ヨウキ

Last-modified: 2023-11-21 (火) 10:42:55

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儚望(びょうぼう)(おさな)(せん)]ヨウキ

 

プロフィール

 仙術を扱う、只人ならざる少女。優れた術士としての才覚と、邦の皆に信を置かれる頭脳を持つが、性格は悲観的で臆病。
 過去に生まれを捨て、俗世とのしがらみや人としての望みを断とうと仙道となった。自分を拾ったハルサルヒとは、王と民という主従関係だけでない、強い絆で結ばれている。

 

「何も望まなければ、絶望しない」

 
  • 綴り(一例):Yaoji
  • 出身:少数民族の国
    • 現在地:
  • 性別:女
  • 年齢:14歳
  • 職業:元仙道
  • 武器:仙星扇
  • 趣味:おやつ、かわいい服
  • 性格:うちき
  • 一人称:ボク
  • 実装日:2022年11月30日

ユニット情報

  • レア:☆4
  • 属性:風
  • 武器種:魔法
  • リーチ:中衛
  • スキル:クリティカル

ステータス(外部リンク)

容姿

  • 背景なし

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  • 立ち絵

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  • SD

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    攻撃モーション
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    被ダメモーション
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    退却時
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    GIF
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  • 表情差分

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  • プロフィール等
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  • 外見特徴
    • 容姿:
    • 服装:
    • 武器:
    • 鈴:
       

イラスト・Twitterへのリンク
ユニットイラスト

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詳細

  • 名前の由来
    中国神話に登場する女神『瑤姫(ようき)/Yaoji』から

    <参考>
    Wikipedia
    Wikipedia(英語)

  • 2つ名
  • ユニットストーリー(ネタバレ防止につき折りたたみ。メイン二部十六、十七章(少数民族の国編)読了後を強く推奨します)


    メルク「みゅ、ヨウキさん! 丁度いいところにいたのですよ~!」
    ヨウキ「あれ? どうしたの、メルク?」
    メルク「みゅっふっふ! 実はヨウキさんに見せたいものがあるのですよ……。」
    メルク「みゅみゅーん!」
    ヨウキ「何、これ? 何かの招待状……? みたいだけど……。」
    メルク「この辺りで有名な、超高級スイーツ店の招待券なのですよ~!」
    ヨウキ「すいーつ!」
    メルク「なのです! ユウさんがこの前の依頼のお礼で、偶然お店への招待券をもらえたのですよ!」
    メルク「普段は予約でいっぱいのお店なのです。行ける機会なんて、もう二度とないかもなのですよ……!」
    ヨウキ「ええっ? そ、そんなにすごいお店なの!?」
    ヨウキ(格式張ったお店とか、飾った豪華な雰囲気とかは、慣れないから正直、ちょっと苦手なんだけど……)
    ヨウキ(き、気になる! 高級すいーつだなんて、何て魅惑的な響き……!)
    メルク「ユウさんも、ヨウキさんはお菓子が好きなので気に入ってくれそうと言ってたのですよ~。」
    メルク「最近は護衛のお仕事で、忙しかったと思うのですよ。ちょっとゆっくりするのはどうなのです?」
    ヨウキ「あ……。」
    ヨウキ(……きっとユウは、ボクがこのお店で喜んで、息抜きできるだろうってこれをくれたんだよね)
    ヨウキ(メルクも、自分がご飯を食べられないって分かっててボクを誘ってくれたんだ)
    ヨウキ「……うん! じゃあ、今度ボクと一緒に遊びに行こう!」
    メルク「わーいなのです!」

     

    「ようこそいらっしゃいました。ヨウキ様、メルク様。」
    ヨウキ「ふえっ! さ、様!?」
    ヨウキ(さ、様付けなんて、ハルヒじゃあるまいし……。昔だって、名前に様づけなんてしてもらわなかった気が……!)
    「ヨウキ様、こちらがメニューになります。お好きなものをお選びくださいませ。」
    ヨウキ(うわっ、いっぱいある! しかも全部見たことないやつ!)
    「またメルク様には、当店よりこちらのフラワーアレンジメントをご用意させていただきました。」
    「ヨウキ様も、どうぞご一緒にお楽しみくださいませ。」
    メルク「みゅわ~! ありがとうございます、なのですよ!」
    ヨウキ「わあ……。こんな風に活けられたお花も、綺麗だな……。」
    ヨウキ「……あっ、じゃなくて! ええと、お茶は……。」
    「ふふっ、どうぞ焦らず。ヨウキ様が当店で素敵な一日を過ごされることが、私共の望みでございます。」
    メルク「ヨウキさん、お店の人におすすめを聞いてみるのです?」
    ヨウキ「う……、うん! そうしてみよう、かなあ……!」

     

    「お待たせいたしました。アールグレイでございます。」
    ヨウキ「ふわぁ……。いい香り……、」
    「お砂糖はいくつにいたしましょう?」
    ヨウキ(えっ!? 王国のお茶って、砂糖入れていいの!?)
    ヨウキ「メ、メルク、メルク! お砂糖って、入れた方が美味しい?」
    メルク「みゅ~ん。お好みでなのですが、ヨウキさんはお砂糖の入ったお茶の方が好きかもしれないのですよ。」
    ヨウキ「ふむふむ……。じゃ、じゃあ、いっぱい!」
    「かしこまりました。」
    ヨウキ(はぁっ! ひ、ひとつ、ふたつ、みっつ……!)
    ヨウキ「あわわわ……。」
    「どうぞ、お召し上がりくださいませ。」
    ヨウキ「い、いただきます……!」
    ヨウキ「ずずず……。」
    ヨウキ「……ほわぁ。」
    メルク「ヨウキさん、お味はいかがなのです?」
    ヨウキ「……えへへ。甘くて美味しい!」
    ヨウキ「邦で飲むお茶とは違うけど、こういうのもいいなあ……。あったかくて、落ち着いて……。」
    「アールグレイは、濃厚なミルクティーもおすすめでございます。ご所望でしたら、お持ちいたします。」
    ヨウキ「い、いいの? それじゃあ……!」

     

    ヨウキ「ほっ……。」
    「ヨウキ様。続いて、プチガトー、スコーン、季節のフルーツ盛り合わせになります。」
    ヨウキ「え? ぷち……?」
    ヨウキ「って、えぇっ!?これ全部、ボクが食べていいの!?」
    「お代わりもご自由にお申し付けください。」
    ヨウキ「はわわ……! じゅるり……。」
    ヨウキ「ど、どうしよう……。邦でも美味しいものは食べてきたけど、こういう贅沢は生まれて初めてかも……!」
    メルク「気にしなくていいのですよ、ヨウキさん。このお店では、誰もがお嬢様なのですよ~。」
    ヨウキ「お、お嬢様……?」
    ヨウキ(高貴な女の子、ってこと? ミイの村の、普通の子供だったボクが……)
    ヨウキ(それって、王様じゃないにしろ……)
    ヨウキ(……お、お姫様……、みたいなもの……?)

     

    「ヨウキ様! 各国から取り寄せた極上すいーつにございます!」
    「ヨウキ様、お昼寝の時間にございます。さあ、ごゆるりと!」
    「ヨウキ様は素晴らしいお方! いらっしゃるだけで愛でるべき、この世の至宝でございます~!」
    ヨウキ「わーっはっはっは! いいぞいいぞ! もっとボクをちやほやするんだー!」

     

    ヨウキ「……。」
    ヨウキ(悪くない……!)
    メルク「ヨウキさん、どれから食べるのです?」
    ヨウキ「えっと、このちょこれーとのやつ! あとこっちのけーきも! くっきーも!」

     

    「~♪」
    ヨウキ「はあ……。」
    メルク「素敵な音色なのですよ~。」
    ヨウキ「だね……。」
    ヨウキ「えへへ……、楽しかったあ。すっごくいい気分……、」
    ヨウキ「ふわぁ……。」
    メルク「お腹いっぱいで、眠たくなったのです?」
    ヨウキ「あっ……、ご、ごめん! 折角連れてきてもらったのに……。」
    メルク「気にしなくてもいいのですよ! お店の人から、毛布も借りるのです?」
    ヨウキ「ええっ、それは流石に悪いんじゃ……、」
    「ヨウキ様。当店では、お客様に至福の時間を過ごしていただくことをモットーにしております。」
    「アフタヌーンティー後のお休みも、必要とあらば是非、お楽しみくださいませ。」
    ヨウキ「そ、そうなの……? じゃあ……。」
    「こちらにございます。」
    ヨウキ「わぁっ、ふかふかだ……。」
    ヨウキ「……あったかい。向こうで使ってた、お布団じゃないけど。」
    メルク「向こうというのは、邦のことなのです?」
    ヨウキ「うん。ボク、邦ではハルヒの邸に居候してて……。」
    ヨウキ「邦に来たばかりの時、ハルヒとかみんなとかから、ラムハーンの毛で織ったお布団、もらったんだ。服とか、絨毯とか、毛布とかも……。」
    ヨウキ「……ボク、何もない日はハルヒの部屋でおやつを食べて、お昼寝するの。」
    ヨウキ「お昼寝するとね……。眠る前は、何も被ってなかった時も、起きたら何か、かけてもらってるんだよ。」
    ヨウキ「こんな風、に……。」
    ヨウキ「むにゃ……。」
    メルク「みゅふふ……。」
    メルク「ヨウキさん。このお店は気に入ってもらえたのです?」
    ヨウキ「えへへ……。うん。」
    ヨウキ「ここってすごく、居心地がいいね……。美味しいもの食べて、誰かとおしゃべりして、あったかいお布団もかけてもらって……。」
    ヨウキ「あの仙境みたいに、寒くない……、」
    ヨウキ「……邦、みたい。」
    「変、なの。このお店で体験したこと、邦であったこととは、全然違うのに、なあ……。」
    「何もせずに、のんびり、過ごしてるだけなのに……。」
    「何で、かなあ……。」

     

    「おやすみ、ヨウキ。」

     

    「おやすみなさいなのですよ、ヨウキさん。」
    「うん……。」
    「おやすみ、なさい。」

     

    ♪望郷
    「……『すごく豪勢な店で、行く前は敬遠していたが、とても気に入った』ね。」

     

    <邦>
    ハルサルヒ「めいっぱい、かわいがられてきたみてえだな。」
    マォ「それ、ヨウキからの手紙か?」
    ハルサルヒ「ああ。今日のには、何とかって上等な店に行ったって書いてあった。」
    ハルサルヒ「あいつ、相当楽しんできたみたいだぜ? 筆遣いが、もうつやつやしまくってたからなあ。」
    マォ「お前まで随分、楽しそうじゃねえか。」
    ハルサルヒ「当然だろ。あいつが幸せなら、俺は嬉しいよ。」
    マォ「だろうなあ。」
    ハルサルヒ「……。」
    「……な、マォ。」
    「お前は、あいつが邦に来る前のこと、知らねえんだよな。」

     

    「初めて見た時、あいつは同い年のガキよりずっと、多すぎるもんを見てきた目をしてた。」
    「その割に、話聞いてりゃ結構修行サボってるみたいだったからさ。」
    「本当は修行が嫌で、人恋しくて、だから仙境を降りて俺と出会うことになったんだろうと思った。」
    「才気があるばかりに、幼くして仙に近づいていって……。」
    「そうして、見る間に人の理から外れる手前が怖くて、仙境と人里の境まで逃れてきたんだとも。」

     

    マォ「だから拾ったのか? あいつのこと。」
    「……。」
    「あの頃のヨウキは、嘘なんてまともにつけねえ奴だったからさ。一目見りゃ分かったよ。」
    「今だって、望まねえことを望むと言い張る時はあんなツラするのにな……、」
    「……あ。」
    ハルサルヒ「……『邦で過ごしてる時のような、かけがえのない、特別な日だった』か。」
    ハルサルヒ「のんびり飯食って、昼寝して、いい思いして……。生きてるだけで、満たされる日だったんだな。」
    ハルサルヒ「そいつを、幸せだって受け入れられるのか。今の、お前は。」

     

    「お前も変わったな。」

  • 人間関係
  • 登場ストーリー
    • メインストーリー第二部「少数民族の国篇」
  • 他細かいプロフィール(好き嫌い等あれば)
    関連事項等

紹介

アナザーVer.

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熙望(きぼう)邦陽仙(ほうようせん)]ヨウキ

 

プロフィール

 邦には未だ、瘴気の漂う場所がある。しかし心配無用、ヨウキの仙術とクラーリンの食欲が組み合わされば、消えぬ瘴気などない。
 邦王の望みを叶えるため尽力する内、ヨウキは少し変わった。何かを望むことを前ほど恐れなくなったのだ。それは、無邪気に笑って言葉にすることができる程に。

 

「お前たちと、ずっと一緒にいたい」

 
  • 出身:少数民族の国
    • 現在地:邦
  • 性別:女
  • 年齢:14歳
  • 職業:元仙道
  • 武器:護邦仙扇
  • 趣味:おやつ、かわいい服
  • 性格:うちき
  • 実装日:2023年9月9日

ユニット情報

  • レア:☆5
  • 属性:炎
  • 武器種:魔法
  • リーチ:中衛
  • スキル
    • 星焔導盛の仙舞
    • 邦で、一緒に暮らそう

ステータス(外部リンク)

容姿

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ユニットイラスト

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  • ユニットストーリー(ネタバレ防止につき折りたたみ。メイン二部十六、十七章(少数民族の国編)読了後を強く推奨します)

    「前はあんなに綺麗だったのに。岳の清流も、蕾の綻びそうな花木も、みんな、澱んでる……。」
    「……でも。」
    「ボクが求めてた場所は、ここだ。」
    ヨウキ「……ここがいい。」
    ヨウキ「瘴気の流れは、ここで留める」
    ヨウキ「留めた瘴気の周囲に、結界を展開。結界の中に完全に閉じ込めてから……、封印!瘴気を一塊にまとめあげる……!」
    ヨウキ「……上手くいった。」
    ヨウキ「瘴気団子の出来上がり~!」
    クラーリン「……?」
    ヨウキ「あっ、クラーリン。お前もこっちに来たんだ。もしかして、食べる瘴気を探してるところ?」
    ヨウキ「よかった。実は、この瘴気団子は……、」
    ユウ(……おお。見たよな、メルク。瘴気団子が華麗にできあがる瞬間を)
    メルク(しっかり見届けたのです。おめでとうなのですよ、ヨウキさん!)
    ユウ(瘴気団子を作るための術をヨウキが思いついて早数日……。これまでは、すぐに形が崩れたりしてたけど……)
    メルク(ついに成功したのですよ。報われて良かったのです。ヨウキさんの想いも……)
    (それから、ハルサルヒさんたちの想いも)

     

    マォ「はぁ……。瘴気団子って、何だそりゃ?」
    ヨウキ「割と文字通りだよ。漂う瘴気を仙術でまとめあげて、一塊にしたもののこと。」
    ハルサルヒ「それを、邦に来てくれてるクラーリン達のために作りたいって?」
    ヨウキ「うん。作って、クラーリンたちの巣まで運んであげたいと思ってるんだ。」
    ヨウキ「だって……。」

     

    「都に漂ってた瘴気は、あいつらが食べてくれたおかげで、すっかり消えてしまった。」
    「邦全体で見た時には、まだまだ瘴気が残ってる土地もあるから、今はそれを探し出して、食べてくれてるけど……。」

     

    ヨウキ「でも、ボクたちも畑を作り直すために、都の外の土地を耕さないといけないから。残ってる瘴気は……。」
    マォ「ハタで貰った布で吸い取ったり、お前が術で打ち消したりしてくれてんな。」
    ヨウキ「……。暮らしを早く立て直すために、必要なことだっていうのはわかってるよ。」
    ヨウキ「でもそれって、クラーリンたちからすればボクたちのせいで、食べるご飯を探すのがどんどん難しくなっていくってことでもある。」
    ヨウキ「瘴気は、自然の理として発生する分もあるから、ご飯が完全になくなる心配はないけど……。」
    マォ「それで、瘴気を消すんじゃなくて、クラーリンたちの住む場所に運んでやりたいってか。別に、そこまですることないだろ。」
    マォ「だってお前、邦に帰るまでずっと気張ってたせいで、この間の満月の日まで、食べるか寝るかしかしちゃいけねえ状態だったじゃねえか。」
    ヨウキ「それは……。王様がボクにそうしろって命じたから。」
    ヨウキ「ボクはもうすっかり元気だ。心配いらないよ。」
    ハルサルヒ「まあな。次はそろそろ、外の風に当たって体を動かしたほうが良いぐらいかもな。」
    マォ「じゃ、あたしに付き合えよ。一緒に体動かそうぜ。」
    ヨウキ「勘弁してよ。」
    ヨウキ「……クラーリンたちだって、もう邦の民だ。お腹いっぱい食べて、幸せに暮らしてほしい。」
    ヨウキ「だから、さっそく取り掛かるよ。その分、他の手伝いができなくなるけど……、」
    ハルサルヒ「気にするな。瘴気の件に集中してくれればいい。」
    ヨウキ「うん。任せて。」
    ヨウキ「ユウ、メルク。向こうの森へ行きたいんだけど、一緒に来てくれる?」
    「もちろん。……でも、あの瘴気を団子にするっていう術、完成したのか?」
    「き、昨日はたしかに失敗したけど……。しーっ。この話は向こうに行ってから……。」
    マォ「ったく。重労働しようとしてんじゃねえか。」
    ハルサルヒ「いくら仙の才に恵まれていようが、難しいことってのはあるんだろうな。」
    マォ「なら、何で任せた。お前も、無理してほしくねえんだろ?」
    ハルサルヒ「ああ。だが今回は、俺の望みを叶えるためだけに、そうしようとしているわけじゃないからなあ。」
    ハルサルヒ「あいつ自身も、そう望んでいる。だから止めるんじゃなく、援けようかと思ってな。」
    リァンシ「ということで。参りましたよ、あなたの良き友人が。」
    「邦王様。例のものができあがったので、届けにきましたよ。」
    マォ「……ああ。お前って本当、手回しがいいよなあ。」

     

    「ボクのために……。リァンシに頼んで、仙術用の扇を取り寄せた……?」
    「その上スクルゥも、新しい服を作ってくれたの?今の服だって気に入ってるのに。」
    マォ「なんでもそっちの扇は、仙人が手ずから作った逸品らしいぜ。リァンシが色々言ってたけど、細かいことは忘れた。」
    マォ「あとこっちの服は……。……ま、こいつも忘れたよ。」
    「え?」
    マォ「詳しいことは、ハルサルヒにでも聞いてくれ。」
    マォ「ほら、遠慮してないで。早く手に取った!」

     

    ヨウキ「えへへ、似合ってるかな……。この服。」
    クラーリン「……。」
    ヨウキ「この服、すごいんだ。何か特別な布で仕立てられてるみたい。」
    ヨウキ「ハタで作られた布と似てて……。瘴気に近付くと、その澱みからボクを守ってくれる。」
    ヨウキ「それにこの扇も、すごく軽くて……。仙の力も込められてる。おかげで楽に、術を扱えるんだ。」
    ヨウキ「この装いがあれば、瘴気団子を失敗せずに作れるよ。これからは瘴気を、お前たちの巣の近くまで届けてあげられそう。」
    クラーリン「……。」
    ヨウキ「……邦に来てくれてありがとう。これからも同じ民として、一緒に楽しく暮らそう。」
    クラーリン「……!」
    ヨウキ「じゃあ、向こうに溜まっている瘴気も団子にしてくるよ。少し待ってて。」
    ヨウキ「……こうして、それっ!」
    クラーリン「……!」
    ヨウキ「できたっ!」
    ヨウキ「えへへへ……!今のボクなら、いくらでも作ってあげられ……、」
    ヨウキ「そ……。」
    ヨウキ「う……。」
    ヨウキ(……見られたっ。ちょ、ちょっと浮かれたところ、見られちゃった!?)
    「あ。お前ら、やっぱりそこにいたのか。」
    ヨウキ「……、ハルヒも……。……見た?」
    ハルサルヒ「ん?ああ、さっきの……。たしか、うぃんくってやつだっけ。前に王国いった時に覚えたのか?」
    ヨウキ「忘れて、忘れてえーっ!」
    ハルサルヒ「おっと、悪い。今のはからかったわけじゃねえんだ。でもいい笑顔だったぜ。」
    メルク「なのです。邦中の皆さんに、見せてあげたかったくらいなのですよ。」
    ヨウキ「いいよ、見なくても……、」
    ヨウキ「……あ、……皆って。もしかして、この服。」
    ハルサルヒ「ん?マォのやつから、聞いてないのか。」
    ハルサルヒ「服を仕立ててくれたのはスクルゥだけどな。もともとは、ハタの村で暮らしてたやつらが、言い出したことだったんだ。」
    ハルサルヒ「邦のために瘴気を消して回ってくれているお前に、瘴気から身を守る服を贈りたいって。」
    ハルサルヒ「お前もまた、この邦の民として、長く幸せに生きてほしいからってな。」
    ヨウキ「……ハタから貰った布と、ちょっと織り方が違うなとは思ってた。そっか、やっぱり皆が織ってくれたんだね。」
    ヨウキ(きっとハルヒも……。ハルヒのことだから、皆から教わりながら……)
    ヨウキ「……ありがとう。」
    ハルサルヒ「気に入ってくれたんならよかったよ。」
    ユウ(……。マォさんが詳しく話さなかったのって……)
    メルク(ヨウキさんが一番最初に言うお礼の言葉を聞く相手を……)
    ハルサルヒ「……こういう気の利かせ方ができるやつだよなあ。」
    ハルサルヒ「まあ、それはそれとしてだ。ヨウキ、その瘴気団子をクラーリンの巣まで運び終えたら、邸まで戻ってきてくれ。」
    ハルサルヒ「ユウとメルクから貰った、王国土産の菓子がうまかったからな。その礼に、邦で作った茶と菓子を振舞いたいんだ。」
    ヨウキ「え?そんなの……、(わざわざボクにまで声をかけなくても……)」
    ユウ「俺たちも、ちょっと落ち着いてヨウキと話したいからさ。ほら、ここのところの俺たちって……、」
    メルク「なんだかんだ、瘴気のせいでパニックになったモンスターを癒す時ぐらいしか、お話してないのですよ。」
    ヨウキ「そ、それはたしかに。」
    ヨウキ(……でもこれって、ボクを休ませようって気遣ってくれてるんだよね?)
    ヨウキ(……だからって断ろうとも思わないけど。だって……)
    (また邦で。和やかにお菓子を食べられるなんて、そんな幸せを、ボクはずっと……)
    ヨウキ「うん。ぜひそうさせてよ。すぐに行くから、待ってて。」

備考

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