八雲 藍

Last-modified: 2023-09-10 (日) 14:58:29

「判っていると思うけど、公転周期と同じく、自転周期も27日と3分の1日なのですが…
貴方(藍)にはその理由を調べて貰いましょう」
調べてと言ったが実際は自分で考えて欲しいと思っている。
ただ調べるだけなら式神(コンピュータ)でも出来る。
外の世界では式神に帰依して抜け殻のような人間も多くなってしまった。
私は式神に式神以上の仕事を与える事で毎日の退屈な生活を、ちょっとでも改善しようとしているのだ。
「はぁ、まあ良いですけどね。それより吸血鬼のロケットの話ですけれど…」(小説五話)

(藍が月の公転云々の答えを持ってきたら)
言うまでもなく、私が欲しいのはそんなつまらないものではなかった。
「そう、有難うね。やっぱり式神の欠点はそこよね
「はい?」
「調べるとすぐに答えは出てしまう」
「そうですね。紫様が私に何か別の物を調べさせたかったとは思ったのですが、
私はあいにく式神なので命令された事以外の行動は出来ないのです
あーあ、つまらないわ。貴方にはがっかりさせられるし。吸血鬼には月に行かれるし」
「……あと、満月まで一週間ほどですね。結局協力してくれる者は居ませんでしたねぇ」
「あら、私が嫌われているみたいな言い方ね。でも、協力者は沢山居るじゃない。
ざっと数えても七、八……九人は」
「そんなに居ますか? うーん…私の知らないところで何があったのでしょうか」
「貴方は天文学的な計算が出来るのに、一桁の足し算は出来ないのね」(小説五話)

藍は怒っている振りを見せた。
何だかんだ言って、私の命令通りにしか動くことは出来ないのだから、
私を絶対的に信用するしかない。(小説五話)