概要
Fakerのプレースタイルの記事です。
特徴
The GOAT
Fakerは名実共に歴代最高のMIDレーナーであり、リーグ・オブ・レジェンドeスポーツ史上最高の選手だ。 Fakerがこれまで達成したメジャー大会実績を2023 Worlds終了時点を基準に見ると、LCK10回、MSI2回、Worlds4回、LCK MVP3回、MSI MVP1回、Worlds MVP1回の受賞歴がある。 これは世界中のどのMIDレーナーやプレイヤーとも比較できない圧倒的な記録だ。 Fakerと肩を並べるためには、Perkzのようにリーグ優勝タイトルで比較するしかなかったり、これまでの世界トッププレイヤー全員の主要キャリアと安定性を合算するか、Fakerのこれまでの選手キャリアを半分だけ適用させるといった強引な比較でない限り、比較対象がほとんどない存在しないほどのレベルだ。
Fakerが歴代最高MIDレーナーでありGOATであるという点は、これまでに残した様々な業績や功労を考えると、異論がないと言っても過言ではない。 もちろん後世に、LoLの歴史を通じてFakerを越えGOATへ登極する選手が出てくる可能性が全くないとは言えないが、単にキャリア、パフォーマンスだけでなく地位、象徴性、評判まで完全に越えるには現実的に非常に難しそうだ。 例えば、Fakerが公式的なメディアを通じてマイケル・ジョーダンと比肩されていたように、将来のGOAT候補と有力選手候補群も、このような世界的スポーツスターに例えられたり、このような要素と合わせて、あらゆる人にそれ以上に崇められるような要件を備えなければならないという意味だ。 スタークラフトに例えても、イ・ヨンホ、イ・ユンヨル、チェ・ヨンソン、キム・テギョン、イ・ジェドンのようにイム・ヨファンのパフォーマンス、キャリアを越えた選手たちは現れたが、象徴性のような要素を越えた選手は誰もいなかったため、最強ではないにもかかわらず歴代最高の選手として依然としてイム・ヨファンが挙げられるのと同じ理屈だ。
Fakerは選手経歴が長い分浮き沈みと不振時期が存在するが、スーパースター、GOATと呼ばれる選手がそうであるように、様々な要素 *1 で最高のパフォーマンスを見せた選手であり、これらの根拠をもとに選手として長いキャリアの間、主力としてプレーしながら前代未聞の活躍を見せてくれた。
万能型プレーヤー
"本当にメッシですね、メッシ。これは私たちがつけたのではなく、選手たちがつけたニックネームです!" *2
Fakerの選手経歴の中で見せた主な強みは、後述される様々な内容を含めて、今では10周年目のプロゲーマー *4 であり、Deftと並んでLCK最長寿選手として長い間証明してきた様々な活躍ぶりと、MIDレーナーに必要な様々な徳目及びゲームと関連した様々な能力値を総合すると、歴代のすべてのMIDレーナーはもちろん、すべてのポジションの選手の中で最も大きい六角型能力値を持つ選手だということだ。 そして、初期(2013 SKT T1K)と全盛期(2015~2017 SKT)時代に比べ、他の選手の全体的な水準が上昇平準化され、同時に年齢を重ねるにつれて避けられないメカニックの低下を経験しながら、最盛期の圧倒的なレーン戦能力や純粋なパワーで不可能な状況を切り抜ける頻度自体が減ったが、依然としてLCK最上位MIDレーナーとして競争力を備えており、同時に熟練度や、不可能な状況を最初から作らないように設計する安定感を備え、不利な状況では閃くセンスによるスーパープレー能力は向上し続けている。
特にリーグ・オブ・レジェンド プロゲーマーにとっては、レーン戦、チームファイト、運営の3要素が全て重要なスキルであり、リーグの初期の選手の多くはこれらの要素のうち1つ程度しか強みを持たなかったことが一般的で、実力を証明しながら進化するケースが多かった。 しかし、Fakerはデビューの時からすでに先に述べたリーグ·オブ·レジェンド プロゲーマーとしての3要素を全て備えた選手であり、さらにそれ以外の要素も、最盛期を基準にすると議論の余地すらないほどの選手と言われるほどだった。 *5
また、最盛期当時はミクロを活用したハイパーキャリー型プレイヤーのイメージが強かったが、実はサポート能力も高く、ルル、カルマ、ジリアンのようなチャンピオンも上手に扱う。ツイステッド・フェイト、ライズのような運営型チャンピオンを利用したプレーや、多方面でゲームを展開していく卓越した能力、さらに暗殺者のようなハイパーキャリーチャンピオンを使用して強力なレーン戦能力とローミングを活用してゲームを支配する力など、メタの変化に関係なく本人のプレースタイルを毎試合ピックやゲーム運営の方向性に応じて万能型選手として注目されていった。 *6 *7 さらには、本来のピックの意義を超えた、枠にとらわれないプレーを実現していた選手だった。 *8
欠かせない長所の一つがプレーメイキング能力だ。大多数のMIDレーナーがレーン戦や集団戦メカニック、運営面で優れていても、集団戦を設計する能力面では相対的に劣って、ジャングルやサポートなどに一任する場合がある。しかしFakerは、他のMIDがあまり見せることがないレベルのイニシエイティングや後述する集団戦オーダーも長所となっている。 *9 そして2016年シーズン以前までは無敵艦隊と呼ばれ、以後からは歴代最強チームと言われた15 SKTのジャングラーだったTomによってSKTのメインオーダーがまさにFakerだったという点が明らかになり、これによりSKT運営の核としてFakerが多大な影響を及ぼしていたことが裏付けられた。もちろん、この事実はこれまで多くの業績を達成してきたFakerがどれほど優れているかを証明する側面での一つ例である。 特に、インゲームにおいて一人ですべての状況を指示するわけではないが、チーム運営の核心となるオーダーを遂行し、選手に対して的確で優れたゲーム運営能力と判断能力を毎試合ゲーム内で明確に示したという点が大きく作用したのだろう。*10 *11
霊魂のDUOだったBengiと共に歴代最高のビッグマッチプレーヤーの一人でもある。 これまで自国リーグと国際戦の主要大会では圧倒的なパフォーマンスで優勝を果たし、レギュラーシーズンにチームが比較的不調だった時でも、自分の実力をそのまま発揮しながらチームを引っ張ったり、国際大会に出るとレギュラーシーズンに見せた不安な姿も嘘だったかのように最高のパフォーマンスで試合を盛り上げた。
"MID"という一つのポジションに多大な影響を及ぼし、LCK王朝の中心であり最後の王であったSKTというチームの主役選手としてその地位を築いた。全盛期と評される15~17年以降、長い間Worldsで優勝できなくても着実に国際舞台に出場して *12 高い順位まで上がったり *13 、国内リーグで優勝を重ねるなど *14 、一貫してトップクラスの技量を披露してきた。 *15
一方、2017年のWorlds準優勝 *16 を最後の全盛期と見なす人が多かったが、2021年のWorlds準優勝 *17 、2022年のWorlds準優勝 *18 、ついに2023年のWorldsで7年ぶり4回目のサモナーズカップを再び持ち上げ、過去の栄光を取り戻すようなパフォーマンスを見せるなど、回り回って2018年を除けばどの時代でも世界トップクラスの技量を着実に維持している。
MIDレーナーのバイブル
"SKTに勝つためには、MIDを勝たなければならないようだ。"
前 Samsung Galaxy MIDレーナー Crown (2016 Worlds準々決勝後のインタビュー) *19
Fakerのプレースタイルが与えた示唆点は、センセーショナルな登場以後、過去の旧時代と呼ばれた第1世代MIDレーナースタイルの終焉を知らせる変化をもたらした。 特に、Fakerが登場する前のシーズン2まで、MIDレーナーは無理なくファームをしながら成長し、主に必要な場面にだけ合流していたが *20 、2013シーズンから登場したFakerは相手レーナーに絶えず圧をかけながら利益を得るプレーを始めたという。 ただ、Fakerの登場を起点に、その後"MIDレーナーが必ず備えるべきスキル"がある程度確立され始めた。すべての傾向をFakerが作ったわけではなく、すでにRiotのパッチなどでそのような傾向が始まっていたが、Fakerがプロシーンで注目され始め、大会を席巻して以来、プレースタイルが世界中のプロゲーマーの研究対象になったため、その速度は急激に速くなった。 さらに、FakerのMIDプレースタイルがプロシーン、特にWorldsで前例のない人気を集めるようになり、Fakerのプレー一つ一つの影響力が高まると、Riotがより一層「Fakerらしい」レーン戦がメタになるよう誘導した。 言い換えれば、Riotが意図していた理想的なプレーを教科書的に実戦に最もよく落とし込み、世界トップに立ったのがFakerだと言える。
相手ジャングルがガンクやヘルプに来たくなるような状況を作り、いざガンクなどの牽制をかけられると本人はアグロを引き、相手ジャングルの位置情報を利用してチームで他のレーンに力を入れたり、カウンターガンクを成功させてそれを元にスノーボールを転がしていく。本人にプレッシャーが来ない場合は、レーン主導権を利用して一足早く合流し他レーンへプレッシャーをかけたり、MIDレーンからソロキル狙って崩壊させるなど、ゲーム支配的と評されるMIDレーナーの中でもスポーツ言うところの'クラックプレー'の頂点に近かった。 そして、このような役割はMIDレーナーに求められる一種の基本要素となっていった。
また、Fakerの登場以降、MIDレーン戦はもちろん、主導権を通じたプレッシャー、メタの1ティアチャンプがバンピックによっていくら制限されようとも堂々とピックできるチャンピオンプールを備えることが非常に重要になった。これは選手レベルの上限ラインを高く引き上げるなどゲームの大きな変化をもたらし、リーグ・オブ・レジェンドというゲームの歴史とMIDレーナーの役割、地位にも大きな影響を及ぼした。Fakerがデビューした後、LCKではFakerのプレースタイルについていけるかどうかによって、MIDレーナーの成長の可能性を判断したりもした。 代表的な選手がRookieとPawN。
したがって、これらの変化が起きると同時に、現代のMIDレーン戦の概念を定式化したのがまさにFakerだという点は既に広く知られている事実である。 *21 ワードを置く位置やタイミング、それを利用して相手のMIDとJGの位置を探すこと、特にワーディングの場合、2016 Worlds以後にユーザーの分析で広く知られるようになった1レベルプッシュ後のラプターワードが非常に有名だ。 *22 また、当時徐々に浸透していたレーンプッシュ後のローミングを最もよく活用した選手としても知られている。 さらに、相手の動きを捉えるためのMID中央のレーンワードを行うプレーも披露した。 2019シーズンにFakerと同じSKT所属だったジャングラーClidはFakerを'MIDの見本'であり、これを否定する人はいないだろうと言及した。 それだけ、現在確立されたMIDレーン戦の概念の理解にFakerが大きな影響を与えたことは否定し難い。Faker登場前と登場後のMIDレーン戦ではあまりにも大きな違いを見せているからだ。
チャンピオンプール
Fakerは'歴代最高'という修飾語が付く選手として、チャンピオン運用でも圧倒的な選手だった。 これは単なるお遊び用として選ばれたチャンピオンピックではなく、これまでプロとして長いキャリアを積む過程で他の追随を許さない非常に広いチャンピオンプールを持つようになったという点で、驚くべき部分である。 *23 また、実際に昔からリーグ・オブ・レジェンドに現存する全てのチャンピオンがMIDで使えると考えていた。
そして、実際に時期によって多様なチャンピオンを披露しているうえ、毎年変わるメタで主流のチャンピオン、あるいは뎅겅파(デンゴンパ)と비뎅겅(ピデンゴン)チャンピオンだけでなく、時々重要な場面に奇想天外でジョーカーに近いチャンピオンをピックすることもある。 2023年3月25日時点でLCKのみに限定すると計75体、Inven大会戦績室を基準に起用した総チャンピオン数は80体、オールスターゲームを含むすべての大会で起用したチャンピオン数はなんと87体 *24 。使用回数5戦未満のチャンピオンを除いても46のチャンピオンを起用した。
現在、リーグ・オブ・レジェンドのチャンピオンが150体を越えているが、アマチュア'고전파(ゴジョンパ)'時代からターゲットBANが不可能なほど非常に広く流動的なチャンピオンプールを誇っていて、これは個人でもチームでも非常に大きな強みとなっていた。 *25 また、ソロランクで彼を相手にした数多くのプレーヤーが相手に古典派とマッチングしたかどうかを、가갈갱BAN(ガ・ガリ・ガンBAN) *26 で確認するほど、FakerはBANをしないことで有名だった。 BANをせずに全てのチャンピオンを使うMIDレーナーなので、当時はチャンピオンピックが推測できないほどだった。さらに、これまでのゲーム指標データを基にすると、これほど圧倒的なチャンピオンプールがあることに加え、フェイカーを象徴しインパクトを見せたチャンピオンも数え切れないレベルだ。
特筆すべきはその中でも代表的なシグネチャーチャンピオンは別にいるということ。広いチャンピオンプールがあるので、どのピックがFakerとより合うのか考慮する必要もないし、どのチャンピオンをピックしても、スクリプターを連想させるような圧倒的な反応速度から出るムービング、方向指定スキルの精緻で高い命中率を活かし、相手を完全に翻弄する。本人は高火力を放つも相手の狙いは回避するなど、本人の圧倒的なフィジカルを100%生かして、敵のアグロを引きつつも瀕死で生き残り成果を出すスタイルだった。
そして、Fakerが好む代表的なチャンピオンとしては、時代毎に多様なAPアサシン *27 や、アマチュアの고전파(ゴジョンパ)時代から既に名声を博していた正統派APメイジ *28 が挙げられる。 その他、ADアサシンのゼド *29 をはじめ、ルルのようなサポーター、エズリアルをはじめとする遠距離ディーラー、アンチキャリー、ブルーザー、タンカーなど細かく分類される多様な役割群毎のチャンピオンを幅広く扱い、そのプレイによって実力を証明している。 *30
そして、このように様々なチャンプを使って勝利する姿で国内はもちろん海外でも人気を集めた。
- OGN Spring 2013 グループリーグ SKT T1 #2 vs MVP Blueでルブランをピックし、相手が20分でサレンダーをして勝利し、直後から人気が急上昇した。 その活躍の映像やハイライトはRedditにも掲載され、500件以上のコメントがついた。 ところが、本人がインタビューで、ルブランはシーズン3の振り分け戦以降プレーしていないチャンピオンだったと述べ、試合の前日に「ルブランをやろう」と思ってプレイしただけだと言及している。
- 2013年のWorlds Season 3、Lemondogs、TSMとのグループ予選では「MIDリヴェン」を選択し、当時の超OPチャンピオンであるゼドをソロキルしてセンセーションを巻き起こした。 *31 その後、2013-2014 Winter決勝 *32 、2015 Summer決勝 *33 でも時折リヴェンをピックし、驚異的なパフォーマンスを披露した。 *34
そして、リーグ・オブ・レジェンドのゲーム特性上、B/Pによってチャンピオンの幅を制限できるため、相手のBAN枠を1つ以上無条件に使わせることができるFakerはチームのB/P戦に大きく役立っている。 特に2017シーズンまではチーム毎に3枚のBAN枠が与えられていたたが、2016年のWorlds当時、シンドラとライズ *35 が解放されている試合でハイパーキャリーを何度もするうちに着実にBANされるようになったり、2017 Summer PlayoffsではKTにカシオペア、ルシアンを4ゲーム連続でBANさせた。
特異事項として、レギュラーシーズンでは適当なメタチャンピオン3、4体を中心にプレーし、プレーオフや国際大会のようにBO3・BO5シーズンになると、準備しておいた様々なピックを取り出す。 特にFakerは特定チャンピオンをBANされるまでプレーし続ける傾向があり、チームの合意や戦略でない以上、シーズン毎やトーナメント毎にメタチャンプを数体のリスト内でプレーし、相手がBAN枠を消耗する瞬間、他のピックに切り替えて流れを変える姿を頻繁に見せる。例えば、2023 Worlds決勝でトーナメント中ずっとメタピックのオリアナ、アジール、サイラスの3体だけをプレーしていたが、決勝で3体ともターゲットBANで制限されると突然一度もプレーしていなかったアーリ、アカリを取り出して優勝したのが代表的だ。
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勝率50%以上
これまで良い勝率を記録したチャンピオンは数多くあるが *36 、2023 Worldsまで全ての大会でのモストチャンピオンとWorlds優勝スキンのチャンピオンを含めて列挙すると、以下のようになる。(戦績参照: Inven、大会で多くピックされたチャンピオン順にリストアップ。 勝、敗、勝率)
- アジール - 152戦102勝50敗 勝率67.1%
Fakerの選手キャリアの中で初めて100回出場を達成し、最も多く起用され、多くの活躍を見せた大会モストチャンピオンピックでありながら、 2020 LCK Summerタイトル映像でアジール役で出演するなど、間違いなくFakerを象徴するチャンピオンである。 特筆すべきは、リリース直後は熟練度が良くなかったが、時間が経つにつれて熟練度が顕著に向上したという点。 *37 これはFakerがアジールを攻撃的に使用していたことに起因しており、初期のアジールはWの発動距離が約800で非常に長く、確実な場合を除いてほとんどダッシュを使用しなかったが、Fakerはルブランと同様に敵をキルを取れるタイミングだと思えば無理やり突入することがよくあった。 しかし、度重なるパッチによって、少なくとも大会でのアジールは単なる持続ディールチャンピオンではなく、WEQRシュリーマシャッフルを確実に使用するようなチャンピオンになり、Fakerの突進スタイルが噛み合って、不利なゲームでも相手ディーラーを惨殺させて試合を逆転させるようなシグネチャーピックになった。 Fakerの全盛期を象徴するピックがルブラン、ライズ、ゼドなら、キャリア全体を通してのシグネチャーピックはアジールだと言っても過言ではない。
2019年頃のアジール・コーキメタから頻繁にピックし、ほとんどの試合でダメージ数1位を記録するほど持続ディールを与える能力が突出していて、スーパートスでのメイキングまで完璧にこなすパフォーマンスを見せてくれた。 特異事項としては、マスタリーとルーン刷新以降、ずっとリーサルテンポを愛用してきたが、2021 Summerを境に他のアジールユーザーのように彗星やエアリーなどレーン戦強に強いるルーンを選択することになったということ。
BDDと共にアジール使いの二大巨頭として取り上げられており、2022 Springの時には、この2人以外のアジールの成績があまり良くないことから、鳩詐欺団に巻き込まれたと言われている。 *38*39 パッチ13.5では、Fakerの言葉を借りると'手足だけでなく胴体まで切られたほどのナーフ'をされてピック率が大幅に下がったが、パッチ13.11でアジールのティアが上がるとすぐに無条件にピックして大活躍し、鳩詐欺団は揺るがないことを証明した。
また、2023 Worldsでは当時OPカードだったオリアナの対応策としてピックし、最高潮のパフォーマンスを見せたチャンピオンである。準決勝のJDG戦ゲーム3では、2017 Worlds決勝戦での敗北をもたらしたRulerのヴァルスを、不利な戦況から身を挺してトスし、そのままゲームを終えて6年ぶりの復讐を成功させた。 さらに、同大会でオリアナを相手に3勝11敗を記録したアジールの戦績のうち、3勝全てがFaker一人のものだった。 その後、決勝では必須のBANカードとして枠を消耗させたり、B/P構造上WBGが先出しとなり、Xiaohuにピックを強制して、それさえもアカリで簡単に打破して優勝し、自分のシグネチャーピックであることを確固たるものにした。 T1のTOPレーナーであるZeusのエイトロックスと共にT1の2023 Worlds優勝に最も貢献したチャンピオンと言える。
- オリアナ - 81戦52勝29敗 勝率64.2%
ULTであるショックウェーブを相手チャンピオンが範囲の端に届くかどうかのラインで(計算通りに)積極的に詠唱して的中させ、「パリアナ *40 はショックウェーブの範囲が広い」という評価を受けたりもした。*41 シーズン3、2016シーズンに最も多くピックし、シーズン3のWorldsでは当時対戦相手として出ていたグラガスを対面に高い成長率を見せながら集団戦で敵を掃討した。その後2016 Worldsでもオリアナを使い印象的な活躍を見せ、高く評価されていたビクターよりもはるかに優れた性能を見せた。 特に重要な瞬間に相手のスキルを避けつつ生き延びたり、ショックウェーブを相手のディーラー全員に命中させてゲームを終わらせる、まさにマッドムービー級の活躍を見せ、当時の解説者たちから「Fakerのオリアナは違う」という評価を受けた。 2017 Worldsでは、絶望的な状況の中で奇跡的な逆転を果たし、チームの勝利とトーナメント進出の足掛かりを作ったチャンピオンでもある。*42 再びメタピックになった2023 Worldsでも、驚異的な熟練度を見せつけ、ゲームをキャリーした。
- ライズ - 76戦48勝28敗 勝率63.2%
Riot主催の国際大会に限定すると、20戦16勝4敗で勝率80%という驚異的な勝率を誇っている。 *43 すでにFakerプロデビュー以前の고전파(ゴジョンパ)時代から有名だったチャンピオンであり、'国代ライズ'と呼ばれたHooNを尊敬すると何度も明らかにしている。そしてそのライズプレーと攻略を見ながらプロゲーマーの夢を育んだ愛着を持つチャンピオンとして有名であり、ライズが何度もリメイクパッチを受けてプレースタイルが頻繁に変わったにもかかわらず *44 、並外れた熟練度と競技力を見せるピックの一つだ。
さらに2018 Worldsの公式テーマ曲である「Rise」のMVではFakerがライズとして登場するだけに、Fakerを象徴する多くのピックの中でも文句なく最高だと言える。 2019年のインタビューでも好きなチャンピオンとしてライズとゼドを選び、Fakerの2015 Worlds優勝記念スキンとして発売された。 ただ、ライズのビルドが大幅に変わった2022LCKスプリング第1ラウンドでは出すたびに負けて敗北を積み重ねてしまった。補足事項として、ライズで敗北した試合の中でライズのプレーでミスをしたり、ライズのせいで負けたと言える試合はあまりない。
- ルブラン - 62戦52勝10敗 勝率83.9%
ルブランデビュー初戦から大きな話題を呼んだ。 プロシーンで使うのは難しいという評価を受けていたルブランを、デビューして間もない時期にピックしてキャリーゲームを見せ、プロシーンでのルブランのスタイルを確立したと言っても過言ではない。 *45 2018シーズンに世界最高MIDになったRookieが優勝記念にルブランのスキンを選んだが *46 、その以前とその以後もルブランそのものと言えるほどのパフォーマンスを見せてくれた。 その一例として、40戦以上プレーしたチャンピオンの中で最も勝率が高い。 その中でも2015 Springにペンタキルを記録しハードキャリーをした試合があっただけに *47 、ゼド、ライズ、シンドラと共に恐ろしいほどのレベルの熟練度と勝率を示し、最も自信があるチャンピオンの一つであり、Fakerを最もよく象徴すると見られるチャンピオンと言える。
Falerはニーコやリサンドラのような優れたフィジカルと心理戦を必要とするチャンピオンも得意とするが、その中でもルブランは優れた熟練度の原点、あるいは代表格と言える。それにレーン戦、集団戦、アサシン能力もかなり優れていながらもディストーションと鏡像を活用したトリッキーなプレーにおいても他を圧倒し *48 、プレースタイルの観点からも深い関連性を見せている。 ファンからは'フェブラン'という賛辞に近い愛称で呼ばれている。 2022シーズンにも14戦全勝を達成し、真のシグネチャーピックが何かを存分に披露した。
- アーリ - 57戦38勝19敗 勝率66.7%
2013 Summerから2017 MSI、2022 Springシーズンに活躍したチャンピオン。 特にシーズン3 Worldsで使用したチャンピオンの中で最も多くピックをしたチャンピオンがアーリだった。 実際、その当時アーリで大活躍をし、FakerもRiotにシーズン3優勝記念スキンをアーリで作ってほしいと頼んだが、Riotがこれを断り、代わりに決勝で登場したゼドがFaker優勝最初のスキンとして作られることになった。 2017年以降約5年間、性能が低下して空白の期間があったが、パッチ12.3にリワークされて大会に出せるようになり、空白期間を乗り越え、2022 Spring優勝に大きく貢献した。その後、2022 Summerからは特にアーリをピックし、無理なプレーメイキングをして失敗することが多く、結局2022 MSI準優勝、2022 Summer準優勝、2023 Spring準優勝、2023 MSI3位敗退の憂き目に遭うなどしたが、結局2023 Worlds決勝でピックして勝利を収め、堂々と優勝記念スキン候補に名を連ねた。
- ガリオ - 53戦33勝20敗 勝率62.3%
2017 Worlds 準決勝 RNGとの1戦で伝説のMIDキャリーとなる5連続ガリオをピックし、Uziに一種のPTSDを誘発させるほど眩しい活躍を見せた。 本人も2017 Worldsで優勝したら、優勝記念スキンにガリオを選びたいと言及したこともある。 *49 その後のシーズンでもティア上がるとよく使うチャンピオンである。*50
- コーキ - 49戦37勝12敗 勝率75.5%
コーキが2016~2017シーズン頃からBOT·ADCではなくMIDチャンピオンとして起用され始め、急浮上した。 また、コーキと共にエズリアル、ルシアン、ヴァルス、トリスターナのように遠距離ディーラーチャンピオンがMIDに進出するようになると、Fakerのチャンピオン起用範囲は驚異的なレベルに達し、圧倒的な経験値ファーミング能力、Wスキルである'ワルキューレ機行'と'特注品のお届け'を果敢に前方に使用する素晴らしいハッスルプレイ、そして熟練度が必要なスキル命中率および高火力ダメージディーリングを披露した。 特に、2020 Springで涙コーキの株価が急浮上すると、ポストシーズンと決勝戦1、2セットで積極的に起用し、圧倒的なCS及びゴールド獲得能力と容赦ないポークダメージを見せ、9回目のLCK優勝に大きく貢献したチャンピオンである。 2022シーズンに入ってメタピックになり、再びコーキでで素晴らしいプレーを見せている。*51 全盛期が過ぎてポーキング的中率がやや低下したが、少なくとも'特注品のお届け'をFakerのように的確なタイミングで効果的に使用できるパイロットはいないと見ていいだろう。
- リサンドラ - 49戦39勝10敗 勝率79.6%
オリアナと共にFakerの堅実な競技力を象徴するチャンピオンであり、特に優れた熟練度で多くの活躍を見せてくれたチャンピオンだ。 束縛、進入、アグロ、パッシブ活用などリサンドラに必要な全てのプレーを最高の形で遂行し、自身の圧倒的なフィジカルとファイトタイミングを見計らって予測不能なタイミングでイニシエートをかけて集団戦を勝利に導いたり、アグロピンポンを通じた独特の心理戦を駆使して高いレベルのプレーを披露する。 特に2019シーズンからはFakerの主力ピックとして台頭し *52 、メタで遅れを取った後も、階級の高いMIDレーナーが主にルブラン、アーリを出す時に後出しをして相手MIDレーナーのキャリー力を抑制するアンチキャリーの役割をきちんと遂行し、対峙構図で優れたリスクを取った危険でギリギリのプレー運営と、集団戦で素晴らしいポジションから入ってCCチェインを繰り広げるなど、リサンドラに対する認識が良くない時もチャンピオンの性能を最大限発揮する高いスキルを見せてくれた。
フラッシュWを射程範囲の端に鬼のように的中させ、相手の主要ディーラーをCCチェインで爆死させる戦術は非常に洗練され、非常に古いチャンピオンでOPだったこともあまりないためか、リサンドラの対処法に慣れていない新人 *53 を魂まで吹き飛ばす新人脱穀機として悪名高い。
- ビクター - 47戦35勝12敗 勝率74.5%
かつてアジール・ビクターだけが出ていた両強構図時代から活躍してきたチャンピオン。 ビクターをピックして活躍する度に"拠点にある泉レーザーを借りて使っているのでは?"という評価を受けるほど圧倒的な破壊力を見せた。 2016 Worldsではビクターに比べてオリアナを使って圧倒的な活躍を多く見せたが *54 、最後の決勝戦ゲーム5では解説陣から「一人で全部やっている」という評価が出たほどの圧倒的なキャリー力を披露し、優勝を決定づけたチャンピオンである。
- ルル - 35戦20勝15敗 勝率57.1%
通常、BOTレーナーを補佐する典型的なエンチャンター型のサポートチャンピオンという認識が強かったルルも、Fakerの手にかかれば攻撃的に運用される。 Wスキルを利用したローミングでサモナーズリフトを縦横無尽に走り回ったり、2016 SpringではMickeyを相手にソロキルを含めゲームを支配するパフォーマンスを見せ、2017 Spring決勝でもサプライズピックでPawNのルブランをソロキルするなどの優れた活躍を見せた。 MIDルルが死蔵されてからはほとんどピックされていない。
- ツイステッド・フェイト - 34戦24勝10敗 勝率70.6%
Fakerの豊富な経験を基に優れたマクロを披露するピック。 2020シーズンから積極的に起用され、以後はターゲットBANされる場合が多かった。 また、レーン戦フェーズでのローミングだけでなく、後半のスプリットでも優れたパフォーマンスを見せた。 2019 Worlds グループステージ 1ラウンド RNG戦で見せたバックドアが圧巻。2021シーズンからFakerの主要固定BANとなるチャンピオンになった。 2022 Springでは優勝記念スキンオーナー *55 には解放されるがFakerには解放されないなど、名実共に固定BANカードとして活用された。*56
- ゾーイ - 33戦19勝14敗 勝率57.6%
2019シーズン~2021シーズンまでやや不調な成績と最低点を取る状況を除けば、覚醒した場合は輝きを見せることもあるチャンピオンである。 期間によって浮き沈みが激しく、ゾーイのランダム性を好まないと話したこともある。
- カシオペア - 32戦24勝8敗 勝率75%
ULT+フラッシュと独創的なULT活用といったスーパープレーだけでなく、回避でも非常に優れたプレーを見せ、様々な歴史的名場面を生み出したチャンピオンである。 また、カシオペアの靴のパッチ前後に関わらず、大会でピックする度に序盤からプレッシャーをかけ、破壊的なレーン戦能力を誇ったチャンピオンでもある。 2017 Summer Playoffでは最下位からスタートし、チームを決勝まで導いた原動力だった。 ただ、皮肉なことに、このカシオペアの2017 MSI ゲーム1で受けた4連続デスは、以前まで極少数のMIDレーナー以外には手がつけられなかったFakerのレーン戦プレッシャーに微妙に亀裂が入り始めたポイントでもある。 2021 Summerに入って全盛期のレーン戦に準ずるフォームに上昇したが、その時期の威圧感を取り戻すことはできなかった。 現在はメタに合わず使用されていない。
- アカリ - 30戦20勝10敗 勝率66.7%
リメイク以前にも使用したことがあるが、リメイク後に積極的に起用し始め、重要なマッチで見事に勝利を収めている。 特に2019シーズンにKhanとのフレックスピックでB/Pを盛り上げ、ナーフを受けた2020 Springでも当時3強チームだったGen.G、DRXなどを相手によくピックし、印象深い場面 *57 をいくつか残した。 キャラクター自体がFakerが好むピンポン可能なAPアサシンMIDであるため、好む傾向があるようだ。 アジール、コーキ、TFなどと共に2018シーズンの不振以降、Fakerを象徴する新しいピックとなった。 2023 Worlds優勝確定を決めたゲーム3でプレーしたチャンピオンでもある。 不思議なことに、レーン戦が厳しいアジール相手によく登場し、良いパフォーマンスを見せてくれたチャンピオンである。
- サイラス - 21戦14勝7敗 勝率66.7%
アジール、ゾーイと同じく、Fakerはどんなチャンピオンでも時間をかければ高い熟練度を得られるということを証明するチャンピオン。 サイラスがOPと評価されていた2019シーズンには、特にサイラスに未熟だった。 サイラスは、タンクとは程遠い'柔らかいAPメイジ'でありながら腕は短いため、攻撃的な接近戦にはある程度慎重である必要があるが、Fakerは普段使っていた正統派メイジやAPアサシンを使うように、瀕死ギリギリでのアグロプレーを必要以上に好んだためだ。 ULTの'乗っ取り'を意外と適時に活用できないということもあった。 相手とのULT交換で有利に進めることを好んでいたFakerとしては、奇妙な点だ。 また、Eスキルの鎖的中率もやや低い方だった。
それにも関わらず、 2019 MSI 準決勝 ゲーム4でのULT'乗っ取り'名場面のおかげで参酌して見る見方もかなり存在し、2021 LCK Regional Finalsから非常に印象的なパフォーマンスを見せ、2022年シーズンに入ってからは敗北なしに連勝を重ねた。 2023 Worldsでも活躍したチャンピオンだったが、 LNGとの準々決勝 ゲーム2と、 決勝戦 ゲーム2で相手のマオカイのカウンターに選んで適材適所でULTを奪って使う姿を見せた。*58
- グラガス - 17戦14勝3敗 勝率82.4%
過去、シーズン3 WorldsでOMGのCoolによって “不死大魔王 / Unkillable Demon King” という異名をつけられるきっかけとなった核酒樽グラガス。初優勝したシーズン3 Worlds 決勝戦で2度も使用し、特にゲーム3でケネンを追撃し、頭上に酒樽を投げて優勝を決定づけたチャンピオンだった。 2014 Winter以降、約10年後の2023年からロッド・オブ・エイジスがリワークされ起用され始めた。*59 誰も使わなかったMIDグラガスで活躍し、詐欺的なプレーメイキングを見せている。*60鳩詐欺団に次ぐ酒樽詐欺師、特に 2023 LCK Spring PlayoffsのKT戦 ゲーム5では、たったの2回のトスでほぼ負けていた試合を覆すプレーで皆を驚かせた。
- シンドラ - 14戦11勝3敗 勝率78.6%
シンドラが(誰もピックせず)故人だった時代からハードキャリーすることが多くあったほど、既にプロデビューする前からアマチュアシンドラ職人として名を馳せていた。 特に2015シーズンとその後の2016 Worlds *61 では解放されるとレーン戦から破壊したり、2017 MSIではG2の'Mithy'選手がザイラのCCスキルを避けるシンドラの驚異的なムービングを見て バグと勘違いし、即座にPauseを要請するといったハプニングが発生したほどだ。 Fakerの2016 Worlds優勝記念スキンとして発売された。 ただし、なぜか2020 Springで最後にピックした後、シンドラが主流となるシーズンでもピックしなくなった。 エイジングカーブが問題というには、フィジカルが多く要求されるイレリアやアカリなどの近接アサシンやゾーイとアジールのような高難易度のメイジもこなしているので、シンドラを使ったスクリム結果が良くなかったり単純に個人的な選好度が高くなかった為かもしれない。*62 シンドラ自体が後半にEスキルの'闇の波導'ワンツールという評価を受けいることもある。
- ゼド - 12戦11勝1敗 勝率91.6%
2013 Summer 決勝戦 Final ゲーム5 Ryuとの対決で、リーグ・オブ・レジェンド史上最高の名場面に挙げられるシーンを作り出し、最初の自国リーグ優勝を手にし、Fakerを一躍世界一のスーパースターに押し上げた、Fakerにとっては人生最高のチャンピオンの一体だ。 また、2014 All-Star Fnaticとの試合でのバロンスティール、2017 Spring Week 1 KTとの通信会社対戦での活躍 *63 など、多くの名場面を演出したチャンピオンである。 人生チャンプという放送で自身の人生最高のチャンピオンとして、また2019年のあるインタビューではライズと共に最も好きなチャンピオンの1つとして挙げており、Faker自身にとってシーズン3 Worlds 優勝記念スキンとして発売された最初のチャンピオンでもある。 現在はメタの問題で使用していない。
- カ・サンテ - 7戦6勝1敗 勝率85.7%
2023シーズンのFakerを代表するシグネチャーピック。 カ・サンテ特有の重厚なレーン戦とFakerの堅実なレーン戦能力が組み合わさって、優れたレーン戦を見せてくれる。 また、Q3やULT'オールアウト'での配達などによる創意的なプレーメイキングや、移動スキルで複数の敵を引き付けて時間を稼ぐなど、Fakerの長所が存分に発揮されるカードだ。 同じチームのTOPレーナーZeusもカ・サンテをよく扱うため、フレックスピックで敵を混乱させることも出来る。 2023 MSI優勝チームのJDGのKanaviも、「Fakerのカ・サンテは的中率100%でQ3を当てる」とし、「BANしなければならないので難しかった」と言及した。 Chovyとの10回目のBO3/BO5対戦である2023 MSI ゲーム5ではカ・サンテで活躍して勝利したり、2023 SummerではZekaをカ・サンテでソロキルをしたりもした。
- ヴェックス - 5戦5勝0敗 勝率100%
ヴェックスはソロランク性能とは別に、耐久性がなく柔らかい上、一度飛び込むと後がない不安定性から、精巧なプレーが求められるプロシーンでは扱いにくいピックとして見なされている。ただし、Fakerは大会で使用される前から ソロランクでヴェックスを使い22連勝したことが話題になり記事が出るほど、リリース直後から凄まじい熟練度で話題になった。 シーズン序盤はLCKのヴェックスの戦績がFakerを除いて全て敗北していたが、Fakerだけがこのチャンピオンで勝利することもあり、現在Fakerのヴェックスは全勝カードだ。
そして、チャンピオンリニューアルが行われる以前と変更後のチャンピオンに関しても勝率が高い。ニダリー *64 、アニビア *65 、マルザハール *66 、イレリア *67 、エズリアル *68 、ジリアン *69 などが代表的で、ルシアン *70 、フィズ *71 、ヤスオ *72 、タリヤ *73 、カサディン *74 、ニーコ *75 のように試合頻度と指標上ピック率はそれほど高くないが重要な状況や特定の期間に起用しながら非常に優れた活躍を見せるなど、 記述されていないジョーカーチャンピオンたちも別に存在する。
勝率50%未満
しかし、このようなFakerにも低勝率チャンピオンが存在する。 2023 MSI時点で、5戦以上出場し、勝率が50%未満のチャンピオンのリストは以下の通りである。(戦績参照: Inven、大会で多くピックされたチャンピオン順にリストアップ。 勝、敗、勝率)
- カルマ - 25戦11勝14敗 勝率44%
Fakerがルルのようなサポーティング型ユーティリティーMIDを非常に上手に扱うイメージが強く、そういった時期にカルマを使っても高いダメージを記録し、通称「フェルマの大定理」と言われていた。 しかし、ある時点から唯一カルマを持っていくと連敗を止められずにいる。 ただ、ダメージビルドを積んで自分がメインディーラーとしてカルマをプレーする時は敗北するが、サポートビルドを積み、味方の補佐に忠実なカルマをプレーする時は勝利するなど、プレースタイルの違いを考慮する必要がある。*76 2019 Worldsの主題歌であるPhoenixのMVでは、Rookieのリサンドラ、Capsのイレリアと共に選手本人に痛恨の敗北 *77 を残したチャンピオンの記憶として登場した。
- ブラッドミア - 10戦3勝7敗 勝率30.0%
デビュー当初はFakerの平凡なピックカードの一つだったが、'血液奔流'(E)メカニズムとチャンピオンリモデリングがなされた2016シーズンからどんどん連敗を重ねているチャンピオンだ。 他の低勝率ピックは、普通にプレーしたが状況が悪くて負けたり、少し自分の役割を果たせなかった程度だったが、ブラッドミアだけは負けた試合のほとんどを確実にブラッドミア本人のせいでインパクトのある敗北を喫したため、多くのファンから残念なチャンピオンに挙げられるほど。称賛を意味する"フェブラン"という愛称とはまた違った意味を持つ"フェラジ"とよく呼ばれ、ブラッドミア限定のトローラーとと認識されたほどだった。*78*79*80
そんなこともあってか、2019 Summer決勝で出た映画"추격자(Chaser)"、"타짜(Tazza)"、"신세계(New World)"のパロディ動画である 슼격자にフェ・ジョング *81 役として登場し、「逝くにしても、ウラジ一戦はいいだろ?」 *82 と話すセルフディスをした。
- ゼラス - 8戦3勝5敗 勝率37.5%
2014シーズンにゼラスをピックしていたが、2015 Springで3連覇3連敗を喫し、その後封印され、2023シーズンに久しぶりにピックして勝利を収めた。
- ランブル - 6戦2勝4敗 勝率33.3%
2018シーズンを基点にTOPからMIDチャンピオンとしても起用され、以後2019 KeSPA Cup、特に2020SpringシーズンではJG ジャーヴァンⅣ - MID ランブル - BOT ミス・フォーチュンの組み合わせが頻繁に採用される中、Fakerも数回プレーしているがローミングとULT的中率などの弱点を見せた。*83 ヒート管理とともにランブルの核であるULTを当てるのに苦労したため、当然封印された。
- ノーチラス - 5戦1勝4敗 勝率20%
2023 MSIでMIDノーチラスが流行すると、プレーメイキングに強みを見せるFakerの新しい切り札になると注目され、実際にソロキューでもノーチラスをよく練習して期待感を高めた。 しかし、実際の戦績はMAD戦 ゲーム1で苦戦の末の勝利を収め、JDG戦では3敗を喫した。
この中で半分近くが2014年と2018年の記録であり、これはFakerが当時どれほど不調だったかを示している。 この他にもブラッドミアで隠れていたが、MIDガングプランクも不調だった。 ファンや他のユーザーたちにとって、ガングプランクがFakerの最悪のピックと見なされている。 他のピックは不運が重なったこともあるが、ガングプランクは真剣に深刻だと考えられている。
2019年以降
2019年シーズンに入って、リサンドラやアーゴットなどの'五分で耐える'チャンピオンを主に使う状況が続くと、一部ではチャンピオンプールが狭くなったのではないかとの主張もあった。*84 しかし、これはSKTが再構築プロセスで重要視していたメタの適応面で、レーナーがジャングルを自由にさせる役割まで担っていたため *85 、Fakerはチーム的にこのようなピックを主にしていたのであって、決して他のチャンピオンを使えないわけではなかった。 実際、2019年シーズン前にSKTのドリームチーム級のラインナップが発表された際、多くのファンがFakerが無条件にガリオをピックして他のレーンを自由にさせれば良いという意見に共感を示していた。
実際、その後はゾーイ、ルブラン、アジールで素晴らしいプレイを見せ、コーキやアカリなどのピックも行うなど、チャンピオンプールには何の問題もなかった。 そのため、これらのレーンスワップが可能なチャンピオンの特性を十分に活用して、アーゴット、アカリ、レネクトン、ライズのようなチャンププールをチームのTOPレーナーであるKhanと共有しながら、相手にチャンピオンのレーンを予測できなくさせた。これは、フレックスピックとしてB/Pで有利を握る方法論的でありながら結果論的なアプローチにも繋がるケースを生み出した。*86 また、いざSpring 決勝では本人のシグネチャーピックであるライズとアジールで対面のレーナーであるChovyを文字通り圧殺する全盛期に近いパフォーマンスを見せ、このような懸念を完全に払拭した。
2019 Summerではシーズン中は多様なチャンピオンを活用しなかったが、4位で進出したPlayoffsからは圧倒的なチャンピオンプールを活かし、チームを決勝進出に導いた。 特にPlayoffs Round 3までの9試合では7体のチャンピオンを使用した。*87 これにより、B/P段階から心理戦を強く展開することができ、最近ほとんど出てこないエコー、カサディンを活用しただけでなく、既存のシグネチャーピックであるルブランとニーコ、そしてキヤナという新チャンピオンまで満遍なく活用し、それも全てのチャンピオンを最高レベルで扱いながら、9試合の間MIDでのレーン戦に全て勝つという衝撃的なパフォーマンスを見せ、決勝まで進出した。
特に、これまで対戦成績で特に劣勢だったShowMakerをゲーム1ではソルキル、ゲーム2、3ではジャングラーのClidとの連携でレーン戦段階で何度もキャッチして完勝を収めた姿は圧巻。 決勝では4ゲーム連続でアカリを先ピックしつつも、その内2回はTOPのKhanとスワップをしたことによって、ブルーサイドB/Pでの不利をカバーすることができた。レネクトンとSummer 全勝カードであるアジールまでピックして優勝を勝ち取り、最終的にPlayoffsでは計13ゲームで8チャンピオンを活用して相手チームのターゲットBANをほぼ無効化し、再び自分のクラスを証明した。*88
2020 LCK Regional Qualifier、Afreeca Freecsとの試合で、以前のSummerで苦しめられたTF/アジールBANによる競技力低下をを克服し、これまで相対的にうまく扱えないチャンピオンに挙げられていたゾーイをピックして縦横無尽に活躍し、ゲーム4では久しぶりにサイラスをピックして神がかりなムービングで解説陣を驚嘆させるプレーを見せた。 決勝では試合後のインタビューで改めて自身のチャンピオンプールに問題がないことを明らかにしたように、サイラス、エコー、オリアナをピックしたが、Bddの3試合3POGという史上最高のパフォーマンスの犠牲になり、シーズンを終えた。
総合的に、2020 Summerが終わった時点で、代表的な得意チャンピオンはルブランとアジールで、その他にはツイステッド・フェイトのようにマクロに強みがあるチャンピオン、アカリのようなピンポン系チャンピオンを好む傾向がある。かつての全盛期のように何をピックしてもキャリーするレベルでではないが、いくつかのピックで選手自体が封じられるほどのレベルでもなく、主流チャンピオンと大会で使用可能で無難なチャンピオンのプールを保有していると見なすことが出来る。
2021 Springには、Playoffsが近づくにつれて、セラフィーンのようなユーティリティー型チャンピオン、ゾーイとビクターなどの正統派メイジチャンピオンをよく使い、Springの終盤には多少不安な面を露わにすることもあったが、Summerからはレーンスワップが容易でトレンディなチャンピオンを多数披露し、自身のチャンピオンプールに問題がないことを示した。
全盛期から現在まで、Fakerのチャンピオンプールに関する話は次のように説明できる。 2015 Summerのような一部のケースを除くほとんどで、Fakerは通常、メタピック2~3体程度をよく愛用する。 そのため、たびたび「チャンピオンプールが狭い」という評価を受けたりもするが、Playoffsに行けレギュラーシーズンに愛用していたチャンピオンがBANされ、独自のピックを取り出し、自らチャンピオンプールの広さを証明することがある。
攻撃的なプレー
"Faker選手も頭がよくてフィジカルまで良くてすごいなと思う。"
元Royal Never Give Up, SUP: Mata ( 2016 MSI準決勝前のインタビュー)
最盛期においては、事実上キャリー型MIDレーナーの頂点とも評価されたFakerの攻撃的なプレースタイルは、非常に攻撃的なレーン戦と集団戦能力、優れたスキルショット命中率やスクリプター並のスキル回避能力 *89 、そして広く知られているCS需給能力などを基に強力なレーン戦を展開し、これらを基盤にしたスーパープレーを頻繁に披露していた。 これにより、序盤に相手を引き裂く勢いで攻撃的にプレーし、ソロキルをで1対1レーン戦から崩壊させたり、チームに対し自主的に有機的なシナジーを生み出してゲームに勝利する姿をよく見せた。
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特に、Fakerのレーン戦運用スタイルは非常に攻撃的だった。 そして、その中で特に際立っていたのは復旧能力。 チャンピオンの相性で遅れを取ったり、ガンクを何度も受けるなど、レーン戦でうまくいかなくても、CS需給、ローミング、TPなど優れたゲーム運営能力により、すぐに不利な状況をよく克服していた。
ただ、このような攻撃性がしばしば短所になることもある。 ソロキューとスクリムでFakerに強いという評価が多く、Fakerの分析に精通しているGBMによると、Fakerの弱点は極度の攻撃性だという。 やや受動的なチャンピオンを使用しても圧倒的なフィジカルで相手をレーン戦から押さえつけようとするため、相手の有機的な対応に巻き込まれる危険性が高くなるという。 実際、チームが不振な状況に直面した時、これは選手の最大の短所とも評価された。 *90*91
チームのエースとして刻印されたせいか、これまでSKTと対戦する世界の全てのチームは、Fakerを集中的に牽制する。 レーン戦の段階から敵ジャングルがMIDレーナーのFakerに頻繁にガンクし、集団戦でも優先的にフォーカスを受ける。 実際、SKTの試合を見ると、敵チームがFakerを優先的に切り崩そうとするケースが多い。*92 しかし、SKTは優れた技術を持つ他のプレイヤーが集中牽制による損害を埋めることができ、Fakerが集団戦でキルされても最悪の場合でない限り、残りのSKTチームメンバーにフリーディール環境が作られて結果的に勝利することがよくった。 そして、これによりFakerはファンたちから"세체미끼"というニックネームが付けられ、その後は試合中に必ず一度は言及される代名詞のようなニックネームとして定着した。
2013年から2017年シーズンまで、Fakerは最強のMIDレーナーという評価を最も多く受けた選手だった。 集中的な攻撃を受けても、レーン戦の段階で負けても、どこからかCSやキル、アシストなどを持ってきて、最終的には勝利する姿をたくさん見せた。 また、レーン戦が失敗しても優れた復旧能力で損失を取り戻したり、その成長力を土台にどんな方法でもチームをキャリーできるというMIDレーナーに重要な要素すべてを備えた選手だったと言える。 そして試合内容も、全盛期時代を牽引したプレー、それを基にFakerが世界的な名声を得るようになっただけに非常に素晴らしかった。
2019年からは、本格的なCS需給やキャリーは他のポジションに任せ、自身はレーン戦での行動主導権を基に視界やローミングなど影響力を広める方向にプレーが変わった。 圧倒的だった全盛期に比べれば、相対的にレーン戦能力が落ちて見えることもあり、Fakerがアンチキャリー性向だと誤解する人もいる。 しかし、Fakerは引き続き *93 攻撃的なレーン戦でダメージ、スキル、フラッシュ交換、他レーン介入やプレーメイキングを試みており、これはすべてレーン戦が強いからこそできるキャリープレーである。
2023年は手首の負傷を負ってプレーし、結局シーズン中にアウトになった。しかし、怪我から復帰した後、2023 Worlds優勝に至る過程では、以前の強力なレーン戦にさらに力を入れようとする姿を見せる。 正確には、より精巧にターンを分割して影響力を広げる形でレーン戦を運営する。 キルは出ないが、相手のMIDレーナーと影響力を広げるターン争いで優位に立つための手段としてレーン戦の強度を上げ、依然として瞬時の判断力と経験で誰も考えつかない角度でイニシエートを仕掛ける。 手首の負傷から復帰したばかりのSummer 決勝まではフォームが完全ではなかったが、Worldsが進行される中で昔の고전파(ゴジョンパ)の香りが感じられるほど強力なレーン戦を見せた。
クラッチプレーヤー
"サンヒョク、お前がやってあげないと!"
元 SKT T1 プロゲーマー、現 T1 ストリーマー Wolf *94 個人放送中
自他共に認めるLoLシーン最高のクラッチプレーヤーであり、誰も予測できない状況を作って試合を有利に導く能力は、デビュー時からキャリア後半までFakerを象徴するものと考えられる。 過去も現在もT1のゲームが不利になり始めたり、あるいは重要な局面に突入すればFakerのインゲーム興亡有無に関わらず、常に「Fakerが何かしなければならない」という言葉が出ている。つまり、チームが逆転するための必要条件がFakerのゲームチェンジャーの役割であり、デビュー時から今までこのような状況でリスキーなプレーを成功させ戦況を覆す割合が特に高く、T1のドラマチックな逆転勝ちにはFakerの影響が相当な比重を占めていた。 特に、このような変数創出プレーは緊張感が最大化されるプレーオフやトーナメント、国際戦でより輝くものであり、そのおかげで大きな大会に強いという認識が定着したのだ。
実際、上記のような攻撃的なプレーは明白な両刃の剣であり、厳密に言えば様々な理由で失敗するケース *95 も明らかにあり、それによってゲームを台無しにすることもしばしばあった。*96 普通はこのような失敗をすると、無意識的にでもトラウマのような失敗の記憶が残ってしまい、同じような状況が訪れた時、プレーをするのに0.1秒でも迷いが生じるのが人間の心理だ。 ましてや、失敗すれば大量の非難を受けるのが目に見えているのならなおさらだ。 それでも、以前の失敗やそれによる非難に少しも屈することなく、黙々と自分のプレーを試みる点、 同じ前フラッシュでも違う結果。*97 不利な状況でも、糸口を見つけるために本人がリスクを負うこと、ましてや、それを成功させてゲームを決定づけるウイニングメンタリティー、独断的な行動でゲームに有利に持っていく突発行為こそが、Fakerに歴代最高のMID、GOATの称号を与えた真の原動力である。 このようなハイリスクハイリターンを常に背負うことで、MIDが十分に成長していない状況でも、盤面をひっくり返すプレーを可能にしてくれるのだ。
2023 Worlds 準決勝 JDG戦 アジールのスーパートス。*98 |
また、単純にやるべきプレーをしてくれる粘り強さだけでなく、大きな試合では、ゲーム理解度と経験による誰も予測できなかった戦術的判断で形勢を覆すシーンをよく見せている。通常、このような状況で活躍する代表的なチャンピオンがライズだが、 2015 Worlds 決勝でのライズや、最近では 2022 WorldsでJDGとの準決勝 ゲーム2でライズの即刻的な欺瞞術で全体の交戦構図を壊してしまった競技がある。
オーダー能力
MIDレーナーでありながら、リーグ・オブ・レジェンド史上トップクラスのオーダー能力を持っていると評価されている。 特に2017年シーズン当時、Fakerと共にSKT選手としてプレーしたPeanutは、2019 MSI 準決勝の分析デスクで3試合のオフ・ザ・レコードが出ると、Fakerのオーダーを次のように称賛した。
"1試合目もそうだったんですけど、サンヒョク兄さんが集団戦がパッと開始されるや否や、いつも負けるか勝つか話してくれるんですよ? チーム的に。 そういうコールがチームゲームで… (中略)大きな試合でできるのは サンヒョク兄さんしかいないんじゃないかな··· あまりにも大きな試合をたくさんしたので" *99
最も代表的な例として、Fakerのオーダーが輝いた試合は、 2019 Worlds, SKT vs RNG, GROUP STAGE Day 2の試合だった。 試合は40分以上経過し、SKTはバロンとエルダードラゴンを全て譲り、更に悪いことが重なり、Uziのザヤが10キルを取っていて事実上RNGとの集団戦が出来ない状況だった。 その時、Fakerは「おい、これ敵陣にTPしたら終わりそうだけど?」と、不利な状況でも勝ち筋を見出した。 すぐに、ClidがリコールさせないようにTPできると呼応し、EffortとTeddyも「やってみる」と言って、Fakerのオーダーに応じて動いた。 TOPに先に到着したFakerがLangxのモデカイザーをマークし、慌てたRNGの選手たちが一歩遅れてリコールをしたが、先にテレポートしたKhanとTeddyの速い合流で完璧なバックドア勝利を成し遂げた。
2021 LCK Summer Afreeca Freecs戦でも素晴らしいオーダーでチームを勝利に導き、単独POGに選出された。 Afreecaが3体目のドラゴンを狩るためにドラゴンピットに身を寄せている時、Fakerは「MIDセカンドタワー行ってもいいけど、これ」と言い、3体目のドラゴンを与えてMIDタワーを2つ折ろうと提案した。 MIDセカンドタワーまで破壊した後、「インヒビタータワーまで壊そう」という追加オーダーで、ドラゴン1体とMIDタワー3つを交換する超大当たりオーダーを詠唱し、その後もライズのULTを中心にゲームを通して素晴らしいマクロを見せ、揺らいでいたチームの中心を強固に支えているということが証明された。
新型コロナの影響で2021 LCK Summerが無観客に変わった後、国民日報の ユン・ミンソプ記者はスタジアムの最前列から選手たちの声を鮮明に聞く機会があったが、その結果、Fakerのオーダーを特別だと評価した。 ユン・ミンソプ記者が特別だと言及した能力は、相手の手を読む能力だった。
"彼が相手チームの動きを事前に予測してチームメイトに伝えると、実際に相手チームがそのようなプレーを試みる頻度が他の人より確実に高かったです。 豊富な経験によるものなのか、それとも生まれ持った才能なのか気になるほどです。 このようにゲーム外で発揮される能力も考慮して投票しました。"
国民日報 ユン・ミンソプ記者の X (旧Twitter)
2022 Worldsでもこのようなオーダー能力は光を放っているが、特に 準決勝 JDG戦 ゲーム2のスニークバロンとバックドアフェイクは非常に絶賛された。
2023 LCK Summerで、Fakerが手首の負傷が生じたと言及した時点から競技力が揺らぎ、結局欠場し始めた第5週を境に、この2年間世界最高レベルの成績を記録したチーム *100 とは信じがたいほど基礎的な部分から崩れ、Fakerのオーダー能力が再び注目を集めた。*101 2023 Worlds 準々決勝 LNG戦を勝利し、T1 YouTubeチャンネルにアップされた インゲームボイスコンテンツで、正確なCD計算も話題になったが、オリアナとセジュアニのULTのCDをスキルヘイストまで考慮してほぼ正確な水準で計算し、それがバロン獲得に繋がる判断材料となり、驚きを与えた。
ジャングラーとの相性の問題提起
2017 Worlds決勝戦での敗北と、その後の相対的な不振が始まった頃から、Fakerとジャングラーとの関係に問題があるのではないかという話が徐々に浮上し始めた。 まず第一に、ワードをうまく置かないことが掲示板のLoLギャラリーなどで弱点として指摘された。 Fakerは昔から巧みなワード活用に一見識のあるプレーヤーとして有名であり、特にMidでのワード活用は先駆者的なもので、DopaもFakerを見て学んだというほどだが、当時の不振と相まって絶対的なワード指標や数字が少ないのが話題になったのだ。 しかし、それ以上に話題になったのは、このようなやり方で視界掌握争いで押されてしまうことが、Peanutのような攻撃的なジャングラーとの相性が合わないことと関連があるのではないかという問題だった。
ジャングラーとの相性問題は、2017年まではごく少数の一部の人々だけがFakerを貶めるために試みた一種の扇動だった。 しかし、2017年にAmbitionとCrownデュオに決勝戦で敗北してからは本格的に提起され、攻撃的なプレーと相まってジャングラーに負担を強いるプレーをしているという主張である。 特にSKTの場合はジャングルが防御的な役割遂行を強いられ、味方ジャングルが相手ジャングルに絡まれてもレーナーがジャングルを見てくれるケースが少ない。そしてそれは、MIDがジャングルとの連係プレーが重要なポジションであることを勘案すれば大きな弱点でもあるということだ。 この推測は当時、ジャングラーPeanutがBlankを含むどのジャングラーよりも攻撃的な選手だったため、思いがけないPeanutの不振を説明するためのものでもあった。
当然、このような主張はスタイルの衝突が理由に挙げられる。 特にMID-JGの組み合わせはどちらか一方が譲歩してくれることで安定性が生まれるが、Fakerは基本的に自分が主導してプレーメイキングをする側だということ、そして霊魂のデュオであるBengiが極端なカバー型ジャングラーだったためだ。 Bengiのカバー型プレーは、Fakerを支える役割だった。 そのため、Bengiの後任として入ってきたジャングラーは、時によってジャングルが主導的に動かなければならない部分で、MIDとのプレースタイルと相性問題からくる課題があるとまで言われるようになった。
2018年シーズンにはKingzone、KT、Griffin、2019年にはDAMWONの登場と8.4パッチなどゲーム様式の変化によりレーナーのジャングル介入とプレッシャーが激しくなり、上位チームの間では序盤に乱戦が起き始め、特にその中心にいたKingzoneとDAMWONはSKTを相手にまさに天敵として君臨した。 これは、SKTが相対的に守備的なジャングル運営を伝統的に後押ししてきたため、さらに対比され、このジャングラー相性問題に火をつけた。
2018年の指標では、ほとんどがKingzoneとの対決で大敗し、実際の成績以上に削られた。そして、KTのサポーターMataが重要な試合の度に上に登ってきてジャングルを粉砕するプレーを行い、味方は一層激しいプレッシャーを受け、選手個人としても老衰化と不振というレッテルが貼られ始めた。 この流れは2019年ドリームチームのClidが登場する前まで続き、リーグを再び優勝するとほとんど消えた。 その後、むしろFakerと共に戦ったメンバーがチームを離れた瞬間に不振に苦しみ、ジャングラーとの相性問題は完全に消えた。 2021年後半期、Onerという新人が主力に抜擢され2年を共にし、結局2023年Onerと共にWorlds優勝を手にし、ジャングラーとの相性問題が完全に消えた現在は全て過去の話となった。 特に2023 WorldsでT1はOnerとFakerのコンビプレーで不利な集団戦を覆す姿を頻繁に見せ、2人の幻想的な呼吸がWorlds優勝の中心要素に挙げられたほどだった。
反論
Fakerがキャリアの中で出会ったジャングラーはBengi、Tom、Blank、Peanut、Wolf、Blossom、Clid、Haru、Cuzz、Ellim、Onerの計11人。 特に公式試合で長い期間の同時出場があまりなかったWolf、Blossom、Haruのように比較自体が難しいケースは除いて考えても構わない。*102
まず、Fakerと最もよく息が合っていたBengiは、SKT黄金期にチームのBOTデュオだったBang-Wolf以上に世界最高であり歴代最高として刻まれるほどの最上級の連携を誇り、LoLの歴史上これらのキャリアを越える選手がいない。 また、数多くのLoLプロゲーマーと関係者、そして ファンが選ぶ史上最高のMID-JGデュオに選出されるほど、歴史を通して最高の選手の組み合わせと言っても決して不思議ではない。 これに対しLCKのKangQui解説者は、MIDでレーン戦の主導権を握り、ジャングラーと活発にコミュニケーションをとり、有機的なポジショニング、ローミングで他レーンに影響力を及ぼし、スノーボールを急速に転がすプレースタイルをFaker-Bengiデュオが定型化したと評価した。
Tomとの息もよく合っていた。 もちろん、Faker-Bengi、Easyhoon-Tomがより適している組み合わせであり、実際にこのような形でゲームセットに登板することが多かったが、Bengiとマクロ的には類似しながらも、ガンクとカウンタージャングル面では鋭く攻撃的なのでFakerとTomの2人の攻撃性がシナジーを発揮する様子が見られた。 もちろん、Fakerがたまに一人で飛び出してキルを取られたり、Tomの経験不足で相手に料理されることもあったが、大きな問題として浮上するほどではなかった。
2017年シーズン共にしたPeanutとは、時々コールがズレるなど、ギクシャクする姿を見せたが、Springまではただお互いの実力が強烈なのでリーグとMSIを圧倒できた。 しかし、その後から肉食ジャングルメタが終わり、草食ジャングルメタが浮上し、セジュアニのようなタンカー型ジャングルチャンピオンをうまく扱えないという否定的な評価が支配的に現れ始めた。 また、JG-MIDキャリーメタから徐々にSummerにはTOPレーナー、WorldsではADCキャリーメタに変わり、また別の問題点が表面化し始めた。 つまり、PeanutはMSI優勝以降、大きな活躍を見せられないという点がさらに浮き彫りになり、すなわちメタの変化や適応の問題に伴う浮き沈み論争は、これまで肉食型ジャングルとして名を馳せていたPeanutに如実に現れた。
結論的に、PeanutがSKTで不振だった当時は、草食ジャングルメタ及びアーデントセンサーメタに急速に移行していた時期だった。 すなわち、誰が先にBOTレーナーの補佐をするのかがポイントとなるタイミングで、ディールとアーデントセンサーを積むサポート役を同時に引き受けたMIDがCSをジャングルより食い荒らし、アーデントセンサーを上げるのは極めて当然のことだった。*103
Blankの場合は、2016年シーズンから2017年シーズンまで主力やシックスマンとして試合に出場していたが、基本技量の深刻な問題、大会指標で圧倒的な最下位圏を記録、 ゴーレムを相手に死、 無敵状態の敵にフルコンボを入れる、 相手のガングプランクの火薬樽を消さずにヘラルドを狩り始める *104 、 バンシーヴェール持ちの敵にカミールのULTを使うなど、ミーム化されるミスを量産してしまった。 すなわち、時によって消防士としてチームの勝利を導いたが、たいてい主力としての価値が非常に低いジャングラーに属していた。*105
そして、 調子が最高潮に達した時は、ジャングルチャンピオンを選り好みせず全てを巧みに扱っていたが、コインを裏返すようにその時々で競技力が随時変わり、世の中にこのようなジャングラーがいるのかと思うほどの ミスプレーを連発するなど、起伏が非常に激しいジャングラーであることを考慮しなければならなかった。*106 その当時、Fakerの競技力下落の主な要因ではないかと疑問視され、SKTの試合を見る解説陣など多くの人が2018 Summerが始まってからTOP-JGが非常に深刻なレベルだと話し *107 、そのようなTOPと、コインを裏返すように競技力が変わるジャングラーと共に出場しながら勝つのは誰でも不可能だというのがほぼ大多数の意見だった。*108 Summer Round2には初めて最高潮レベルに近い競技力を見せたにもかかわらず、TOPが原因で負けた試合が多く、チーム的にTOPが穴なのでTOPをケアしようという結論に至り、その結果、Blankが死ぬほどTOPだけを見ていたが、それでも負けた試合がかなり多かった。 このようにTOPの不振も大きな問題だったが、Spring当時、Thalによってサブに押し出された後、半年ぶりに先発復帰したUntaraが順調な試合運びを見せ、問題が一段落するように見えた。 しかし、すでに2018 LCK Regional当時、主力ジャングラーBlankの競技力と各種大会競技指標は、前述のように最下位圏であり、その水準を激しく上回るほど最悪に近いという話が絶えず出てきていた。 そして、この時はTOP、MID、BOTよりもBlankのスローイングが大きすぎて勝てる試合も負けてしまって残念だという意見まで出たほど、チーム全体がもつれた状況だった。
整理すると、Bengiの次にFakerと長く息を合わせたジャングラーはBlankだが、Blankは個人の技量自体の問題が深刻で、最初からチームのMIDレーナーとジャングラーが互いに息を合わせる能力が足りないように見受けられた。*109*110
2019年シーズン、RebuildingによってClidが迎え入れられ、互いに同体のように完璧な連携を見せ、このような論難は事実上解消された。 Clidは今までFakerが出会ったジャングラーの中で最高のスキルを持っていると見なされても過言ではない。 メタによってFakerがリサンドラに代表される五分で耐えるチャンピオンを使用し、Clidと共にジャングルを圧迫し、ここで得たジャングル主導権を土台に他のレーンを緩めたりオブジェクト争いで有利に進めるケースが多くなった。
特に、チーム的なマクロ面で、Fakerの卓越したレーン戦能力や安定的で優れているCS需給などの利点を通じて、素早くレーンを押してローミングを通じてジャングルと合流して主導的にゲームの色々な局面を作り出すプレーが以前より多くなると同時に容易になった。 ClidがFakerと一緒に上半身を圧迫している間、下半身が崩れない限り上半身の安定的に成長し、様々な成長差を広げながら下半身レーンがキャリーできる環境を作り出すことも多く出始めた。 そして、結局SKTはSpringおよびSummer序盤の不振にもかかわらず優勝を成し遂げた。 また、この時期を基点にClidとFakerの連携を疑う声が大きく減少し、このような結果を通じて、Bengi以降再びトップクラスのジャングラーと連携を組むと、Fakerの技量も再び蘇ったと見られるようになった。 すなわち、Fakerの不振がひとえにジャングラーの全面的な過ちではないだろうが、MID-JGメタでジャングラーの技量の差によって良くない状況が発生すれば、MIDレーナーが活躍する余地は明らかに少なくなるという事実もまた一度証明されたことになる。
ところが2019シーズン途中から終了後、再びジャングラーとの相性問題が突如浮上し始め、FakerをはじめとするSKTチームの不振により'Clidワンマンチーム'と呼ばれるなど、蔑視的で否定的な理論がLoLコミュニティ内の一部ユーザーによって広まり始めた。*111
さらに、Haruも2019 SummerでFakerとデュオを組んで勝利に導いた試合があったが、そのシーズン序盤、チームメイトのフォーム暴落がより大きかった。
2020年シーズンは、2年契約を結んだCuzzと連携を取ることになった。 しかし、過去のBengiやClidと同じ水準での連携プレーや成果があまり得られず、競技力面でまるで不足しているように映り、お互いの連係シナジーやそれに伴う破壊力が出ていないというのがRound 1の間の評価だった。 しかし、休憩期間後のRound 2からは、以前とは違ってプレースタイルがチームの変化と共に受動的なプレーから大部分攻撃的で能動的なプレーを展開し、サブジャングラーのEllimと部分的な競争を通じて互いに状況によって試合に出ることが多くなった。特にCuzzは試合で、グラガス、ニダリーのような本人のシグネチャーチャンピオンとオラフ、トランドルを起用して素晴らしい活躍を見せる機会が増えた。
一方、これまでSKTにいたジャングラーがLCKに残留するケースがなかったり、2018年シーズンの不振によりこの当時の記録は直接的な比較が難しかったが、2020年ストーブリーグを通じてサブジャングラーだったHaruはHanwha Lifeに、主力だったClidはLCK内のライバルチームであるGen.Gに移籍し、直接的にFakerのジャングル間の連携とコントロール可否を比較出来る機会ができた。 その結果、Round 1ではHaruがハードキャリーをしたためチームが敗北したが、Round 2の勝利を通じて勝負を振り出しに戻し、19 SKT時代にはClidがKingzoneで主力としてプレーしていたCuzzを相手に大部分を勝ったのに対し、2020年シーズンにはClidがCuzzを相手に全般的にSpring レギュラーシーズンで全敗するなど、明らかな下落基調により相性関係がひっくり返ったような様子が展開された。
その後、T1がレギュラーシーズン最終2位に定着し、プレーオフでDRXに勝利し、続く決勝戦では、CuzzはFakerとチーム的にファンタスティックな融和を成し遂げた。そして、レギュラーシーズンLCKファーストチームに挙げられていたBdd-ClidのMID-JGデュオを相手にグレイブズ、オラフ、サイラスをピックし攻撃的なプレーを見せ、いくつかのオブジェクトの状況を除けば相手を本当に何もできなくさせ、これまでのジャングラーとの相性問題を一段落させることになった。
しかし、2020 Summerシーズンに突入し、Cuzzとの連携が食い違い、コールが分かれるという話が出てきて不振に陥り、その後Round 2から2021 Summer Round 1までチームはローテーション運営が施行され、FakerもClozerとスターター争いをするために頻繁に出ることはなくなった。 2021シーズンに入ってからはCuzz、Ellim、Onerの3ジャングル体制が導入され、一層精巧な連携を図ることが難しくなり、Fakerとジャングラーの相性について正確な把握が難しくなった。
長いローテーション運営の末、主力の座を取り戻し、監督・コーチ陣がシーズン途中に解雇された2021 Summer Round 2から新鋭ジャングラーOnerと初めて息を合わせることになったが、Onerの攻撃性とFakerのマクロがマッチして、チームの上昇に貢献し、ついにLCK準優勝とWorlds準決勝に進出する原動力となった。 Onerはデビューシーズンでありながら、SummerシーズンにFakerとの連携が成功し、一気にトップクラスのジャングラーとしての地位を引き上げ、その過程でOnerをさらに促進したFakerの役割は決して無視できないものであり、Fakerは再びジャングラーとの相性問題に対する疑問を一掃させた。
結局、2022年時点で、Fakerと決別して他チームに移籍したジャングラーのほとんどが、従来の評価より良くない評価を受け、Fakerとジャングラー間の相性や、Fakerのプレースタイルに対する指摘はほとんど消え、むしろFakerと共にしたジャングラーやSUPのオーダーとマクロ能力に対する再評価が多くなった状態である。 並外れたキャリアを持つBengiやWolfはともかく、Fakerと一緒にいたジャングルとサポートが移籍後にはほとんどがFakerと息を合わせた時期に比べてオーダーやマクロ能力が低下している姿が伺えたからだ。
総合的にまとめると、Fakerとジャングラーの相性は、実際にはこの2つのポジションだけに限定されるのではなく、全体的なチームの方針、チームの現在の状態、メタの傾向によって完全に異なると言え、ジャングラーとの相性もFaker個人の大会時のコンディションや該当シーズンの技量の問題以上のものではない。 Fakerを貶めるために動員された一種の'無理やりなディス'と見ても差し支えないだろう。
シーズンごとのプレースタイルの変遷
2013シーズン~2017シーズン
"現在、Fakerに追いつこうと走っている人たちとは異なり、2021年に24歳になった彼が現在狙っているただ一つのターゲットは: 過去の自分だ。"
(Unlike others who are still running after the current Faker, trying to live up to the 2021 version, the now 24-year-old can only aim at one target: his past self.)
eスポーツ専門メディア Upcomerが 2021年に寄稿したコラム
"過去の私は、「もう私より上手な選手はいない、明らかに私が一番だ」という自信を持ってゲームをしていました。 全盛期といえば、たくさん優勝した時。 多分その時が全盛期だったんじゃないかと思います。"
(과거에 저는 ‘이제 나보다 잘하는 선수가 없다, 분명히 내가 최고다’ 라는 자신감을 가지고 게임을 했어요. 전성기를 따지자면 우승을 많이 했을 때. 아마 그때가 전성기가 아니었나 생각해요.)
基本的に2013年から2017年までのFakerは、私たちがよく知っている고전파(ゴジョンパ)と呼ばれる全盛期のプレースタイルである。 非常に幼い年齢からデビューし、5年に及ぶ時間の間、メカニック的な能力がプロゲーマーの中で最高レベルだった。 全世界のレーナーの中で、最初に挙げられる圧倒的なレーン戦能力、優れたフィジカルとムービングなどメカニックで相手を圧倒するスタイルのMIDレーナーだった。 文字通り、ハイリスク・ハイリターン型MIDレーナーで、スーパープレイを要求される綱渡り式運営を安定的に遂行し、強力で並外れたレーン戦能力を基に、クリエイティブなソロキルや相手を切り裂くプレーなどを通じて、フィジカルで相手を圧倒する運営が可能な選手だった。 つまり、かつてイ・サンヒョクのプレースタイルの特徴として挙げられていたファンタジスタという言葉がLoLシーンで最もよく似合っていた選手。*112
意外にも全盛期の時、Fakerが常にソロキルを獲得し、常にレーン戦で勝つLoLのために生まれたロボットだと認識している人も多くいるが、実際、これは80%程度は真実であり、残りは誤りである。 特有の攻撃的な性向のせいで、過度なダメージ交換をして、かえって自分がソロキルされる場面もかなり多くあった。 もちろんそれを考慮しても、チャンピオンの相性を覆してレーン戦に勝つことが多く、本人がプレーメイキングするかどうかに関係なく、相手を圧倒的な実力で打ち負かしたり、ソロキルを獲得することが非常に多かったため、相対的にそのような浮き沈みが埋もれたと考えることもできる。
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2013年~2017年のFakerの共通点は、メカニックで一度もMIDレーナー食物連鎖の頂点から降りてこなかったということだが、その共通点だけでこの時期のFakerのプレースタイルを一言でまとめるのは容易ではない。
2013年、Fakerはメカニカルな能力だけで、特別なマクロを必要とせずにゲームを引っ張っていくことができたレベルのアウライアーだった。 がほとんどのソロレーナーがイグナイトを持ち、アサシンややブルーザーなど少数戦に特化しているピックが最も活発に使われたシーズン3で、Fakerは特別なマクロに対するプレッシャーがなくとも、メカニックだけを頼りに試合を圧倒するプレーが可能だった。 この時期、T1 KはMIDとBOTがメカニックで相手レーナーを押さえれば、TOPとJGがプレーメイキングによって試合をうまく進めた。
しかし、次第にMIDレーナーの実力が上向き平準化され、Fakerの圧倒的なレーン戦力を封じたり、逆にFakerのハイリスクプレーを打ち返して利益を得ることができる選手たちが登場し、Fakerの技量は輝きを失い始める。 MIDとBOTのレーン戦能力を中心にゲームを展開していったプランがこれ以上通用しなくなると、かえってTOPとJGの相対的に不足していたメカニック的能力が浮き彫りになり、キャリアローを記録したのもこの時期だ。
2015年に統合チーム体系に入ったことで、このような課題を解消し、Fakerは一段階ステップアップすることに成功する。 メカニック能力を最上位圏に維持しつつ、相対的に不足していたマクロ的なプレーを備えることに成功し、再び世界最高のMIDレーナーとして躍り出る。
2016年までそのような浅い起伏があったにもかかわらず、世界最高の座を相次いで獲得したことから、既にFakerはプレーそのものだけでも最高の座に達しているという評価を受けており、あらゆる方面で絶賛されることが日常茶飯事だった。
2017年もSummerシーズンとMSIなど不安定な場面もあったが、この時だけは誰が何をしてもFakerのキャリー力を止められないと評価されるほどキャリー力が完全に開花したシーズンだった。 元SKT監督のkkOmaも、自分が見たすべてのシーズンFakerの中で2017年が一番良かったと評価するほどだ。 また、以前から世界最高の地位を占めていたため、このような評価を通じて、どれほど素晴らしかったかを裏付ける参考例ともなった。 特に2017年のFakerは頭脳とフィジカルの頂点が交差する地点だと評価されたが、文字通り自分が思った通りにプレーする感じが非常に強く表れ、個人フォームの最盛期だった。*113
特異点があるとすれば、現在のFakerもそうだが、基本的なチャンピオンプールは非常に広い方で、正統派、オフメタを問わず持ち出すが、意外と2015シーズンの Summerを除けば大会期間中に自分だけのモストピックをいくつか決めておいて、モスト1チャンピオンを主に愛用し、BANされれば次のチャンピオン、またBANされれば次のチャンピオンを選ぶケースが非常に多かった。 そして、これに関して余談として、2021 Summerにキム・ドンジュン解説者が試合中に回想するように、Fakerは以前から自分が望むチャンピオン1、2体を主に多くピックしてきたという話をしたこともある。 つまり、話を聞く限りFakerがOTP型選手のように思えるが、これまでの活躍の軌跡からFakerのチャンピオンプールを見ればそのような話は簡単に持ち出すことができない。
2018シーズン~2021シーズン
"レーン戦はRookie選手のように、後半のマクロではFaker選手のようにやりたいと思います。"
라인전은 루키 선수처럼 하고 싶고 후반 운영에선 페이커 선수처럼 하고 싶다는 생각이 들어요.
現 Gen.G Esports MIDレーナー Chovy: 2020 Spring 'LoLLy Night' インタビューより
2018年シーズンでは、圧倒的だったメカニック能力が年齢とともに自然に低下し、低迷したチームメイトのパフォーマンスと共に新しくプレースタイルを確立するまで、試行錯誤を繰り返す過渡期のシーズンとなった。 2017年シーズンまでは起伏があってもレーン戦の捕食者ピラミッド上位圏から降りることがなかったFakerだったが、21世紀生まれの強力なメカニック能力を持ったMIDレーナーが登場し、新しい毀破法を見つけるまで低調な時期を経験することになる。 また、Wolfの言及によると、Fakerの画面切り替えが特に激しくなったのも2018年シーズンからだという。
この時期を前後して、CSをありったけかき集めることを避け、キャリー役よりもチーム的なことに重点を置くようになった。 まず、以前までは常にFakerが1stオプションだったが、2019年シーズンにはTOPにKhan、ADCにTeddy、JGにClidまで迎え入れ、本人がキャリーオプションを担う部分が大幅に減少した。 それに伴い、プレースタイルもかなり変化し始め、2022シーズンに至るまでのプレースタイルの原点は事実上この時点からだと考えてもいい。
2018年シーズンから不安定だったレーン戦が2019シーズンになると非常に安定し、レーン戦の浮き沈みが完全に減った。 ただ、底値を高めたと同時に高値も大きく相殺されたという見方もでき、レーン戦を五分で耐えるのが中心になって、相手にレーン戦で押されることは全くないが相手に勝つことも少なくなり、以前の全盛期のようなプレーは失われたと評価された。 ただし、以前の驚異的なソロキルの代わりに、ジャングルを呼んでガンクをする方向性に変わり、レーン戦の主導権をMIDレーンでのソロキルに繋げるよりは、プッシュ後の視界作業とローミングに注力する方向に変わったと見るのが適切である。
集団戦フェーズでは、以前の2017年までの姿がほぼ復活したと評価されている。 この2019年シーズンは、Fakerのレーン戦のパフォーマンスは全盛期から大きく後退したと評価されるが、集団戦フェーズだけは以前の姿をほぼ完璧に再現したと評価される時期だった。
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普段はキャリー力の高い選手が多いため、チーム内での優先度は高くはなかったが、チームの危機的瞬間には独自のクラッチプレーでチームを救うことが多くあった。 結局、このような姿は2019年のLCKを通して結果として証明した。 従来のハイパーキャリー型MIDの性向から、チームのために支えるDoinb、Kuroに代表されるローミング型あるいはチームファイト型MIDレーナーとしてのプレーが目立つようになり始めた最初の年である。*114 特に2019 MSIでCapsに痛恨の敗北を喫した後、このような傾向がさらに深まった。
また、この時からは、2018年シーズンよりも精巧で細かいオーダーで、チームのマクロに完全に集中し始めた時期とも評価され、Mataと共に展開したオーダーとマクロ能力をはじめとする19 SKTは、LCKで最もマクロが優れているチームと評価されたりもした。
しかし、国際大会では相次いでBO3/BO5トーナメントの段階でパフォーマンスが落ちたプレーを見せ、これ以上国際戦で通用しないのではないかという疑問が生じ始め、結局これに対する証明は2022年シーズンまでも完全に成し遂げられず、2023年シーズンにWorlds優勝を達成して成し遂げた。
2020年からは、実質的に2019年の延長線と評価されているが、そのプレースタイルには些細な違いは存在する。
チームに新人が多くなるにつれ、以前に比べてオーダーやマクロ面の能力が完全に開花し、今は完全にベテランそのものと評価されているのが、まさにこの2020シーズンである。
ただし、レーン戦と集団戦で目立つことがかなり減り始め、集団戦フェーズでは依然として自身のプレーメイキングやゲーム運営上の設計を中心にゲームを引っ張っていたが、以前のように危機的な状況でゲームを覆すクラッチプレーが減少したため、キャリー力自体は大きく低下した。
優勝した2020 Springとシーズン最終5位に終わった2020 Summerの競技力の差もやや大きかった。 2020 Springには多様な役割群の数多くのチャンピオンを出したが、Summerに入ってシグネチャーピックであるアジールとツイステッド・フェイトの2体しか使えないという不名誉な評価を受けた。 2020 Springには、そのシーズンT1とともに3強だったGen.G、DRXの階級が高いMIDレーナーを相手にする時も大きく突き離されたいプレーを見せたが、SummerにはChovy、Bdd、ShowMakerなど上位MIDレーナーとの試合で良くない姿を見せ、Summerシーズン中盤からプレーオフまではほとんど出場できなかった。
特にレーン戦は、あまりにも五分で耐えること中心に偏ってしまい、2020年シーズンT1の実力が高くないと評価される一因として指摘されるなど、冷静に言ってレーン戦の技量自体は良いとは言い難いシーズンでもあった。*115 以前のようにレーン戦を圧倒する姿は見られなくなったが、調子が悪い時を除けばどの選手を相手にしても五分の戦いを繰り広げた。 ただ、MIDレーナーの両極化が激しかった2020 Summerには、レーン戦が弱い選手相手にも五分になるなど、確かに残念な様子だった。 結局、このようなプレーの限界から、2020年シーズンにはWorlds進出にも失敗してしまう悔しい年となった。 この時期、チームのプランの影響で、JGがガンクよりフルクリアを重視したため、レーン戦を五分で耐えることに固着したと考える視点もある。
2021年シーズンにはメタに合わせてプレーが一変した。 レーン戦で五分に耐えるのを過度に好むという世間の評価を覆し、レーン戦の強度を上げ *116 、自分のターンを確保した後に優れたローミング力で他の味方を補助し、集団戦では自分のプレーメイキングと設計によって利益をもたらし、その利益を無理なく安定的なプレーで運営してスノーボールさせてゲームをリードする姿が見せている。 2021年シーズンのモストピックであるツイステッド・フェイトとライズがそれを傍証しており、一部ではDoinbと似たプレー方式だと言われることもある。
最盛期時代のFakerを回顧する多くの人は、その当時の力強さと威力を今は完全に再現できなくなったのは仕方ないという評価もある。しかし依然として、Worlds4強や、リーグ内で新世代MIDレーナーがゲームをリードしてしている中、最上位圏MIDと評価されているのは驚くべきことでもあり、点で見たときの最全盛期は過ぎたかもしれないが、全盛期がまだ完全に終わっていないまま現在まで続いていると評価されることもある。
2022シーズン~現在
CloudTemplar: "実はこれは··· ほぼ7対4で戦っていると思うくらい完全にぶっ壊れていて…(中略)T1が! 文字通り、安定して本当に上手いんです。"
사실 이거는... 거의 7 대 4로 싸운다고 생각할 정도로 완전히 터저버렸고... (중략) T1이! 말 그대로 안정성 있게 정말 잘 하는 겁니다.CoreJJ: "実は、10年前にも多くのMIDレーナーがFakerを見て学んだのですが、今でもこの試合を見て多くのMIDレーナーが学ぶ必要がありそうですね。"
사실 10년 전에도 많은 미드 라이너들이 페이커를 보고 배웠는데, 아직도 이 경기를 보면서 많은 미드 라이너들이 좀 배워야 할 것 같네요.
試合中の解説者CloudTemplarによる要約と、 試合終了後の一日解説者CoreJJによる評価
2022年シーズン、プレースタイルが再び変わる姿を見せた。 過去のFakerがしてきたプレースタイルは、強度の高いレーン戦を通じてレーン先にプッシュしたり、もしくは捨ててまで自身は積極的なローミングでチームをサポートしながら利益を獲得し、時折攻撃的な面を見せ、2020年シーズンからは、レーン戦段階でリスクあるプレーを自制して守備的なプレーを固守し、安定的で堅実なローミングを通じて徐々に相手に締め上げていくスタイルに変わった。
しかし、このシーズンに入ってからはレーン戦を以前よりも強力に進める場面も多く見られ、守備的なプレーよりは逆にリスクのある無理に見えるプレーも積極的に試みるなど、全体的に攻撃的な傾向が強くなった。
このような変化は、Fakerのピックにも表れている。 自身のスタイルに合わせて守備的でマクロで有利なチャンピオンを主に起用し、あまり攻撃的なピックを頻繁に見せることがなかったFakerだったが *117 、2022年シーズンではヴェックスやアーリ、そして2021年シーズンに起用する姿をあまり見せられなかったもう一つのシグネチャーピック、ルブランなど攻撃的なピックも積極的に使い、自分の広いチャンピオン幅という長所を生かしている。
また、チーム的に余裕ができたためか、全盛期時代普段MIDで使用されていないチャンピオンをMIDで起用して試合を運営したように、カイ=サのように本人が独自にビルドを研究し、大会への適用に試みる様子を見せた。 また、シーズン最後の試合では一度も起用したことのないベイガーをピックして相手の隙を突いて素晴らしいパフォーマンスを見せるなど、より広いチャンピオンプールを活用する姿も見せた。
すなわち、2019年シーズン以降のプレースタイルの変化を経て経験を積み重ね、ローミングがより進化した。 そして、オーダーの代わりに低下したレーン掌握力と変数創出を次第に克服し、2022年シーズン以降から再び全盛期を迎えた。 特に、以前の全盛期には見られなかった若いチームメイトをリードしていくリーダーシップ、試合中にも相手を揺さぶり味方全体に影響を及ぼすプレーメイキングとオーダー、特にLOLプロシーンでも類を見ないビッグマッチなどの長年の経験をもとに、速いメタ変化への適応力で頭脳面が輝く選手に変貌した。 過去のMataや、現在のBeryLなどオーダー能力が頂点に達するサポーターたちが受ける賛辞である'マエストロ'をMIDレーンで受ける選手となった。*118
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2022 Springに入ってからは、2020年~2021年シーズンに4大MIDと呼ばれていたMIDレーナーが力を発揮できない中 *119 、自身のLCK通算70体目のチャンピオンとしてジョーカーピックのトリンダメアを準備してきた。さらに、自身による勝利を除けば、全敗中の新チャンピオン'ヴェックス'でも良いパフォーマンスを見せるなど、大きな弱点もなく活躍する姿を見せており、より目立っていた。
近づく杭州アジア大会の主力に選ばれるのではないかという話が出るほど、他のMIDレーナーが思ったより不調で *120*121、Faker本人ははるかに良いフォームを見せている。
2022 Spring、全勝での優勝まで達成し、プレースタイルの変化を考えると、シーズン序盤にはチームのTOPレーナーが適応問題を抱えていたことや、メタ自体が正統派メイジに優位性をもたらす時期だったこともあり、Fakerもプレーメイクだけでなく味方から成長を促す介護を受けて、後半キャリー役を遂行したりもした。 しかし、時間が経ってシーズン後半になるとメタが変わり、味方の技量が100%発揮できるようにになるとキャリー役は他のレーナーやジャングラーに任せ、本人は素早く動いて他レーンに影響力を広げる方式でプレースタイルを切り替えた。*122 年数を重ねたベテランプレーヤーらしく環境の変化に早く適応する姿を見せた。 また、チームが揺らいでいる時も相変わらずクラッチプレーでチームを危機から救い出し、Keria以外の完全にフルシーズン通してプレーしたことがない新人と見なせる選手たちを立派に導き、チームの全勝優勝に大きく貢献した。 さらに、2022 SPRING ALL-LCK 1st TEAMにMIDレーナーとして選出され、レギュラーシーズンMVPの投票で2位を獲得するなど、その功績が認められた。
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2023 Springではさらに進化し、浮き沈みの問題も減り、2018年の低迷期以降、最も全盛期に近い最高のパフォーマンスだったと評価されている。 優れたレーン戦とゴールド対比で優れたディーリング、卓越したプレーメイキングと成長、広いチャンピオンプールなど、 MIDレーナーのお手本のようなプレーを披露している。 これにより、ALL-LCK 1st TEAMに選出された。 2023 SpringシーズンでFakerが起用した最も特異なピックはグラガスだが、いまいちなディーリング能力とMIDレーン戦の主導権争いで劣勢になるという短所を熟練度で完璧にカバーし、2013年のリワーク前のMIDグラガスのようにノーカウンター級のレーニングとイニシエーティング、広域ディーリングを引き出す。 LCK内の他のMIDレーナーも何度かグラガスを使用したが、短所だけが浮き彫りになり、存在感なく腐るケースが多く、DoinbのランブルのようにFakerだけが扱えるジョーカーピックと評価された。 プレーオフ vs KT戦のスーパープレー。 しかし続く決勝戦では、アーリの(R)'スピリットラッシュ'-エバーフロストのコンボで、 エバーフロストの代わりにゾーニャの砂時計を押してしまう致命的なミスプレーをしてしまい、決勝戦で集中力が落ちるというジンクスを抱いて4連続準優勝にとどまった。
2023 MSIでは、現在のFakerの持つ長所と短所が鮮明に表れた。 MIDのキャリー力が低下した現環境で、カ・サンテ、アニー、アーリのようなメタのTier1であるプレーメーカー型チャンピオンの熟練度は高い一方で、それらと似たような役割であり、うまく扱えると期待されたノーチラスは、4対5の状況でデスグラブが出るなど、過度なメイキングプレッシャーから来る強引なイニシエート問題が指摘され、1勝3敗の罠ピックとなった。 また、キャリー型チャンピオンの場合も、良くない姿を見せた。 トリスターナでは、勝利したものの、ダメージ的に活躍したとは言い難く、決勝戦のキーピックとなったジェイスを準決勝BLG戦で使用した時は、Yagaoのサイラスを相手に敗北し、メインキャリー役遂行の弱点という限界を見せた。
しかし、2023 Summerシーズンで、なぜFakerがメインキャリー役の遂行よりプレーメイキングチャンピオンでより良いパフォーマンスを見せるのか、露骨に明らかになった状況が発生した。 Round 1後半、パフォーマンスが落ちたように見えたプレーが、実は手首の負傷問題によるものであることが判明し、このため、少なくとも2週間の欠場が確定した。 問題は、Fakerが抜けた途端、それまで残っていた最小限のマクロ能力と集団戦のパワーが完全に失われ、2軍レベルの凄惨な競技力で大敗し始めたことだ。 特に、あまり影響力がなかったように見えた序盤のレーン戦の段階でさえ、すべてのチームメンバーがFakerの動きとプレーに非常に多くのことを依存していることが明らかになり、一方ではFakerがなぜそのようなチャンピオンを使用するしかなかったのか明らかになった状況だ。
これまでT1で良いキャリアを送った選手たちに対して、良くない方向に再評価が行われる傾向が続いている。 T1を退団した選手のほとんどが、一部例外を除いて *123*124 、T1で際立ったり指摘されていなかった短所が浮き彫りになり、T1活動後に移籍したチームで活躍をすることができず、海外リーグに出ても不振だったり、海外で優勝しても国際戦で不振な姿を見せた。そのため、これまでFakerが他のチームメンバーの短所を補完し、相当部分を隠してくれていたという意見が登場し、逆にFakerののプレイヤーケアとオーダー能力に対する評価が急騰することになった。 DCインサイドに掲載されたLoLギャラリーのFaker分析記事を簡単に要約すると、Fakerは各選手が持っている長所を最大化できるようにし、それによって自己指標が悪くなることも気にせずそれを遂行するため、コンディションが良くない時にはFakerはフィーダーのように見えるが、他のレーンがキャリーしているように見える結果を作り出すという内容だ。 そのような状況でFakerが欠場すると、選手たちの長所を調整してくれた調整者がいなくなり、選手一人一人が自分たちの短所をカバーしなければならない状況になり、それができず不振になったということだ。
2023 Worlds中、Fakerのフォームが日を追うごとに向上し、全盛期以上のパフォーマンスを披露した。 2023 Worldsで見られるプレーと結果は、手首の怪我のないFakerがどれだけのパフォーマンスを出せるのか、限界を試すような感じさえ受けるほど。 準々決勝でLPLトップクラスのMIDレーナーと評価されるScoutを完全に圧倒し、準決勝ゲーム3ではknightとJDGを相手に、おそらく今回のWorldsで最も完璧なイニシエートと評価されるアジールトスで逆転させ、再び全盛期が訪れたという評価された。 SummerでアジールとニーコがBANされれば無力になるという指摘を受けていたチャンピオンプールも、オリアナ、アジール、アカリはもちろん、不安定と言われていたサイラスまで使用し、欠点を消し去ることに成功した。 ファンの間では2016、2017 Worldsの怪物のようだったFakerが帰ってきたという反応が出たほど。 結局、Worlds優勝まで果たし、手首の負傷から復帰してから完全に復活し、疑念の視線を完全に払拭することに成功した。
総合すると、Fakerは2019年以降、全盛期の時のように本人がチームのキャリーロールを担う1オプションとしての役割を果たす姿は頻繁に見せなかったが、時々全盛期の片鱗を見せた。 また、メタの変化に応じて、自身が考える勝利のための最善のMIDの役割を遂行した。 また、チームメンバーの実力を発揮できるように立派に補佐し、時にはキャリーロールも遂行したり、決定的なプレイメイキングで不利なゲームも覆すことができることを証明するなど、万能MIDレーナーでベテランの品格を見せる選手だと言える。