スキル
スキルとは、戦闘行動の基本であり、戦闘行動そのものとも言える。特に敵キャラはスキルによってしか行動出来ない。
アクターは戦闘行動にアイテムを選ぶことも出来るが、やはり基本はスキルだろう。
通常攻撃も防御も実際にはスキルであり、そちらも仕様を細かく設計することが可能だ。
行動についての殆どの要素を決定出来、計算式まで変更出来てしまうため
その影響力はパラメーター以上に大きいと言えるかもしれない。
調整は簡単ではなく、むしろ一発で調整に成功することなど、よほど他作品を模倣してない限りまずありえないので
実際にプレイしながら何度も設定を見直すことになるだろう。
最初は大雑把にアイデアどおりのスキルを組み、テストプレイを経て全体を見ながら直していくといいだろう。
また、長期的に何らかの強化や弱化をもたらすスキルについては
単純な能力値の増減なら「強化」「弱体」という要素が用意されているが
もっと複雑な設定を行うなら、ステートとの連携が不可欠となる。
ステートで出来る事も踏まえて設計すれば、もっと深みのある戦闘を構築できる。
更にコモンイベントも合わされば、演出においてもゲーム性においても出来る事の幅は非常に大きく広がってくる。
出来る事の幅は非常に広いが、1つ1つの細かな仕様を知る事や実現性を求める事は困難だ。
本wikiに出来る限りの事は書いてあるので是非役立てて頂きたい。
なお、スキルの1番目はデフォルトの通常攻撃として使うスキルに定められており、
スキルの2番目はデフォルトの防御として使うスキルに定められている。
通常攻撃については特徴欄で調整が可能であるものの
防御は操作可能であるすべてのアクターが利用可能なスキル。調整が必要なら慎重に設定しよう。
基本設定
文字通り、基本的な設定を行う項目。
設定欄が下の方にあるので見落としがちだが、ここで範囲と使用可能時を設定する事を忘れずに。
名前・説明・アイコン・MP・TPはテストしながら後から設定を直していけるが
設定欄を見落としやすい範囲と使用可能時は最初にしっかり設定しないとミスに気づきづらい面もあるだろう。
名前・説明
見たまま、ここで名前や説明を設定出来る。説明には制御文字を使用可能。
消費MPとTPが両方設定されている場合はここで明記した方が良いだろう。
何しろ消費MPとTPは両方設定されていてもどちらか片方しか表示されないのだ。
説明文には制御文字が利用可能であるため、文章を色分けすると読みやすくなる。
制御文字の色についてはイベントコマンドのメッセージに詳しく書いてあるが
\c[23]が消費MPの色、\c[3]が消費TPの色と思われる。
作品によっては、フォントサイズを大きくして見やすくしているものもある。
フォントサイズを変えない場合は、改行回数が2回でウィンドウからはみ出してしまう事に注意しよう。
説明文の設定欄で勝手に改行されていてもそれはゲームには反映されない。
アイコン
アイコンを設定可能。アイコンはしっかりカテゴリ分けがされているようだが
自由に使ってしまって構わないだろう。装備品っぽいアイコンをスキルで使っても良い。
大事なのは区別がつくことなのだ。
スキルタイプ
データベース「タイプ」で設定したスキルタイプを1つだけ選択可能。
アクターの場合、アクター・職業・武器・防具・ステートのいずれかの特徴で
スキルタイプを追加していないとスキルを覚えていても使えない事に注意が必要。
複数のスキルタイプが使えるアクターも実現可能、現にデフォルトのレイノルズやパメラは魔法も必殺技も使える。
消費MP・TP
スキルのコストを設定可能。消費MPは0~9999の範囲で、消費TPは0~100の範囲で設定可能。
消費TPを設定したスキルは得TPの事を忘れないように。
ここで設定された消費MPと消費TPはスキルの一覧でどちらかが表示される。
消費TPが1以上なら消費TPが黄緑色の文字で、消費TPが0なら消費MPが水色の文字で表示され、コストが一目で区別出来る。
尤も、前述の通り両方を消費する場合は片方しか教えてくれないが。
MPもTPも消費されない場合はスキルの名前しか表示されない。
コストを設定されたスキルは通常、イベントコマンドで使わされても、通常攻撃で使っても、普通にスキルとして使っても
どの場合でもMPやTPを消費し、足りない場合は使う事が出来ない。
しかしイベントコマンド「戦闘行動の強制」で使う場合はコストが足りなくても無理矢理発動する。
範囲
スキル対象に選べる範囲を選択可能。初期値は「敵単体」。
範囲とあるように、単体・全体の指定も可能。
この設定項目では、「陣営」欄の設定を基準に「対象」「状態」が選択可能かが変わる為
当ページでも「陣営」を基準として説明する。
- なし
範囲を指定しない。通常実行しないスキルや、またはコモンイベントを動作したいだけの場合に有効。 - 敵
”使用者にとっての”敵陣営を対象指定可能となる設定。
つまりアクターから見れば敵キャラであり、敵キャラから見ればアクター。
敵を指定すると、更に対象欄から「単体」「全体」「ランダム」が指定可能となる。
「単体」「全体」はRPGに経験がある者なら一目で意味が分かる事だろうから省略するとして
ランダムの場合は、1~4の数を指定可能。
指定された回数だけ、対象にとれる敵単体のうち、ランダムな対象を選んでスキルを使う。
その際、別の対象は勿論同じ対象であっても良い。ランダム4回の場合特に単体相手だと輝くだろう。
ランダムの場合は注意点があり、ランダムに設定したスキルの対象は、アクター・敵キャラどちらの陣営でも狙われ率を参照する事に注意。
逆に言うと、この仕組みのため敵キャラに狙われ率を設定する意義がある。*1
またランダムの場合はアニメーションの表示形式に注意。詳しくはアニメーションの項で。- ランダム4回というとDQ6の「ばくれつけん」が分かり易いか。
通常攻撃の半分の威力の打撃を4回、ランダム対象に行う。本作でもその挙動を完全に再現できるだろう。 - 「単体」「全体」「ランダム」いずれの場合でも、戦闘不能者は対象に出来ない。
敵を蘇生するスキルを作りたい場合は、イベントとの連携が不可欠となるだろう。
- ランダム4回というとDQ6の「ばくれつけん」が分かり易いか。
- 味方
”使用者にとっての”味方陣営を対象指定可能となる設定。
アクターから見ればアクターであり、敵キャラから見れば敵キャラ。
対象欄から「単体」「全体」を選択できる他、味方設定であれば唯一、状態欄の選択が可能。
状態欄は「生存」「戦闘不能」「無条件」を選択可能。
「生存」の場合はステート番号1「戦闘不能」に陥ってない者を対象とし、
「戦闘不能」は逆に戦闘不能に陥っている者のみを対象に出来る。
「無条件」は戦闘不能か否かに関わらず対象に出来る。
「戦闘不能」「全体」で戦闘不能者複数を一気に起こすことも可能。- 味方全体に使えるスキルは、特にメニュー画面で使える場合はバランスのとり方に注意しよう。
メニュー画面だと戦闘に参加しない、パーティーの5番目以降のアクターも対象に出来る為
人数が多いと、それだけ全体スキルが強力になってしまう。
- 味方全体に使えるスキルは、特にメニュー画面で使える場合はバランスのとり方に注意しよう。
- 敵と味方
「全体」のみ指定可能。
この場合…戦闘参加中であり、かつ戦闘不能者ではないのすべてのアクターと敵キャラが対象になる。 - 使用者
使用者自身のみを対象とする。
自己強化スキルや自己強化スキルなどに。
使用可能時
バトル画面とメニュー画面、それぞれで使用可能か否かを選択可能。初期値は「常時」。
「常時」はバトル・メニュー問わず使用可能。
「バトル画面」は戦闘中のみ使用可能で、メニュー画面では使えない。
「メニュー画面」はメニュー画面でのみ使用可能で、戦闘では使えない。
「使用不可」はバトル・メニュー問わず使用不可。
- 上の範囲欄で”敵”を選んでいる場合は基本的にはメニュー画面では使えないようにした方が良いだろう。
その場合メニューから使っても何も起こらない。
発動
スキル・アイテムで共通の項目。
発動するタイミングや確率、アニメーションを設定可能。
※この項目は、「発動/ダメージ/使用効果」ページを参照したものであることに注意。
速度補正
行動速度に指定した数を加算する。-2000~2000の値を指定可能。
行動速度の求め方は下記の通り。
敏捷性+《0~敏捷性/4+5》
《》内は乱数、小数切り捨て
最高値である2000を設定し、かつ相手が行動補正のない行動を取っても
敏捷差次第が大きすぎると十分先制される余地がある。
速度補正が2000までしかできない都合上、敏捷の値はあまり高くしすぎると
ゲーム設計の幅に支障を来す事となるだろう。
成功率
行動の成功率を設定可能。0~100%を指定出来る。
命中判定が「物理攻撃」または「魔法攻撃」の場合
ここで100を指定してあっても、必ず成功するとは限らない。
物理では命中率と反撃率と回避率を用いた判定を通過するため。
魔法では魔法反射率と魔法回避率を用いた判定を通過するため。
また複数以上の対象の場合、対象の数だけ成功判定を行う。
連続回数
ここで指定した回数だけ「ダメージ」と「使用効果」が発動する。1~9の値を指定可能。
- アニメーションの表示タイプ次第では、連続回数分のアニメーションが表示されたりもする。
詳しくはアニメーションの項目で。 - 上で設定した成功率も回数毎に判定する。
命中率・反撃率・回避率・魔法反射率・魔法回避率についても同様である。 - なお、コモンイベントは連続発生しない。1回のみ。
得TP
この行動を取った時に得られるTP。0~100の値を指定可能。
行動に失敗してもTPは得られる。
また、TPチャージ率で乗算される。
命中タイプ
それぞれ、成功率とは別に命中率の判定などを行う。
必中:成功率以外の判定を行わない。強力で確実な手段。主に回復で使われている。
ステートの付与の場合、必中設定のみ相手の耐性*2と運の作用を無視し、スキル成功率とステート付与率でのみ判定を行う。
物理攻撃:命中判定・反撃判定・回避判定を通過し、ダメージ量および回復量は
特徴で設定出来る物理ダメージ率の影響を受ける。
魔法攻撃:魔法反射判定・魔法回避判定を通過し、ダメージ量および回復量は
特徴で設定出来る魔法ダメージ率の影響を受ける。
アニメーション
データーベースのアニメーションで組んだアニメーションを設定可能。表示タイプに気を付けよう。
- 対象がランダム複数回である場合や、連続回数が2回以上の場合
アニメーションの再生ルールが表示タイプによって違うことに注意。- 「対象ごと」を設定している場合、その対象が「ランダム2回以上」であれば
選ばれた対象にそれぞれアニメーションが再生され、同じ対象ならその対象にその回数分再生される。
また、連続回数も指定した回数分の再生が行われる。ランダム4体に9回の連続攻撃なら、合計36回再生される。
この時、連続して再生される場合は前のアニメーションの再生完了を待たずに再生される。 - 「全対象の中心」や「画面の中心」を設定している場合、対象や連続回数に関わらず1回だけ再生される。
いかにも連続攻撃っぽいアニメーションならこちらが有効だ。
- 「対象ごと」を設定している場合、その対象が「ランダム2回以上」であれば
メッセージ
戦闘中に使う事で上部に表示されるメッセージを設定可能。メニュー画面では表示されない。
設定項目が2つあるが、どちらもスキルを使ったときのもの。2つ目はわずかに遅れて表示されるはず。
どちらも、%1と入力するとスキル使用者の名前に変換され、%2と入力するとスキル名に変換される。
「~を唱えた」「~を放った」「~を使った」というボタンがあるが
これは手軽に使えるプリセットメッセージ。
例えば「唱えた」を指定すれば、メッセージは「%1は%2を唱えた!」に設定される。
「レイノルズはアイスⅠを唱えた!」という具合。
ここを空欄にするとメッセージは表示されない。コモンイベントで別途演出をする場合などはその選択もありだろう。
必要武器
スキルを使うのに必須となる武器タイプを設定可能。アクターにのみ適用される。
例えば剣技なら剣を装備していないと使う事が出来ない、という具合。
武器タイプは2つまで指定出来、そのいずれかがその時装備している武器に付与された武器タイプなら使用可能。
武器タイプ2つが「なし」に設定されていれば、武器を問わずに使用可能。
表現に合わせて設定しよう。
ダメージ
ダメージ、回復、吸収を発生するスキルやアイテムに利用可能な設定。
属性や数値のランダム幅を設定できるのみに留まらず、その計算式までも細かに設定可能であり自由度が高い。
計算式はやや高度であるため最初は戸惑うかもしれないが、まずは簡単な式から挑戦してみると良いだろう。
タイプ
HP/MPとダメージ、回復、吸収を選択可能。なしでもOK
どのタイプを選んでも計算式のほうで0以下になると0と表示される事に注意。つまり負数で反転したりしない。
- HPダメージ・MPダメージ
基本的には攻撃用の設定。単純にダメージを与えることや、MPにダメージを与えられる。
自傷の強化技にも使える。
使用効果やコモンイベントを利用しない限り、HPとMPの両方にダメージを与えるということは不可能。 - HP・MP回復
基本的には味方の回復技・回復アイテム用。
MP回復が出来るものはバランスに大きく関わりかねないので細心の注意を。
ここで指定された数値は特徴の特殊能力値「回復効果率」で乗算される事にも注意。
但し、アイテムについては「使用効果」のほうで弄ったほうが
特徴の特殊能力値「薬の知識」の補正を受けたり、分散値を0にするなどの無駄な労力を割かずに済む。
ここで設定する場合は、効果に振れ幅を与えたり、ステータスを参照したい時、会心判定する時など
目的を明確にして設定すると良いだろう。 - HP・MP吸収
対象のHP/MPにダメージを与え、その分使用者が回復する設定。
一石二鳥の設定であり、得られるアドバンテージが大きいが
その分強くしすぎると吸収ばかり使えば良いゲームになってしまう。
HP吸収は特にコストを高めるか、または威力を控えめにするなど扱いには気を付けたい。
逆に弱すぎると吸収技であっても存在価値がなくなってしまう。難しいところだ- MP吸収はHP吸収とは少し違った調整が必要となるだろう。
MP吸収技があると「無くなったら吸えばいい」という発想に至るプレイヤーは多い。
想定難易度にもよるが、「MPを吸う為にターンを費やす」という事に重みをもたせたり
吸収量を調整する、そもそも技全体のMPコストを高くする、MPを持つモンスターの量を調整する
などなど調整の方法は少なくないので、ゲームの方向性と合わせて工夫してみよう。
- MP吸収はHP吸収とは少し違った調整が必要となるだろう。
- なし
このダメージ項目を使わない設定。
なしを選んでおくと、ダメージ項目の他の設定欄は使用不能な状態となる。
但し設定できないだけで、内部的にはどのような設定をされてるか記憶されており
再びなし以外の項目を選べば、計算式など他項目の設定が初期化されずに表示される。
属性
属性を選択可能。”通常攻撃”も指定可能で、その場合は特徴「攻撃時属性」で指定された属性になる。
ここで選べる属性は1つだけであることに注意。
物理・魔法の区別は命中タイプで参照され、特徴と組み合わせて耐性を作れるので
物理・魔法と属性は共存できるのだが
例えば魔法剣で「物理」「火」「斬属性」などの合わせ方をしたい場合
「火・斬属性」など予め複合属性を別枠で作っておく必要がある。
- 複合属性を作れば実現出来ることとはいえ、その為に属性の種類を増やしていけば
増やせば増やすほど作業量が肥大化してしまう。
その手の作業が増えすぎるとモチベーションにも関わりかねないので、手の届く範囲を超えないよう
妥協することも選択肢に入れておくこと。
計算式
具体的なダメージ・回復の計算式を入力できるこの項目の要。
計算式の幅は非常に広く、またすべての行動で入力できる為
この計算式の存在が、特に攻撃力・防御力・魔法力・魔法防御の価値を決定付ける。*3
ゲーム内で使われる可能性のあるスキルやアイテムすべての計算式から
攻撃力・防御力・魔法力・魔法防御の能力の参照を消せば、その必要性は一切無くなるという事だ。
計算式を最初から自分で組み立ててしまうも良しだが、うまくコントロールする自信がなければあまり凝らなくてもいいだろう。
デフォルトのスキルなら分かり易い計算式が多いので、まずはそちらを参考にしてみよう。
計算式の設定画面では、かんたん 基本能力値 応用能力値 その他 の4種類がある。
かんたん ではボタンを押すとすぐに計算式のお手本を提示してくれるので、まずはそちらから説明しよう。
かんたんで設定できる項目
項目名 | 計算式 | 備考 |
---|---|---|
敵に攻撃 | 自分の攻撃力*4-敵の防御力*2 | デフォルトの通常攻撃と同じ。デフォルト物理計算式の基準。 |
敵に魔法攻撃 | 100+自分の魔法力*2-敵の魔法防御*2 | デフォルトの火・氷・雷魔法Iと同じ。 |
自分のHPを回復 | 500+自分の魔法力 | デフォルトのヒールⅠと同じ。 |
自分のHPを全回復 | 自分の最大HP | 実は欠陥の大きな計算式。使用者の最大HPを設定してあるため、 対象指定する回復の場合、使用者より最大HPが高いと全回復にならない他 分散値が設定してあると自分でも全回復しない可能性も。 やるなら、「敵の最大HP」に分散値0を指定しよう。自己回復でも有効。 |
自分のMPを回復 | 10+自分の魔法力 | |
敵からHPを吸収 | 自分の攻撃力*2-敵の防御力 | デフォルトの「吸血」で採用されている。 |
敵からMPを吸収 | 5+自分の魔法力-敵の魔法防御*0.5 |
計算式の弄り方が良く分からない人、自信がない人などは
まずはこの「かんたん」で出力された計算式をいじくる事から始めてみよう。
例えば「敵の魔法攻撃」の最初にある100を1000にするだけでも、基礎威力の高い魔法攻撃になるし
「敵に攻撃」にある「自分の攻撃力*4」を「自分の攻撃力*6」にして高威力の攻撃にしてみたり
「敵の防御力*2」の*2を消してみれば、敵の防御力を半分無視する技として成立する。
軽く設定を変更した技を作りながら、段階を踏んで使い方を覚えていくと良いだろう。
ただ、軽く設定を変更するだけでも使えなくてはならないものがある。
それは「かんたん」以外の「基本能力値」「応用能力値」「その他」で使用できる
テンキーのようなものだ。
計算式の設定画面では、右側にテンキーのようなものがある。
こちらは右スティックを動かすとこのテンキーの操作に移れる。
テンキーの演算子などの使い方はこちら
記号 | 意味 | 順序 |
---|---|---|
+ | 足し算 | 4 |
- | 引き算 | 4 |
* | 掛け算。テンキー上では×の表示。 | 3 |
/ | 割り算 | 3 |
^ | べき乗(累乗) | 2 |
() | カッコで囲まれたものから先に計算する。 | 1 |
. | 小数点の設定。 | |
←→ | 押すとカーソル位置を変更する。 |
なお、あっても良さそうだが剰余(%。割り算のあまりを求める。)は無い…。
これは一般的な計算式…四則演算の基本*4であり義務教育にも組み込まれているが、念のため改めて説明する。
計算式の計算順序は演算子ごとに決まっており、順序が同じものは左から計算する。
但し、カッコで閉じられたものはカッコから計算する。
2重以上にカッコで閉じられたものはよりカッコが多く閉じられているものから計算する。
上の表の「順序」はその演算子ごとの順序を表し、数字の小さいものから計算する。順序が同じものは左から。
折角なので例題を出してみるが、必ずしもこれだけ複雑な式を作れなくてはならない訳では無い。
100-(10-5)*7+3^((9-6)*3-100*0.5/10)*5
赤は次に計算する場所、青は計算したばかりの場所。
色を見分けやすくするために太字で表示。
100-(10-5)*7+3^((9-6)*3-100*0.5/10)*5
100-(10-5)*7+3^(3*3-100*0.5/10)*5
100-(10-5)*7+3^(9-50/10)*5
100-(10-5)*7+3^(9-5)*5
100-5*7+3^4*5
100-5*7+81*5
100-35+405
65+405
470
答えは470
また、計算式の中で能力値を扱う事が可能。
この能力値は単純な攻撃力や防御力だけではなく
特徴欄で設定出来る、多くの追加能力値や特殊能力値を組み込むことも可能。
変数も扱える為、戦闘開始時などに所持金の量を記憶させる事で所持金の金額を参照して攻撃するスキルなんてのも作れるだろう。
ここで組み込める基本能力値および応用能力値は「自分の」と「敵の」を設定出来る。
「自分の」(a.)は書いたまま、使用者自身の能力値を参照するものだが
「敵の」(b.)は敵に限らず、スキルやアイテムの対象の能力値を参照するためのものである事に注意。
例えば「対象のHPを最大値の80%回復させる」という処理を計算式で求めようとした場合
「敵の最大HP*0.8」(b.mhp*0.8)という式になる。
行動回数が多かったり、対象が複数の場合はそれぞれ1回づつ、それぞれ1回づつ計算を行う。
また、スキルを放つ時に使ったMPやTPは、ここでダメージ計算を始める前に消費した状態で計算されるが
「得TP」で設定した値は、ここでダメージ計算をした後でTPを受け取る構造となっている。
MPやTPを計算に組み込む場合はこれらの点に注意しよう。
分類 | 日本語名 | コマンド名 | 備考 |
---|---|---|---|
基本能力値 | 攻撃力 | atk | |
防御力 | def | ||
魔法力 | mat | ||
魔法防御 | mdf | ||
最大HP | mhp | ||
最大MP | mmp | ||
敏捷性 | agi | ||
運 | luk | ||
レベル | level | ||
現在のHP | hp | ||
現在のMP | mp | ||
現在のTP | tp | ||
命中率 | hit | 特徴>能力値>追加能力値で設定可能 %なので、小数が発生しがち。100%の場合1。一応負数もありうる。 | |
回避率 | eva | ||
応用能力値 | HP再生率 | hrg | 特徴>能力値>追加能力値で設定可能 %なので、小数が発生しがち。100%の場合で1。負数もありうる。 |
MP再生率 | hrg | ||
TP再生率 | Trg | ||
狙われ率 | tgr | 特徴>能力値>特殊能力値で設定可能 %なので、小数が発生しがち。100%の場合で1。 | |
防御効果率 | grd | ||
回復効果率 | rec | ||
MP消費率 | mcr | ||
TPチャージ率 | tcr | ||
物理ダメージ率 | pdr | ||
魔法ダメージ率 | mdr | ||
会心回避率 | ccv | 特徴>能力値>追加能力値で設定可能 %なので、小数計算が発生しがち。100%の場合で1。一応負数もありうる。 | |
魔法回避率 | mev | ||
反撃率 | cnt | ||
残りHPの割合 | hpr | 割合なので、100%の場合で1。小数計算が発生しがち。 | |
残りMPの割合 | mpr | ||
残りTPの割合 | tpr | 最大TPは100固定なので、「現在のTP」を100で割った数字が出る。 | |
その他 | 変数[n] | v[n] | |
乱数 | random | 0以上1未満、つまり結果はまず小数で出力される。 |
「タイプ」の項目でも説明したが、負数で出力されると0として処理されることに注意しよう。
分散度、会心
分散度は、計算式の結果が分散度の値で上下するという処理。0~100%を設定可能で、初期値は20%。
ダメージ・回復の結果に「振れ幅」を与えるというものだ。
一方会心は、「会心率」と「会心回避率」の判定を通り、会心に成功した場合
ダメージ・回復・分散度の計算結果を3倍にするというものだ。有無のみを選択可能。
いずれも同じ条件で使っても結果が同じにならないようにするための処理であり
デジタルゲームを彩る重要な要素と言えるだろう。
- 分散度は、「上下させる」要素なので、例えば初期値の20%なら
上限値20%と下限値-20%で40%もの落差があることになるのに注意。
流石に40%の差はあまり軽視出来るものではない。 - 会心はアイテムや回復、魔法にも設定可能。
作り方次第で表現の幅を大きく広げられる。
また注意しなければならないのが、特に回復行動の会心設定。これをありにすると
「痛恨の一撃!!レイノルズのHPが3000回復した。」のようになるので
そのような組み方をするのであれば、しっかり「用語」のほうでメッセージを考えておこう。
使用効果
使用効果ではダメージ欄以外でスキル・アイテムに特殊効果を設定出来る。
スキルやアイテムに個性を与えられる他、イベントを組み込んで演出の強化も可能。
使用効果はリスト形式になっており、ここに足された項目は全てスキル・アイテムが起こす挙動に組み込まれる。
また、項目のコピー&ペーストも可能。
回復
HP・MP・TPの回復量を指定出来る。負数にするとダメージにもなる。
HPとMPは最大値の割合を指定出来、-100%~100%の値を指定可能。
小数点第一位までの指定も可能。
それ以外に、HP・MP・TP全てにおいて定数指定が可能。こちらは-999,999~999,999の範囲を指定可能。
割合と定数を組み合わせることも出来、その場合は加算される。
- HPとMPは特徴の特殊能力値「回復効果率」で乗算され、
更にアイテムの場合は特徴の特殊能力値「薬の知識」でも乗算される。 - 「ダメージ」欄と「回復」
前述のダメージ欄と、ここで設定出来る「回復」はそれぞれ別にカウントされるのだが
使用効果で同じ能力値の回復が設定されていると、ダメージ欄の結果は一切表示されない。
これはダメージ側のタイプのHPかMPかが回復側と同一だった場合に起こる現象で、
仮にダメージ欄と回復欄、どちらにもHP回復があってもメッセージや数字の表示は合算されず
「回復欄で設定した値のみが」表示される仕様となっている。
また、実際にはダメージ欄も回復欄も両方適用されていることを覚えておこう。
つまりダメージ欄でHPに100ダメージを受けた後回復欄でHPが200回復すると
「レイノルズのHPは200回復した!」と出るが、実際には100の回復となっている、という具合だ。- さらに、使用効果欄に同じ能力値の回復が含まれていても
下にあるものだけを表示する仕様となっている点に注意。尤もそうする意味はあまりないが…。 - ダメージ欄のダメージでHPが0になったあと特徴の回復効果で回復した場合
戦闘不能の効果音だけ鳴るが、戦闘不能にはならず回復する。というちょっとした怪奇現象が見られる。 - 逆に「HPをダメージ欄で回復、MPは使用効果欄で回復」という処理にしたらちゃんと動作する。
設計の凝ったスキルやアイテムを作る場合は気を付けたいところ。
- さらに、使用効果欄に同じ能力値の回復が含まれていても
ステート
- ステート付与
ステート付与を行う。ステートの種類を選択することが出来、付与率を0~1000の間で指定可能。小数点第一位まで設定可能。
ここで決めたステート成功率は、相手のステート有効度+運の補正で乗算されるため、全体の数字のバランスを考えながら決めた方がいいだろう。
実際の式は
となっている。ステート成功率 ×(対象のステート有効度 +(使用者の運 - 対象の運)×0.1%)
- また、この項目ではステートに「通常攻撃」を指定する事が可能。
実際、デフォルトの攻撃も通常攻撃ステートが設定されている他、いくつかの物理攻撃は通常攻撃を設定されている。
通常攻撃ステートは、特徴の「攻撃時ステート付与」を参照してそのステートを与えられる設定だ。
これが何を示すかというと、例えば毒が塗られた武器による通常攻撃や、その武器を使ったスキルを使えば相手に毒を与えられる
そういった搦め手ふうの攻撃を実現出来るのが、この通常攻撃ステートというわけだ。
通常攻撃の特徴でステート付与を設定されている場合、特徴側にもステート付与率が設定されておりこのような計算式となる。
通常攻撃ステート付与率 × ステート成功率 ×(対象のステート有効度 +(使用者の運 - 対象の運)×0.1%)
- ちなみに、命中タイプが必中の場合は対象のステート有効度や運の計算を行わない。
完全にステート付与率だけの計算となる点に注意。
- また、この項目ではステートに「通常攻撃」を指定する事が可能。
- ステート解除
ステートの解除を行う。こちらもステートの指定と確率の変更が可能。解除率を0~100の間で指定可能。小数点第一位まで設定可能。
ステート解除率はここで指定した確率のみで計算される。- なお、「一部ステートを無効化するステート」を付与する効果にする場合は
こちらでその「一部ステート」を解除してやる必要はない。
ステートの無効化には、既になっているステートの治療も含まれている為だ。
- なお、「一部ステートを無効化するステート」を付与する効果にする場合は
能力値
強化と強化解除、弱体と弱体解除が出来る。
同じ能力の強化と弱体は共存可能であるという点に注意。
また、1回の強化および弱体の効果は元の能力の25%と決まっている。
強化は2回まで重ね掛けが可能。重ね掛け前と後で微妙にアイコンの色が異なる。
強化及び弱体できるのは最大HPと最大MPを含めた基本能力値のみ。
結果的にHPやMPの最大値が増えても、現在値がそれに追従する事は無い点に注意。
但し減った場合に現在値が最大値を超えた場合、それに追従して現在値も減ってしまう。
- 強化
最大HPと最大MPを含めた基本能力値の強化を行う。ターン数の指定も出来、1~1000ターンを指定可能。 - 強化の解除
対象にかかっている、選んだ能力値の強化を解除する。 - 弱体
最大HPと最大MPを含めた基本能力値の弱体化を行う。ターン数の指定も出来、1~1000ターンを指定可能。
ステートと違って確率を指定する事は出来ないものの、弱化には成功率が設定されており
その確率は相手の特徴「弱体有効度」を参照し、そこに運の補正を加える。
計算式は下記の通り。
弱体有効度は未設定だと100%のため、必ず弱体に成功してしまう。弱体有効度 +(使用者の運 - 対象の運)×0.1%
基本の成功率を設定したいなら、アクターと敵キャラ全員を直す必要が出て来る事に注意。 - 弱体の解除
対象にかかっている、選んだ能力値の弱体を解除する。
その他
- 特殊効果「逃げる」
この効果を実行すると、対象になったアクター及び敵キャラクターが逃げる。逃走不能な戦闘では実行不能。
アクター単体が対象になっていればそのアクターだけが戦闘から離脱し、
他に戦闘に参加したアクターがいれば戦闘は続行する。
また、逃走が禁止されていると敵味方関係なくこの効果は無視される。- FFなどである「とんずら」のような、味方全員が一斉に逃げる場合は注意。
この処理は「対象となった者が一人づつ逃げていく」処理になっており
順番に戦闘から離脱していってしまうため、普通の「逃走」とは見え方が違ってしまう。 - イベントコマンド「バトルの中断」なら逃走禁止状態か否かに依らず瞬時に戦闘を終える。
この際、処理としては逃走扱いとなる。この効果と似た部分があるイベントコマンドだ。 - 敵が恐れをなして逃げ出す演出としても使える。
また、ドラクエのメタルスライムなどのボーナスモンスターにも使えるだろう。 - アクターが一人だけ逃げたような場合でも、戦闘が終了すれば加入状態に戻っている。
また、パーティーの順番も変更されたりしない。
ただ、5人以上のパーティーの時に、戦闘参加メンバーが一人逃げ出したからといって
5人目が戦列に加わるなどは起きない。 - 逃走禁止の戦闘では注意したい。
逃げる効果を持つスキル・アイテムの逃げる部分については必ず失敗してしまうのだが
逃げる効果を主目的として使うようなスキル・アイテムでも、効果は発揮されずとも使う事が出来てしまう。
知らずに使って1ターン無駄にしてしまう事も在り得るので、出来ればスキルは特徴の「スキル封印」で
アイテムは使用不能アイテムと差し替えるなどで対処したいところだ。
- FFなどである「とんずら」のような、味方全員が一斉に逃げる場合は注意。
- 成長
指定したステータスを永続的に上昇させる。1~1000の値を指定可能。
基本的にはアイテム向きの設定。ドーピングアイテムなどに。
戦闘中に使ってもちゃんと効果を発揮する。
ここで成長させたステータスの増減量は職業を変更しても維持される。- ドラクエと違い上昇値に振れ幅を設定する事は出来ず、更に上昇メッセージも表示されないので
そういう演出がお望みであれば、コモンイベントを使ったほうが良い。
- ドラクエと違い上昇値に振れ幅を設定する事は出来ず、更に上昇メッセージも表示されないので
- スキル習得
基本的にはアイテム向きの設定。わざマシンを使って技を覚えるというのがイメージに近いか。
この使用効果では敵キャラのスキルが増えても、敵はその行動を新たに使うようにはならない点に注意だ。 - コモンイベント
スキルやアイテムに設定出来るコモンイベントは
戦闘中に使われた場合「その行動が終わった後」「勝敗判定の前に」行われる。
コモンイベント以外の使用効果をすべて発動されてから、最後にコモンイベントが動く形となっている。- バトルイベントだと「勝敗確定後かつ勝敗判定の前に起こすイベント」は実現不可能。
なので、そのタイミングでイベントを起こすならスキルやアイテムにコモンイベントを仕込むことは必須。
全ての攻撃スキルや攻撃アイテムに共通のコモンイベントをつけて監視すると
勝敗判定直前にイベントを起こすことが出来る。演出は勿論、特殊システム搭載にも使えるだろう。 - イベントでコントロールされた特殊なスキルやアイテムを組む場合は
基本設定だけちゃんと組み込んであとはコモンイベントに委ねよう。(場合によってはメッセージも組もう)
但し、サイドビューだとどうしてもキャラが最初に動くので、そこが想定通りにならないケースがあるかも。 - なお、「コモンイベント中にコモンイベントを配置された戦闘行動の強制」を
さらに別の戦闘行動コモンイベントで…と何重にも重ねてやらせると
戦闘が先に進まなくなるバグが発生してしまうケースがある模様。注意。 - メニュー画面でコモンイベントを使った場合、即座にメニュー画面が終了し
その後コモンイベントの動作が始まる。
- バトルイベントだと「勝敗確定後かつ勝敗判定の前に起こすイベント」は実現不可能。