれば、上層部の基本方針に対して一番始めに何か述べるのは
いろいろな政治的思惑が絡むだろう。
そういうわけでもないが、やはりまっすぐな人物が切り込む。

 

「オーブ代表のカガリ・ユラだ。予備戦力と言うことだが、参謀長の言葉を聞くと、
 ボアズでは戦力温存を希望しているように聞こえる。
 場合によっては我々は戦線に参加しないと言うことで良いのか」

 

その言葉に、キャナダイン大将が苦笑いをこらえながら反論する。

 

「予備戦力を投入するかどうかは、前線指揮官である私の判断だ。
 だが、まだ全体の戦というものに慣れぬ貴女に指摘しておくが、
 戦線を早期に収束させるためには予備戦力を適切なタイミングに投入するのが上策なのだ。
 アジアのテーブルゲームに将棋というものがあるのはご存知か?」
「ああ」
「予備戦力というのは、言うなれば相手から奪って未配置の手駒なのだ。
 相手を詰みに追いやるためには、女王にはボアズにおいても動いていただく」
「確かにそうだ、不勉強を謝罪する」

 

キャナダイン大将がその姿勢に態度を改めた。

 

「いや、自国艦隊の扱われ方に懸念を示すことは正しいと思います」

 

後ろでユウナ・ロマが頭を抱えている。カガリ・ユラの真意がいまいちつかめないが、
オーブがいかに扱われるのかが不安なのだろう。
彼女は良くも悪くも正直なのだ。

 

「第2艦隊のフェイルです。すでに核兵器の使用に関して大きな制約がない中で、
 あえて予備戦力にのみ核兵器を配備したのはなぜか?
 最初のミサイル攻撃で核を使用すれば、想定よりも友軍の被害を低く見積もれはしないか」

 

この意見に、何人かの幹部が緊張する。
物腰は柔らかだが、彼がブルーコスモスのシンパであることが念頭にあるのだろう。
キャナダイン大将が説明する前に、グレイス中将が苦笑いする。

 

「そりゃ、羽鯨みたいな意思疎通ができるか解らない地球外生命体が相手ならそれで良いだろうが、
 君と違って上は人間相手の戦争だと思っているからだろう。
 核を使う意味がわからんわけでもあるまい。地上ほどではないが」
「そうだ、軍事施設相手に放つのだ。私は別にプラント本国にぶち込めと主張しているわけではない。
 政治的にも影響は限定的のはずだ」

 

その発言を受けて本多提督が批判する。

 

「フェイル提督、我々は軍事の専門家としての視点があるだろうが、政治家にも為政者としての視点がある。
 そこは多くの場合、一致が容易ではない。
 けれども我々は彼らの方針の範疇で職責を任せられているにすぎない。
 彼らと国防省と参謀本部の判断は、核兵器を押さえにしたのであれば、そこには理由があるのだろう。
 もうひとつ、私は用兵家の視点として、宇宙空間での核兵器は要塞攻撃以外で
 それほど決定的な役割があるとは思えない。
 後始末を考えれば面倒なことになるだけだ。前線基地として使用するということを忘れてはならない」
「ふむ、そこはそうだな。だが、問題提起として受け止めて欲しい。
 軍人として規制がない以上、道具は使い方という意識でいるべきだ。
 私がコーディネイターに反感を持っていることは事実だが、
 まず前提として戦争終結のために最善を尽くすべきだという姿勢であると理解されたい」
「そのことを疑う者はいないよ、提督。だが、文民を代表して言わせていただければ、
 現時点での核兵器使用は政治的に自重するという方針だ。
 但し、それはあくまで現時点での試算では、使用せずとも勝利が可能であると判断しているからである。
 諸氏を過小評価するものではないが、戦端が開かれれば想定とは異なる事態になることはあろう。
 そのときは使用する。
 貴官の言うとおり、道具は使い用だ。そのための核だと理解されたい」

 

国防相が、フェイル中将に対して核兵器の使用提起に対する最終的な回答を述べる。
この新国防相は、常識的な人物のようだ。マクファースン元帥がやや強硬派よりというけれども、
司馬参謀総長や江総参謀長との連携でうまくコントロールできるだろう。

 

「さて、核使用以外でなにか意見のあるものは?」

 

一同は、概ね基本方針には異論がないようだ。
そうした空気を代表してエクスマス提督が発言して指摘する。
要するに戦力差を踏まえれば、この方針はそれほど問題はないと指摘し、
沈黙している理由を述べた上で方針に賛同した。もっとも、彼らしい言葉が続いたが。

 

「それに早くしないと、どこもかしこも選挙が始まるからな」

 

国防相も含めて一同が苦笑いする。
そう、これだけの臨時措置を重ねたために、来年には各国で選挙をやる手はずになっている。
この作戦が失敗しようものなら、とんでもないことになるだろうことは容易に想像できる。
エクスマス提督の言葉で、一応全体の総意はとれた雰囲気になったが、
私としては事前の計画書より明らかになっていた件で確認しなければならないことがあるのだ。
私が挙手をすると、一同の視線が集まる。国防相に促されて立ち上がって発言した。

 

「ロンデニオンのブライトです。これは、意見というよりここで明確にして欲しいことです。
 私の指揮下には、連合軍とオーブ軍が入るわけだが、両艦隊の指揮官には
 私の命令に絶対に従ってもらうようにして欲しい。
 不遜な言い方で申し訳ありません。ですが、連合軍とは過去に不幸な交戦を経験しているし、
 オーブ艦隊の総指揮は私と同じく国家元首です。
 そこは確約が欲しい。戦局を決するべき戦力が、統率に難ありでは諸提督方におかれても不本意でしょう」

 

だいたい、サザーランド少将などというブルーコスモス最強硬派をこちらに回すこと自体がばかげている。
向こうには向こうの言い分はあるのだろうが、任された方はたまったものではない。
カガリ・ユラについてもそうだ。それにユウナ・ロマもいる、好きに動かれてはたまらん。

 

「もっともなご意見だ。連合宇宙艦隊司令長官の責任において、
 両特務艦隊指揮官には提督の命令に従うことを徹底させよう。
 そしてこの世界で見せた獅子奮迅の役割を期待している」

 

キャナダイン大将の言葉に安心する一方、こき使ってやるぞという意志も伝わり、私は無言でうなずく。
マクファースン元帥が続ける。

 

「今は友邦なのだ。その心配は不要と思われたい。
 サザーランド君、君がブルーコスモスであることは誰もが知っている。
 君の思いを発露する機会だからとはいえ、命令系統を無視することの無いように頼むぞ」
「もちろんであります。青き清浄なる世界のために、この戦いが重要であることは認識しています。
 そのために混乱を起こして友軍を危険にさらすようなことはいたしません」
「青き清浄なる世界のため、か。そう願うのであれば、この戦争に勝つことだ」

 

国防相が締めくくると元帥が最後に発言を求めた。

 

「諸君!!!」

 

元帥が全員に檄を発する。

 

「これだけの戦力で戦争してまともに勝てないというなら、
 我々は無能者と罵られ生涯を過ごすことになる!!!!
 国民が高い税金を払ってこれだけの戦力を用意したのは勝つためである!!!
 すでに一年間もの長きにわたり、我々は無能だの、税金泥棒だの、
 所詮はナチュラルだのと蔑まれてきたのだ!!
 そのときより我々は確実によい条件で戦うことになる。もう言い訳は許されん!!
 諸君!!勝利するぞ!!私からは以上だ。最善を期待する」

 
 

元帥の言葉に全員の気持ちが引きしまる。
あるものは戦争を純粋に終結させるために、あるものは青き清浄なる世界のために、
そして我々は戦後の安定によって帰還の方策にメドをたてるために、
この戦いを終わらせねばならないのだ。