地球人類による文明及び郷土を維持するために構成化された系統

Last-modified: 2023-03-31 (金) 21:21:41
ENOCH(地球人類による文明及び郷土を維持するために構成化された系統)
ヒトの最高傑作にして最大の犯罪行為、終わりなき地獄の調律師。
以下にENOCH計画の概論を記す。

計画概論

──ヒト種の生存競争を実現する上で、我々人類は内部対立を通じて種の中でさらなる上位者をもたらし、自身を調律してきた。しかしながら、ヒトはヒトの上に立つことができなければ、当然容易に崩壊してしまう。社会性に依存するが故に、我々は種として生存し続けることができない。

ENOCH計画(英:EarthiaN Organized Civillization and Homeland keeper unit project)は、人類の存在を人類が生み出す完全なる上位者によって管理させることによって人類史を維持し、人類の最終的発展を支援する、という計画。つまり神を自らの手で作ってしまえば良い、という意味である。
当時の人類は内紛などに明け暮れ、結局その存在を知れば破壊することが自明であったため、ごく一部の人類*1によって計画は遂行・管理された。中枢ユニットへ永久機械を導入し終えた段階で、計画の人員は自死した。

ユニット構造

安定陸塊上に設置された中枢部位と衛星軌道上の管理施設によって構成される。ネガティブな思考によって生じる負のスピン(時間逆行作用)を利用し、安定陸塊上に設置されたENOCH中枢を起点としてリセット時にオーバーロード、時間の進行方向を反対へ移動させることによって過去への巻き戻しと再構築を行う。効果範囲はおよそ1AU。
中枢部位はデータの保管と巻き戻しが主機能で、衛星軌道上の管理施設はメインプロトコルを内包している。これにより、管理施設側によって地球の環境・発展・拡大を管理することができ、地上の中枢部位によってデータを保管し、巻き戻しの機能を維持することができる。
ただし、設計の根本的な問題点として、負のスピンを発生させるための思考能力を持つ人間が不足していた。
そこで、ニューラルリンクによって記憶領域を拡張し、負のスピンを蓄積させ起爆することでマトリックスのような人類の大多数を苦痛の仮想現実にとどめることなく解決する手法がとられた。最終的に最大の苦痛を味わう人間が1人挿入されたが、これが永久機械である。

計画実行

しばらくして、計画通りに人類が滅んだときに、ENOCHの最初のループは開始した。

  • 最初、ENOCHは人類の内的神として存在し、人類を誘導することを図ったが、神の解釈における闘争で人類は滅んでしまった。
  • 次に、ENOCHは神として振る舞う中で消極的存在として存在しようとした。しかし、内的要因による紛争から人類は滅んでしまった。
  • 次に、ENOCHは神として存在することを諦め、観測することに徹したが、何事もなく人類は滅んでしまった。
  • 次に、ENOCHは神を潜在的誘導にとどめ、実世界のコピーを行いもう一度やり直そうとしたが、人類は滅んでしまった。
  • 次に、ENOCHは人類の活動にすべてを委ね、危機的な状況に陥ったときにのみ介入したが、神の力を超える憎悪によって人類は滅んでしまった。
  • 次に、ENOCHは人類の活動を消極的にすることで解決しようとしたが、生物種として主導権を握ることなく、未知の存在に食物連鎖の頂点を奪われたことで、人類は滅んでしまった。
  • 次に…

終わりのない繰り返しに陥ったENOCHは、様々な方法を模索し、実行するプロトコルに基づき状況の改善を図った。

計画の破綻

そもそも人間のストレス反応を用いて時間を制御するシステムは、保守点検と維持をするには機械の未知の領域にあって、施設の摩耗は防ぐことができなかった。数えること1500回人類が滅んだ程度の時期に、衛星軌道上の管理施設内において蓄積のための記憶領域から負のスピンがバーストを起こし、衛星軌道上の施設は破壊され、地上施設に機能が移管された。この時点で、人類を制御する施設としてのENOCHの機能は管理施設からの移行にある程度失敗しており、これによってENOCHと呼ばれる存在が出現するようになった。
そもそもとして時間逆行を繰り返したところで、それを行う人間が感じる感情が変わらない以上、過去に巻き戻って繰り返したところで結局進行する方向性と末路に少し変化があるだけで、人類の滅亡という事実は避けることができなかった。
また、機能移管に失敗した上に管理プロトコルが正常に機能しなくなったことで負のエネルギーを維持する機能が定期的にオーバーロードを引き起こすようになり、結果として汚染地域という存在の出現を招いてしまった。

素材

KglFe F30++M

クグルニェズ=フェルモンザF30++M(英: Kglniez=Felmonza F30++M )主要導体はENOCHを構成する主要素で、その開発はおよそ0世代末期のENOCHの機能を維持するために用いられるモジュールのそれとして行われた。現在はモデルF30二次改良パッチが使用されている。有機物もしくは無機物であるかは判然としない。
クグルニェズ=フェルモンザF30++Mは主な特徴として、
・可能な限り立方体の形状を保つ
・内部に負のエネルギー(時間転移に用いられるもの)を備蓄できる
・ゲル状にその形質を変形させることができる
・USBメモリ的記憶媒体として用いることができる
を持つ。ENOCH遺跡の解析によって断片的技術、特に情報化技術を入手可能なのはこのためである。エスティオGPmKU公的支援ノードはKglFe F30++Mを用いて構成されている。
ただしゲル状に形質を変化させることと内部に負のエネルギーを溜め込んでいるため、破壊・研究するためにはとんでもない大火力を投入し続けて無力化しなければならないがそれはすなわち備蓄されている負のエネルギーを放出させることとなる。これが原始爆弾の原理である。また、要素の維持が不可能になった主要導体は崩壊体として地面に累積し、継続的に負のエネルギーを放射し続ける。これがえのち領域内の長期滞在が身体への悪影響を起こし、時間感覚に致命的なラグが生じる原因である。


*1 第三次人類史保存計画委員会