Tradition/ガウニレイエ

Last-modified: 2022-07-13 (水) 14:11:51

基本情報

  • イデア名:Gaunieriee(ガウニレイエ)
  • 身分:月の司祭

古代クオラトス帝国の月の司祭を務めていた女性。ガウニレチカの双子の妹。

 

姉が情熱でもって国を支配していたのとは対照的に、あくまで論理的な視点で宗教や支配構造について分析していた。

収録弾

Tradition

No.18 月光のルチル(ガウニレイエ)

 

ガウニレイエは夢を見ない。彼女の心は決して波立つことはなく、利害のみを行動原理とする。まるで不合理の塊にも見える帝国の規範にさえ、社会運用の観点から合理性を認める。脅しには損失覚悟で唾を吐きかけるのも、滅ぼすべき者に微笑みかけるのも、正論をしばしば罰して見せることも、すべて計算と理性の元で行っている。姉の夢想的な話もロジカルに読み解けるし、それどころか自分のロジックも司祭らしい言葉に織り変えられる。

 

ただ、死についてだけは知らない。永遠の未知だ。それが何なのかは知りようもない。しかし帝国という熱病患者の群れのなかで、臆病者に容赦がない姉のそばで、死を恐れても良いことは何一つない。だから恐れない。

No.78 清冽のムーンストーン(ガウニレイエ)

 

人は人の世界にしか生きていない、とガウニレイエは内心で喝破する。断じて神の世界にではない。それは人工の概念だ。神を支持するのは人間だけだ。姉は言う、偶然にしてはあまりに豊穣な自然の機能美そのものが、それを成した神がいる証拠に他ならないと。では神という言葉は何を説明するものだというのか。人格の有無すら誰もはっきりさせようとしないではないか。愚か、言葉の形骸化以上の何物でもなし。鴉同士はカァと鳴いてカァと応える。犬は違う声を用いる。同胞で信号を共有するのが重要なのだろう。そこまで分かれば、神を信じる人々の世界での処世術もあきらかだ。矛盾する神の定義を恣意的に取り出せば、社会を望む方向に誘導することができる。姉や先代たちは無意識にそれをしてきた。ガウニレイエは意識的に行う。