シナリオ/大鯰大祭

Last-modified: 2023-10-08 (日) 22:10:18

概要

シナリオ傾向:シリアス[無] コミカル[有] ほのぼの[有] 恋愛[無] 欝、人死に[無] 百合、大統領ネタ[]

登場人物関係:登場人物の制限[] キーキャラクター[ナマズオ] 敵対キャラクター[無]

攻略関係:イベント発生時期[夏] 総所要日数[期限なし] 他シナリオとの平行[可能] 戦闘難易度[無] 攻略中ヒロインの関与[有]


発生条件

ナマズオたちと知り合い、彼らの話を聞く。
PCがヒロシである場合、ナマズオとは同居しているので、話しかけるだけで良い。
PCがヒロシ以外の場合、季節が夏で時間が昼の間に街を探索すると、一定確率で「行き倒れているナマズ」を発見できるので、そこからシナリオを始められる。

攻略

ナマズ面の獣人種族、ナマズオ族。
茶を飲んでは酔っ払い、その日暮らしを続ける彼らに、未来はあるのか。
今、滅びゆく一族の運命を変えるため、一匹のナマズオが立ち上が……いや、立ち上がったはずが、既に行き倒れていた!
ナマズオ族の運命やいかに?

 

シナリオ全体を通して、戦闘が一切無い
その代わり、合成スキルか採集スキルがかなり高いランクで求められる。
PCのこれらのランクを上げるか、もしくは元々高いランクのキャラクターと仲良くなって依頼できるようにしておこう。

 

ナマズオ的には期限は7年であるが、3年でPCはゲームオーバーなので、事実上は無期限のシナリオである。
のんびり進めても良い。

 

ただし、美鈴にナマズオの話をすると、戦闘有り別のイベントに派生してしまうので注意。
また、こころの攻略を進めていると、関連イベントも派生する。
どちらのイベントも当シナリオコンプリート後にでも発生させられる。

祭れよナマズ

ある日、夏の暑い日に道端で行き倒れている大きなナマズみたいなのを見つけた[PC]。
弔ってやろうと思いきや、そいつは起き上がり、荷物袋にでも入れて水場に連れて行って欲しいと言う。
ひとまず、自然公園につれていき、水を被せたり飲ませたりすると、彼(?)は元気を取り戻した。
自分を「ナマズオ族」の「ギョシン」と名乗る彼は、ある日頭を打って以来、夢の中にナマズオ族の先祖として伝わる大ナマズ様が現れるようになったと語る。
夢の大ナマズ様は、「7年続く祭りをせよ。さもなくば7年後にナマズオは滅亡する」と告げるのだ。
これを避けるため、幼馴染の「ギョレイ」「ギョフン」と共に、ネ実市のどこかにいるはずだという大ナマズ様を探していたのだという。
ギョレイとギョフン(本人は「光風院セイゲツ」と名乗った)と合流すると、セイゲツは闇雲に探しても大ナマズ様を見つけるのは困難だと最もな事を言い、代わりに、大ナマズ様の言う通り祭りを行うべきだと主張した。
大ナマズ様の言い伝えはジュノが今のような大きな街になるよりもずっと前から存在していたらしく、まずはその時代の書物を探して祭りの情報を集めることになった。
古い書物について詳しい人といえば……?

着飾れナマズ

阿求小鈴に会ってナマズオの話をするとイベント進行。
2人は協力して大ナマズについての文献を読み漁ることにし、一方でナマズオたちには祭りの準備を進めておくよう言われる。
何にせよ必要なのは「祭場」と「祭り装束」。
祭場についてはギョシンが古い祭具を修繕するとして、[PC]は祭り装束……即ち、「ハッピ」と「ねじり鉢巻」を用意することに。
上体部装備の「法被」と頭部装備の「ねじり鉢巻」を手に入れよう。
これをギョレイに渡すと、ナマズオ用に縫い直してくれる。
これ以降、ナマズオたちは赤い前掛けから、ねじり鉢巻を巻いてハッピを着た祭り装束姿になる。

捧げよナマズ

祭り装束が完成し、祭場の用意も目処が付いた所で、阿求と小鈴が祭場に訪れる。
2人は文献を読み漁った結論として、「大ナマズやそれに関する祭り」に関する文献は、一切ないと告げた。
大昔のジュノは小さな漁村であり、書物を書き残すような文化もなかったらしく、大ナマズについての話は何も分からなかった。
落ち込むギョシンだったが、セイゲツが語りだす。
曰く「伝統文化研究の先駆、『諸国風俗問状答』によれば、そもそも祭とは、感謝や祈りを示すものであり、先祖や神仏を祀る行為とされている」とのことで、祭りの最も原始的な形態、供物を捧げる儀式を行うのが良かろう、というのだ。
そして大ナマズ様を祀る儀式なら、やはり川で採れるものを捧げるべきだ、と。
こうして、ギョシンは捧げものを祀るための「供物台」を作ることになり、[PC]はそのための部品、もしくは捧げものを用意することになった。
木工スキル、または釣りスキルが求められる。

 
 
 

ギョシンたちと協力し、供物台を完成させた!
ナマズオの祖先「大ナマズ様」に、供物を捧げる祭が始まった!

 

7年後、深刻な不漁が発生し、多くのナマズオが餓死する運命であった。
(河原で死屍累々となったナマズオたちのイメージ映像)
しかし7年間にわたり、供物として捧げるため大型肉食魚が採り続けられた結果、小魚が増え、川は豊かになり、やがて豊漁が続くことになる。

 

滅びの運命は変わり始めた。
かくして7年後に起こるべき悲劇は、人知れず回避されたのだ!

担げよナマズ

捧げものを始めたナマズオたちだったが、ギョシンは毎夜大ナマズ様の夢にうなされていた。
どうやら捧げものだけでは満足していないらしい。
セイゲツは告げる。

光風院セイゲツ
「祭とは原初の時代、素朴なものであったが、次第に祈りは占いに発展し、儀式から魔法が編み出されていった。
そして、魔法の力を操るシャーマンや祭司たちは、族長や王と並び立つ、あるいは入れ替わるような権力者となる。
やがて祭は、彼らの権力を誇示する手段になっていったのだよ。
なればこそ、装束や祭具は時代が下るにつれ豪奢になり、多くの者を惹き付けるため、大がかりなものとなっていった。
そして生まれたのが、練り歩きを伴う祭だ!」

……つまり?

光風院セイゲツ
「クッ……かの『諸国風俗問状答』によると、ひんがしの国では、「神輿(みこし)」なるものを担ぎ、練り歩く祭があるという。
それを真似て実践するのがよかろう!」

ということで、今度は神輿を作ることになった。
しかし、神輿に詳しい知り合いなどいるだろうか……?

 

八坂神奈子諏訪子に会ってナマズオの話をするとイベントが進行する。
二柱の神は語る。
神輿というのは、神様を乗せる輿(こし)である。
普段は神社に祀られてる神様が、一時とはいえ鎮まる場所……要するに小さな神殿なのだ。
そして、担ぎ上げて練り歩くために、神殿に担ぎ棒を付けたものが、御輿なのである。

洩矢諏訪子
「……とはいえ、ナマズオはなで肩だからねぇ。
担ぐと言っても、工夫が必要かもよ」

ともかく、二柱は神輿の図画を書いて寄越してくれた。
次は神輿を作る番だ。
神輿を作るのに必要な木材を用意しよう。

 
ギョシン
「で、で、で、できたっぺな……。
これが、オイラたちの合作、オオナマズ御輿っぺよぉぉぉぉ!」

大声で喜ぶギョシンたち。
彼らの目の前には、やや小さめだが、立派な神輿が出来上がっていた。

ギョシン
「頂にさん然と輝くは、夢で見たご先祖様……ナマズオにとって大切な、鈴も取り付けたっぺな!
さらにさらに、なで肩のオイラたちでも担ぎやすいように、神殿部分にウキグモ草とクリスタルを組み込んで、プカプカ浮くようにしてみたっぺよ!」

なんと、ギョシンの工夫により、この神輿は少しだけ地面から浮くというのだ。
こうして[PC]は大ナマズ様を祀るための祭り……名付けて「大鯰大祭」の宣伝のため、ナマズオたちが担ぐ神輿に乗って、街を練り回ることになる。
街を練り歩き、観衆の前で「わっしょいわっしょい」しよう。
[PC]のCHRや評判が高いと、少ない時間で必要な宣伝が終わる。

 

十分に練り歩きで大鯰大祭の宣伝を終えると、ギョシンはその間に二柱から貰った図画にかかれていた山車(だし)も完成させていた。

 
 
 

ギョシンたちと協力し、御輿と山車を完成させた!
オオナマズ御輿の練り歩きが始まった!

 

7年後、漁場の利権争いが、ナマズオ同士の壮絶な抗争へと発展し、 多数の死者を出す運命だった。
(小さな銛を手に横たわる死屍累々のナマズオたちのイメージ映像)
しかし、7年間にわたり、 御輿を担いだ練り歩きが行われた結果、一族の結束が強まり、 その絆は鋼のように鍛えられることになる。

 

滅びの運命は変わり始めた。
かくして7年後に起こるべき悲劇は、人知れず回避されたのだ!

競えよナマズ

ここまでシナリオを進めていて、季節が秋になっていると進行する。

 
ギョシン
「兄さん/姉さん、またまた相談したいことがあるっぺよ」
光風院セイゲツ
「どうせまた一族滅亡の危機だのと言い出すつもりだろう?
進歩がない……なさすぎる……前回と展開が丸かぶりではないか!
これが伝奇小説であれば、陳腐すぎて破り捨てたくなるほどだ!」
稗田阿求
「でもこの阿求、二度あることは三度あると見抜いていたわ!」
光風院セイゲツ
「阿求君!?
それは俺の台詞……」
稗田阿求
「おっと、口を挟まないで下さいよ、セイゲツさん!
今からわかりやすく丁寧に、三行で結論を述べるのでね!」
 
稗田阿求
「陰陽鉄学園はそろそろ学園祭の時期!
混沌の権化たる陰陽鉄学園の学園祭には何でもある!
学園祭の出し物を見たら、大鯰大祭に相応しい新たな出し物のアイデアも思い浮かぶでしょう!」
 
稗田阿求
「さあ、行け、[PC]君!
学園祭の実行委員に話を聞きに行って、出し物に関する知識を、あらん限り集めてくるのです!」
光風院セイゲツ
「阿求君!?
どうしてそこまで俺の言おうとしていた台詞を先取りできるんだ!?」

……恐ろしい勢いだ。
いつの間にやら、阿求は大鯰大祭の協力にノリノリになっている。
あまり刺激しないほうがいいだろう。
早速、学園祭の実行委員に話を聞きに行こう。

 

映姫汚い忍者(PCでない場合)にナマズオの話をすると進行する。

汚い忍者
「その薄汚い魚のなり損ないは、もしかして生徒会への土産か?」
ギョシン
「その失礼な言動……モテなくなるから、やめたほうがいいっぺよ?」

生徒会からいろいろな出し物の話を聞いた結果、ギョシンは様々なものに興味を示した。
「射的」「お化け屋敷」「アスレチック」……。
ギョシンには作りたいものがたくさんあるらしく、[PC]には木工や裁縫スキルが求められる。

 

見事、様々な出し物を用意してみせたギョシン。
祭りが一気に学園祭っぽくなってしまったが、まあ当魚たちは喜んでいるので良しとしよう。

 
 
 

ギョシンたちと協力し、学園風の祭の準備が完了した!
射的、お化け屋敷、アスレチックの祭が始まった!

 

7年後、冷害により食糧難に直面したネ実市民が、美味しそうに丸々太ったナマズオを発見した結果、多数の死傷者が出る運命だった。
(大きな鍋を囲んで談笑するPCたちと、鍋に丸ごと入れられて茹でられる死屍累々のナマズオたちのイメージ映像)
しかし、学園風の祭が7年間にわたり、続けられた結果、ネ実市民とナマズオの相互理解が進み、起こるべき虐殺が回避されることになる。

 

滅びの運命は変わり始めた。
かくして7年後に起こるべき悲劇は、人知れず回避されたのだ!

燃えよナマズ

前回の学園風の出し物で調子づいたのか、またまた新たな祭りを催したいと言うギョシン。
対してセイゲツは、「奇祭」を提案した。
独自の文化が先鋭化した結果、余人では思いつかないような、奇妙な形態に変貌を遂げた祭り……。
それが、奇祭である。
早速、阿求と小鈴が世界中の奇祭について記した文献をまとめ、持ってきてくれた。
その書物を熱心に読むギョシンだったが、ナマズオ一の読書家であるセイゲツは、自分にも早く読ませろとせがむ。
だがギョシンは本に夢中でセイゲツを無視する。
怒りが有頂天になったセイゲツは、無理やり本を奪おうとする。
すると、ギョシンの手元を離れた本は、供物台の燃え盛る火の元へ飛んでいき……。

本居小鈴
「私の本があああああ!!」

叫ぶ小鈴!
飛ぶ本!
飛び出すギョシン!
ギョシンは身を呈して本を弾き飛ばす!
そしてそのまま、火の中へ……。

ギョレイ
「ギョシンが火の中に飛び込んだっぺ!?」
ギョシン
「ぎょぎょぎょぎょぎょぎょ!!!」

幸い、ギョシンはすぐに火の中から飛び出してきたが、全身黒焦げになっていた。
本はセイゲツが受け止めており、セイゲツ、阿求、小鈴の読書家たちが(ギョシンをよそ目に)ほっと胸を撫で下ろした。
ギョレイがすぐにギョシンにバケツの水をかぶせると、ギョレイはむくりと起き上がり、セイゲツから本を奪い返し、とあるページを示した。

ギョシン
「閃いたっぺよ!
コレ、コレ、コレに決めたっぺな!
奇祭「ウィッカーマン」……檻のような巨大人形の中に、家畜やヒトを閉じ込めて、生きたまま焼き殺す、生贄の儀式っぺな!
ナマズオが直面した滅びの運命を回避するには、コレしか……コレしかないっぺよ!」

……どうやらギョシンは体だけでなく、心にまで火が灯ってしまったようだ。
いかにも危なそうで嫌な予感しかしない儀式だが、逆らわない方が良さそうだ。
必要なのは、巨大ナマズオ人形を作るための木材や布。
今回も木工か裁縫スキルが必要となる。

 

見上げるような巨大ナマズオ人形が完成した。
肝心の生贄について、セイゲツが推薦されたり、製作者が入るべきだとギョシンが推されたり、製作者だというなら[PC]もだと危うく[PC]が生贄にされるところであったが、予めギョレイが裁縫スキルで身代わり人形を作っていたので事なきを得た。
身代わり人形を入れた巨大ナマズオ人形は火をつけられ、赤々と燃えだした。

 
 
 

7年後、借金まみれになったナマズオたちは、悪の商人の奴隷に堕ち、 休みなく働かされた上、死滅する運命であった。
(悪徳商人を神輿に乗せて運ぶが、力尽きて倒れていく死屍累々のナマズオたちのイメージ映像)

 

しかし、7年間にわたり、巨大ナマズオ人形が焚かれ続けた結果、
世にも珍しい奇祭として有名になり、莫大な観光収入を獲得。
一族総奴隷化が回避されることになる。

 

滅びの運命は変わり始めた。
かくして7年後に起こるべき悲劇は、人知れず回避されたのだ!
これからも祭が続く限り、ナマズオ族の未来は明るいだろう!

 
光風院セイゲツ
「フッ……いったいぜんたい、この奇祭にどんな意味があるのか、わからない……。
だが、それが文明ってものだ……そうだろう?」

祝えよナマズ

大鯰大祭は好評を博し、多くの人が訪れるようになっていた。
祭りが盛り上がったことで、「ご祝儀」を貰ったギョシンは、自分たちもこれまで世話になった人たちに感謝の印を示すべきだと考えていた。
こうして、これまで世話になった人たちに、お礼をして回ることになった。
阿求と小鈴、神奈子と諏訪子、映姫と汚い忍者……皆に甘い柿を渡し、お礼をしていく。
せっかくだからと、みんなで燃え上がる巨大ナマズオ人形を見に行こうということになった。

ギョシン
「見て欲しいっぺよ。
あの、茹で上がる巨大ナマズオ人形の勇姿……神々しいっぺな?」
ギョレイ
「なんだか、見てるとほんわかするっぺよ」
光風院セイゲツ
「まったくだ。
巨大建造物こそ、文明の華といえよう」
八坂神奈子
「それで、結局、大ナマズの件はどうなったんだ?」
ギョシン
「ナマズオ人形を燃やしてから、夢を見なくなったっぺよ。
満足してくれたのかもしれないっぺな」
汚い忍者
「なんだかなぁ……。
お前らが今までやってきた祭り、何か意味あったのか?
本当にこれで一族は滅亡から救われるのかよ?」

[PC]には正直、意味があるかどうかは分からなかった。

ギョシン
「ぺぺぺ……そうだと思ってたっぺよ。
でも、それでも良いとオイラは思うっぺよ。
ネ実市で祭りをやろうと決めたからこそ、兄さん/姉さんにも会えたし、楽しく物作りできたっぺな。
意味はあるか、無駄じゃないか、得はあるか……そんな言葉はたくさんっぺよ。
作りたいものを作り、集めたいものを集める……その熱い気持ちこそが職人魂だと、オイラは思うっぺよ!」

ギョシンの言葉に、一同は不思議と心が温まる思いだった。

光風院セイゲツ
「よくぞ言った、ギョシン君!
かの『大鯰大祭記』にも、こう書かれているぞ。
「心のまま楽しむ先にこそ、自由と平和あり」とな!」
稗田阿求
「セイゲツさん、それも本からの引用ですか?
私、その本の題名は記憶にないんですけど……」
光風院セイゲツ
「何を言うのかね。
『大鯰大祭記』は俺が書く、初めての書物の題名なのだぞ!
俺も、俺で、書きたいものを書き尽くしてやるのだ!」
本居小鈴
「あははは、いいですねぇ。
完成したら、鈴奈庵で仕入れさせてもらいますよ!」
四季映姫
「誰しも、自分なりの信念というものを抱いているものです。
ナマズオたちにも、良き未来があると良いですね」
 
ギョシン
「そうそう、うっかり渡しそびれるところだったっぺな!
オイラの作った鈴を受け取ってほしいっぺよ。
学園のみんなにお礼の品を配って歩いたけど、いちばん渡したかったのは、誰であろう兄さん/姉さんっぺな。
オイラたちの祭りに、力を貸してくれて……」
 
三匹のナマズオ
ありがとっぺな!

報酬/称号

首装備「ナマズオの鈴」
称号「ナマズオの盟友」