Seed-NANOHA_140氏_第12話_前編

Last-modified: 2007-12-23 (日) 03:41:19

いつもと変わらない休日。

「シーン!ゲームしようぜ、今日こそあいつぶっ飛ばしてやる。」

「分かったから腕引っ張るな。」

いつものようにヴィータの遊び相手にされるシン。

「今日の晩御飯どないする?」

「そうですねえ・・・たまには中華もいいかもしれませんね。」

一方で今日の夕食を早めに決めているはやてとシャマル。

庭ではシグナムが素振りをしていて、縁側ではザフィーラがひなたぼっこで昼寝をしている。

そんな中またもや彼らは来た・・・・・

「みんな、急いで!ちょっと大ピンチ!!」

いきなりエイミィからの念話が響く。

「また傀儡兵が出てきちゃった。それも海鳴市内に!!だから急いで現場に向かって!!」

いきなりの傀儡兵の出現に、すぐに家を出る一向。しかし・・・

「はやてはどうするんだよ。リィンは今日メンテが終るんだろ?」

「ほなけんうちはいったんシンと一緒にアースラに行くけん後はお願い。」

そのなかで急げばいいのだがどうすれば言いのかわからないシン。

とりあえずアースラにいってデスティニーを起動させなければいけない。

一方そのころ、シンがいないコズミック・イラでは現在最終決戦が行われていた・・・・





「くっ・・・そんな・・・」

キラ・ヤマトは動揺していた。

今目の前にいるMS、レジェンド、それに載っているパイロット自らが言った言葉。

「俺は、ラウ・ル・クルーゼだ。」

ラウ・ル・クルーゼ。2年前に自分が倒した相手が何故ここに。

キラの動揺は向こうから丸見えで、レイはさらに言葉を畳み掛ける。

「人類のすばらしき結果・・・キラ・ヤマト・・・・お前は生きていてはいけない!!俺とお前は、ここで消える存在だ!!」

キラはこの言葉ではっとする。

彼もまたクルーゼと同じクローンなのだ。

さらに、この人物は声もクルーゼそのものだが、彼とはどこか違う。そんな雰囲気があった。

「世界は生まれ変わる。議長の作る新しい世界、人類の正しき世界へと!!だからもう終らせるんだ、すべてを!!」

もう少しだ、もう少し。これで、これ以上自分達のような存在を生まれずにすむ。これ以上、人は争わずにすむ。これで・・・やっと平和が訪れる・・・・・

だが・・・・・

「ちがう!!」

キラは反発する。

「人は何だってひとつだ!!その人に決められる権利はない!!」

キラはさらにいう。

「君の命は君のものだ!彼のものじゃない!!」

その言葉は、レイの心に深く響いた。

「え・・・・」

キラの言葉をきいて動揺するレイ。

キラはすかさずすべての砲門をレジェンドにぶつける。

それをよけようとしたのが間違いだった。

「!!!」

腹部のカリデュスがレジェンドの動力部に直撃する。

光に飲まれて爆散するレジェンド。

だが、その光はどこか優しさがあるようにレジェンドとレイを包んでゆく。

それは、彼をどこか別の場所へ導くように・・・・・

キラは、ただそれを見つめるしか出来なかった。





「!!前方にミネルバ!!」

アークエンジェルのブリッジに戦慄が走る。

前方には、タンホイザーを構えているミネルバがいる。

「回避!!」

すぐさま命令を出すマリュー。だが・・・

「だめです!!間に合いません!!!」

ノイマンがそういうが早いか、タンホイザーは放たれ、それはまっすぐにアークエンジェルを貫くはずだった。

しかしアークエンジェルの前に金色に輝く機体が割り込んできた。

「うおりゃああーーーーー!!!」

ネオはヤタノカガミを使いンホイザーを受け止める。

目の前にまばゆい閃光が迫っていく。

「なんだ・・この感じ?・・・」

ネオ・ロアノークは困惑する。

以前にも、こんなことをしたことがあると。

そのときに、不意に思い出した言葉。

(へへ・・・やっぱおれって・・・不可能を可能に・・・・)

その言葉が、彼のすべてを思い出させる。

「そうだ・・・俺は・・・」

しかし、そのときタンホイザーとは別の光がアカツキを包む。

しかし、ネオはそれがわからない。

「俺は・・ムゥ・ラ・フラガ・・」

そういい終わったときにはすでにアークエンジェルの目の前にアカツキはいなかった・・・・





「いくよ!レイジングハート!」

(レディー)

なのはは地上にいったん降り、杖を上空にいる傀儡兵に向けた。

レイジングハートから薬莢が飛び、レイジングハートの前に円陣が現れ・・

「ディバイン・・・バスターーーー!!」

なのはの掛け声とともに放たれた光は、瞬く間に傀儡兵を飲み込んでいく。

しかし・・・

「まだでてくるのー?」

さっきから片っ端から破壊していっても一向に減る気配がない。

さらに言えばなのはは砲撃専門の魔術師。むやみに攻撃して町を傷つけたくはない。

だからこうやって低位置から攻撃をしている。

「はあぁーーーー!!」

そこに黒い服を身にまとった少女が、ひとつの傀儡兵に向かって切り払った。

「フェイトちゃん?」

そして、アルフも駆けつけて傀儡兵を殴りつけて戦闘不能にする。

ある程度一掃した後フェイト達はなのはと合流する

「別のところじゃシグナムたちが頑張ってるけど・・・この数・・・」

「うん・・・ちょっと異常すぎるかも・・・・」

今までとは違い、市街地に送り込まれ、なおかつこの数。

さらには今回出現した傀儡兵は、ジュエルシードの戦いのときに、プレシア・テスタロッサが送り出した傀儡兵と同じだった。

「今回の事件、母さんの関係者が関連してるのかな?」

不意にそんなこと言い出す。

そう思うと、フェイトはやりきれない気持ちだった。

「フェイト・・・・」

アルフが主であるフェイトを心配する。

なのはも友を案じ、勇気付ける。

「もしそうだとしたら、お話聞いてとめたらいいよ。」

そのなのはの声に勇気付けられるフェイト。

「だから今はあれを吹っ飛ばそう!!」

なのはの言葉に頷いて上を見るフェイト。

そこへ・・・

「なのはちゃん聞こえる?」

アースラからエイミィの声が聞こえる。

「どうしたんですか?」

「それが・・・・結界張ったのはいいんだけど・・・・一般人の反応があって・・」

それを聞いて驚くなのは。

「さらにやばいことに・・・傀儡兵に追われてるから早く行ってほしいの。今なのはちゃんたちがいるところが一番近いから。」

それと同時に、また出現する傀儡兵。

「なのは、行って。」

フェイトがバルディッシュを構えて言う。

わかった。といってなのははその場を後にする。

フェイトはバルディッシュを構えてサイド上を見る。

「いくよ、アルフ。」

「あいよ。」

アルフは腕を鳴らしながら上を見る。



「確かここいらだったよね・・・・」

なのははエイミィが指示した場所へと向かう。

傀儡兵に襲われてる人のために早く行かなければ、そう思い全速力で飛行しながら探す。

そして、やっとこのとで傀儡兵を見つけた。

確かに傀儡兵に追いかけられてる人たちがいた。

飛行型でないのが救いだった。

だが・・・・

「うそ・・・」

なのはは信じられないといった感じで現状を見る。

魔法も知らないはずの民間人が、傀儡兵と戦っていた。

さらに言えば、戦ってるのが自分の父親と兄であることにも驚く。

後ろには、母と友達のアリサとすずかにその姉である忍を守るようにいる自分の姉も姿もある。

なのはは今日家族ですずかたちの家に招待された。

それでこのメンバーで外へ出かけていたときにアースラから通信があり現場にきていた。

ただ、閉じ込められたのが家族と友人でいろんな意味で助かった。

家族や友人には魔法のことを話しているので、本当のことを話せる。

「っと、早く助けなきゃ。」

つい家族が傀儡兵に立ち向かっているのに見とれていていたなのは。

だが、流石にいくら鍛えている家族でも傀儡兵を倒すのは無理だろう。

なのはは集中して自身の周りにいくつかの球体を出し。

「アクセル・・・シューター・・・シュート!」

かけ声とともに球体は加速的に傀儡兵に向かい、命中、爆発した。

いきなりのことで戸惑った士郎と恭也だが、ふと上を向く。

「なのは?」

家族と友人はきょとんとした顔でなのはを見る。

家族が無事でよかった。

ほっと一息ついたなのはは家族の元へ向かう。

「みんな大丈夫?」

ああ、とあっけにとられて言葉が出ない家族。

「なのは、その服、何?」

美由希が不意に答える。

そういえば、魔法を使って、仕事をしているとしか伝えていないことに気付いたなのは。

「えーと・・・これは・・・」

どのように言えばいいのか困る。

そのとき、さっきの爆発に反応したのか。数体の傀儡兵が来た。

とりあえず、今は家族を守らなくちゃ、そう思いレイジングハートをバスターモードに変更する。

説明は後で出来る。今はこの大切な人たちを守ることが大切。

「いけえぇーーー!」

もう一度ディバインバスターで傀儡兵を一掃する。

それをぽかんと見つめる一同。

士郎と恭也が倒せなかったもの、それも複数をなのはは一撃で倒した。

士郎がつぶやく。

「たくましく育ったもんだ・・・」

士郎が、自分の娘の成長を素直に言った。

傀儡兵を倒し、みんなを避難させようとしたそのときだった。

けたたましい轟音が響く。

皆が音のほうへ向くと、今までの傀儡兵とは比べ物にならないくらい巨大な傀儡兵がいた。





なのはは以前この傀儡兵と戦ったことがある。

だから知っている。この傀儡兵の持つ強固なシールドを。

以前はフェイトと二人がかりで倒したが、今では一人で倒すことはそう難しくはだろう。

だが、皆を守りながらというのは少々難しい気がする。

そして、傀儡兵の肩にある巨大な砲門がなのは達に向けられる。

なのははとっさにシールドを張る。

避ければ皆が危険になる。

流石のなのはも、これほどの人数を守るシールドを一人で作るのは疲れる。

しかし、弱音を言ってられない。ここが正念場。

これを耐えて、家族を危ない目に合わせたくれた代わりに、渾身の一撃をぶつける。

そう決意したときだった。

上から急に大きい何かが降ってきた。

それは傀儡兵のちょうど、真後ろに落下した。

その直後、傀儡兵の動きが止まる。

「え?・・・」

いきなりのことで、ついシールドを解除してしまう。

さっきまで傀儡兵の砲門から蓄積されていた魔力が消え、そのまま縦に真っ二つに割れて爆発した。

爆発の突風で吹き飛ばされそうになるが、急遽シールドをはってそれを防ぐ。

後ろを見ると皆も無事だった。

すぐに何が起こったのかと思い前を見る。

そこには、煙でそこまで良く見えないが、デスティニーが巨大な剣をもち、着地体勢をとったままこっちを見ている。

その身体の色を、青から漆黒のような黒に変えて・・・・