【ファイアブランド】

Last-modified: 2025-09-17 (水) 10:11:28

SF2

【フィニー王国】の王家【ユジーヌ家】伝来の宝刀にして、炎の【クヴェル】
火山性の岩石からけずり出された赤色の長剣で、名称は「燃えさし(燃えきらずに残ったもの)」に由来する。
物語上では後述するクヴェルとしての性質が重要視されているが、剣としても優れており、世界最強の剣のひとつと称されている。
 
年少者から術の力を引き出すなど、【アニマ】に対する感応能力はきわめて高く、手にした者がこめるアニマに反応して、まばゆい光を放つ。
ただし、感応能力が高すぎるがゆえに、自身のアニマ量が少ない子供のうちからこの剣に接触して慣らしておかないと、まともに扱うことができない。
この性質から、フィニー王家では幼い後継者候補にファイアブランドを触れさせるという継承の儀式を行い、この剣を扱えることを王国を統治する王の証としてきた。
 
しかし、極度の術不能者であった【ギュスターヴ13世】はこの儀式に挑んでもアニマを感知してファイアブランドを発光させることができず、そこで術不能者であることが発覚してしまった。
また、幼少期に儀式へ挑む機会がなく、大人になってから王権を示すためファイアブランドに触れた13世の弟【フィリップ】は、剣によって増幅された膨大なアニマの制御に失敗し、大火傷を負ってしまう。
後に、この反省からフィリップは自身の幼い息子【フィリップ2世】へファイアブランドを継承させることを選ぶが、その儀式の場で2世は暗殺者の手にかかり死亡。
怒り狂ったフィリップは咄嗟にファイアブランドを暴走させ、暗殺者を道連れにしたものの自身もアニマを食われてモンスターと化してしまい飛び去って行った。これが【ファイアブランドの悲劇】である。
 
ギュスターヴにとっては自身の運命を歪めた忌まわしき剣であったが、同時にサンダイルの「術至上主義の象徴」でもあるこの剣は、術不能者である彼にとっては超えなければならない壁でもあった。
追放されたギュスターヴは後に同じく術至上主義によって爪弾きにされていた金属に自身の生き方を見出していくが、彼が鍛冶屋に目標として語った「【手製の短剣】の3倍の長さを持つ剣」とはまさにこのファイアブランドの事であった。
彼がその人生をかけて作り上げた剣はついにこの剣に匹敵する領域にまで達したが、それは同時にサンダイルが術至上主義から脱却した事も意味していた。
 
悲劇の後ゲームの表舞台からは姿を消したファイアブランドだが、ギュスターヴの計らいにより【ケルヴィン】【マリー】の息子である【フィリップ3世】が継承しており、さらに彼亡き後はその息子へと密かに継承された。
同時にギュスターヴ亡き後表舞台から姿を消していたギュスターヴの剣も【ヴァンアーブル】によって秘匿されていた。
やがてロードレスランドの命運をかけた大きな戦いが起こった時、2本の剣は再びゲームの表舞台に姿を現す。
そして「ギュスターヴを苦しめ続けた術至上主義の象徴」と「ギュスターヴの生き様であり術不能者の象徴」であった2本の剣は、奇しくももう一人のギュスターヴの手に集う。
それは作中を通して描かれてきた「術を使える者」と「術を使えない者」の対立の歴史が終わりを迎えた事を意味しているのである。

性能

テキストフィニー王家に伝わる火炎剣
アニマ性能術力最J回J阻害耐久
価格修理(1回分)処分備考

クヴェル
30-+20+2-----30---
---グスタフ固定装備
装備固有術:炎の太刀(JP2)・紅炎の太刀(JP5)

ゲーム最終盤では、ラスボス戦メンバーの一人【グスタフ】が継承して使用可能となる。
【サウスマウンドトップの戦い】のイベント前は【炎の剣】名義。
上記の設定もあり、彼の【固定装備】という扱いのため他のメンバーには渡せない。

グスタフは同時に【ギュスターヴの剣】も固定装備として装備しているため、ストーリー上で大きな意味を持つ2本の剣を同時に持っていることとなる…が、これが大きな問題点でもある。
まず、クヴェルであるこの剣はJP補正が優れ、グスタフ本人も6種術系統の素質を持っているのだが、その適性を活かして術を使わせようとすると金属武器のギュスターヴの剣が邪魔をする(2本の剣のトータルで最大JP-30、回復JPプラマイゼロ、術阻害25%)。
また、ギュスターヴの剣はこちらと同じく耐久無限の剣カテゴリかつ威力面ではこちらを上回っており、【二刀流】のようなシステムも存在しない。
よって、【パーティバトル】において術具ではなく剣としてファイアブランドを使うメリットが無い(【デュエル】においては剣装備と炎アニマの両立により一応メリットがある)。
更に2枠しかない武器・盾欄が2本の剣で埋まっているため、グスタフは剣以外の武器種を一切使用できず、盾も使えない(ちなみに体術適性無しのため体術も無理)。
その結果、基本的にグスタフは盾無しの剣一筋となるか、火力よりも補助や学習を目的として術を唱えるという運用方法しか選べなくなっており、物理の面ではファイアブランドは邪魔者にすらなり得てしまう。
強大な剣型クヴェルという意味でも、王家に多くの悲劇をもたらしたという意味でも「魔剣」と言えるこの武器だが、実用上は皮肉にもギュスターヴの剣の存在により色々と割を食う形になってしまうのであった。何処までギュスターヴを振り回せば気が済むんだこの迷惑剣
 
…ただし、全くの役立たずというわけでもなく、炎クヴェルゆえの強力な冷気防御やJP補強による「武器の形をした防具」「金属武器のデメリットのカバー」として肯定的に見ることも可能。
金属で最大JPが低下するということは、【術力増強】に悪影響が出てトータルの防御力が下がる、ということである。
本作の防具は単独では性能が微妙に頼りなく、術力増強を活用しないと高い防御力が得られないバランスになっている。
それを如何にしてカバーするかが問われてくるので、ある程度のJPを戻せるファイアブランドは、ギュスターヴの剣の補佐として護りという面で有用に機能しているのである。
他のメンバーに金属装備を使わせる戦法を採る場合でも、金属を武器1本だけにして残りをクヴェル系で固めるようにすると、攻守のバランスが崩れにくい。
 
これは世界観の設定上でも存在するコーディネートであり、未来では前列の兵士が金属装備+最低限の術というスタイルに変化していく(サンダイル年代記より)。このことを考慮すると、グスタフは結果的にだが未来を先取りした戦い方を実践し、その有効性を証明したキャラクターと言えるだろう。
 
リマスター版では「ファイアブランド」名義のときだけ新しい固有術【紅炎の太刀】を使用可能。