Tradition/リジェカ&フスカス

Last-modified: 2021-12-18 (土) 17:49:27

基本情報

  • イデア名:Rijeka(リジェカ) & Fuscus(フスカス)
  • 身分:人間&牛人

貿易商・ポリコロニア家の令嬢であるリジェカと、その使用人であり恋人でもあったが牛人に変えられたフスカスの二人に分かれる。

 

リジェカはポリコロニア家の持つ実利とフスカスとの恋愛を打算的に両立させていた。一方のフスカスは牛人に変えられ、虐げられていたがリジェカにだけは心を許していた。
ポリコロニア家の凋落したことにより、リジェカは暴れるフスカスと共に商家にとどめをさし、二人で復興のために歩き出した。
なお、シルフィTraditionによると、フスカスは得意の経理の中で「撹乱素数定理」という魔術(?)を使っていると思われる。

 

Lost Dreamではそれぞれ個別のイデアとして収録されている。

収録弾

Tradition

No.16 猛り狂うカデンツァ(リジェカ&フスカス)

 

貿易によって財を築き上げたポリコロニア家は、母国の敗戦により航路を失ったことで凋落の憂き目にあう。敗戦賠償金のために税も増え、資金繰りに一族が右往左往する中、令嬢リジェカはただ機を待っていた。日頃から虐げられている牛頭の使用人フスカスが、侮辱に耐えかねて暴れだすのを。無能な主人たちを一掃してから怪物の心にぽっかりと空いた穴を、リジェカは容易く埋めてやれた。人間離れした豪腕に抱えられるのは心地よいが、そこに自分を委ねきらないのが支配者たる彼女の資質だ。

No.90 縛鎖豪腕(フスカス)

 

牛人へと変化したフスカスにとっての最大の痛手は、婦人方を色めかせた美貌よりもむしろ指の細さである。ペンが持てなくなった。彼が最も頼りにしていた武器は経理であったのに。リジェカが取り仕切っていた事業は後ろ暗い収支が多く、税務署の追求をかわす巧みな偽装が不可欠であった。幾通りにも記録して頻繁に入れ替え、魔術的なからくりで破綻を紛れさせた帳簿。余人に代筆を頼めるようなものではない。かと言って忙しいリジェカの手を煩わせる訳にもいかない。(リジェカは細目管理が不得手でもあった。)リジェカは特注で彼のための巨大なペンと紙を用意してくれた。隠滅すべき紙も山のように積み上がるが、手早く燃やすのはリジェカの得意とする所である。

No.96 下令するアリア(リジェカ)

 

自由恋愛が幻想であることはリジェカも心得ていた。政略結婚は単なる私欲の増大ではない。その側面もあるが、背後にはポリコロニア家に仕える使用人たちや関係各社、さらにその家族の生活がある。それを思えば、幼少期から傍らにいたフスカスへの恋情は考慮にも値しないと納得していた。フスカスの心を縛る演技に流用するのみである。父からの薫陶を忠実に内面化する一方で、フスカスの前では報われぬ愛に涙を見せる。後者の本心を前者の本心のための手段と位置づけることに葛藤はなかった。

 

ところがある日番狂わせが起きる。母国の敗戦で航路が失われ、貿易に依存していたポリコロニア家の没落が始まったのだ。利用価値のないものは即座に切り捨てろという自身の教えを、父はポリコロニア家自体には適用することができなかった。しかし彼女は違う。屋敷が潰れても身は残る。フスカスを一心同体の相棒と定め、斜陽の商家に自ら鉄槌を下す。生き甲斐は保険に複数もつべきというのが、この件がもたらしたリジェカにとっての教訓である。