このページではクモ生物全般について扱う。
クモについて
6本の足を持つ昆虫。腹部から糸を出し、網を貼って獲物を捕獲することで有名である。同種であってもオスとメスで大きく姿が違うことが多いため、分類は非常に困難である。
利用
糸は同じ太さの鋼鉄の5倍もの強度を誇る。クモ糸アーマーはその軽さからは想像もつかないほどの防御力を持つ。ただし炎によって容易に焼却され、水に溶け出してしまう。
肉はそれなりに食用になる。しかし外見的な問題や毒性を持つ種もいることから一般的に価値は低い。
どの種も触感は柔らかく、鶏肉のようである。味質は餌に左右され、周辺の小型生物の影響を大きく受ける。
巨大なタイプでもない限りまとまった肉を得ることはできないが、冒険では貴重な食料源となるだろう。小型の種をたくさん捕獲し、油で揚げて食べるとスナックのようで美味。
捕食時に獲物に流し込む溶解液は強い殺菌作用があり、この液体は汚染された物体を消毒する。クモ自身この液体を使って自分の体を掃除するため、クモ類は総じてたいへん清潔な動物である。
食性
本能的に目の前にある生物を襲って食べる。ごく一部の例外をのぞいて肉食性であり、この生物より小さな生物すべてにとって天敵であるだけでなく、糸を出すタイプの場合は自分の数倍もの大きさの獲物さえ捕食してしまう。糸を噴き出したり、足を突き刺すなどして身動きをとれなくし、溶解液を流し込む管を獲物に突き刺して、溶けた肉を吸い取る。クモに捕食された食べかすは外皮だけを残して中身が空洞になってしまうため、そのような奇異な死骸を発見したならば死骸と同等サイズ程度のクモ類が近くにいることを警戒しなければならない。
知性
非常に獰猛で単純な性格から反して、意外にも高等生物である。大きな種はなんと言語を解すことができる。ただし言語を使うという文化を持たないため、言葉を理解しているわけではないし、発声器官を持たないためにものを言うわけでもない。
自らが何者であるかを理解でき、幸運の概念も理解するためジンクス魔法を用いることがある。またそれによるテレパシズムで他のクモや周辺の高等生物と意思を疎通させることもある。
知性的な行動の象徴としては、済み良い場所に居つくという習性があげられる。彼らは安全で、餌に困らない場所をみつけると死ぬか環境が変わるまでその周辺に住み着く。したがって、ペットとして飼うために特定の場所に留まらせることは容易であるし、餌を与えてくれる飼い主を攻撃することはない(もっとも、飼い主よりも大きい場合は本能的に襲い掛かってしまう)
彼らが目の前にあるものを衝動的に捕食して食べてしまうのは単なる本能であり、知性がないわけではない。しかしながらそういった生物であることを自ら知覚しているために、その本能を疑ったり悲しむようなこともない。非常に危険な生物である。
ただし、例外的に自分の子供と兄弟だけは捕食しないようである。
繁殖
極めてユニークな方法で交配する。オスはまず生殖液を外に排出し、それをスポイトのようになっている触肢を使って運び、気づかれないようにメスの生殖孔に流し込む。交接を行うと大きいメスが本能的に襲い掛かってくるためである。しかしながら普通メスのまわりには捕食用のトラップが仕掛けられており、子孫を残せるオスは極めて稀である。
交配したメスは卵のうとよばれる繭のようなものを作り、そこに産卵する。子供は卵のうの中で孵化し、ある程度クモとしての形がととのってから卵のうを突き破って出てくる。基本的にメスは産卵した卵を守るようなことはないが、ごく一部の例外はある。
ドッグイーター(Dog Eater)
6.5フィート*1以上の大型クモの総称。
密林などに棲息し、糸で絡めとって犬さえも捕食してしまう危険生物。
テラザーン(Terathan)
強大な知性を獲得し、言葉を解し、魔法すらも容易く扱う高等知性生物。
クモ類の本能である凶暴性は健在であり、この世界における危険な生物として高位に位置する。
身体的特長
幻想の呪文で人間そっくりの姿になることもできる。獲物の種族のメスに変身して巣に誘い込んだり(言葉を発せないため、知識を持つ人間であれば回避は容易である)、金貨や財宝に化けて冒険者を捕まえたりなど、この生物の棲息区域ではあらゆる物事に疑ってかからなければ命をおとすことは必至である。
生息地
主にサベージジャングルに棲息する。大陸からグラナット海、アズール海を抜けた先、その本土の98%が密林地帯の島である。そのほか、高位魔術師によって召喚されることもあるが、極めて危険な生物であるため(特に、召喚してすぐさま色仕掛けにかかる迂闊な魔法使いが多い)その召喚術は秘伝とされている。ウィザードたちはうっかりこの召喚術のような危険なジンクスを引き当てないため、魔法大学や魔法ギルドなどの人のいる場所でジンクスの研究を行う。
生息地
樹と樹の間に巣を張る。巣に獲物がかかることもあるが、基本的に地面に降りて獲物を探して徘徊するタイプの捕食形態をとる。したがって、空をとぶ生物にとっても、陸上を歩く生物にとっても危険である。
文化
テラザーン語
彼らは声帯を持たない。したがって、物理的な音として言語を発することは不可能である。テレパシズムによって意思を疎通し、必要であれば獲物に語りかける。
繁殖形態と求愛
テラザーンは寿命が長く天敵も少ないため、そもそも繁殖の機会自体が稀である。しかしながら、大きな自然現象によって周辺地区が破壊されたり、仲間のにおいを感じることが少なくなれば、種の存続のために繁殖を行う。その方法は他のクモ類と同様である。
テラザーンはオスもメスも自分の周辺に捕食用のマジック・トラップを仕掛けており、これを突破しなければパートナーに会うことはできない。それでも繁殖しなければならない状態であるなら、テラザーンは命をかけてオスないしメスのもとへと向かっていく。
パートナーが自分の体より小さければつい捕食してしまい、大ければ捕食されてしまうのも他のクモ類と同様だが、彼らにとっては問題ではない。彼らは魔法によって自らの大きさをある程度操作できるため、お互いの体のサイズを同じように調整する。