装甲

Last-modified: 2024-04-02 (火) 17:52:25

装甲

1916年に第一次世界大戦中にイギリスで初めて戦車が誕生してから今日に至るまで、戦車は様々な進化を遂げ、戦場の主力となって行った。 なぜ装甲が必要なのか、その理由は敵の攻撃に耐えるためであり、戦車の攻撃力が増すほど、戦車の防御力も増していく。そして人々はどうしたら防御力が増すのか、どうしたらより効率的に防御できるのか、そのようにして装甲は進化を遂げていった。


装甲厚を増加

同じ素材で装甲を作った場合、装甲厚がある方が強度が増す。しかし、ただ単に装甲厚を上げるだけでは、重量が増し、駆動系統への負荷も増していく。勿論、駆動系統への負荷がかかるということは、その分機動力が低下してしまうという事である。
限らた重量の中でどのようにして両立を図るか、その中で考え出されたのが、装甲の配分である。例えば、重装甲で知られるティーガーIは、砲塔正面120mm、車体正面100mmに対し、側背面は60~80mm、天板や底面は25mmととても薄くなっていた。この様に重要な部分にのみ装甲を配置することで、重量増加を抑えることができた。

装甲配置の工夫

装甲をどのように配置するかで、防御力は大きく変化する。同じ装甲厚で垂直に装甲を配置した場合と、傾斜させて装甲を配置した場合、どちらの方が防御力が増すだろうか…

ボルト留め/リベット留め

戦車はイギリスで「陸上軍艦」という名で作られたため、当時の軍艦と同じ方法で作られていく事になる。
まず戦車の形をしたフレームを組み、そこに大きな装甲板をボルトやリベットで留め付る。こうする事によって位置決めを簡単し、組み立て後の全体の強度を上げる役割も持っていた。当時はまだ装甲板が薄かった為、フレームなしで留め付けを行う必要がある場合は、接合部を重ね合わせ、更に強度が必要なら装甲板で作った細長いベルトの両端を留め付けで補強するなどの方法も行われた。
しかし戦争が激化するにつれ元の装甲が厚くなっていいったためフレームは不要となり、装甲板同士を直接リベットて留め付ける「モノコック構造」が主流となっていった。*1
モノコック構造はフレームをなくすことで、時間短縮と重量削減という利点があり、第二次世界大戦時に作られた戦車のほとんどがこのモノコック構造で作られた。
しかし、この構造にも欠点があり、ボルトやリベットをいちいち留め付けていたため手間と時間かかること。砲弾が命中した際、その衝撃でボルトやリベットが弾け飛ぶということである。戦車砲の衝撃を受け弾け飛んだボルトやリベットが密閉された狭い車内で飛び回ることで、乗員や設備を攻撃していった。そのため、ボルトやリベットで作られた戦車には徹甲弾より、大きな衝撃を与える榴弾の方が効果的であった。

溶接工法

被弾時の危険性や生産性に難のあったボルト・リベット留めの欠点を解決すべく登場したのが「溶接工法」と呼べるもの。
溶接工法は装甲板同士を溶接させるため、ボルトやリベットが弾け飛ぶ心配もない、画期的な方法だった。しかし溶接工法はまだ登場して間もないため、技術的に未熟であり、装甲板の材質や厚みなどの問題で必要な強度を得られず、被弾時に溶接した部分が剥がれてしまうという事があった。こればっかりは技術の進歩を待つしかない
幸いにも溶接技術は急速に進歩し、第二次世界大戦中期のM4シャーマン、パンター、T-34等の有名戦車を筆頭にほとんどが溶接工法で作られていた。

傾斜装甲

もしあなたがティーガーⅠに乗っていて、目の前にT-34-85が現れた場合、正面装甲をT-34-85に垂直に向けていたら、正面の垂直装甲を抜かれて弾薬庫が誘爆するか乗員全滅でリスポーン案件だろう。
しかし角度をつけることによって、100mmの装甲厚+傾斜角度の分の装甲厚を得ることが出来る。
長方形を垂直に置くより、斜めに置いたほうがまっすぐ進む距離が増えるのと同じで、これを「見かけ上の厚み」とも言う。
この傾斜装甲を始めに取り入れたのはソ連のT-34が始まりで、T-34の正面装甲の装甲厚は45mmだったが、そこに60°の角度を付けることでその装甲厚は90mmと同等になっていた。更に傾斜装甲に砲弾が斜めに命中したとき、硬いもの同士なので滑って跳弾してしまう、これを「避弾径始」とも呼ぶ。薄い装甲で高い防御力を得ることが出来たため、これ以降の戦車の多くは傾斜装甲を取り入れている。
しかし1961年に問題が発生した、それはAPFSDS/装弾筒付徹甲弾の登場である。この砲弾はソ連によって「侵徹原理」という新しい概念の元開発され、角度80°というほぼ水平に近い角度でも跳弾せず貫徹できるという恐ろしいものであった。この砲弾の登場によって避弾経始はもはや意味をなさなくなってしまい、装甲は方針転換を余儀なくされることとなった。

空間装甲/中空装甲

Spaced Armor:スペースドアーマーとも言われるこの装甲は、装甲板と装甲板の間に空間を開ける事で科学エネルギー弾に対して、乗員を守る装甲を守る為に装備されていた。HEやHEAT、HESHは着弾すると破裂し、メタルジェットや衝撃で内側装甲を破壊するなどしてダメージを与えるが、着弾地点から少しでも隙間があると威力が大幅に下がるという性質を利用して装備されている。また空間装甲は物理エネルギー弾に対しても効果があり、貫通した1枚目の装甲板が変形することで弾道がぶれて貫徹力を失い、2枚目の装甲板に防がれるなどの効果もある。
また第三世代MBTからは二重どころか三、四重に装甲板を重ねる「多重空間装甲」を装備している戦車も多くいる。

装甲板を工夫

一概に装甲板と言っても、装甲板にも様々な種類があり、表面だけが硬い装甲板もあれば、砲弾を弾く硬さも貫徹された時に破れない柔軟さを兼ね備えた装甲板などもある。

均質圧延装甲/均質圧延鋼装甲

第二次世界大戦中の戦車で広く使われたのがこの装甲板で、(Rolled Homogemeous Armor:RHA)とも呼ばれるこの装甲は、防御力を表す時の基準にもなっている。装甲板を作るにはニッケル、マンガン、クロム、モリブリン等を用量を守って配合する必要がある。もし守らなかった場合、装甲板が割れやすくなるなどの問題が発生し、ドイツの第二次世界大戦最強と言われるティーガーⅡの装甲板のモリブリンをバナジウムに置き換えところ、自慢の正面装甲が砲弾の衝撃で割れるやすくなったという話があった。
この装甲板は、主に先述の4つの材料を配合した物をローラーで伸ばして完成。鋼板はローラーで伸ばした方向への強度が向上するため、ある一定の上限まで硬度が増す為、数回に渡って縦横にクロスしてローラーを伸ばしていく。この装甲板は品質管理が用意で、低コストで大量生産が可能でかつ高い硬度を誇るという利点があったが、設計図通りに切り出してボルト・リベット留めや溶接工法で作るので時間がかかるのと、この装甲板で防御力高めるには、とにかく装甲厚を増やすしかないという問題もあった。いくら傾斜装甲で厚さ以上の防御力を持ったとしても、敵の攻撃力が防御力を超えてしまい、そこから更に防御力を高めたいのなら、やはり重量増加は避けられないのだろうか…

表面硬化装甲

この装甲板は、均質圧延装甲の欠点を補うべく考案された。
均質圧延装甲の表面を硬くすれば同じ装甲厚でも砲弾を弾きやすくなるのでは?という考えのもと行われ*2、その方法には「焼き入れ」と「浸炭処理」の2種類が存在している。
「焼き入れ」は一度出来上がった装甲板の表面をもう一度加熱して焼き入れをし、表面のみ高硬度の鋼鉄にするというもの。
「浸炭処理」は加熱した装甲板を高温の炭素ガスに長時間曝す事により表面から炭素を浸透させ、表面に炭素を含んだ硬い層を作るというもの。*3
これらの表面硬化処理は、切り出し前に行えば装甲を切断したときに表面が割れてしまう可能性があった為、設計図通りに装甲板を切り出した後に行われた。また表面のみ硬化するのか、その理由は柔軟性が関係しており、柔軟性を優先したら硬度が落ち、逆に硬度を優先すれば割れやすくなってしまうため、表面のみ硬化し、それから下の層は柔軟性のある割れにくい装甲を作ろうと考えたためである。しかし表面硬化装甲の加熱処理には多くの手間と時間と費用かかり、大量生産には不向きであった。ドイツの中戦車パンターの初期型(パンターA型)では「焼き入れ」が行われていたが、戦車不足による戦況の悪化によって廃止されていった。また技術が進歩するにつれ、表面硬化処理を施さなくとも硬度と柔軟性を両立した均質圧延装甲が登場した為、現在では行われなくなった。しかし、均質圧延装甲の硬度と柔軟性の両立はこれ以上不可能という考えがなされており、それでもAPFSDSやHEATFSを完全には防げない為、戦車には新しい装甲が必要だった。

鋳造装甲

この製造法は量産性を第1に考えられていて、作り方は至ってシンプルで、鋳型に溶かした装甲板を流して冷えるのを待つだけである。
これはバルバロッサ作戦によってドイツに突如奇襲されたソ連が、大量のT-34を製造するために考え出されたものであった。また後のIS-2やIS-3等の戦車もこの鋳造によってからの製造された。元々ソ連の鋳造技術は世界から見ても一歩進んでおり、そのお陰でソ連お得意の物量作戦が可能となった。またこの工法は鋳型に流し込むだけという製法上、複雑な形状を作るのが容易であった。世界一生産されたT-54/T-55は避弾経始を意識されており、お椀型砲塔はその形状上、多くの手間と時間がかかるが、鋳造なら製造が容易であった。しかし欠点も存在していて、装甲板を溶けやすくするために大量の炭素が含まれているため、先程の表面硬化装甲の「浸炭処理」と同様硬くなりすぎて割れやすくなり、均質圧延装甲の様に引き延ばす等の行程が行われないため、不純物が混ざりやすく、また「鋳巣」と言われる装甲内に空洞が発生する事があったため、装甲の硬度にはばらつきがあった。そのため鋳造装甲は均質圧延装甲より1割ほど防御力が劣るとされ、その分装甲厚を増す必要があった。

複合装甲

「傾斜装甲」「避弾経始」「均質圧延装甲」今まで戦車を作る上で行われていた物を一気に破壊するかの様に誕生したAPFSDSによって、戦車には新しい装甲が必要とされていた。余談だが、日本の10式戦車のAPFSDSは、WW2の戦車の古い装甲なら1メートルの厚さでも貫徹させられるという。*4この複合装甲の前身の様な存在は、実は第二次世界大戦初期には存在しており、それは「代用装甲」というものであった。均質圧延装甲の周りに異なる素材の装甲板を括り付け、HEやHEATから戦車を守る方法が行われていた。戦後もこの改良は行われ、装甲板の間にアスファルト、ガラス、シリコン等の様々素材を試し、1976年にパンジャンドラムで有名なイギリスのメイスン国防大臣*5が「装甲車輌開発研究所(KVRED)が画期的な装甲を開発した」と発表した。装甲板の間にチタンやセラミック、カーボンファイバー、充填剤*6などを挟み込んで作られたその装甲は「チョバム・アーマー」*7や「サンドイッチ装甲」とも言われた。それぞれの素材の配合は極秘情報だが、セラミックのユゴニオ弾性限界*8は均質圧延装甲の約10倍以上あり、APFSDSやHEATではこの圧力を超えることはできない。しかしセラミックはとても硬く、少しの衝撃で簡単に割れてしまう為、APFSDSより弾速の遅い従来の砲弾にはほとんど防御力を発揮しない。その対策として他の素材やそれを挟み込んでいる均質圧延装甲が存在している。従来の弾には均質圧延装甲や充填剤、新型砲弾にはセラミックとそれぞれの欠点を補うようにして誕生したこのチョバム・アーマーは、その後各国によって様々な進化を遂げ、その複数の素材を混ぜ込んだ構造から(Composite Armour:CA)複合装甲と呼ばれるようになった。

追加装甲

戦車の追加装備であり、これらの装甲は戦車の装甲を装甲板で覆うというシンプルな物でありながら戦車を防御する上で高い効果を発揮し、もし一度破壊されても交換が容易というのが特徴である。

代用装甲

複合装甲のところでちらっと登場したこの装甲は、戦車の装甲の周りに別の素材を括り付けるという物で、ブリキ箱や石*9を詰め込んだものや薄い装甲板に木の板やガラス、焼き物を挟み込んだ物が作られた。しかし現地ではそんな可愛い物ではなく、コンクリートの塊や土嚢、乗員の私物や弾薬庫、予備履帯や転輪などそこにあるものを全て代用装甲として利用していた。戦車を見ていると、なんでそこに置いてるの?みたいな物が載せてあるのがあると思うが、それらは全て戦車を守る為の装甲として機能していた。HEATも装甲に当たれば高い貫徹力を発揮するが、それも装甲に当たり前に起爆してしまえば効果なしに終わってしまう。自分の私物で命を守れるなら、余程大事にな物でない限り誰でも車外に置くだろう。

増加装甲

(Applique Armor:AA)アップリケ・アーマーとも言われるこの装甲は第二次世界大戦が始まるにつれ、脅威的な進化を遂げる対戦車兵器に装甲が太刀打ち出来なくなり、それでも戦車を守るために、車体や砲塔の側背面の薄い装甲板を守るために部分的に追加装甲板を溶接やボルト・リべット留めされた戦車が多く登場していく。Ⅲ号戦車 M型Ⅳ号戦車 H型KV-1EM4チャーチルⅦなど例を上げときりがない。ちなみにこのアップリケ・アーマーは連合国側の呼称である。中には現地改造の物もあったそうな。

シュルツェン/トーマ・シールド

第二次世界大戦中期からドイツ戦車や突撃砲なので多く見られたのがこの5mm厚の柔らかい鉄板でできた追加装甲「シュルツェン」*10であった。印象に残るのは砲塔や車体の側背面等に取り付けたⅣ号戦車 H型や突撃砲のⅢ号突撃砲 G型であろう。このシュルツェンはアップリケ・アーマーと違い本装甲からアームが伸びて取り付けてられいた。シュルツェンは本来対戦車ライフルから戦車を守るために取り付けられていた物で、先にシュルツェンで銃弾の軌道を変える事で装甲が貫徹される事を防ぐ役割があった。また意識した物ではないが実戦ではHEATにも効果を発揮した。そのため戦争が進むにつれ生産性の向上も兼ねてよりHEAT対策に特化した金網製の物が取り付けられた。実装されてはないが、IV号戦車 J型には「トーマ・シールド」という金網版シュルツェンが導入されていた。またパンターなどの中戦車なのでIS-2とほぼ同じ車重の重い戦車の側面にもシュルツェンが装備されており、これは川を渡る為に簡易的な足場として使用される。これは様々な用途に柔軟に対応可能な追加装甲だったからこそ成せたワザである。

スカート

現代MBT(主力戦車)などにも取り付けられているこれはシュルツェンにも似ているが、こちらは被弾に弱い足回りを守るためにつけられた薄く硬い装甲板で、殆どの戦車には設計段階から標準搭載されている。
スカートはその内側にある履帯や転輪のメンテナンスの邪魔にならないように、簡単に外せる分割式のパネル構造やパネルの付け根に蝶番*11が付いていて上に開くような物が主流である。
このスカートは主にソ連で利用されており、T-64BやT-72等には前方から斜めに飛んできたHEATに対してできるだけ車体から遠くで起爆させる為に、パネル化されたスカートを任意で一斉展開できる様になっていた。またドイツのレオパルト2などで採用されていた現代版トーマ・シールドのスラットアーマーは、HEAT対策としてHEATの信管が作動する程度の強度で作られた金網状の追加装甲である*12。またスラットアーマーは別名「バードケージ・アーマー」とも呼ばれており、理由はスラットアーマーを装備した車輌がまるで鳥かごの様に見えることからそう呼ばれてる。
わざわざ重い装甲を取り付けるより、軽くて隙間から外も見渡せるスラットアーマーは操縦席の外部視察口を沢山備えている兵員輸送車()や歩兵戦闘車(IFV)にも最適であった。しかしこのスラットアーマーはただの金網状の追加装甲なので、APFSDS等にいしては全くと言っていいほど効果は無く、また斜めから飛んできたHEAT等に対して金網の隙間は狭くなる為、HEATの起爆回避率は5~6割程度だそうな。また外側に装甲をつけているため当然車幅も大きくなり、いくら隙間があるとは言え角度や場合によっては視界が制限される等の欠点も抱えていた。

爆発反応装甲

ZTZ59D1Strv 104等で見られる四角い箱の様がずらりと敷き詰められて居るのを見たことはないだろうか、これは(Explosive Reactive Armor:ERA)とも呼ばれ、これはドイツが1970年にHEAT対策で考案され、特許を取得したのをイスラエルが許可を取って初めて実用化された。
ERAの構造は、装甲板にボルトなどで固定された金属製の箱に爆薬が詰まっていて、そこにHEATが着弾することで圧力と熱によって起爆し、金属箱が吹き飛び、そうして吹き飛んだ金属箱がHEATのメタルジェットを乱して無力化する。しかしメタルジェットを乱す為には金属箱が斜めに飛ばなければならず、正面に飛ぶだけでは金属箱に穴が空くだけである。その為傾斜装甲と相性がとても良く、また金属箱に乗って砲弾の軌道を逸らすと言う効果がある為APFSDSに対してもある程度の防御力を発揮した。しかし今までの流れでも分かる通り、欠点もある。それは爆発反応装甲の衝撃が装甲内部に伝わったて装甲や機器にダメージを与えるといるということ*13。また爆発するため、近くにいる味方歩兵を傷つける可能性もあった。そこで歩兵が持つ銃火器程度では起爆しないように、爆発反応装甲には感度の低い爆薬が使われていた。しかし爆発反応装甲はその構造上、HEATを2つ取り付けたタンデム弾頭やAPFSDSへの効果は期待できない為、ロシアの主力戦車では「コンタークト5」や「レリークト」等の爆発反応装甲を2層を持った戦車がおり、1層目の爆発反応装甲は感度の低いHEAT対策で、2層目の爆発反応装甲は感度の高いAPFSDS対策にする事で、この弱点を克服している。 

モジュラー装甲

追加装甲は後付けなのに対してモジュラー装甲は設計段階から専用の追加装甲となっている。出来立ての時は車体本体の装甲があり、その上にモジュラー装甲が標準搭載されている。またこのモジュラー装甲は海上や航空輸送時の重量制限に引っかかる場合は取り外し、輸送先で取り付けて防御力を強化したり、様々な種類のモジュラー装甲を1種類の戦車で行えるため、様々な状況に適応可能になる。またモジュラー装甲はただの専用装備の追加装甲なため、破損したとしても交換するだけであっという間に修復が可能となる。
またモジュラー装甲は完全に旧式化した戦車に取り付けるだけで新型新型戦車と戦える…つまりチハに10式の装甲を取り付ける事によってアメリカのM1 エイブラムスとも対等に戦える事が可能となる。流石にこれは無理だが…
このモジュラー装甲を装備している戦車はフランスのルクレールや日本の10式、ドイツのレオパルト2A4以降の戦車等がある。

その他の工夫

ツィンメリット・コーティング

あなたがティーガーII(H)の上で踊っている時、車体や砲塔に溝の様な物を見たことはないだろうか、これは1943年8月以降のドイツ戦車に施された装甲表面の溝の様な物で、ドイツ国防軍は対戦車兵器として吸着地雷*14を使用しており、ドイツの偉い人「連合軍も似たの作って来るだろうし、それに対策しないと」と考え、その対策として吸着地雷が磁石でくっつくため、磁石でくっつかない様にするため、酢酸バリウムなどの非磁性体顔料粉末を接着剤や軽量化の為のおがくずを混ぜ、それを装甲表面に塗りまくる。最初は良かったが、接着剤で硬化したコーティングは被弾時に割れてしまう事が分かったため、それ以降はフォーク等で細かく溝を切って割れる範囲を最小限に抑えた。ゲーム内でこれが施されている戦車はⅢ号突撃砲 G型号戦ティーガー H1型ティーガー E型V号戦車D型IV号戦車/70(V)IV号戦車/70 (A)?ティーガーII(P)ティーガーII(H)ヤークトティーガーフェルディナントなどである。
準備は完了し、連合軍の吸着地雷を無効化しようとするドイツ軍であったが、連合軍が吸着地雷を実戦投入する事はなく、そのままノルマンディー上陸作戦からのベルリン陥落でドイツは降伏した。
途中連合軍が吸着地雷を実戦投入に気づいたドイツ軍は、なんにも役にも立たなかったず、手間と重量を悪化させたゴミ装甲を1944年9月に廃止した。

スポール・ライナー

日本語で「飛散防止ライナー」とも言われており、この装甲はイギリスのHESH等の*15対策に、防弾チョッキ等でも使われているアラミド繊維や繊維強化プラスチック等で出来たライナー*16を戦車内部に張り付け、装甲板が飛散する事を防ぐ事を目的に作られた。

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*1 装甲板同士をフレームなしで直接固定する構造や固定方法が溶接でもモノコック構造と言う
*2 大体あってる
*3 旧日本軍には浸透処理をしたニセコ鋼板がある
*4 APFSDSの詳細は弾薬ページにて確認しよう!
*5 別にこの人がパンジャンドラムを作った訳じゃないよ
*6 耐熱性のセラミックなどが使われ、主にHEATに対して有効
*7 名前の由来は、この装甲を作った研究所がイギリスのサリー州チョーバムにあったから
*8 個体は一定以上の圧力を加えるとまるで液体の様に振る舞う性質を利用した物
*9 この石には戦車を守るという意思を感じる
*10 ドイツ語でエプロンや前掛けという意味
*11 ちょうずかい
*12 ちなみに金網状の理由は、金網の隙間にHEATが挟まって起爆しなかったらもっといいよねという理由で金網になっている
*13 この原理を利用して作られたのがイギリスのHESH
*14 メタルジェットを利用して戦車の表面に直接くっつけて遅延信管で起爆する
*15 硬い物の表面に爆薬を密着させ、反対側の壁を吹き飛ばす「ホプキンソン効果」を利用した砲弾
*16 内張り