【アニマ】

Last-modified: 2024-04-24 (水) 12:51:04

SF2

【サンダイル】世界における最重要ワード。
万物に宿ると考えられている不可視の存在であり、無形の要素。サンダイルにおけるもっとも重要な概念で、社会はアニマの存在を前提に構築されている。
アニマはあらゆるものに宿ると信じられていることから、いくつもの種類があると錯覚しがち。
しかし、実際にはアニマを宿す対象がレンズのような役割を果たして、その性状を変えているだけなので、アニマそのものは1種類しかない。
ただし、作中世界の学術において、これらの理論は観念的なものでしかない。
科学的見地から見た場合(術が当たり前に存在する世界なので、科学の中に術が含まれることもまた当たり前である)、アニマはいくつもの要素の複合体とも、本当は存在していないものだ、とも言われている。
 
基本的には「魔力」と「魂」の2つの意味で使われる。
ただどちらも【金属製品】によって力が阻害されることは共通している模様。
専門用語を覚えるのが苦手な人でも、とにかくアニマという言葉が出てきたら文脈に合わせて魔力または魂と読み替えれば、本作の話の大筋はだいぶ理解しやすくなるだろう。
 
余談として、サンダイルでは魔法的・超常的な現象が全てアニマによるものとされているため、神や精霊といった概念は存在しない。
作中で登場した宗教・信仰の類は、アニマに宗教的な意義を見出そうとした【アニマ教】くらいである。
技名などにおいても神や聖といった言葉は避けられており、シリーズ他作品における【活殺獣神衝】【活殺獣閃衝】に改名されたり、【聖歌】【清歌】に改名されたりしている。
【カムイ】=神威や【ゴッドバード】など例外はあるが)

「魔力」としての意味

本作の【術】はこのアニマを活用したものであり、道具を用いて「斬る」「叩く」「焼く」などの明確な方向性を持たせることで、単体ではなまくらに過ぎない道具を実用的なレベルの効力とする。
世界観の意味で言うなら、「石包丁で食材を切る」のような単純なものでも、アニマを制御しているため「術」の範疇に入る。
道具がないと、いわば「空気の中にただよう水蒸気」のように明確なものとして認知できず、術として行使できない。
その道具にあたるものは、自然物やそれを加工した【ツール】と、古代の遺産である【クヴェル】に大別される。
金属製品が忌み嫌われているのは、このアニマを土台とした術文明が繁栄しているためであり、アニマを扱えない【ギュスターヴ13世】によってこの文明に一大変革がなされるのが本作のテーマの一つとなる。
 
魔力としてのアニマには属性のような種類分け(厳密にはゲーム上の【属性】と意味が異なるが、便宜上こう呼ぶこととする)があり、現代サンダイルでは【炎】【水】【石】【樹】【音】【獣】の6種に分類されると理解されている(もう1種【星】もあるが作中時代の人類では解明できていない)。
アニマを属性によって分類し、属性から連想される様々な事象の中から自身が求めるものをイメージすることは、術の方向性を定めて制御する上で重要である。
単一のアニマから単純な現象を引き起こす【基本術】も、複数のアニマを組み合わせてより高度な現象を起こす【合成術】も、アニマの属性を通してイメージを固めることで成り立っている。
上記のツールも、【感応石】を用いて内包するアニマの属性に合わせた配色で作られており、これがゲーム上でツールから特定属性のアニマを得られる理由付けになっている。
 
なお、古代サンダイルにおいては、現在の「ヒト」とは異なる【先行文明の種族】が、現代よりも遥かに高度な術文明を持ち栄えていた。
彼らの残した遺跡が【メガリス】と呼ばれ、その遺物が前述したクヴェルと呼ばれているのである。
 
モンスターの場合はこれらの道具を必要とせず術を放てるが、自分のアニマを削って行使しているため。後述のリスクを押して使っているのである。

「魂」としての意味

こちらはあまり説明の必要はないが、漂っているアニマが死体に再び入り込むとゾンビとして蘇り、事実上人々に害をなすモンスターと化す。作中ではこれを【グール】と称する。
そのため葬式では、棺おけに金属製品を入れてアニマの進入を阻害する工夫がなされている。
また、本作の世界観におけるモンスターが一般の動植物と異なる点として、体内のアニマを常に消耗し続けることが挙げられる。こんな状況で術を使うのはよほど追い詰められている証拠だというのだろうか。
そのため失い続けるアニマを補うべく他者のアニマを食料としており、これが原因で戦争で多大な犠牲者が出た地区はモンスターが出没しやすくなる。
 
このことからモンスターに殺されることは、アニマを食料として摂取されるすなわち魂まで砕かれるという最悪の末路になる。
なにせサンダイルは「冥府などにみられる生死の境界線」がはっきりしない世界なので、戦争などで大量に人が死ぬと遊離したアニマめがけてモンスターが群がり、治安の悪化とアニマの捕食という二重の意味で二次被害が多発する。
また、【ゴースト】【ソウルクランチ】は設定上は対象のアニマを直接傷つけるという恐ろしい攻撃だったりする。
【グールの塔】にいるアンデッドたちのアニマは二度と自然に還れないなど、本作の死生観は割と恐ろしい。
 
そのほか、生物が魂として持つアニマは生命としての在り様を示すものでもあり、自身のキャパシティを超えるアニマ(魔力)に晒されると、本人のアニマ(魂、生命としての在り様)が変質してしまうことがある。
現代のヒトが持つアニマのキャパシティは先行文明の種族のそれに及ばないため、メガリスやクヴェルに込められた先行文明の種族基準の量のアニマはヒトに危害をもたらすこともある。
実際、作中ではそれらの影響により負傷したり、ヒトとしての理性と肉体を保てずモンスター化してしまったりといった事故も起こっている。
こちらも自我が吹っ飛んでしまうため被害者にとってはモンスターにアニマを捕食されるのと大差ない。
 
なお、ラスボスの【エッグ】は、滅びの時を迎えた先行文明の種族の一部が、次に台頭する知的生命体を洗脳し文明を乗っ取る形で生き伸びようと、自身のアニマ(魂)をクヴェルに封じ込めたものである。