激突要塞!+Wiki 要塞群/アンチされても勝つために

Last-modified: 2014-05-07 (水) 19:45:28

有り得る全ての要塞の組み合わせと総当たりさせたときの最強要塞の一つとされる上奥純突撃は今の大会でそんなに強いとされていません。これは大会には色んな種類の要塞がランダムで出てくるわけではないためです。そのため、大会で勝つには大会に出てくる要塞群にアンチした特化要塞を出す必要があります。

つまり、激突要塞の大会において、どんな要塞が強いかは相手がどんな要塞を出してくるか次第で決まります。相手も同じように考えるため、相手が出してくる要塞はこちらがどんな要塞を強いと思っているか次第です。しかし、こちらがどんな要塞を強いと思っているかは相手次第なのでどんな要塞が強くてどんな要塞が弱いかに絶対的な基準はなく環境次第です。

しかし、実は激突要塞!+にはアンチ不可能な最適戦略が存在します。混淆戦略ナッシュ均衡と呼ばれるものです。
ナッシュ均衡とは数学者ジョン・フォーブス・ナッシュによって考案された、ゲーム理論の非協力ゲームのモデルのことで、プレイヤー全員が互いに最適の戦略を選択し、これ以上自らの戦略を変更する動機がない安定的な状態(均衡状態)になるような戦略の組み合わせを指します。ナッシュ均衡のよい例として囚人のジレンマが挙げられるでしょう。激突要塞!+の総当たり大会は参加者が行動を確率的に選ぶような戦略をとることでナッシュ均衡に到達する非協力ゲーム、混淆戦略ゲームと呼ばれるゲームに属します。このようなゲームでは純粋戦略ナッシュ均衡が必ずしも存在せず、ナッシュ均衡は各参加者の行動確率の組として表されます。が、有限の(=プレーヤーの数と各プレーヤーの戦略の数が有限の)混合戦略ゲームでは少なくとも 1 つのナッシュ均衡が存在することはナッシュの定理で証明されています

では激突要塞!+の最適戦略について考察していきます。

激突要塞!+の最適戦略とはどのようなものか

激突要塞!+の最適戦略とはどのようなものか

激突要塞!+においての最適戦略とは、最もアンチされにくい戦略を指します。じゃんけんで言えば、グーチョキパーをそれぞれ3分の1の確率で出す戦略が最適戦略に当たります。最適戦略は、必ずしも最も勝率が高くなる戦略ではないですが、アンチに強いので最も負けにくくなる戦略であると言うことが出来ます。ナッシュの定理が示すのは、激突要塞には最もアンチされにくい要塞の出し方の戦略が少なくとも1つは存在するということです。
では、アンチされにくい要塞チームの作り方と運用法について考察していきます。
アンチされにくい要塞チームの作り方と運用法は、それぞれ得意な要塞、不得意な要塞、弱点、コア位置と攻撃手段、防御手段をばらけさせた要塞を互いの弱点を補完するように組み合わせて1つのチームを作り、チーム全体でも特定の要塞に弱くないようにバランスを調整し、それぞれの要塞を出す確率を調整することです。環境によってどんな要塞チームが強いかは異なるので環境ごとに出場させるチームは変えていくといいでしょう。これは完全にアンチされえないチームを作るのが現実的には非常に難しいこと、ナッシュ均衡自体1つだけとは限らないので、別のナッシュ均衡が最適である環境ではその環境に合わせないといけないことも理由です。

番外:激突要塞!+の最適戦略は数学的に特定可能か

番外:激突要塞!+の最適戦略は数学的に特定可能か

激突要塞!+の最適戦略を考える際に最大のネックになるのは有り得る純粋戦略(作成可能な要塞の種類)の数が多すぎるため、計算しきれないことです。
情報システム用語事典:混合戦略(こんごうせんりゃく)

数学的にはナッシュ均衡の定理により、すべてのゲームは各プレーヤーが合理的に行動する限り、どのプレーヤーがどう戦略を変えてもそれ以上に結果をよくすることができないような混合戦略が必ず存在することが証明されている。ただし、ゲームがある程度複雑になるとプレーヤー全員の戦略の組み合わせを算出するのは、計算量が膨大となるため、現状のコンピュータ技術では事実上不可能である。

そのため、計算を簡便化するために近似アルゴリズム、ヒューリスティクス、事例ベース推論と呼ばれる計算法を採用する必要があります。近似アルゴリズムとは正解を得ることが困難な問題において近似解を得るためのアルゴリズムで、ある程度の数学的な精度保証があるが厳密な正しさは保証できない計算法のこと。ヒューリスティクスは近似アルゴリズムの1種ではあるが数学的な保証のないものです。将棋やチェスなどの対戦プログラムもヒューリスティクスを応用したものです。事例ベース推論とは分類アルゴリズムの一種で、過去の類似問題の解法に基づいて新たな問題を解く手法またはその過程を指します。ヒューリスティクスと事例ベース推論は人間の意思決定、特にフレーム問題への対処システムと考えられています。

近似アルゴリズムのメリットは数学的な正しさを保証できること。答えが正しいか否かを後から検算できること。デメリットは複雑な計算が必要であること。
ヒューリスティクスと事例ベース推論のメリットは答えを出すのに面倒な計算がいらないうえ、直観的にわかりやすいこと。デメリットは、答えが正しいことを証明する方法がないこと。

いくら簡便に答えが出せても答えが正しい保証が出来なくてはしょうがないので近似アルゴリズムで激突要塞の最適戦略の答えを求めてから、ヒューリスティクスと事例ベース推論で検算する方法がベターでしょう。が、近似アルゴリズムは数学的に高度であり、具体的にどんな近似アルゴリズムを使うべきかは今後の課題です。

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