ドナウ(アクアマリンふくしま)

Last-modified: 2023-07-07 (金) 23:57:13

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プロフィール

名前:ドナウ
ドイツ時代の旧名:IGNAZ(イグナツ)
性別:オス
種類:ユーラシアカワウソ(ヨーロッパ亜種/A-line)
生年月日:2008年6月6日
命日:2021年10月13日午後19時49分(享年13歳)
出生:ドイツ ミュンヘン動物園
移動歴:ミュンヘン動物園→アクアマリンふくしま恩賜上野動物園アクアマリンふくしま
ペア:チロル(いなわしろカワセミ水族館)まろん(アクアマリンふくしま)

 

子供:
<母親チロル>
2012年6月2日 うめ(那須どうぶつ王国)もも(上野動物園)さくら(上野動物園)
2013年6月3日 アザミ(沖縄こどもの国)アカネ(高知県立のいち動物公園)アヤメ(マリンピア日本海)スミレ(マリンピア日本海)
2014年6月2日 ホシ(フェニックス自然動物園)、そら(オス、クウェート国 The Scientific Center Kuwaitに移動)、つき(メス、クウェート国 The Scientific Center Kuwaitに移動)
2015年8月26日 ゆき(いなわしろカワセミ水族館)はな(井の頭自然文化園)

 

<母親まろん>
2017年9月10日 くるみ(アクアマリンふくしま)あずき(アクアマリンふくしま)
2018年6月24日 陸(新足摺海洋館 SATOUMI)海(新足摺海洋館 SATOUMI)風(アクアマリンふくしま)
2019年5月17日 令(那須どうぶつ王国)和(よこはま動物園ズーラシア)元(広島市安佐動物公園)
2020年5月30日 ヨシ(アクアマリンふくしま)アキヨ(アクアマリンふくしま)

 

孫:ミント(高知県立のいち動物公園)※アカネの子供

経歴

ドイツ ミュンヘン動物園生まれ、2010年にアクアマリンふくしまに移動。

 

2011年3月に東日本大震災でアクアマリンふくしまが被災した際に、チロル(いなわしろカワセミ水族館)と共に緊急保護として恩賜上野動物園が受け入れた。
同年7月にアクアマリンふくしまに帰還。
それが縁でアクアマリンふくしま恩賜上野動物園と取り決めを結び、娘のうめ(那須どうぶつ王国)もも(上野動物園)さくら(上野動物園)恩賜上野動物園に来園する事になった。※うめ(那須どうぶつ王国)のみ再度移動。

 

国内のユーラシアカワウソ(ユーロッパ亜種)のほとんどがドナウの子供。(富山市ファミリーパーク以外は全て子供、孫、子供の配偶者)
チロル(いなわしろカワセミ水族館)との間に12頭、まろん(アクアマリンふくしま)との間に11頭の子供がいる。

 

2021年2月1日に悪性腫瘍がみつかり、3月よりバックヤードで闘病中であったが2021年10月13日午後19時49分に死亡した。

死後は剥製なった。 

 

以下、悪性腫瘍について公式の発表より

 

2月1日、給餌中にドナウの右前肢が腫れていることに気付きました。
感染症を疑い抗生物質を投与しましたが変化がなく、レントゲン撮影、血液検査なども行いましたが、この段階では原因は特定できませんでした。
4月に仙台の動物病院に行きCT撮影と細胞の病理検査を実施しました。
その結果、悪性腫瘍であることが分かりました。いわゆる「ガン」です。

この時点では転移はみられておらず、患部の脚を切断すれば治癒が見込める状態でした。
しかし、カワウソにおける断脚(だんきゃく)はほとんど例がありません。
犬や猫のように3本脚で歩行が可能なのか、ドナウはそれを望んでいるのか、非常に悩み、獣医師と担当者チームで話し合いを重ねました。
その結果、断脚はリスクも伴うが、腫瘍による痛みを取り除く最も効果的な方法であること、近い種類であるカナダカワウソ、フェレットなどで断脚の事例があったこと、何よりこの病気からドナウの命を救える唯一の方法ということで、断脚を行う方針となりました。
しかし、手術へ向け準備を進めていた矢先、ドナウが今度は右後肢をひきずって歩くようになりました。
CTを撮影した際に脊椎の一部が変形する「変形性脊椎症」を疑う所見があり、それが神経を圧迫しているものと考えられました。
右後肢が不自由な状態で、右前肢を切断することはできません。手術は一時延期となり、右後肢の治療にあたりました。
鎮痛消炎剤を投与したところ、2週間後には右後肢をかばっているものの正常に近い状態で歩行できるようになりました。
この時期のドナウは、鼻血が止まらなくなったり、薬の副作用で下痢や嘔吐をくりかえすといった辛い日々が続いていましたが、ここ最近は状態が落ち着いています。
現在は、右後肢の治療を続けながら、右前肢の悪性腫瘍に対しては、免疫療法や抗腫瘍薬の投与といった治療を行っています。
苦い薬も、定期的な注射も、「にゃあにゃあ」と文句を言いながらも頑張ってくれているドナウ。
また広い展示場に戻れるよう、獣医師、担当者ともども、ドナウをささえていきたいと思います。

 

ユーラシアカワウソの「ドナウ」が亡くなりました
2021年10月13日午後19時49分、ドナウが息を引き取りました。享年13歳でした。

2021年4月に悪性腫瘍を確認して以来、懸命に治療を続けていましたが、残念な結果となってしまいました。
解剖の結果、死因は悪性腫瘍および腎結石による腎不全、それにより造血機能が低下し衰弱したと考えられます。
各臓器には転移巣と思われる結節も確認されていますが、詳細は病理検査の結果を待って判断することになります。

ドナウは2008年にドイツの動物園で生まれ、2010年からアクアマリンふくしまでの飼育を開始しました。多くの子を残し、子育てにも参加し、よき父としていつも当館のカワウソたちの中心にいました。
10年以上にわたって当館の展示動物として多くの来館者に愛され、まだ詳しい生態が明らかになっていないユーラシアカワウソの子育てなどについて、たくさんのことを教えてくれた個体でもあります。

何よりその穏やかでおおらかな性格は、私たちを常に元気づけてくれました。
それは闘病中も変わりませんでした。
体が思うようにならず辛い時期もありましたが、最期まで懸命に生きる姿に、私たちは多くのことを学びました。

ドナウのことを応援して下さった皆さまには、心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。

ユーラシアカワウソの「ドナウ」が亡くなりました

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企画展「ユーラシアカワウソ・ドナウ展」開催
2022年6月17日(金)~8月28日(日)

ユーラシアカワウソ・ドナウ展
アクアマリンふくしまで長年愛されてきたユーラシアカワウソのドナウの剥製展示を通し、ユーラシアカワウソに対する理解を深め、その野生下での現状や域外・域内保全の実態を伝える企画展示です。
ドナウの一生を懐かしの写真やドナウが使っていた飼育道具などとともに振り返ります。

開催期間:2022年6月17日(金)~8月28日(日)
開催場所:カワウソのふち

展示内容
剥製標本、飼育道具、解説パネル、他園館からのメッセージ、写真(一般の方から募集した写真含む)

ドナウについて
ドナウはドイツのミュンヘン動物園で生まれ、2010年にアクアマリンふくしまへやってきました。
13年の生涯において20頭以上の子を残し、国内で最も多くの子孫を残した個体です。
穏やかな性格で来館者の参加型イベントでも活躍し、多くの来館者に愛された個体です。
2021年2月に右前肢に腫瘍がみつかり懸命な治療を行っていましたが、10月に永眠しました。

https://www.aquamarine.or.jp/events/20220617eurasianotterdonau/

 

特徴

特徴はピンクの下唇(顎先)

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