TBS式長打率

Last-modified: 2025-09-18 (木) 23:11:30

長打を打つ割合を示した指標。

概要

野球における長打率(slugging percentage)とは

塁打数/打数
※塁打数=単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4

という算出方法で求められる指標である。

ふつう「長打」といえば「単打以外の安打」を表し、二塁打、三塁打、本塁打のことを指すが、長打率は長打の多さを示す指標ではない
たとえば、10打数7単打の選手と10打数1二塁打1本塁打の選手では、長打が1本も無いにも関わらず前者(長打率.700)の方が後者(長打率.600)よりも長打率が高くなる。
このように「打数あたりの塁打獲得数」を表している性質から、「塁打期待値」などへ改名することを提案する者もいる。

ところが2014年に放送された池井戸潤の小説が原作であるTBS系列のドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』*1では

【長打率】
2塁打以上のヒットを打つ確率

という間違った情報のテロップが流れた。
正しい計算式を知らない人がイメージしがちな勘違い的定義を、野球を題材としたテレビドラマで堂々と披露してしまったことでネタにされた。

なお原作には特にその様な注釈も説明も無かったため、ドラマスタッフもしくは脚本家が勘違いし挿入したものと思われる。
言うに及ばずTBSはかつてプロ野球球団を所有していた企業である。

TBS式長打率の計算方法

(二塁打+三塁打+本塁打)/(打数or安打数)

打数で割る場合と安打数で割る場合の2種類がある。
前者なら「その選手が長打を打つ可能性」、後者は「全安打における長打の割合」となる。

画像

TBS_long hit.jpg

漫画『MAJOR』における例

必ずしも勘違いをしていたと言う証拠はないが、満田拓也作の人気野球漫画『MAJOR』においても、長打率の使い方に疑問符の付く描写があり度々ネタにされている。
ある打者を寸評する文章の中で、「長打率7割9分」「典型的な不器用で無能で自己中心的な長距離砲だ」という表現が出てくるが、長打率7割9分というのはMLBのシーズン記録においては歴代6位に相当するもので、「野球の神様」ベーブ・ルースとシーズン&通算本塁打記録保持者のバリー・ボンズのみがこれを超える数値を記録している。NPBにおいてはシーズン本塁打記録を更新した際のウラディミール・バレンティンが7割7分9厘のシーズン記録を保持しており、これを上回るシーズン記録更新の数値となる。
同じ文脈の中で「打率2割4分2厘」との記述もあることから、仮に四球など安打以外での出塁が一切なく、犠飛が多かったとしてもOPSは1.000程度。
このように本当に長打率が7割9分ならいくら三振が多かろうが併殺が多かろうがリーグ最高峰の強打者と認めざるをえない打者のはずであり、(続くカットで「短気で退場が多い」という事実にも言及されているため数字のみでの判断ではないにしても)到底「無能」とは言えないため、TBS式長打率が誕生したのと同様に作者が長打率の定義を勘違いしていたのではないかと囁かれている。

この件については「長打率とOPSを誤解、または誤植したのではないか?」との説もある。
.OPS790台という数値自体は良好なのだが、それがマイナーでの成績となると「(打の選手で)その程度ではメジャーの舞台で通用・定着する事は難しい」という考えはおかしくはない。
現実のマイナー(3A)トップレベルの打者となるとやはり.OPSは9割台半ば程度・またはそれ以上を記録する事が多く、それですらあまりに守備難であるとおいそれとはメジャー定着はできないため、.790程度では打の選手としてのメジャー昇格は相当難しいという事になる。
また、三振や併殺が多いのは事実らしく、この時点で14本塁打しているにしては26打点とタイムリーの少なさも気にかかる。
打率.242も高い数値ではなく、短気という評から出塁率もそう高くないと考えられ、少々言い過ぎにしても「不器用な長距離砲」という評については辻褄が合う。

関連項目

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*1 工藤公康の息子・工藤阿須加が出演していた。