あへあへ単打マン

Last-modified: 2024-03-29 (金) 07:24:30

打率は低くないが単打ばかりで、貢献度が低いと見做された選手の蔑称。通称「あへ単」。


【目次】


概要

打率は最高打率のタイトルが首位打者と呼ばれるなど、古典的に最重要指標に位置付けられてきた。

しかし、ホームランがほとんど出なかった黎明期の野球リーグならともかく、年月と共に用具や技術の発達によってパワーのある打者は狙って長打を打てるようになり、またセイバーメトリクスの普及も相まって、今では打率だけでは選手の価値を測ることはできなくなっている*1

こうした背景から、「単打ばかりの打者は高打率に騙されがちだが実は貢献度が高くない」という風潮が生まれ、彼らの蔑称として単打マンという言葉が誕生。
これと「あへあへうんこまん」を組み合わせた「あへあへ単打マン」が、その語感の良さから定着していった。

なお、あへあへ単打マンの対義語として「ウホウホ長打マン」が使われる。
こちらは厳密な定義は不明だが、安打数のほとんどを長打が占める打者に対して用いられる。あへ単と比べて肯定的な文脈で用いられることが多い。

更にそこから転じて「特定の成績・結果を出しがちな野手」を「あへあへ○○マン」と呼ばれるようになった。*2

解説

「あへ単」の傾向については、以下の計算によって算出される「あへあへ単打マン値」によって分析することができる。

あへあへ単打マン値 = 単打数 ÷ 安打数

ただし、上述した経緯から「単打を放つことしか取柄が無い」ことを揶揄するニュアンスを含む蔑称であるため、この値が高くても優れた選球眼で出塁率を稼いで優秀なOPSを記録していたり、得点圏打率が高い(=チャンスの場面に強い)打者であったり、さらには走塁や守備など他の能力によって大きく貢献できていたりする場合は「あへ単」呼ばわりはされない事も多い 。そのため、特に首位打者や最多安打のタイトルを取った過去の名選手を「あへ単」とみなすかどうかについては十分な検証が必須であり、注意を要する。

しかし、もともとイチロー*3への煽りへの反論が初出であることからも分かるように、他の貢献を無視してでも単打の多さを叩く用法は当初から存在した。現在でも、守備走塁や出塁率などで貢献している選手どころか、リーグの平均長打率や規定打席到達者の平均二塁打・三塁打数を上回ってる選手でも、2ラン以上の本塁打の数が少なければ煽りカスによってすぐに「あへ単」呼ばわりされてしまうのが現状である。


初出(と思われるもの)

3 : 風吹けば名無し[sage] 投稿日:2012/04/23(月) 15:32:48.15 ID:XMjXv85N
あへあへ単打マン?

4 : 風吹けば名無し[] 投稿日:2012/04/23(月) 15:33:31.76 ID:X/ielbRS
あへあへ単打マンて何

スレは終始「あへあへ単打マン」という単語についての疑問レスに占められており、おそらくこのスレが初出かと思われる。


あへあへ単打マンランキング

規定到達者のみ記載。(2013/05/30時点)

http://www.logsoku.com/r/livejupiter/1369906069/

片岡治大 0.93
小谷野栄一 0.91
内村賢介 0.90
伊藤光 0.90
荒木雅博 0.89
井端弘和 0.89
藤田一也 0.86
金子侑司 0.86
9大和 0.86
10石川雄洋 0.84
11根元俊一 0.84
12ヘルマン 0.83
13嶋基宏  0.83
14大引啓次 0.83
15田中浩康 0.81
16西岡剛 0.81
17堂林翔太 0.78
18大島洋平 0.77
19西川遥輝 0.76
20マートン 0.76
21聖澤諒 0.76
22内川聖一 0.75
23今江敏晃 0.75
24秋山翔吾 0.74
25陽岱鋼 0.74
26菊池涼介 0.74
27鈴木大地 0.74
28谷繁元信 0.73
29村田修一 0.73
30新井貴浩 0.72
41ルナ 0.67
42長野久義 0.66
43新井良太 0.64
44糸井嘉男 0.64
45ミレッジ 0.64
46和田一浩 0.64
47浅村栄斗 0.64
48坂本勇人 0.63
49中田翔 0.61
50鳥谷敬 0.61
51畠山和洋 0.61
52アブレイユ0.60
53井口資仁 0.59
54阿部慎之助 0.57
55ロペス0.57
56ブランコ 0.56
57ラヘア0.55
58バレンティン 0.47

※133レス目で追加された選手
炭谷銀仁朗 0.94
今宮健太 0.67
坂口智隆 0.80
後藤光尊 0.83
松井稼頭央0.59

なお、規定未到達ながら上記スレが立てられた時点で宮本慎也理論上最高値の1.00*4を叩き出していた。


あへ単を極めし者

元広島東洋カープ・東出輝裕

  • 長打が極めて少ない*5
  • 四球が選べず出塁率が低い*6
  • 足は速いものの盗塁が下手*7
  • 守備は守備範囲こそ広いがエラーを頻繁に犯す

とまさにあへ単の究極系といえる存在であった。

また、2008年の

  • 打率.310(522打数162安打)に対し、26四死球で出塁率.341
  • 単打率0.92(長打は二塁打12本、三塁打1本のみ)
  • 0本塁打*8
  • 31打点
  • OPS.678
  • 13盗塁8盗塁死(盗塁成功率61.9%)

という成績、特に打率3割を優に超えながらOPS6割台は今なお伝説と謳われている。
これらのことから、「東出でも入れる名球会*9などと揶揄されたりとカープファンのヘイトを集めていた。

関連項目


*1 また、規定打席に到達さえすれば誰でも首位打者を狙うことができるため、1991年にオリックスの松永浩美と壮絶な首位打者争いを演じた末にタイトルを獲得したロッテの平井光親のように、2リーグ制導入以降の首位打者の安打数(111安打、パ・リーグ20位)としては史上最少だったケースも存在した。
*2 例:「あへあへ3ランマン」「あへあへ三振マン」「あへあへバントマン」等。なお投手に対しては「息をするように○○」が使われがちである。
*3 イチローは(MLB時代に限れば)高打率の割に出塁率と長打率は低めで、全盛期10年のうちOPS.800未満のシーズンが5年ある。しかし守備走塁での貢献度が非常に高いためあへ単とは言い難い。
*4 その後6月25日のDeNA戦でようやく長打が出たため、最高値ではなくなっが、このシーズンの長打はこの1本のみで、この年限りで現役を引退した。単打率は0.98
*5 当時の広島の本拠地は12球団トップの狭さである広島市民球場であった点も考慮すると異常だと言える。
*6 「東出は非力すぎて打たれても単打だから投手はボール球をほとんど投じなかった」「東出の打席では外野がほとんど前進守備を敷いていた」というエピソードがある程。
*7 通算143盗塁81盗塁死で赤星式盗塁は-19。通算盗塁成功率は63.8%。
*8 2006年からこの年も含めてNPB史上初となる「4年連続規定打席に到達しながら本塁打0」だった。
*9 なお東出も本家の永川と同じく名球会入りは出来なかった。通算1366安打。