信仰

Last-modified: 2011-09-25 (日) 20:38:33

いわゆる神と呼ばれる人たちについて

フラネスの信仰について

 フラネスでは目に見えない生命体を聖霊と呼び、信仰の対象としている。彼らの存在が現実である証拠はないが、しばしば啓示や夢のような形で不特定多数の人の前に現れる。信仰の方法は彼らの導きに従うか従わないかで決まる。つまり、「あっ根拠はまったくないけどマイアヘン様がこう言ってる気がするぞ…」というのに乗るか乗らないか、それが信仰の基準である。

無敵剣聖『ハイローニアス』

 彼は決して敗北しない。なぜなら彼の生命力は精神力であり、彼はどんなときもあきらめないので、決して敗北することはないのだ。つまり、文字通り『無敵』な存在であると言われている。

 しかし必ず勝利するわけではない。ファーヨンディのマイアヘン神承でもアンデッド化したアイウーズ軍にしどろもどろしている。彼の力が弱いわけではないのだが、彼は単に負けないだけで、特別強力なパワーを持っているわけではない人物として描かれている。絵画などで彼はヒューマンやエルフたちと等身大の存在で、彼だけが生き残って敗走している姿や、投石器に頼って攻撃しているような姿も描かれることがある。

 そんな彼に力を貸したのがマイアヘンとそのしもべ、自然神オーバド・ハイと空のヴェルニアスである。マイアヘンたちが敵をひきつけている間、彼とその妻である聖霊の女戦士ファイタンは直接ヴェナス=ユダを叩き、アイウーズ1世の軍勢を鎮圧した…というのが神承のクライマックス部である。

 剣聖と呼ばれるだけあって剣術の腕は大陸一であるという設定が通説である。『折れない剣』という別名もあり、ハイローニアスの加護あるかぎり敗北は敗北ではないという教えがパラディンたちの勇気を裏打ちする。

 ハイローニアスは戦いのあと、ヒューマンに生まれ変わっており、アイウーズとの来たるべき戦争のときに目覚め、戦ってくれるとされている。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼
  • じつは神承どおり、いまもフラネスには生まれ変わった彼がいる……生まれ変わりということではないが、彼はヒューマンやエルフ、オークに変装してファーヨンディを守っているのだ。ニセモノのハイローニアスが蔓延していることも知っているが、彼はヒューマンたちのそういう浅はかなところも好きなので放っておいている。

豊穣の花嫁『ファイタン』

 ハイローニアスの妻。神承では聖霊として描かれるが、近年の神承モノのストーリーではヒューマンの女性として描かれることもある。実はハイローニアスは男色でファイタンは男だったというとんでもない設定の本も存在する。それぐらい彼女は神承中であまり目立たない存在であるが、物語の最後でマイアヘンから黄金の鍬(くわ)をさずかり、ファーヨンディの南東に豊かな土地があると教えられ、そこにグレイホーク市を作ったという一節があるため、非常に重要な登場人物ではある。

 アイウーズとの争いの中では麻生地のような髪の色に小麦色の肌、腰までのびた髪を後ろに結わっていて、半裸(女性の場合は)で剣と盾を持っていたとされ、グレイホーク市建立後は草汁で染められたチュニックと白い農作業パンツで畑を耕している。

 彼女はマイアヘンの加護を受けた黄金の鍬を持っており、この鍬で鋤かれた畝は必ず豊作になるという。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼女
  • 変装したハイローニアスとともにファーヨンディを守っている。男の姿であることもあるし、女の姿であることもある。デーモンに襲われたとき、2人の強力なパラディンか…あるいはモンスターの姿をしているかもしれない。とにかく、つがいの何かがあなたを助けたなら、もしかしたら姿を変えたハイローニアスとファイタンかもしれない。
  • 真実の姿は巨乳の女性なので、当時はマイアヘンにやたらネチネチ言われていたらしい。
    • 「さすが女戦士だね、すごい大胸筋だ。これで攻撃を防ぐんだね」
      • 「あ、戦闘中にバッサリいっちゃったらごめんね」
      • 「むしろいっちゃったほうがいいか、敵の攻撃をかわしやすくなるし!」
    • 「ファイタン、荷物重い?持ってあげようか?あ、前の荷物は無理だけどね」
      • 「それとももぎとって運んであげようか?」
      • 「そっか、非常食だもんね。焼くときは言ってね、いつでも用意してるから」
    • 「ファイタン、お乳あげるの大変そうだね。赤ん坊3つ抱いてるようなもんだもんね」
      • 「乳首が遠すぎて赤ん坊がキリンさんみたいになっちゃうね」
      • 「授乳期が終わったら遠慮なく声かけてよ。邪魔なものもぎとってあげるから!」
    • 「ファイタン、ちゃんと口からごはん食べたほうがいいよ、乳首からじゃなくてさ。そっちに栄養いっちゃうから」
      • 「そうなんだ。口とおっぱいがつながってるなんて、珍しい体だね」
      • 「やっぱりさ、母乳で消化するの?」
    • 「ファイタンもがんばったね。これあげる。この鍬で耕せば大豊作だよ」
      • 「あ、いらなかったかな。もう大豊作だもんね。胸板が」

守護女神『マイアヘン』

 ファーヨンディ神承の最も重要な人物にして、ファーヨンディのマイアヘン教徒がもっとも信奉する存在であり、聖霊よりも高い位を持つ、『神霊』。

 神霊たちの世界…すなわち死後の世界にいて、その存在を真っ向から否定し、生物を死ななくするヴェナス・ユダにハイローニアスが苦戦していたのでしもべの自然神オーバド・ハイと空のヴェルニアスとともに降りてきた。あまりの美貌にその顔立ちを言葉で形容するのは難しいが、海よりも深く空よりも澄んだ青色の切れ長の眼はあまりの迫力い見つめられたものを凍りつかせるという。それに反して太陽のように輝く黄金の髪がまるで水中にいるかのように風もなくたゆたい、常にやさしい光が背中から差し込んでいる。この光が本体であるために、光という実体のない存在にはまったくダメージが与えられない。またこの光はアンデッドから不死の力を奪う効果があるとともに、味方の傷を癒す。激怒していると背中の光は閃光に変わる。

 この世で正しい生き方をしていれば死後の世界では位が上がり、行使できる力が増えるという。マイアヘンはその点であらゆる聖霊神霊よりもすばらしい前世を行ったため、その力は天井知らずであるらしい。マイアヘンのようになることはできないが、よりマイアヘンに近づくためにマイアヘンを見習おう!善行をして、アンデッドを浄化し、ヴィージャス教徒を滅ぼして死後の世界で偉くなろう!というのがマイアヘン教の主な教えである。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼女
  • 超貧乳を気にしている。地上の神承では大分増量して描かれているのが逆に癪にさわる。
  • 好物は乳。牛乳でも母乳でもいい。あの世にはマイアヘンに授乳する乳母が各地に用意されているらしい。もちろん乳母は巨乳のものが採用される。
  • そういう噂があるので寝所の外に出ると「言うほど小さくなくない?私のほうが小さいわー」と言われるが、そのあと部屋に戻って枕を涙でぬらしている。実は詰め物をしていたのだ。
  • 男に揉まれると大きくなるらしいと地上で噂になってますと聞いたので揉ませてみたらなんと縮んだ。その男のその後を知るものはいない。
  • 私は腋を暖めたら大きくなりましたと巨乳の侍女に言われたのでゆでたまごを腋に挟んで生活してみたら縮んだ。
  • 最近はなんか大きくしようとすると縮む法則でもあるのか。逆に縮ませればでかくなるのか?と思い立ち、配下に乳を縮める方法を探させている。でも自分で試すのは怖いので侍女で実験しているが、いまのところ縮んだという話は聞かない。
  • 思い切って男の服を着てみたら誰も男装してると気づかなかった。女神マイアヘン様ご機嫌うるわしゅう、今日も素敵なお召し物でと言った男の行方はいまだわかっていない。
  • 毎日お乳をのんでいるのにバストサイズはまったく大きくならないが、身長だけはぐんぐん伸びる。もう1700歳になるのに。成長期終わってるのに。っていうか成長期終わってるから大きくならないのか?あ?おいこら!責任者を出せ!!
ひみつ2 マイアヘン語録(神承から引用)
  • 我が名はマイアヘン、この世を守るあの世のもの…
  • 定めなき者どもよ、余とともに死すべき場所に帰るがよい。
  • 兵たちよ聞きなさい。恐れることはない。これは聖戦である。
    この戦いで死んだものは必ずや楽園で過ごすであろう。
  • 死から目を背けてはなりません。死とは次なる生でもある。
    あなたたちは永遠の命と引き換えに次の生を放棄するのですか?
  • あなたは一人でもよいではないか。敗れることはないのだろう、『折れない剣』よ。
ひみつ2 マイアヘン語録(現実)
  • ファーヨンディの救世主…?ああそんなこともあったなあ。
  • 無敵剣聖か。最初あたしのことあの世の王って呼んだから最後まで口きいてやんなかった。
  • 死者を蘇らせるような神なら胸も大きくできると思って…でもできないって。
    乙女の乳ひとつ操れなくて何が神だよ。滅ぼしてやった。
  • オーバドハイは貧乳のほうが好きって言ってたけど、あいつの奥さん見た?
    自分の鼻の下見てから言えっつのあのハゲ
  • ファイタンの話はするな。
  • ヴェルニアス、これ欲しいこれ。そうこの爆乳ブートキャンプ。
  • ちくしょう牛女!あの乳もいでこい!パッドにする!
  • 乳ぐらいでって女に生まれたこともねえくせにナマいってんじゃねえ!もいでやろうか!
  • ええい乳母はまだか!あたしゃ飲み物は乳だけって決めてんのよ!
  • ヴェルニアス、あの新入りは男のいない区域に割り当てなさい。そうあのでかいの。
  • なりたくてこんな胸になったわけじゃない!?あたしだってそうだよ!!二度蹴るぞコラァ!
  • ピコーン!逆にさ、乳首から息ふきこんだら膨らまないかな?
  • ちょっと!そのふいごをかえしなさいヴェルニアス!!
    一生母乳がでないのと一生貧乳だったらあたしゃ前者を選ぶんだよ!
  • おっぱいが大きくなる薬!?もうだまされないわよ!
  • だまされないけどちょっと試すぐらいいいじゃない!減るもんじゃなし!
  • まさか減るとは……………………………

マイアヘン教本

功徳を積み、死後の世界で行使できる力を増やすため―と同時に、
今の世界ないし死後の世界で精神の調和した優れた人間となって平和に生きるために
必要な教義や法則が記されている。

良いことを考え続けること。

良いことを考え続けること。
良い事柄と思ったことがあるなら、それを考え続けること。考え続けていれば、余計な悩みの入る余地はない。

際限のないことを考え続けてはならない。

際限のないことを考え続けてはならない。

  • 憤怒、嫉妬、憂鬱、美食、虚飾、怠惰、色欲、怠惰は考え続ければ考え続けるほど増幅し、また際限のないものである。言い換えれば「対人関係」「自己批判」「装飾」「食事」「性欲」「時間」を追求していくことには虚しさしかない。終わりがないからである。
    ※補足:怠惰のことを考えるということはつまり、自分が怠惰している。時間が無いと考え、忙しくすることに他ならない。
  • これらの事柄は一人の人間が扱える量には限界がある…他人や自分と対話するための時間は少ない。衣装を着るにはそれが相応しいよう立場や金銭や、努力が必要である。人が1日に食べてよい量には許容量が存在する。1人の人間は1人のパートナーしか守れないようにできている。時間は、そのものずばり少ない。
    しかしそれぞれは必須であり、あることを追求するなら、ほかの事を犠牲にしなければならない。しかし犠牲にしたからといって、その追求が満たされることはない。結果的に犠牲にした分の苦しみが蓄積していくのである。
人は自らの撒いた種を自ら刈り取ることになる。

人は自らの撒いた種を自ら刈り取ることになる。

  • あることを行うなら、その結果は自らに降りかかってくるということ。人に親切をすればお礼を受け取ることがあるだろうし、感謝されることは精神の調和につながる。罪を犯せば恨みを買い、その恐怖や良心から精神はかき乱され、落ち着かなくなるだろう。
孤独な者は幸福にならない。

孤独な者は幸福にならない

  • なぜなら他人がまったくいない環境にいる者は唯一の対人関係…つまり、自己批判を行うこととなる。自己批判は際限がなく、自分の悪い点をすべて知る自分が行う。また悪い点をあげること自体が悪い点であるという心理の穴があるため、悪い点をあげることが永遠に終わらず、必ず精神をかき乱す。
  • 対して批判部分を他人がするということは、自分の良い点を褒め、精神を調和させるメリットがある。いくら悪い点があったとしても、他人がその者の悪い点を見る量には限界があるため、悪い点を見尽くしたあとは自分の良い点を見ることになる。

これ以降ちょっと審議中

人は自分自身が満たされることが幸福ではない。

人は自分自身が満たされることが幸福ではない。

  • 永遠に生きることができる死後の世界では、生前に積んだ善い行いは行使できる力を増やすことになる。この世でいくら幸福であっても、死後の世界では貧しい生活を行うことになるだろう。
  • 人は精神的に調和していなければ幸福とはいえないため、身近な人間と譲り合いをし、信頼しあうということは対人関係に悩まないという意味で精神の調和につながる。
  • したがって、身近な人間とわかり合わないことは、人にとって良い影響を与えるとは言いがたい。

死と時の神人『ヴィー・ジャス(ヴェナス・ユダ)』

 実在する人物、ヴェナス・ユダはアイウーズ1世を唆して彼や彼の軍勢をアンデッドにした魔法使い。アンデッドやリッチ呪文の始祖とも呼ばれ、現在のフラネスに広まる微生物操作によって行う、いわゆる「屍霊術」とは異なり、彼の用いる術は意思をもつ死体を作り出す。現代に残る彼の秘術はアンデッド生成とリッチ生成、時間の操作であり、またそれを使用する者自身、その術のプロセスを理解していないとされる。

 自らを『ヴィー・ジャスなる神』と名乗ったことから聖霊であったろうとされる。アイウーズ1世を扇動してファーヨンディの崩国を促すが、聖霊ハイローニアスと盾の女神マイアヘン、マイアヘンのしもべの聖霊たちによってアイウーズ1世もろとも討たれたとされる。

 アイウーズ帝国では彼の不死の術にすがり、永遠に生き続けることこそが生物の幸せであるという『ヴィー・ジャス教』が主教とされており、不死術と時間術を操るクレリックとダークナイトによってファーヨンディを攻撃している。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼
  • 実は古代神格のひとり。真の名は「ベルヘイゴル」
  • 司る罪は「怠惰」、司る徳は「希望」、神通力は「知識」
  • 古代神格の時代にグーラ(グルームシュ)、ルキファリアス(コアロンラレシアン)を沈静化させるために他の神格たちと共に戦ったが、ルキファリアスの謀りにより作戦は失敗、また激昂したグーラによって気絶させられてしまう。彼はそのことを根に持っており、すべての古代神格が地上から消えうせ、ひとり気絶から目覚めた彼はエルフオーク撲滅のため、手始めにエルフのファーヨンディ王国を滅ぼすためにアイウーズ1世を永遠の命によって唆した。
  • もともと彼の力は不滅の命を与えることで無限の知識を得るための『時間』を与えることである。しかしそのようになった存在は永久の命に精神が崩壊するか、すべての知識を得たときの「もう知識はない、この先の無限の時間をどうする?どう使う?」という”永遠の結末”にあらゆる行動の無駄、無意味、空虚さを感じ、精神を停止させてしまう。そうして無限の時間を与えられたことで時間を失ったものにとどめをさすために、永遠の命を与えた張本人である彼だけが『死』を与えることができるのである。
  • マイアヘンたちによって討たれたあとは神格界に戻ってもとの怠惰なベルヘイゴルの生活に戻っている。彼はすでにフラネスから興味を失っているが、時たまに現れる不死になりたい生き物にリッチ化の術のありかをそっと伝え、リッチとなった暁には『永遠の命とは永遠の終末でもあると、いずれ知るだろう』という啓示を与えてその反応を楽しんでいる。今のフラネスにおけるリッチ化は不完全なものであり、寿命がないだけで決して不死ではないので、この啓示は意味をなしていないのだが。
  • AC1200年ごろにドラキュラ卿という旧ニロンド領(当時は大帝国の領地だったが…)の領主が不死を願い、それを聞き入れたが、アンデッドにするといったらヤダヤダとごねられたため、血を吸って延命する生き物に変えた。ドラキュラはその100年後に怪物ハンターによって倒されたが、彼の息子であるリュベラの血は一部のヒューマンに流れており、その血を注ぐものは生き血を吸うと血に餓えた吸血鬼として覚醒してしまう。
    • 最近このことを知ったヴィー・ジャスのリアクション→「ほう」
ひみつ2 マイアヘンへの印象

かりそめの体であるヴェナス・ユダが討たれたことで神格界に戻っており、神格界には古代神格たちしかいないため、マイアヘンとはもう長い間会っていないし、これから会うこともない。しかしあまりの印象深さに、彼はいまでもマイアヘンを話にあげることがある。

  • 「とりあえずエルフとオークを皆殺しにしてやろうとアイウーズ一世を唆してたら驚いたぞ。とつぜん乳を大きくしろというやけに胸板の薄い女がやってきて、できんといったらヒューマンどもを半分ひっこぬいて総決戦だからな…」
  • 「ハイローニアスはどうせ殺すことはできんから泳がせておいて、捕まえたら閉じ込めておくつもりだったが…まぁまさかやつに討たれるとは夢にも思わなかったな。やはりかりそめの肉の体はあっけなく死んでしまうものだ」
    • 「ファイタンとかいう女もいたな。おれが死ぬときもいたが…なにをしていたんだったか。まぁたいしたことはしてないだろう。そんな感じだった」
  • 「とりあえずアンデッドを消してきたのは本当にウザかった。人の作った砂の城を踏み壊してよろこぶような女だあいつは。なんだか怒りを通り越して虚しくなってしまってな…」
    • 「だからいちばんてこずったのはマイアヘンだ。変な世界からデーモンとか呼ぶしかなかった。しかしオーバドハイは普通に強くてデーモンを軽く倒してしまうから困った。ハロウワールドもいまの時代はなんだっけ、グレーターデーモン?とかいうのがいるんだろう。そいつがいたらどうかわからなかったな、実に遅かった。時期が悪かったな」
  • 「ヴェルニアスって誰だっけ」
ひみつ3 コアロンラレシアンとグルームシュへの印象
  • 「しかしグーラには立腹する。あの夫婦喧嘩の時おれを気絶させたばかりじゃない。このまえあいつなら見境なく食うだろうと思って生ゴミを送りつけてやったら、節度を守るほうのあいつがこっちに送り返してきたんだぞ。それどころか自分の家のゴミをうちの前に置くようになってな……反面のほうは陰湿でねちねちしててかなわん。やつが生まれてからというもの、まったくからかうにもやりにくくなった」
  • 「ルキファリアスもけしからんやつだ。もともとあいつとグーラの癇癪のために俺たちが奔走する羽目になったんじゃないか。それを言ってやったら『このアタシのためにやったことだから幸せだろう』というんだ。まったくふざけてる。かと思ったらそばにいた謙虚なほうも『たいへんご迷惑をかけまして申し訳ございません、かくては体でお支払いします…』と脱ぎだしたんで、むかっ腹が立って時間加速キックで蹴り飛ばしてやった。そうしたらあいつ、貞淑の反面だろう。それからというものマゾ豚でございますとひっついてきてかなわん。頼むからあいつを蹴ってやってくれ。たぶんおまえになびくから」
  • 「アースラはどうしてるんだろうな。まだあいつはあのお方に頼んで性奴隷やら性玩具やら作ってもらって、ありとあらゆる性的快楽を追求してるのか?……どれぐらい前だったか、性奴隷たちの屁の勢いで空中に浮きつつ、念仏を唱えながらうどんを鼻の穴からすすると虚栄と背徳と食欲の累乗効果で100万回はイけるよって言い出したから、ついていけんわ!と怒鳴ってやった。それ以来話してないな…」
  • 「レイビアタンは俗物だ。あの婆さん、たびたびミスタラに顔をだしているが、こっちじゃ相手にされないもんだから向こうで神様扱いされるのが楽しいんだろう。きっと年寄りほど善行が好きなのはそういう虚栄心を満たすためなんだろう。そうに違いない」
  • 「イラエルは悪いやつじゃないが無口でいかん。あいつはなにを考えているのかわからんところがある。あと話しかけたら分身だったりして、要領をえんから合体しろといって本体を探すのも一苦労だからな。電話もできんしな。いや出るんだが、あいつ無言じゃないか。初めてだよ無言電話にかけたのは、まったく」
  • マーモンはそんなベルヘイゴルの愚痴をうんうん言いながら聞いている。

ヴィージャスの教え

ヴィージャスの教えというよりはアイウーズ一世の考えによることだが、概略はこうである。

①アンデッドには血が流れていない。血を作らないからだ。代わりに霊(アンデッド)エネルギーを必要とする。
②人間は血を作っているので血が流れている。血を失うと死ぬ。
③動かなくなった人間の死体に霊エネルギーを注ぎ込むとよみがえる。

(3)から人間もアンデッドも霊エネルギーによって生きることができるといえる。
アンデッドは不死だが、人間は不死ではない。その違いは(2)によると血を作るか、作らないかだけである。
霊エネルギーを注がれたモートが時間とともに死んでしまうのは血を作る内臓が腐るためで、おそらく腐った血が体に流れるからである。

よって不死とは、血を作らずして霊エネルギーによって生きることで実現される。

ここで面倒になってくるのが、人間は意識を頭部に持っているらしく、頭部を失ったアンデッドはもの言わなくなる。さらに頭部が生きているためには血が必要である。これは霊エネルギーで代替できないようだ……アンデッドになると血を作らないから絶命は必死である。したがって、頭部を保存することも不死になるための要点であると言える。余のようにヴィージャスの意識の中に頭部を捧げることで、アンデッドのまま意識を保つことが可能であるが、すべての民がそうすることは不可能であるゆえに、頭部の保存法について研究が必要である。

頭部の保持方法についてはこののち帝国での研究が進み―ことごとく失敗している。
◆無自我式…とりあえず、霊エネルギーだけを注いだ状態。スケルトンや意志のないゾンビなど。意識はなく、霊エネルギーがなくなると動かなくなる。これは不死などではない。
◆モート式…保持呪文により腐敗を遅らせ、肉体をできるかぎりそのままにしておくことで、しばらくの間意識を保つことができる。しかし徐々に頭部が腐っていくため、いずれ無自我式と同じくなる。この方法はとてもじゃないが不死と銘打てるものではない。
◆モーグ式…逆転の発想で、血を作る内臓器官だけを保持してはどうかという試みだったが、結論から言えば血液だけで頭部を維持することは不可能だった。
◆意志定着式…いわゆるリッチ。意識を物体や骨格に定着させることで意識の消失を免れる。ただし定期的(1~2日に1回)に自分に定着魔法をかけなければ消失してしまうため、高位の魔法使いであるか、そのサポートが必要となる。消費する魔力(マナ)も甚大なので個人ならともかく、大衆的な実用性は薄い。しかし霊エネルギーも血も使わないという点で、最も「可死生物」からかけ離れた存在と言える。
◆バシラス式…いわゆるジンクス魔法アンデッド。微生物により死体を操るが、これはそもそも不死という考え方とは逸脱しているので帝国では緊急用の武器程度にしか用いられない。
◆念動力式…いわゆる呪術魔法アンデッド。魔法によって「術者とともに戦う」願いがかけられている。これは願いによって「死体」が動いているだけであり、生前の意志は感じられず、不死ではないといえる。

ヴィージャス教本

副題はプロビデンスオブザデス(死の法則-Providence of the Death)
教本というよりは参考書に近い。ヴェナス・ユダによる著であるとされている。
理解不能な文明レベルで生と死の真理、目に見えない力についてが記述される。
たとえば内容は……

  • 死の先にあるものは無であり、死後の世界などない。死の先にあるものは、惨めさと、敗北感と、焦燥と苦しみと恐怖の果てにある空虚のみとなり、自分を失うことになる。死したものは自らを知らず、他人を知ることもない。
  • 性欲は生あるものにとって必要であるが、不死なるものには必要ではない。アンデッドがそうであるように、不朽ゆえに殖える必要もない。
  • 命を失うことを恐れるのは生物として当然である。肉食動物に攻撃された草食動物がそうであるように、死を恐れぬことは生物ではない。
  • 病とは生をおびやかすものであり、死をおびやかすものは何もない。死を超越した存在は病も、痛みも、苦しみも感じない。それは何かあっても不滅であるゆえに、恐れることがなくなるのである。時と老いでさえ、不死を揺るがすことはない。

美と音の聖霊『コアロンラレシアン』

 美と音の聖霊。非常に利己的でウサギのようにとても長い耳を持つ。蔓のように長く柔軟な体、触れれば掻き消えてしまいそうな脆く儚げで霧のように白い肌、生い茂る草のように長いまつげと自然界のすべての美しいものの色を持つ髪。そのあまりに美しい姿は我々の理解を超えており、彼女を見たものは神の美に眼球のすべてを奪われ、彼女以外のものが視界から消えうせてしまうという。

 同時に音の聖霊でもあり、フラネスのすべての音を運んでいるのは彼女のしもべたちだ。彼女やそのしもべたちは音を運ぶために音よりも早く移動することができ、我々はその姿を確認することはできないという。

 エルフたちは自分たちを作った聖霊として彼女を崇めている。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼女
  • 実は古代神格のひとり。真の名は「ルキファリアス」
  • 司る罪は「傲慢」、司る徳は「貞節」、神通力は「支配」
  • グーラとは元恋人だが、相性の関係で子供ができなかった。それが因縁でミスタラ全土を巻き込んだ大戦争をおっぱじめてしまい、何者かの意思によって葬られた。
  • エルフは彼と狼のオスが交わったことで作られた、大戦争でグーラを倒すための駒だった。
  • 古代神格の時代の時点で同じ古代神格である殺戮のエリスヌルによって封印されている。現在は魂が神格界に戻り、神格界を下りたときに生まれてしまった謙虚な自分と奇妙な生活を送っている。そのような状態のため、ミスタラに下りることはないし、未知の人格によって厳しく禁じられている。
  • 余談だが、貞節なルキファリアスはいまでもグーラを愛しており、口では全力で軽蔑していながらも、夜は彼を思って枕を濡らしている。そもそも子供ができないのにだらだらを夫婦生活を続けたのも、彼女がいざとなると泣きながらグーラに哀願したからのようだ。いわゆるツンデレである。
    • かりそめの体とはいえミスタラで狼と交わったことはいまでも後悔しており、夜グーラのことを思うたびに自己嫌悪に陥っている。
    • 誰もいないところではそんな繊細な面を見せる彼女だが、誰か1人でもいれば虚勢を貼って傲慢にふるまってしまう。哀しいものだ。

森と勝利の聖霊『グルームシュ』

 森と勝利の聖霊。やや利己的で長い耳をもち、肌は古樹のようにささくれて硬く、厚い。

 力と暴力に長けており、彼が打った衝撃は大地ごと裂いてしまうが、その力があまりに大きすぎるため、敵を打つ力だけを残して他の破壊力は自分の力で相殺できる。また敵を打つ力を「さらに打つ」こともでき、無尽蔵に足し膨れる破壊力はいかなるものをも打ち砕けるとされている。

 オークたちは自分たちを作った聖霊として彼を崇めている。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼
  • 実は古代神格のひとり。真の名は「グーラ」
  • 司る罪は「暴食」、司る徳は「正義」、神通力は「忍耐」
  • ルキファリアスとは元恋人だが、相性の関係で子供ができなかった。それが因縁でミスタラ全土を巻き込んだ大戦争をおっぱじめてしまい、何者かの意思によって葬られた。
  • オークは彼とサルのメスが交わったことで作られた、大戦争でルキファリアスを倒すための駒だった。
  • 古代神格の時代の時点で同じ古代神格である殺戮のエリスヌルによって封印されている。現在は魂が神格界に戻り、神格界を下りたときに生まれてしまった貞淑な自分と奇妙な生活を送っている。そのような状態のため、ミスタラに下りることはないし、未知の人格によって厳しく禁じられている。

夢と試練の聖霊『ゴールドハート』

 夢と試練の聖霊。彼女の槍によって指されたものは夢や恋によって試され、乗り越えたものにそれを与える。乗り越えられなかったものはその夢の奴隷となり、死のあとの運命もなおその試練に抗い続けなければならない。

 出たがりな性格らしく、たびたび人前に姿を現すがそれが現実に存在するものであることを証明する証拠は何一つ残していない。何よりも彼女は夢の聖霊であり、見たものたちはただ夢を見ていたのか、それとも真実だったのかを不確かにさせている。夢に縛られたものを救った者に対して褒美を与えるという噂もあり、実際に何かもらったという話は尽きないが、その賜物は所有者にしか使うことができないなど、彼女の存在を証明することにはなっていない。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼女
  • 実は古代神格のひとり。真の名は「レイビアタン」。
  • 司る罪は「嫉妬」、司る徳は「純愛」、神通力は「寛容」
  • 自分のことを「わらわ」と呼ぶ。語尾は「ぢゃ」「であろ」「しておる」
  • 彼女の試練を超えられなかったものたちを哀れに思っており、せめて眠る内にその夢を見させている。彼女はその自身の力を「夢の鎖で縛る」と表現する。
ひみつ2 ゴールドハート語録
  • わらわの名はゴールドハート、夢と試練、そして恋の聖霊である。
  • そちに試練は必要ないであろ。すでに大儀な荷をしょっておるわ
  • ここにぬしらの求めるものはない。空手で帰るがよい。
  • くるしゅうない、望みを申せ。わらわがぬしにふさわしいか試す
  • 大儀であったぞ

享楽の『ノレーボ』

 古代ハーフリングたちを導き、ただのサルから文化を形成させ、サイコロを作ったという聖霊。ハーフリングたちや博打打ち、カジノディーラーなどに信仰される。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼

けんか屋の『コード』

 ヒューマンたちを導いて大帝国を制圧したがハイローニアスに攻撃され、信徒のヒューマンとともにフロストバーバリアンのある雪山に逃げ込んだという聖霊。このときのヒューマンたちが彼の導きによって環境に適応したのがバーバリアンとされている。

 豪気で思いやりのある性格で、自然を愛していたとされ、現在もバーバリアンたちの信仰の90%以上はコード信仰である。フロストバーバリアンやニロンドの各地に小さい神殿がある。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼

生産する者『モラディン』

 かつては博打と食う寝るしかしなかった古代ハーフリングを導き、鍛冶や裁縫を発明させたという聖霊。最終的に彼は鍛冶をたしなむハーフリングを鉱山に導き、現在のドワーフへと進化させた。

 ハイローニアスが着ている決して壊れない武器防具は彼がコードとの戦いのために作ったもので、その功績として大帝国のそばに土地をもらい、現在のブラザーフッドとなったらしい。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼

賢い『リディア』 と旅の聖霊『ファラングン』夫妻

 ノレーボの妹で好奇心旺盛なリディアと、その夫でありどんな絶壁も歩いて登れるという旅の聖霊ファラングンは、主に探検家や冒険者に信仰されている。この夫婦の導きは困難な依頼に助け舟を出し、探検家を死の危険から救うという。彼らが導いた古代ハーフリングは危険な岩場を探検したり、見渡す限りの平原を開拓するうちに手足が伸びて現在のヒューマンの始祖となった。旅をしている彼らは旅先で旅人や冒険者を見かけたら祝福を与え、運気を上げてくれるという。

 リディアは何にでも興味を持っている。もともとファラングンとのなれ初めも、彼の底なしの冒険譚に惹かれてのものであり、いつも彼の後ろをついて、彼と同じ経験をして、彼と同じ知識を得ることに勤めている。だが単に冒険を行うファラングンと違うのは、賢いリディアはそれを呑みこみ、理解し、消化する。同時にファラングンは考えうる最上の困難に立ち向かうため、彼女はいかなる冒険者の受ける困難にも解決法を示すことができる。

 ファラングンはどんな絶壁も歩いて登れるが、同時にどんな絶望も歩いて登れるという話がある。これは冒険者たちにいかなる困難も踏破することができ、またどんな苦しみも登りきって踏破することで力となるという示唆でもある。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼ら
  • やや先走りがちなファラングンをおさえるリディアだが、リディア自身も好奇心旺盛なので結局はなあなあな感じで危ないこともついやってしまう。もともと彼らの馴れ初めもそんな感じだったらしい。
  • いまもずっと二人で旅を続けていて、旅の途中で旅人とであったら祝福を与えて歩いている。

自然神『オーバドハイ』

 マイアヘンの側近。森で迷った人に自然の力でとどめを刺そうとし、それを切り抜けたなら森から出るための導きを行うというすこし厳しい性格。レンジャーたちの森を侮らない指針を高く評価しており、レンジャーたちには優先的に導きを与えているらしい。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼
  • 奥さんが巨乳。貧乳で巨乳に強い偏見を抱くマイアヘンには秘密にしているが、バレている。

空の『ヴェルニアス』

 マイアヘンの側近。あの空高く雲の上までとべるドラゴンを操ることができ、空の支配者。

ひみつ1 ミスタラの人たちが知らない彼
  • 別にドラゴンを操れる力があるわけではなく、これは地上の人たちの創作。
  • 実際には風を操る程度の能力だが、大気を操るというのは非常に応用性のある能力であり、彼はマイアヘンから絶対の信頼を得ている。

邪神『ギ』

ラ教と呼ばれる新興宗教で定義されている「時と空を消滅せし邪神」である。
『来るべき時』に、この世とは違う世界から現れ、この世の全てを食らい尽くすとされる。
その実態はラ教祖より伝わり、現実に現れたとされる文献は残っていない。そのため多くの宗教学者からは架空の神として信仰対象にするべきではないとされている。
ラ教の本質もギを崇め称えるものではなく、ギの出現を抑制するものである。

ラ教そのものについては世界観設定/文化/ラ教 を参照。

ひみつ? ラ教における彼(彼女)
  • 『来るべき時』の際、ギは闇に魅入られし生物(悪人)を媒体としてこの世への侵攻を始め、彼らを意のままに操って自身を復活させると言われている。そのためラ教の信者は闇・暗黒などのいくつかのモチーフから遠ざからなければならない。
    彼らの衣装も白と基調にしたローブを纏うことになっている。
    ただし『夜』は暗黒に輝く星、闇を払う光の象徴ともされ、否定的に捉えられたりはしない。むしろ闇に包まれる夜こそがラ教の本格的な活動時間である。
  • ラ教の始祖によると、彼によって消滅した時空がいくつもあるとされる。
    また、彼の体内にはその失われた時空の者が閉じ込められているとのこと。

ロードシップ諸島

文化・技術/ロードシップ諸島 を参照。

エベロン

忘れられた神たち

※AC後年代のミスタラの人々は彼らのことも古代神格のことも知りません。

彼らは聖霊とは異なる「古代神格」というものであり、現代では聖霊扱いされるヴィージャス/ベルヘイゴル、ゴールドハート/レイビアタン、コアロンラレシアン/ルキファリアス、グルームシュ/グーラの4人を含めた7人が古代神格となります。彼らは聖霊たちのようにミスタラにいるわけでもなく、マイアヘンのようにあの世にいるわけでもなく、神格界というところに住んでいます。

ヴィージャス、コアロンラレシアン、グルームシュ、ゴールドハート

それぞれのひみつを参照。

エリスヌル

ペイロア

トライセリオン