アメリカ RankVII 駆逐戦車 M50 Ontos
概要
米国面ガンタンク6連装自走無反動砲。
車両情報(v1.71)
車両性能
項目 | 数値 |
---|---|
砲塔旋回速度(°/s) | 18.0 |
俯角/仰角(°) | -10/20 |
リロード速度(秒) | 13.0 |
スタビライザー / 維持速度(km/h) | 無し / - |
車体装甲厚 (前/側/後)(mm) | 13 / 13 / 13 |
砲塔装甲厚 (前/側/後)(mm) | 0 / 0 / 0 |
重量(t) | 8.6 |
エンジン出力(hp) | 277 |
3,400rpm | |
最高速度(km/h) | 52 |
実測前進~後退速度(km/h) | *** ~ -*** |
視界(%) | 72 |
乗員数(人) | 2 |
武装
名称 | 搭載数 | 搭載弾薬数 | |
---|---|---|---|
主砲 | 106 mm Recoilless Rifle M40A1C | 6 | 18 |
機銃 | 12.7 mm M8C machine gun | 4 | 480 |
機銃 | 7.62 mm M1919A4 machine gun | 4 | 1000 |
弾薬*1
名称 | 砲弾名 | 弾種 | 弾頭 重量 (kg) | 爆薬量 (g) | 初速 (m/s) | 貫徹力(mm) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | ||||||
106 mm Recoilless Rifle M40A1C | M344A1 | HEAT | 10.0 | 1.65 | 502 | 433 | |||||
M361A1 | HESH | 10.0 | 5.04 | 498 | 152 |
搭乗員
搭乗員名 | 説明 |
---|---|
車長 | 砲手が気絶した際に砲手の役割を代行する |
小隊ツリー
解説
特徴
6発の無反動砲をリロード時間無しに連続して発射でき、待ち伏せや市街戦では相当な威力を発揮する。
無反動砲は独特の弾道で山なりに落下していくので通常の戦車砲に比べて照準の難易度は高い。
【火力】
6連装の主砲は中心から離れた砲から左右順番に発射していく左側3門を撃ってから右側3門を発射していくので、車体の端っこから弾が出るような感覚となり他の車両とは照準する感覚が異なる。
注意点として建物などの遮蔽物の陰から撃つと建物に当ってしまう事もある。
搭載弾薬はHESH(粘着榴弾)とHEAT(対戦車榴弾)の2種類が用意されている。
貫通できる相手であれば、HESHの方が傾斜装甲に有効で威力も高い。
弾薬数は18発と十分あるように感じるが、リロードは6発毎にしかできず、
残弾1~2発の時などにリロードの為に弾を捨てる事もよくあるので実際に使える弾薬はあまり多くない。
待ち伏せ3回分と思って割り切って撃ち切るのが本車両の性格に合っている。
機銃は12.7mmのスポットライフルが4挺と、7.62mm機銃が中央部に1挺装備されている。
スポットライフルは初速を抑えて無反動砲の弾道に合わせてあり、主砲発射前に試射し弾着を確認する事で距離測定や砲照準に活用できる。射程は1kmほどで5発でリロードが入る。
7.62mm機銃は連射ができ射撃範囲が広く扱いやすいので位置通報や軽車両相手にはこちらを使用するといいだろう。
機銃は全部で5挺ある事になり、超低空でこちらに向かってくる敵機を引き付けて撃てば意外にヒットしやすくキルアシストや撃墜する事が可能である。
【防御】
オープントップではなく、全周13mm程度の最低限の装甲はあるが
重機関銃を防げるほどの装甲ではないので対空戦車と遭遇した場合は苦戦するだろう。
また、本来は装甲としてカウントされるはずの車体側面の予備履帯なども反映されていない。
本車両の弱点として、乗員が2人と非常に少ないので救急キットがない場合、被弾して乗員が1人でも気絶すると即撃破されてしまう。その為、全く被弾しない戦闘をする必要がある。
【機動性】
馬力はあまりない為に最高速度は伸びないが軽量なのもあって機動力は良好。
後退速度はさほどでもないが陣地転換も大型自走砲よりは容易。
機動力を活かして拠点占領などにも活躍できるだろう。
史実
M50オントス*2はアメリカ海兵隊が使用していた対戦車用途の自走無反動砲である。
開発背景としては1951年にアメリカ陸軍が歩兵部隊を支援するためにコストの安く、軽量で機動力の高い装軌式の戦闘車輌を共通のシャシーを用いて開発するという計画をデトロイト戦車工廠とアリス・チャーマーズ製作所との会合で打ち出したことが発端となる。
共通のシャシーとあるので当然派生型がある。T-165以外にも輸送車輌型のT55*3とT56*4、自走無反動砲として106mm無反動砲4門と7.62mm機銃を搭載するT164、そしてオントスの元となった106mm無反動砲を4門搭載するT165、106mm無反動砲を1門搭載するT166、106mm無反動砲を10門搭載するT167がある。
1951年10月にはアメリカ陸軍とともに開発がスタートしたが、このうち兵員輸送車型は試作の結果全て不採用となった。その後、T166とT167が計画中止、残ったT164とT165が運用試験を続けるうち、汎用性が高いとしてT165を改良するよう命じ、その結果53年2月にはT165E1が24輌が発注された。このときに初めて海兵隊が興味を持ち、T165E1の試験に参入した。そして運用により浮き彫りとなった問題を解決するため、これら24輌のうち10輌がT165E2に改良された。
このT165E2が1955年に「M50 106mm多連装自走砲オントス」として制式化された。しかし、開発を主導したアメリカ陸軍は結局採用せず、代わりにアメリカ海兵隊が採用して発注した。
生産はアリス・チャーマーズ製作所で行われ、1955年8月から1957年11月まで生産が続き合計297輌が生産された。
武装はウォーターヴリート工廠製のM40A1C 106mm無反動砲を左右それぞれに3門ずつの合計6門搭載し、そのうち外側の4門にはレミントンM8C 12.7mmスポットライフルが装備されていた。また、M1919A4が一挺装備されている。
無反動砲の操作は手動で旋回昇降操作を行い、弾薬の再装填は装填手が車体後部にある大型ハッチから車外に出たり、弾薬を取り出したりして装填を行う。当然移動しながらの再装填はかなり難しい為機動戦には用いられなかった。弾薬はHEAT*5の他にHEP*6、フレシェット弾*7が使用された。エンジンは当初は145馬力のジェネラル・モータース モデル302 直列6気筒液冷ガソリンエンジンが搭載されていたが、1963年からは180馬力のクライスラー HT-361-318 V型8気筒液冷ガソリンエンジンに176輌ほどが交換され、このクライスラーエンジン搭載型はM50A1と区別された。
実戦では1965年のドミニカ内戦のアメリカ軍の介入時にM48戦車と共に初投入された。この戦闘で反乱軍のAMX-13軽戦車やL-60軽戦車を撃破した。
またベトナム戦争、特にテト攻勢の激戦と知られたケサンの戦いやフエ市街戦では豆タンクのような可愛い外見とは裏腹にフレシェット弾を使用したりして人海戦術を使ってくる北ベトナム軍やベトコンと戦う海兵隊員への火力支援へ威力を発揮した。
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/M50_Ontos
https://medium.com/war-is-boring/in-1965-u-s-and-dominican-tanks-fought-brief-violent-skirmishes-f206040e66b3
小ネタ
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